上質紙ってどんな紙?“書ける・読める”特徴と70kg・90kgの違いを印刷会社がやさしく解説

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🟨第1節|上質紙の定義とグレード──“白くてきれいな紙”の正体とは?

▶ 上質紙とは?──「非塗工」で「高品質」な白い紙のこと

上質紙とは、簡単にいうと表面にコーティング(塗り)がされていない、白くてなめらかな紙のことです。

専門的には「非塗工紙(ひとこうし)」という分類に入り、その中でも特に品質の高いものが「上質紙」と呼ばれています。

紙の表面にインキや光沢材などを塗っていないため、自然な白さと落ち着いた風合いがあり、触ったときのさらっとした質感も魅力です。派手さはありませんが、だからこそ文字が読みやすく、書きやすい。学校の教材やコピー用紙、契約書など、身近な場面でよく使われている紙です。


▶ 原料は「化学パルプ100%」──白さとなめらかさの理由

上質紙が“白くてきれい”な理由は、化学パルプだけを使って作られているからです。

化学パルプとは、木材から紙のもとになる繊維だけを取り出し、漂白処理をして純度を高めたもの。これを100%使って作ることで、紙全体が白く、ムラのないなめらかな仕上がりになります。

さらに、表面に余計な塗料を加えず、紙そのものの質で勝負しているのが上質紙。インキのノリも良く、手書きにも強い。まさに“素のままでもちゃんと使える紙”なんです。


▶ 「上質70kg」「上質90kg」──これは厚さの目安

印刷の現場では、「上質70kg」「上質90kg」などといった呼び方をよく耳にします。これは紙の厚みを示す表記で、**四六判(788×1091mm)の紙を1,000枚そろえたときの重さ(kg)**を指しています。

数字が大きいほど、紙は厚くてしっかりしており、印刷コストにも影響します。

たとえば、

  • 上質70kg:コピー用紙や学習プリントなど、日常使いにぴったりの標準厚。

  • 上質90kg:パンフレットやチラシなど、少しだけ厚みと高級感を出したい場面で選ばれる厚さです。

この「kg表記」は業界独自の習慣ではありますが、紙を選ぶときには非常に重要な指標。仕上がりの印象やコストに直結するため、目的に合った厚みを見極めることが大切です。


▶ 上質紙=こういう紙です

ここまでの内容を一言でまとめると、**上質紙とは「化学パルプ100%で作られた、コーティングされていない白くてなめらかな紙」**です。

白色度が高くて見やすく、書き心地も良い。発色の強さやツヤ感はありませんが、落ち着いた仕上がりと筆記性の高さが求められる場面では、いちばん頼れる存在です。

そのため、学校の教材や試験問題、社内資料、帳票、契約書など、書き込みが前提の印刷物で圧倒的な信頼を集めています。

次の節では、この「書きやすさ」に注目して、上質紙が実務の現場でどのように活躍しているのかを見ていきましょう。


🟨第2節|筆記性と読みやすさが強み──“書ける紙”として選ばれる理由

▶ ボールペンや鉛筆で、すっと書ける

光沢のある紙にボールペンで何かを書こうとして、インクがうまくのらなかった…そんな経験はありませんか?

上質紙は、その逆。表面にコーティングがない「非塗工紙」なので、インクや鉛筆の筆記にとても相性がいいんです。余分な膜がないぶん、インクが適度にしみ込み、にじみにくく、乾きも早い。まさに「書くこと」を前提に作られた紙といえます。

だからこそ、日常の中で「書き込みが必要な印刷物」には、自然と上質紙が選ばれているんです。


▶ 教科書・プリント・試験問題で定番の理由

実は、上質紙は学校で一番よく使われている紙でもあります。

小中高の教科書、学習プリント、模試や入試の問題用紙など──よく見ると、どれも上質紙でできていることが多いんです。理由はとてもシンプルで、鉛筆でしっかり書けるから。

学生がシャープペンで書き込みをしたり、消しゴムで消したりすることを前提にすれば、上質紙のような「にじまない・すべらない紙」が最適なのです。

また、塗工紙に比べて滑りすぎないので、筆記時のコントロールもしやすく、細かい文字や記号もきちんと書けるという点も、選ばれる理由のひとつです。


▶ 目にやさしく、長時間読んでも疲れにくい

上質紙は、光沢がなくマットな質感なので、文字が見やすく、目が疲れにくいというメリットもあります。

たとえば、光沢のあるチラシや雑誌のページでは、照明や窓の光が反射して、文字が読みにくくなることがありますよね。でも、上質紙は光をやわらかく拡散してくれるため、どんな環境でも視認性が安定しているんです。

この特性は、長文の資料や教科書、高齢者向けの印刷物で特に重視されています。読みやすさに配慮したいとき、上質紙はとても頼りになる存在です。


▶ 書き込む・読むに強い、それが“上質紙”

上質紙が「書くこと」「読むこと」に強い理由は、けっして偶然ではありません。
紙そのものがシンプルでまじめに作られているからこそ、にじまない・すべらない・疲れないという実用性をしっかり持っているのです。

ふだん何気なく手にしているプリントや資料。その“書きやすさ”や“見やすさ”の裏には、上質紙という選択が支えている場面がたくさんあります。

次の節では、そんな万能に思える上質紙にも実はある「弱点」について、きちんと見ておきましょう。


🟨第3節|弱みと注意点──“万能ではない”上質紙の落とし穴

▶ 両面印刷で、インキが透けてしまうことも

たとえば、両面印刷のチラシを作ったときに、裏側の文字がうっすら透けて読みにくくなっていた…そんな経験はありませんか?

これは、上質紙特有の“インキのしみ込みやすさ”によるものです。
上質紙は表面にコーティングがないため、インキが紙の繊維にぐんと吸い込まれやすく、濃い色やベタ塗りのデザインでは、裏側まで透けてしまうことがあります。

とくに両面印刷では、片面のインキがもう一方に干渉しやすく、見た目のクオリティが下がってしまうことも。こうしたトラブルを防ぐには、インキの濃度を調整したり、少し厚めの紙(たとえば上質90kg以上)を選ぶといった工夫が必要です。

「両面で使うからこそ、厚さのバランスが大事になる」──これは印刷会社の現場でもよく話題になるポイントです。


▶ コピー機やレーザープリンタとの相性に注意

「プリンタで印刷したら、色が薄くて文字がかすれた」
「紙が反って、途中で詰まってしまった」
こうした現象が起きやすいのも、実は上質紙の特徴のひとつです。

オフィスのコピー機や家庭用のプリンタは、多くが「トナー定着方式」と呼ばれる方法で印刷しています。これは、紙の表面にトナー(粉状インク)を熱と圧力でくっつける仕組みですが──上質紙のように表面がほんのりざらついている紙は、トナーの定着がうまくいかないことがあるのです。

その結果、印字が薄くなったり、こすれたり、紙が熱で反って搬送エラーになるケースも。

もちろん、プリンタの種類や設定にもよりますが、「非塗工紙はレーザーと相性に注意」という点は、知っておくと安心です。


▶ 「上質紙=高級そう」は、ちょっとした誤解

「上質紙って名前からして高そう…」と思われがちですが、実はこれ、よくある誤解なんです。

上質紙は“上質”と名がついているものの、製造工程はシンプル。
表面に光沢材やコーティングを施す塗工紙(コート紙やマット紙)よりも、むしろコストは安定していて、用途によっては割安になることも多いんです。

たとえば、文字中心の資料や配布プリント、記入欄のあるチラシなど──発色よりも書きやすさやコスパを重視したいとき、上質紙はとても合理的な選択になります。

「なんとなく高そう」で敬遠していた人にこそ、ぜひ一度見直してほしい紙。それが上質紙です。


▶ 弱点を知れば、もっと使いやすくなる

上質紙はたしかに“書ける紙”“読みやすい紙”として優秀ですが、印刷の仕方や使い方によっては向き・不向きもあります。

インキの裏写り、プリンタとの相性、価格のイメージ──こうした点を正しく知っておけば、「どんな場面に向いているか」がぐっと明確になります。

次の節では、そんな上質紙を選ぶときに失敗しないための「厚みとコストの考え方」について解説します。


🟨第4節|コスト感と発注のコツ──“厚いほど高級”とは限らない

▶ 「上質70kg」「上質90kg」って何が違う?

上質紙を選ぶときに、「70kg」や「90kg」といった数字を見かけたことがあるかもしれません。これは紙の厚みを示していて、印刷業界では「連量(れんりょう)」と呼ばれる単位です。

具体的には、「四六判(よんろくばん)サイズ=788×1091mmの紙を1,000枚重ねたときの重さ(kg)」のこと。数字が大きいほど紙は厚く、しっかりとした感触になります。

たとえば──

  • 上質70kg:コピー用紙や冊子などによく使われる標準的な厚み。書きやすく、軽くて扱いやすい。

  • 上質90kg:チラシや説明資料など、やや厚みを出したいときに向いている“しっかり感”のある紙。

ただし、「厚い紙の方が高級」「重いほどよい紙」と思い込むのは要注意です。実は、それがムダなコストにつながることもあるんです。


▶ 厚すぎても、薄すぎても失敗することがある

たとえば、イベントで配るチラシに「ちょっと高級感を…」と考えて上質110kgを選んだら、厚すぎて折りにくくなったり、郵送代が余計にかかった…というケースは意外と多いです。

逆に、取扱説明書などでコストを抑えようとして上質55kgのような薄い紙を使うと、両面印刷で裏側にインキが透けてしまい、読みづらくなることも。

このように、「とりあえず厚め」「なんとなく安い方」といった感覚で選んでしまうと、かえって非効率な結果になりかねません。


▶ 紙選びに迷ったら、印刷会社に相談するのがいちばん早い

「何kgが正解か分からない」──そんなときは、無理に自分で調べなくても大丈夫です。
印刷会社には、紙の種類・厚み・コスト・仕上がりのバランスを熟知したプロがいます。

たとえば、

  • どんな用途か(配布物か資料か)

  • 両面か片面か

  • 手渡しか郵送か
    などを伝えるだけで、印刷物にぴったりの紙を提案してもらえます。

上質紙は、見た目にはあまり違いがないように見えて、「70kgと90kgの差」が手触りや仕上がりの印象に大きく影響することもあります。だからこそ、経験と知識を持った人に相談することが、結果的にコストパフォーマンスの良い選択につながるのです。


▶ まとめ|“書ける紙”をちゃんと活かすには、厚み選びがカギ

上質紙は、白くてなめらかな手触りと、筆記性・読みやすさに優れた“素直な紙”です。
学校教材や公的書類、試験問題など、「書くこと・読むこと」が求められる印刷物に広く使われているのも、その信頼性が理由です。

ただし、どんなに優れた紙でも、厚みの選び方ひとつで「使いやすさ」や「予算」は大きく変わります。

厚すぎて不便、薄すぎて裏写り──そんな失敗を避けるには、用途に合ったちょうどいい厚さ=“適正な坪量”を選ぶことが何より大切です。

そして、迷ったら無理に調べすぎず、「こういう場面で使いたいんだけど、何kgがちょうどいいかな?」と印刷会社にひと声かけてみてください。
上質紙は、正しく選べば、コストも仕上がりも、期待以上に応えてくれる紙です。


🟨まとめ|上質紙は“書く”にも“読む”にもやさしい紙

上質紙は、コーティングをしていないシンプルな紙ですが、その分、書きやすさと読みやすさにとても優れているのが特長です。

ボールペンや鉛筆でもすっと書けて、光を反射しないので文字も見やすい。だからこそ、教科書や試験問題、契約書など、「きちんと書きたい」「しっかり読ませたい」場面でよく使われています。

でも、どんな紙にも弱点はあります。上質紙はインキがしみ込みやすいため、濃い色や両面印刷では裏に透けやすくなることも。また、家庭用プリンタなどでは印字がうすくなることもあるので、使う場面によってはちょっとした工夫が必要です。

もうひとつ気をつけたいのが、紙の厚みの選び方です。「70kg」や「90kg」など、数字が大きくなるほど厚く・しっかりした紙になりますが、そのぶん重くなって印刷費も上がります。厚すぎて折りにくくなったり、逆に薄すぎて裏写りしたりすることもあるので、用途に合った厚みを選ぶことがとても大事です。

もし「どの厚みがいいか分からない」と迷ったら、印刷会社に相談するのがいちばん早くて確実です。「何に使いたいか」を伝えるだけで、最適な紙を提案してもらえます。

上質紙は、決して高価な紙ではありません。でも、正しく選べば、見た目・使い心地・コストのバランスがとれた“ちょうどいい紙”になります

この「素直な紙」を、うまく使いこなせるようになると、あなたの印刷物はもっと伝わりやすく、もっと使いやすくなるはずです。


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