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🟨1|まずは60 秒でわかる!3 種類の紙をざっくり比較
印刷現場で最もよく名前が挙がる用紙が、上質紙・コート紙・マット紙の3兄弟です。似たように見えますが、実は紙表面の加工方法がまったく異なり、それが〈発色〉〈筆記性〉〈質感〉に直結します。
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上質紙はコーティングを施さない“素の紙”。繊維のすき間にインキが染み込むため色は少し落ち着きますが、ペンやスタンプがにじみにくく書き込みに最適です。ノートや社内資料の用紙として長年定番であるのは、この筆記適性が理由です。
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コート紙は表面に光沢剤を塗工して平滑度を極限まで高めた紙。インキが乗ったまま乾くので**写真の彩度が際立ち、広告チラシやカタログで“パッと目を引く”**仕上がりになります。ただしツルツルゆえボールペンの油分を弾きやすく、メモ書きには不向きです。
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マット紙はコート紙の光沢をあえて抑えた“つや消し”タイプ。反射が少なく文字が読みやすいため、会社案内や美術書など落ち着いた高級感を演出したい冊子に選ばれます。写真も文字もバランス良く見せられる半面、全面ベタ刷りでは乾燥が遅い点に注意が必要です。
まとめると、**「書き込み重視なら上質紙」「色のインパクト重視ならコート紙」「上品さと可読性の両立ならマット紙」**が鉄則。次節では、プロが現場で感じる推しポイントと落とし穴を掘り下げていきます。
🟨 2|プロが語る各紙の “推しポイント” と “落とし穴”
🟧 上質紙|「書き味」と「素直な白さ」を求めるなら最有力
上質紙はコーティングを一切しないため、表面に繊維の微細な凹凸が残っています。この凹凸がインキやペンのインクを取り込み、にじみを抑えた筆記性を生み出します。コピー用紙や書籍の本文に広く採用されるのは、読みやすさとメモのしやすさが両立するからです。一方、インキが紙内部に浸透する分、写真やベタ面の発色はやや沈むので、カラフルなチラシには不向き。コストは3種の中で最も安価ですが、“色の鮮やかさ”を優先する案件では慎重に。
🟧 コート紙|“パッと目を引く”ビジュアル勝負の広告に
コート紙は光沢剤を厚く塗工し、表面を鏡のように平滑化した紙です。インキが表面で乾くためCMYK の彩度が最大化され、写真やイラストが鮮烈に映えるのが最大の長所。展示ポスターや販促チラシで「色で勝負」したいときの定番です。ただし、ツヤツヤの皮膜がボールペンのボールを滑らせるため、ペンでの書き込みは苦手。さらに強い照明下では反射で文字が読みにくくなる場面もあるので、掲示場所の光源チェックは必須です。
🟧 マット紙|“落ち着いた高級感”と“読ませるデザイン”のバランサー
マット紙はコート紙の塗工層にマット剤を加え、光の乱反射でギラつきを抑えた半光沢仕上げが特徴。反射を気にせず写真も文字も読みやすいので、会社案内や美術系パンフレットで重宝されます。上品な質感ゆえ高単価案件にも選ばれやすい一方、塗工層が厚くインキ乾燥がコート紙より遅いため、全面ベタや表裏4色刷りでは裏移りに注意が必要です。乾燥待ちを短縮するなら、インキ量を抑える or 速乾インキを選定すると安全です。
🟨 3|もう迷わない!用途別クイック診断フロー
「どの紙を選べばいいかわからない」──これは初めて印刷物を依頼する人だけでなく、プロのデザイナーでも迷う永遠のテーマです。紙の選定を間違えると、せっかくのデザインが「読みにくい」「安っぽく見える」「色が沈んでしまった」など、仕上がりに大きな影響を及ぼします。
そこでここでは、**目的別に適した用紙を簡単に導き出せる“診断フロー”**をご紹介します。
▶ あなたの印刷物に合う紙、たった3つの質問で導きます
Q1. 写真やビジュアルの再現性は最重要ですか?
▶ Yes → コート紙(写真の発色と鮮やかさを最優先)
▶ No → 次の質問へ
Q2. 印刷物に“書き込み”は必要ですか?
▶ Yes → 上質紙(ペン書き・スタンプ押印にも最適)
▶ No → 次の質問へ
Q3. 高級感と読みやすさ、どちらも妥協したくない?
▶ Yes → マット紙(落ち着いたトーンで文字も映える)
▶ No → コスト優先で再検討をおすすめします
▶ 現場の判断基準は、見た目だけじゃない
たとえば、コート紙は「色の再現性」において最も安定しています。これは国際規格である ISO 12647-2 においても、標準濃度(CMYK)管理がしやすいとされているためで、プロの印刷現場では“色ブレを嫌うならコート紙一択”という声も多いのです。
一方で、上質紙は JIS 規格(P0138)における吸水性・筆記性の高さが特徴。サインペンやシャチハタ印も滲まず定着しやすい点が評価されています。
マット紙はこの2つの中間的な存在で、写真も文字も両立させたい冊子や高級志向のカタログに適しています。平滑度が適度に抑えられているため、照明下でも反射しにくく、展示会などでも「読みやすい」「品がある」と好評を得やすいです。
▶ すべての印刷物に“正解の紙”はある
紙の選定に“絶対の正解”はありません。ですが、目的・手に取る場面・書き込むかどうか――この3つをおさえれば、最適な選択肢が見えてきます。
次章では、実際に印刷会社が紙を選定する際にどう判断しているのか、現場目線の“チェックポイント”をお見せします。
🟨 4|印刷会社が現場で実際に選定するときのチェックリスト
印刷のプロは、見た目や手触りだけで紙を選んでいるわけではありません。そこには、仕上がりの品質・納期・加工との相性・保存性など、多くの判断材料があります。ここでは、実際の印刷現場で「紙を選ぶときにチェックするポイント」を、3つの視点に絞ってご紹介します。
✅ ❶ 色ブレを防ぎたいなら、コート紙が最も安定
「前回と同じ色で印刷したい」という要望は、広告やパンフレットなどビジュアルが主役の印刷物ではとても多くあります。こうした“色の再現性”を重視する場面で、印刷会社がまず候補に挙げるのがコート紙です。
理由は明確で、インキが紙に染み込まず、表面に乗ったまま乾く構造だから。これにより、CMYKインキの色が設計通りに発色しやすく、「印刷するたびに色がズレる」リスクを最小限にできるのです。
実際、印刷の国際規格であるISO 12647-2でも、グロス塗工紙(いわゆるコート紙)を基準とした色の管理値が定められています。つまり、コート紙は「もっとも標準的に、安定した色で印刷できる紙」として、業界内で共通認識になっているということです。
✅ ❷ ペン書きやスタンプが必要なら、上質紙一択
会場配布のアンケート用紙、契約書、手書きメモ付きの資料──こうした用途では、書き込みがにじまず、裏抜けしない紙が欠かせません。現場ではこのような案件で、迷わず上質紙を選ぶのが通例です。
上質紙は表面にコーティングが施されていない「非塗工紙(アンコート紙)」であり、紙の繊維がインキや筆記インクをしっかり吸収してくれるため、油性ペン・水性ペン・シャチハタなどとの相性が良好です。
この吸水性の高さやインキの定着しやすさは、紙の評価項目のひとつである「吸水性試験(Cobb法)」でも重視されており、JIS P 0138ではその試験手順が定められています。
ただし、こうした吸収性の高さゆえに、写真やベタ面の印刷では色が沈みやすくなる傾向があります。カラフルな広告や画像重視のデザインにはやや不向きであり、文字中心の資料や書き込み前提の用途に最も適しています。
✅ ❸ “触った印象”で勝負したいなら、マット紙を選ぶ
手に取った瞬間に「お、いい感じ」と思わせたい──それがブランドパンフレットや会社案内のような印刷物なら、触感も含めたトータルの印象設計が大切です。そこで選ばれるのがマット紙です。
マット紙の表面は**グロスコート紙よりも摩擦係数が高く、指先に“ほどよい引っかかり”**を感じさせます。さらに光の反射が抑えられているため、屋内展示や照明下でも可読性が高く、「上質な仕上がり」と感じさせやすいのが魅力です。
ただし、裏面にベタ印刷が多いと乾燥に時間がかかるため、短納期案件では速乾インキや表紙のみマットにする工夫が必要です。
✅ 実際の選定フローでは“複数要素のバランス”で決まる
印刷現場では「とにかく見た目」「とにかく書きやすさ」といった単純な理由で決めることはありません。
むしろ、以下のようなトレードオフの最適化が求められます:
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写真の鮮やかさ vs 書き込みやすさ
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高級感の演出 vs 乾燥時間
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色の再現性 vs 紙のコスト
こうした“現場でしか見えないバランス感覚”に基づき、用紙選定は慎重に行われています。
🟨 5|まとめ|紙の特徴を知れば“伝わり方”が変わる
印刷物の印象は、デザインや文字情報だけで決まるものではありません。「どんな紙に印刷するか」――それ自体が、伝えたい内容の“質”を左右します。
たとえば同じデザインでも、紙が変わるだけで「手に取ったときの印象」や「読むときの目の疲れ方」が変わることも珍しくありません。これは、紙の質感・発色・反射の違いが、受け手の感覚に大きく影響するためです。
今回ご紹介した3種の紙には、それぞれに適した役割があります。
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上質紙は、コーティングのない自然な質感と高い筆記適性が特徴。社内資料・アンケート・申込書など“書き込みがある印刷物”にぴったりです。
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コート紙は、光沢のある表面によってインキの色が強く出るため、チラシやパンフレット、ポスターなど“色で印象を残したい印刷物”に最適です。
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マット紙は、ツヤを抑えながらも発色が安定し、読みやすさと高級感を両立できるため、会社案内・展示会資料・美術系冊子などに向いています。
これらはすべて、印刷会社が現場で「どんな印刷物を、どんな目的で、誰に届けたいのか」を考えながら判断している実務ベースの基準です。
つまり、紙選びは仕上がりの“質”を決める設計の一部だということ。
ただ安価な紙を選ぶ、あるいは無意識にいつもと同じ紙にするのではなく、目的・用途・届けたい印象にあわせて選ぶことが、印刷物の価値を高める第一歩です。
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