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🟩第1節|マット紙とはどんな紙?“ツヤを消す技術”と落ち着いた質感
▶ マット紙とは?――「光沢を抑えた塗工紙」
マット紙とは、紙の表面に塗料を塗って仕上げる**「塗工紙(とこうし)」**の一種です。
ただし、一般的なコート紙とは異なり、**あえて光沢を抑える“つや消し仕上げ”**が施されている点が特徴です。
指で触れると、しっとりとした滑らかさがあり、見た目にも落ち着いた印象を与えます。
照明の反射が少なく、“読みやすさ”と“上品さ”を両立できる用紙として、企業案内やパンフレットなど幅広い用途で使われています。
なお、「マット紙」という名称に明確なJIS規格はありません。
正式には「マットコート紙」「つや消し塗工紙」などと表記されることもあり、印刷業界で広く使われている実務上の通称です。
▶ なぜツヤがない?──「塗ってあるのに光らない」理由
マット紙は表面が落ち着いていてツヤがありませんが、実はこれも「塗工紙」の一種。つまり、コート紙と同様に、紙の表面には白い顔料(クレーやカオリンなど)を塗って仕上げられています。
では、なぜマット紙だけ光らないのでしょうか?
その秘密は、塗料の性質と仕上げ工程の工夫にあります。マット紙には、ツヤを出さないための専用塗料が使われ、さらに仕上げの「カレンダー処理」ではあえて圧力を抑えることで、表面をツルツルにしすぎないように調整されています。
この処理によって、インキはしっかり紙の上にとどまりながらも、**光をやわらかく拡散させる“しっとりした質感”が生まれます。
つまり、「塗ってあるのに光らない」**という矛盾のような特徴は、あえて設計された“ツヤ消しの技術”によるものなのです。
▶ コート紙との違いは「伝え方の設計」
マット紙とコート紙は、どちらも塗工紙という点では同じですが、仕上がりの印象や向いている用途は大きく異なります。
特徴 | コート紙 | マット紙 |
---|---|---|
見た目 | ツヤ感が強く、写真が鮮やか | ツヤを抑え、上品で落ち着いた印象 |
読みやすさ | 反射が強く、文字がやや見づらい | 反射が少なく、文字がくっきり見える |
向いている用途 | ビジュアル重視のチラシや販促物 | 読ませるパンフレットや会社案内 |
このように、**「何を伝えたいのか」「どう読んでほしいのか」**によって、コート紙とマット紙は明確に使い分けられています。
写真でインパクトを与えたいならコート紙、言葉や空気感を丁寧に届けたいならマット紙が適しています。
🔍まとめ|マット紙は“読みやすさと落ち着き”を支える紙
マット紙は、派手なツヤや鮮やかな発色ではなく、落ち着きのある上質さと読みやすさで勝負する紙です。
特に、文章や説明をしっかり読んでもらいたい印刷物では、その力を存分に発揮します。
デザインやブランドの“静かな品格”を伝える名脇役――
それがマット紙の本質です。
次の章では、このマット紙が実際にどんな現場で選ばれているのか、具体的な活用シーンとその理由を見ていきましょう。
🟩第2節|マット紙が選ばれる理由――読みやすさと上品さを両立する紙
▶ 読みやすさを支える“反射しない紙”
マット紙が印刷現場で高く評価されている最大の理由は、文字がとにかく読みやすいという点にあります。
光沢を抑えた表面は、照明や日光の下でもギラつかず、目に優しく文字がくっきりと浮かび上がります。とくに、細かな説明や長文をじっくり読ませたい場面では、その可読性の高さが真価を発揮します。
たとえば、展示会や企業説明会で配布する会社案内やパンフレット。読み手がストレスなく内容を理解できることで、**「伝わる印刷物」**としての信頼感が大きく高まります。
▶ 静かな上質感──“華やかさ”より“落ち着き”を求める印刷物に
マット紙は、指先にしっとりとなじむ手ざわりと、控えめなツヤが特徴の紙です。光沢を抑えていることで指紋もつきにくく、**「品のある清潔感」**を演出できます。
そのため、華やかさやビジュアルの派手さよりも、信頼感や落ち着きを伝えたい印刷物に適しています。
実際によく選ばれる用途には、以下のようなものがあります:
-
美術館の図録や作品解説書
-
高級ホテルやブライダル施設の案内ツール
-
化粧品や食品ブランドのしっとりとした世界観を伝えるカタログ
-
BtoB企業の重厚な会社案内・営業資料
これらに共通するのは、**「読み手の感情に、そっと寄り添うような紙を使いたい」**という設計思想です。
▶ 強いビジュアル訴求より、“読む体験”を重視する紙
マット紙は、光沢や発色の強さで目を引くタイプの紙ではありません。
そのため、写真やデザインでインパクトを与えるプロモーション印刷には不向きとされることもありますが、実はそこがマット紙の強みでもあります。
余計な光の反射がなく、しっとりと落ち着いた紙面は、内容にしっかり目を向けてもらいたいときに最適です。
たとえば、丁寧に読んでほしいパンフレット、重厚感のある企業資料、世界観を伝えるブランドブックなどでは、マット紙の静けさがむしろ力強く働きます。
華やかさではなく、**「読み手の理解や共感を深める」**ことに重きを置いた印刷物――そんな役割を果たすのが、マット紙という選択です。
🟩第3節|マット紙の特徴と扱い方──色が沈むってどういうこと?
▶ マット紙の色は少し「落ち着いた感じ」になる
マット紙はツヤがないので、色が少しだけ暗く、落ち着いて見えます。
たとえば、赤や青がパッと鮮やかに見えるのではなく、ちょっと柔らかくて上品な感じになります。
これを「色が沈む」と言ったりします。
でもこれは欠点ではなくて、落ち着いた雰囲気や高級感を出すための大事なポイントなんです。
だからマット紙は「上質で落ち着いた印象を与えたい」時にぴったりなんですよ。
▶ 写真や濃い色は「のっぺり」見えることもある
写真やべたっとした濃い色の部分は、マット紙だと少し平らで立体感が減ることがあります。
なので、写真がふんわりして見えたり、色がぼやけてしまう感じになることも。
▶ でも大丈夫!工夫で見た目を良くできる
そんな時は印刷のプロたちが工夫して対応しています。たとえば:
-
色の濃さや明るさを元データでちょっと強めにする
-
ベタ塗りの部分に細かい模様を入れて、平らに見えないようにする
-
印刷後に「マットニス」という仕上げをして、色に深みや立体感をプラスする
こういう工夫をすると、マット紙でもきれいに見せることができます。
▶ 仕上がりを確かめるために「試し刷り」が大事
色味や雰囲気が想像と違った…とならないように、印刷する前に「本紙校正(ほんしこうせい)」という試し刷りをするのがおすすめです。
実際のマット紙でプリントしてみると、画面で見る色と全然違うことに驚く人も多いです。
特に大事な資料やブランドのパンフレットなどは、この確認がとても役立ちます。
🟩まとめ|マット紙は“情報をしっかり伝える”ための静かな主役
マット紙は、光沢を抑えた落ち着いた質感と、読みやすさに優れた「伝えるための紙」です。
華やかさやツヤは控えめですが、そのぶん文字の可読性が高く、内容がしっかり伝わるという強みを持っています。
とくに、長文を読ませるパンフレットや報告書、信頼感を重視したい企業案内などでは、マット紙の静かな存在感が効果を発揮します。
一方で、色の再現性ではコート紙に及ばず、写真やビジュアルを使う印刷物では沈みがちになることも。
しかし、それを理解して印刷設計や色補正を行えば、「派手さではなく上質さで魅せる」印刷物が完成します。
▶ マット紙がおすすめな印刷物
-
長文や説明が多い冊子・パンフレット・報告書
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品のある落ち着きを求める会社案内・IR資料
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美術館・ホテル・ブライダルなど上質感を伝えたいツール全般
-
読みやすさ・信頼性を第一に考えるBtoB向け資料
「高級=ツヤ」という考え方にとらわれず、**「上質=マット」**という視点で紙を選ぶことが、今あらためて注目されています。
あなたの伝えたい“空気”や“言葉の重み”を、マット紙はきっと静かに支えてくれます。
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