🎥【ショート動画でさくっと解説】
「のぼり旗のルーツが戦国時代って知ってた?」👇
※45秒でのぼり旗の歴史がわかるショート動画です!ブログの概要をまとめています。
▶ Watch the English version here Nobori Flags of Japan: From Samurai Symbols to Modern Advertising
第1章|のぼり旗の起源:戦国時代の「旗指物」から始まった
のぼりのルーツは“戦の合図”だった
私たちが日常で見かける「のぼり旗」。ラーメン屋の前や地域イベント、キャンペーンの告知など、現代では販促の代名詞とも言える存在ですが、そのルーツは意外にも“戦国時代の戦場”にあります。
戦国時代(15〜16世紀)の合戦では、多くの兵が入り乱れる中で自軍と敵軍を判別する手段が必要でした。そこで用いられたのが、「旗指物(はたさしもの)」や「幟(のぼり)」と呼ばれる布製の旗です。これらは武士の背中に差したり、軍勢の陣地に立てられたりして、視覚的な識別マークとして大いに活躍しました。
旗には家紋や文字、シンボルが描かれており、遠くからでも誰の軍勢かが一目でわかるようになっていました。旗が多くはためいている軍勢は、それだけで「強大な軍に見える」効果もあり、心理戦にも利用されていたのです。
のぼりは“命の証”だった
中でも「旗差し物」は、武士が自身の背に掲げて戦うための小型の旗で、「自分は誰の家臣であるか」「どの部隊に属しているか」を示すためのものでした。敵味方の区別がつきにくい混戦の中では、旗はまさに命を守るための手段でもありました。
また、戦が終わった後も、戦場に立っていたのぼりの数や種類から「どの大名の軍が勝利したのか」が語られ、記録としても残されています。旗の中には、現在も資料館や神社に保存されているものがあり、その風格あるデザインは当時の戦場の空気を今に伝えてくれます。
旗の“視認性”と“風になびく効果”の原点
なぜ「旗」だったのか。それは、遠くからでも視認性が高く、風にたなびくことで動的な印象を与えるからです。静止している看板よりも、風になびく旗の方が目立ちやすく、人の目に入りやすいのです。この「視覚的な効果」は、現代ののぼり旗にもそのまま引き継がれています。
加えて、旗には集団の一体感や士気を高めるという効果もありました。のぼりが立つ場所には人が集まり、軍が団結する象徴となっていたのです。のぼりが倒れれば士気が下がるとされ、旗を守る「旗本」や「旗持ち」は極めて重要な役職でした。
現代にも残る“のぼり”の文化
現代の私たちが「のぼり」と聞いて思い浮かべる縦長の旗のスタイルは、戦国時代の幟(のぼり)に非常に近い形状をしています。縦長で上部に横棒(チチ)がつき、ポールに通して風にひらめく構造──これはまさに、合戦の時代に生まれた機能的なデザインの進化系と言えるでしょう。
たとえば「大漁旗」や「神社の祭礼で使われるのぼり」など、地域に根差した文化行事でも現在でものぼりは使われています。戦の道具としての役割を終えても、日本人にとって「のぼり」は集団の象徴であり、場の力を可視化する道具であり続けたのです。
第2章|江戸〜明治期:祭礼・商業と結びついたのぼり
戦が終わり、のぼりは“信仰と祭り”の象徴に変化した
戦国時代の終焉とともに、のぼり旗は戦場から姿を消していきます。江戸時代に入り、平和な時代が訪れると、人々の暮らしは徐々に「生活」「商い」「信仰」へと重心を移していきました。この中で、のぼり旗は軍事的な役割を終え、地域の祭礼や宗教行事における“装飾”や“象徴”としての役割を担い始めます。
特に神社仏閣の祭りでは、神輿(みこし)や山車(だし)に付き添うように立てられたのぼりが町内を練り歩き、人々の目を引きました。これらののぼりには「奉納」「○○講中一同」などと書かれ、神仏への敬意や寄進者の名前を記す役割を果たしていました。のぼりは単なる目印ではなく、信仰心や地域の絆を象徴する媒体へと変わっていったのです。
民俗文化との融合──鯉のぼりや幟祭りの登場
江戸中期以降、庶民の暮らしにも「のぼり文化」が深く根づいていきます。その代表的なものが「鯉のぼり」です。端午の節句に男児の成長を願って揚げられるこの風習は、武家の幟にルーツがあり、やがて町人階級にも広がっていきました。空に泳ぐ鯉は、“立身出世”の象徴として親しまれ、のぼりの視覚効果と縁起の良さが融合した文化といえます。
また、熊本県八代市の「八代妙見祭」や福島県の「会津まつり」など、幟を立てて神を迎える全国各地の伝統行事でも、のぼりは欠かせない存在です。色鮮やかで巨大なのぼりが町を飾る様子は、視覚的な迫力だけでなく、地域の歴史や信仰を今に伝える役割を担っています。
商売繁盛の願いを込めて──商人たちの「のぼり活用」
江戸後期になると、のぼりは商業の世界にも進出していきます。特に祭りや市が立つ日に合わせて、商人たちが自店の目印として店先にのぼりを立てるようになります。のぼりには「大売出し」「特価市」「新商品入荷」などの言葉が記され、まさに現代の“セールのぼり”の原型となりました。
当時の町は、現在のような看板がまだ発達していない時代。建物が似たような構造をしていたため、遠くからでも一目で見つけられる目印として、のぼりは非常に効果的だったのです。のぼりの色彩や筆文字の迫力が、買い物客の足を引き寄せました。
また、当時の浮世絵にも、繁華街の風景としてのぼり旗が描かれています。たとえば、歌川広重の「名所江戸百景」などでは、川沿いや芝居小屋の前に立てられたのぼりが確認でき、**視覚的に人々を引きつける“賑わいの象徴”**として描かれています。
明治以降、印刷技術とともに進化したのぼり
明治時代に入ると、のぼりはさらに進化していきます。和紙や布に手描きしていたのぼりが、染色技術や型紙を使った大量生産により、より手軽で実用的なものへと変わっていきました。これにより、のぼりは「限られた資本を持つ商人」や「新興企業」でも手に入れやすくなり、全国的に普及していきます。
また、この時代には「企業広告」「講談・落語の公演告知」など、のぼりが伝達手段としての役割をさらに強めていったのも特徴的です。現代のイベント告知や販促キャンペーンで使われるのぼりの原型が、この頃にはすでに出来上がっていたと言えるでしょう。
“のぼり=日本文化の一部”としての確立
こうして、江戸から明治にかけてののぼり旗は、戦の道具から人々の暮らしを彩る文化アイテムへと変貌を遂げていきました。それは単なる旗ではなく、「人の心を動かす媒体」として、宗教・商業・エンタメなど多様な場で活用されてきたのです。
現在ののぼり旗が“販促ツール”として認識されている背景には、こうした日本独自の歴史と文化がしっかりと根づいていることを、改めて感じさせてくれます。
第3章|戦後の高度経済成長と販促ツールとしての発展
焼け野原からの再出発──戦後日本におけるのぼりの再登場
第二次世界大戦後、日本は文字どおりの焼け野原から復興を始めました。物資は乏しく、広告や宣伝にかけられる予算など限られていた時代。そんな中でも、商売を再開しようとする人々が選んだのは、「目立ち、安く、手作りできる」ツール──のぼり旗でした。
粗末な布に手書きの文字。例えば「焼きそばあります」「開店」「セール中」など、わずかな言葉でも人目を引き、何かやっていることを伝えるのぼりは、戦後日本における庶民の力強い再出発の象徴でもあったのです。のぼりには“宣伝”という機能だけでなく、「私たちはここにいる」という存在証明の意味も込められていました。
高度経済成長とともに広がる“店舗の顔”
1950〜70年代、日本は驚異的な経済成長を遂げていきます。家電、自動車、住宅、食品…消費が爆発的に伸び、都市部を中心に店舗の数も急増していきました。これに伴って、商店街やロードサイドの店舗で“のぼり旗”は看板の延長としての役割を担うようになります。
「テレビ安売り中」「特売日」「おいしいパンあります」──道行く人々に向けて、即座に商品情報を伝えるキャッチコピー型ののぼりが大量に登場したのもこの頃。特に高度経済成長期は「情報の奪い合い」が激しかったため、目立つ・動く・手軽な宣伝物として、のぼりの需要は急拡大しました。
また、戦前までは絹や綿が主流だったのぼり素材も、この時代には化学繊維の発展とともに進化します。代表的なのが「テトロンポンジ」というポリエステル系の布地。これは軽くて風になびきやすく、印刷インクの発色も良く、耐候性も高いことから、現在でものぼりのスタンダード素材として用いられています。
印刷技術の進歩がもたらした“表現の自由”
この時代、のぼり旗の世界に革新をもたらしたのが、シルクスクリーン印刷の普及です。シルクスクリーン印刷は、版を作れば何枚でも同じデザインを量産できるため、コストパフォーマンスが高く、店舗や企業の販促活動に非常に向いていました。
1枚1枚手描きだったのぼりが、同じデザインで何十枚・何百枚も生産可能になったことは、のぼりの量的・質的な拡大に直結します。しかも、ロゴ・イラスト・文字を組み合わせたデザイン性の高いのぼりも作れるようになり、企業イメージを表現する手段としても活用され始めたのです。
のぼり旗はこの時期、「ただの商品案内」から「ブランド認知を高める視覚ツール」へと進化を遂げたと言っても過言ではありません。
大衆文化との共鳴──地域イベント・スポーツ・政治活動へ
1970年代以降、のぼり旗は商業活動だけでなく、地域文化や市民活動と深く結びついていきます。
たとえば、商店街のスタンプラリーや、地元の夏祭り、運動会、選挙活動、プロ野球の応援席…。のぼりは「ここに何かがある」「誰かを応援している」「団体が活動している」といったメッセージを即座に可視化できるため、集団行動やイベントの象徴アイテムとして欠かせない存在となっていきました。
特に選挙では、候補者名を記したのぼりを掲げることで、無言の支援表明として使われるようになります。法規制の中で制限されながらも、のぼりは「合法かつ視認性の高いツール」として重宝されてきました。
また、1980年代には企業のキャンペーン告知の定番アイテムとして定着。アイス、ジュース、カメラ、ゲーム──のぼりはあらゆる商品とともに日本の街を彩り、企業と消費者の橋渡し役を果たしてきたのです。
現代へつながる“販促アイテム”としての完成形へ
このように、高度経済成長期〜バブル期にかけて、のぼり旗は「販促ツール」としての地位を完全に確立しました。素材は軽く丈夫に、印刷技術はより高精細に、デザインは自由度が高くなり、何より小ロット・低コストで注文できるという点が、今なお多くの業種に支持される理由となっています。
そして、のぼりはただの布製広告ではなく、「地域の風景の一部」「応援の気持ちの象徴」「誰かの挑戦の旗印」──そんな“人の想いが込められたツール”として進化を遂げてきたのです。
第4章|現代ののぼり旗:印刷技術とデザインの多様化
印刷の進化がのぼりを変えた
21世紀に入り、のぼり旗の世界は大きく様変わりしました。その中心にあるのが、印刷技術の飛躍的な進化です。従来主流だったシルクスクリーン印刷に加え、インクジェットプリンタによるフルカラー印刷が急速に普及。これにより、これまで難しかった写真・グラデーション・細かな文字表現が、のぼり旗でも可能となりました。
たとえば、飲食店ののぼりに「料理の写真」や「湯気」「肉のテカリ」までリアルに印刷できるようになったことで、より視覚的に訴える表現が可能になりました。印刷クオリティの向上は、のぼり旗を“簡易な広告”から“ビジュアルブランディングツール”へと押し上げたと言っても過言ではありません。
この背景には、デジタル印刷機の小型・高性能化や、耐候性に優れた顔料インクの登場もあります。雨や紫外線にさらされる屋外環境でも、長期間使用に耐える発色と耐久性が求められる中で、現代ののぼりはまさに技術の結晶となっています。
1枚から作れる“超小ロット対応”の時代へ
もうひとつ大きな変化は、「1枚からでも作れる」時代が到来したことです。これまでののぼり印刷は、版を作る工程が必要なため、どうしても10枚以上のロットが前提でした。しかしインクジェット印刷の台頭により、個人商店やイベント主催者でも気軽に1枚から作成可能となり、のぼり旗の裾野は一気に広がりました。
この変化は特に地方や小規模事業者にとって追い風となり、地元イベントやマルシェ、学園祭、サークル活動など、“ちょっとした告知”や“個性の表現”にもぴったりなアイテムとして、のぼりが活躍するようになります。
印刷会社としても、データ入稿対応、テンプレートの提供、オンライン注文などを整備することで、初心者でも簡単にオリジナルのぼりが作れる環境が整ってきました。
デザインの自由度とクリエイティブ性の高まり
デジタルツールの進化により、デザインの自由度も格段に向上しました。従来は「文字メイン」ののぼりが大半でしたが、現在では企業ロゴやキャラクター、QRコード、SNSアカウント情報など、伝えたい情報を自由に組み合わせて表現するのが当たり前になっています。
また、InstagramやTikTokなどのSNSで「のぼり」が被写体になることも多く、見た目のインパクトや写真映えを意識したデザインも増加しています。ポップアート風、和風モダン、ミニマルデザインなど、ジャンルも多彩。のぼりは今や、クリエイティブ表現の一部とも言える存在になりました。
環境への配慮も進化の一環
もう一つ見逃せないのが、環境対応の動きです。近年、SDGsの理念が広がる中で、のぼりにもエコ素材が求められるようになってきました。再生PET素材を使ったのぼりや、植物由来のポリエステル「グリーンテック」など、環境にやさしい印刷物としての選択肢も増えています。
また、インクにも環境配慮型が登場。水性顔料インクや低VOCインクを使用した印刷方式が注目され、リサイクル可能なのぼり旗としてPRされるケースも増加中です。特に企業や自治体など、環境意識の高い顧客にとっては重要な選定ポイントになっています。
“個性と機能”のハイブリッド
こうした技術・素材・デザインの進化により、現代ののぼり旗は、単なる広告を超えて「個性の表現」「ブランドの顔」「持続可能性へのメッセージ」といった、多機能なコミュニケーションツールへと進化しました。
もちろん、従来のような「目立たせる」「通行人の注意を引く」といった基本的な役割は今でも重要です。しかしそのうえで、“誰のために、どんなメッセージをどう届けるか”を考えた、戦略的な旗づくりが求められる時代となっているのです。
第5章|なぜ今ものぼりは使われ続けるのか?
デジタル時代に「アナログな旗」が選ばれる理由
スマホを開けば広告、SNSを見ればキャンペーン情報──現代はまさにデジタル広告の時代です。しかしその一方で、町を歩けば、商店の前やイベント会場の入り口にはのぼり旗が当たり前のように立ち並んでいます。なぜ今もなお、“のぼり旗”は使われ続けているのでしょうか? その答えは、「のぼりにしかできないこと」が、確かに存在するからです。
1秒で情報を伝える「視認性と即効性」
のぼり旗の最大の強みは、瞬時に人の視界を奪う“動き”と“色”にあります。風にひらめく布の動き、大きく目立つ文字、カラフルな色彩。これらは、スマホ画面に比べて物理的・直感的に視認しやすいため、歩行者や車の運転手にも一瞬で情報が届きます。
特に飲食店やロードサイド店舗では、のぼり旗は「メニュー紹介」「本日限定」「営業中」といったリアルタイム情報を、広告費ゼロで24時間発信できるツールとして重宝されています。のぼりは“立っているだけで仕事をしてくれる無言の営業マン”なのです。
「場所」を可視化できる唯一の販促物
Googleマップやナビアプリがどれだけ便利になっても、「実際にその場にお店がある」という**“存在感の可視化”は、のぼり旗に勝るものはありません。人間の記憶は「その場所で見たもの」と強く結びつくため、店先ののぼりは看板以上に印象を残す**ことも少なくありません。
たとえば初めて通る道で「お弁当」「美容室」「ラーメン」と書かれたのぼりがはためいていれば、思わず目に留まり、記憶に残る──それがのぼり旗の持つ「立地の可視化力」です。実店舗があるからこそ活きる、**“リアルにしかできない訴求”**が、のぼりの本質的な価値といえるでしょう。
コストとフットワークの軽さ
のぼり旗は、販促ツールの中でも最も低コストで導入できるアイテムの一つです。1枚あたり数千円で制作でき、組み立ても簡単、設置も撤去も1人で完結。キャンペーンの度に新調しても負担が少なく、フレキシブルな販促戦略が組めるのが強みです。
また、店頭だけでなく、屋内イベントや即売会、展示会でも活用可能。どんな場所でも“ここが入口”や“ここで販売中”と即座に伝えることができるため、特に短期イベントや移動販売に最適なアイテムでもあります。
さらに、最新の印刷技術により「1枚からでもフルカラー対応」「納期短縮」「データ入稿可」など、導入ハードルがどんどん下がっていることも、継続的な使用が続いている大きな理由の一つです。
感情に訴える「ローカルな温かさ」
のぼり旗には、デジタルにはない温かさや親近感も備わっています。手書き風の書体、地元の方言を使ったコピー、季節のイラスト入りのぼり…こうしたアナログな演出は、見る人に安心感や懐かしさを与えます。
特に地域密着型の商店や町のイベントでは、「お客さんと目線を合わせたい」という思いが込められたのぼりが多く、地域文化の一部として親しまれているのです。つまり、のぼり旗は“広告”でありながら、感情やストーリーを伝える存在にもなっているのです。
“誰でも使える”からこそのロングセラー
さらに見逃せないのは、「のぼり旗は誰でも使える」という点です。小規模店舗、NPO団体、学校行事、自治会、キッチンカー、サークル活動──資金や専門知識がなくても、誰でも簡単に導入でき、すぐに効果を実感できる。この“開かれた販促ツール”であることが、のぼり旗が何十年も選ばれ続けてきた最大の理由かもしれません。
コラム|世界の“旗文化”と日本の「のぼり」の違い
のぼり旗は日本の風景に溶け込んでいる存在ですが、「旗」というアイテム自体は世界中に存在します。国家を象徴する国旗、軍のシンボルとしての軍旗、宗教儀式やスポーツの応援旗など、旗はどの国でも“アイデンティティ”や“意思表示”の象徴として扱われてきました。
では、日本の「のぼり」は、他国の旗とどう違うのでしょうか?
その違いは、形・意味・使われ方にあります。
【形】──縦長・一枚布・風になびく「動き」のデザイン
世界的に見ると、旗の多くは横長であり、ポールの上部からロープで吊るすタイプが主流です。たとえばアメリカやフランスの国旗などが典型例で、風がないと垂れ下がってしまう構造になっています。
一方、日本ののぼり旗は、縦長の布の上部に横棒(チチ)を通し、垂直のポールに沿わせて固定するという独特なスタイル。これにより風がなくても常に面が見える構造になっており、「常に情報を見せる」ことに特化しています。
また、軽く薄い布を使い、わずかな風でもゆらゆらと動く仕様にすることで、視覚的な「動き」で人の目を引くデザインになっているのも、日本的な工夫のひとつです。
【意味】──武家→祭り→商売、変化し続ける日本ののぼり
海外の旗は、国家や軍、宗教など、変わらない“理念”や“所属”を示すものが多いです。たとえば、バチカン市国の旗はキリスト教の象徴であり、軍旗は永遠の忠誠や名誉を意味します。
しかし、日本ののぼり旗は、時代とともに意味を変化させてきた動的なツールです。
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戦国時代:戦の目印(旗指物)
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江戸時代:祭礼や信仰の奉納旗
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明治以降:商売や告知用の宣伝旗
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現代:販促・応援・メッセージ伝達
つまり、日本ののぼり旗は固定された理念を示すのではなく、状況に応じて“今伝えたいこと”を届けるメディアとして進化してきたのです。
【使われ方】──“その場”の空気をつくる即時性
海外の旗は、儀礼や国家的行事など特定の重要な場面で掲揚されることが多く、普段の街なかではあまり目にしません。
対して、日本ののぼりは、日常的に使われるツールです。コンビニの前、イベント会場、町内会のお知らせ──どんな場所でも、その場の空気や目的を可視化するアイテムとして、非常に柔軟に使われています。
その意味で、日本ののぼりは「生活の一部」であり、「空間演出の道具」でもあるのです。
このように、日本の「のぼり旗」は、世界の旗文化とはまったく異なる進化を遂げてきました。
日常の中で、動き、伝え、彩る。
それが、“のぼり”という日本独自の旗の文化なのです。
まとめ|のぼり旗は「日本の風景」として、今も生きている
戦国時代、戦場を彩った旗指物。
江戸時代には、信仰や祭りの象徴へ。
明治・大正・昭和と、商売や宣伝の味方として進化を続け、
現代では、フルカラー印刷やエコ素材に対応した**“最前線の販促ツール”**として、街角に立ち続けています。
のぼり旗はただの「旗」ではありません。
それは人の目を惹きつけ、心を動かし、場を彩り、メッセージを風に乗せて届ける――**アナログでありながら、圧倒的に“生きたメディア”**なのです。
今、どんなにネット広告やSNSが発達しても、
「この場所で、いま営業している」「このイベントが開催中だ」というリアルな存在感を伝える手段として、のぼりに勝るものはありません。
だからこそ、のぼりは“なくならない”のです。
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