インクの匂いが好きな人へ|香りの正体と“本屋のにおい”の秘密を新潟の印刷会社が解説

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第1章|インクのにおいが好きな人、実はけっこう多い!?

「なんか…インクのにおいって、落ち着くんだよね」
そう思ったこと、ありませんか?もしかしたら、あなたも“インクの匂いフェチ”かもしれません。

実は、「インクの匂いが好き」という感覚は、決して珍しいものではありません。
SNSで「#インクの匂いが好き」「#印刷所のにおい」と検索してみると、共感の嵐。
とくに、文房具・印刷物・本などアナログ文化に親しみのある人の間で、密かに人気を集めているのです。

では、なぜ人は“インクのにおい”に惹かれるのでしょうか?
それには、心理的・嗅覚的にきちんとした理由があります。

▶併せて読みたい記事 インクとは何か?種類・仕組み・作り方・色の原理・環境課題・未来技術まで完全網羅|印刷会社が徹底解説【図解・保存版】


SNSで広がる“匂いフェチ”文化

TwitterやInstagramでは、「本屋の匂いが好き」「新刊の香り最高」といった投稿が日常的に見られます。
とくに20代〜30代の女性を中心に、“香りに癒される”感性を持つ層が増えており、においをきっかけに“物”や“空間”を好きになる人も珍しくありません。

たとえば、ある投稿ではこんな声が。

「文房具屋さんの匂い、落ち着きすぎて何時間でもいられる」
「本を買ったら、まずは表紙を開いて“香りチェック”するのが習慣」
「印刷所の見学に行ったら、空気が好きすぎて泣きそうになった」

共感できたあなた、もう立派な“インク匂い好き”の一員です。


なぜ「落ち着く」「好き」と感じるのか?

インクのにおいが私たちに与える影響は、嗅覚と記憶の深い関係にあります。
においは脳の“感情”や“記憶”をつかさどる大脳辺縁系に直接届く感覚です。
そのため、「懐かしい」「安心する」「気持ちが落ち着く」といった感情と強く結びつくのです。

特に、幼少期に印刷されたプリントの匂いや、本屋で感じた紙とインクの匂いが、記憶に残っている人は多いはず。
その感覚が、大人になっても“心地よさ”として残っているのです。


インクのにおい=癒し? それとも中毒?

ちょっと不思議な話ですが、「インクの匂いが好きすぎて、癖になっている」という人もいます。
これは単なる嗜好だけでなく、嗅覚を通じた“癒し”の一種と考えることもできます。

たとえばアロマセラピーでも、ラベンダーやヒノキなど“記憶と感情”を結ぶ香りが使われますよね。
それと同じように、インクや印刷の匂いにもリラックス効果があると感じる人がいるのです。

ただし、“好き”と“過度な依存”の境界は人によって異なります。
次章では、そんなインクの匂いの正体=成分や物質について、もう少し科学的に深掘りしていきます。


【ここまでのまとめ】

  • インクや本屋の匂いが好きな人は実はかなり多い

  • SNSでは「#インクの匂いが好き」などの共感投稿が日常化

  • においは脳の記憶と感情に直接作用する“感覚”

  • インクのにおいは、落ち着き・安心・懐かしさをもたらす

  • 一部の人にとっては“癒し”であり、“中毒性”を感じることも


第2章|あの香りの正体は?インクの成分を徹底解説

「インクのにおいが好き」という感覚。では、その香りの正体は何なのでしょうか?
印刷現場にいる私たちが感じているのは、実は“色”ではなく“化学”の世界の香りなのです。

ここでは、印刷インクのにおいのもとになっている成分や仕組みを、やさしく・でもちょっとマニアックに解説します。


インクは“色”だけじゃない。においの主役は溶剤だった

インクといえば「色をつけるもの」というイメージが強いですが、実際は以下のような複数の成分からできています。

  • 色材(顔料・染料):色そのもの

  • 溶剤(油やアルコールなど):液体状態を保ち、乾燥させる

  • 樹脂:紙や素材にしっかり定着させる接着成分

  • 添加剤:粘度や乾燥速度を調整するもの

この中で、においの主役となるのが「溶剤」です。
特に溶剤系インク(油性インクなど)では、印刷時に揮発する有機溶剤が空気中に放たれ、それが私たちの鼻をくすぐるのです。


よく使われる“匂いのもと”有機溶剤とは?

インクのにおいの正体としてよく挙げられるのが、以下のような**揮発性有機化合物(VOC)**です。

  • トルエン

  • キシレン

  • イソプロパノール(IPA)

  • エチルアセテート

  • メチルエチルケトン(MEK) など

これらは印刷時に素早く乾くために不可欠な成分であり、あの独特な“インク臭”の元凶でもあり魅力でもあるわけです。
特にオフセット印刷や新聞印刷などでは、印刷機がフル稼働すると“インクの匂い”が工場全体に広がります。

ちなみに、「シンナーっぽい」「ペンキみたい」と言われるのもこの溶剤系の香りです。


“においが少ない”インクもある?

一方で、環境への配慮から匂いを抑えたインクも登場しています。たとえば…

  • UV硬化インク:紫外線で瞬時に固まり、揮発しないため匂いが少ない

  • 大豆油インク:植物由来で、石油系溶剤を大幅にカット。においがやさしい

  • 水性インク:水を溶剤に使い、VOCを極力減らしたタイプ

これらのインクは、子ども向け印刷物や環境対応が求められるパッケージなどに多く使われています。
においフェチにはちょっと物足りないかもしれませんが、現代の印刷では**「香りも設計される時代」**になってきているのです。


【ここまでのまとめ】

  • インクのにおいは、色材ではなく“溶剤”や“樹脂”の香り

  • 特に油性インクは、トルエンやキシレンなどの有機溶剤が主なにおいの元

  • “あの匂い”は印刷工場の空気を構成する重要な要素

  • 最近は匂いを抑えたUVインク・大豆インク・水性インクも増加中

  • 印刷物のにおいも、目的や用途で選べる時代に


第3章|印刷所のにおいは、なぜあんなにクセになるのか

印刷会社に足を踏み入れた瞬間、ふわっと広がるあの香り。
紙とインク、そしてほんのりと機械の金属臭──それらが混ざり合ってできた“印刷所の匂い”は、五感に深く残る体験です。

「うわ、懐かしい」「落ち着く」「ずっとここにいたい」
そんな風に感じたことがあるなら、あなたの嗅覚はもう立派な“印刷フェチ”の仲間入りです。

では、この印刷所特有の香りは、いったい何が元になっているのでしょうか?


紙×インク×機械油──香りのトリプルレイヤー

印刷所の香りの正体は、ひとつではありません。いくつもの要素が重なり合って生まれる**“空間の香り”**です。

  • インクの溶剤臭:第2章で解説した有機溶剤のにおい

  • 紙のにおい:紙粉(しふん)や、紙の原料に含まれるリグニンなどが香る

  • 機械油の香り:印刷機を滑らかに動かすための潤滑油の金属っぽい匂い

  • 湿気や熱:稼働中の印刷機から発せられる熱と湿気がにおいを拡散

これらが絶妙なバランスで混ざり合い、「印刷工場の香り=嗅覚のレイヤーアート」が完成します。


活版印刷のにおいは特別?鉄と油のノスタルジー

特に活版印刷の現場では、さらに独特な香りが漂います。
金属製の活字やレトロな手動機械、手作業でのインク盛り付け……。

  • 鉄のにおい

  • 手作業で塗られたインクの濃密な香り

  • 人の手の温度と紙の湿り気が混じった空気感

これらが融合することで、「あの頃の学校新聞室」「祖父の工房」のような、記憶と結びついた懐かしさがよみがえってくるのです。

印刷体験イベントなどでも、「においだけでもうテンション上がる」という人が続出しています。


“同人誌即売会の香り”という言葉がある

ちょっとディープな話ですが、「同人誌即売会の匂い」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、紙・インク・大量の新刊が持ち込まれる会場特有の空気感を表すもので、イベント常連の間ではある種の“文化”となっています。

  • 新刊をビニールから開けた瞬間の「パリッ」とした紙の香り

  • 大量の印刷物が密集して生まれる“蒸気のような香気”

  • ファンによっては「あの匂いのために参加している」と語る人も

このように、「匂いで記憶に残る空間」こそが、印刷所や同人イベントの魅力でもあるのです。


【ここまでのまとめ】

  • 印刷所の匂いは「紙・インク・機械油」が織りなす空間の香り

  • 活版印刷では金属や手作業の“人のぬくもり”がにおいに宿る

  • 即売会・展示会では“印刷された空気”が空間を支配する

  • 香りは空間の記憶を作り、体験そのものに価値を与える


第4章|本屋の匂いの正体は、紙とインクと“時間の香り”

「本屋に入ると、なんかホッとする。」
それは、無数の言葉に囲まれている安心感だけではなく、**あの独特の“匂い”**にも理由があるのかもしれません。

特に文房具や印刷好きな人にとって、「本屋の匂いが好き」という感覚はとても自然なもの。
実際、本の匂いを再現したアロマや香水が商品化されているほど、多くの人がその香りに魅了されています。

では、この「本屋の匂い」の正体とは、いったい何なのでしょうか?


新刊書店と古本屋、それぞれ違う“本の匂い”

まず、本屋の匂いは「新刊書店」と「古本屋」でまったく違います。
これは、それぞれに含まれる化学成分や紙の状態、空気の流れが異なるためです。

● 新刊書店の匂い

  • インクの揮発臭:印刷したての紙に残る溶剤の残香

  • コート紙・表紙の樹脂系ニスの香り

  • 製本接着剤(のり)や紙粉のほのかな匂い

● 古本屋の匂い

  • リグニン(木材成分)の酸化臭:古い紙が黄ばむときに出る成分

  • ほこりやカビ由来の微生物臭

  • 空調・棚・木材から移った経年の香り

つまり、新刊は“インクの残り香”、古本は“時間の積み重ねた香り”なのです。


科学で解明された「本のにおいの成分」

香りの正体が気になる人のために、科学的なデータも紹介しましょう。

イギリスの大学研究チームによる調査では、古本の香りに含まれる代表的な成分は以下のとおり:

  • バニリン(甘いバニラのような香り)

  • ベンゼアルデヒド(アーモンドに似た香り)

  • エチルヘキサノール(花っぽい香り)

  • 2-エチルヘキサノール(墨っぽい香り)

  • アセトアルデヒド(揮発性・少しツンとする匂い)

これらが紙の酸化やインク成分の分解により、**本屋の“あの香り”**を生み出しているのです。


いま人気!“本屋の香り”を商品化したアロマ・香水

この“匂い愛”が高じて、最近では香りそのものが商品になっています。

  • 「図書館の香り」アロマキャンドル

  • 「新刊本の香り」フレグランススプレー

  • 「古書の匂い」パフューム(海外で人気)

さらに、印刷会社が監修した「印刷インクの匂い再現アロマ」なんて商品も登場しています。
香りが“感情”や“記憶”を喚起するツールとして注目されている証拠です。


【ここまでのまとめ】

  • 本屋の匂いは、新刊書店と古本屋でまったく違う

  • 新刊=インク・のり・紙の匂い、古本=紙の酸化・リグニン・湿気臭

  • 科学的に分析された“本の香り成分”には甘さや懐かしさが含まれる

  • 香り自体がアロマ・香水として“商品化”されるほど人気


📝コラム|本屋に行くとトイレに行きたくなる?それ、“青木まりこ現象”かも!

「本屋に入ると、なぜか急にトイレに行きたくなる…」
実はこれ、あなた一人じゃありません。多くの人が経験している不思議な現象で、しかも名前までついているんです。

その名も──青木まりこ現象


本当にある現象!由来は雑誌の投書から

1985年、雑誌『本の雑誌』に寄せられた「本屋に行くと必ず便意をもよおす」という一通の投稿。
これを書いたのが、青木まりこさんという一般女性でした。
投稿が掲載されるや否や、読者から「わかる!」「自分もそう!」と共感の嵐。
こうして、青木さんの名前がそのまま現象名になったのです。


原因は?よく言われる3つの説

今でもはっきりした科学的根拠はないものの、以下のような説が有力とされています。

1. 自律神経がリラックスモードに切り替わる説

  • 本屋の静かで整った空間に入ることで副交感神経が優位になり、腸が動き出す。

2. インクや紙のにおい説

  • 本屋特有のインクや紙の香りが嗅覚から脳を刺激し、便意を引き起こす。

3. 条件反射説

  • 一度“本屋で便意”を経験したことで脳がその状態を記憶し、再訪時に自動反応が起きる。


海外でも共通の現象?実は…

英語圏でも明確な医学用語こそないものの、
bookstore bathroom urge(本屋でトイレに行きたくなる衝動)”や
bookstore syndrome”と呼ばれることも。
つまり、この謎の現象は世界共通かもしれません。


本屋の香りと身体の不思議な関係──それは、嗅覚と記憶、感情と身体が密接につながっていることを物語っているのかもしれませんね。


第5章|なぜ香りに惹かれるのか?“プルースト効果”とインクの匂い

「本屋の匂いを嗅ぐと、小学生のころ読んでいた図鑑を思い出す」
「印刷所のにおいで、卒業文集の制作風景がよみがえる」
そんな経験、あなたにもありませんか?

これは偶然ではなく、香りが“記憶と感情”に直結するメカニズム=プルースト効果によるものです。
ここでは、「なぜ私たちは“インクの匂い”や“本屋の香り”に惹かれるのか?」を、脳科学・心理学の視点から解説します。


プルースト効果とは?香りが記憶をよみがえらせる現象

プルースト効果”とは、ある香りをきっかけに過去の記憶や感情が一気によみがえる現象のこと。
この名前は、フランスの作家マルセル・プルーストが小説『失われた時を求めて』の中で描いた、マドレーヌの香りから幼少期の記憶がよみがえるシーンに由来しています。

香りは五感の中で唯一、脳の“感情や記憶”をつかさどる「扁桃体」「海馬」に直接届く刺激
視覚や聴覚よりも強く、瞬時に心を動かすことができるのです。


インクの匂い×記憶=「心のタイムカプセル」

インクの香りを嗅いで、何か懐かしい気持ちになるのは、
「匂いの記憶」が、幼い頃の学校や家庭、本との出会いの瞬間と結びついているからです。

  • 学校のプリントを配られた瞬間の紙とインクの匂い

  • 夏休みに書いた自由研究のにおい付きノート

  • 図書室で開いた百科事典の分厚いページの香り

これらの記憶が、香りとともに“心に封印”されていて、
大人になって再びその匂いに触れたとき、タイムカプセルのようにパカッと開くのです。


香りが“今”の気持ちまで左右する

プルースト効果は単なる懐かしさだけでなく、現在の心の状態にも影響を与えます。
特に以下のような感情に作用しやすいとされています:

  • リラックス効果:「安心して深呼吸したくなる」

  • 集中力向上:「懐かしさで気分が整う」

  • 感性の刺激:「創作意欲が湧く」「手を動かしたくなる」

印刷や本の香りに癒されるのは、単に好きだからではなく、脳がポジティブに反応している証拠なのです。

だからこそ、インクの匂いや本屋の香りは、「なんとなく落ち着く」「意味はわからないけど好き」という言葉にならない感情と深く結びついているのです。


【ここまでのまとめ】

  • プルースト効果とは、“香りが記憶と感情を呼び起こす”心理現象

  • インクや本の香りは、学校や読書体験など“個人的な記憶”と強く結びつく

  • 香りは五感の中でも“感情に直結する”力が圧倒的に強い

  • 嗅覚刺激によってリラックス・集中・創作意欲まで高まることも

  • インクの匂いは、心を動かす“無言のメッセージ”なのかもしれない


第6章|インクや本屋の匂いが“商品”になる時代に

「ずっとこのインクの匂いを嗅いでいたい」
「本屋に入ると、香りだけで落ち着く」
そんな気持ちに共感する人が、いま静かに増えています。

本や印刷物の“におい”は、もはや読書や制作活動の副産物ではありません。
むしろ、その香り自体が体験の主役になる時代が、すぐそこまで来ているのです。


本の香りを楽しむ“アロマキャンドル”や香水の世界

まず実際に商品化されているものとして代表的なのが、“古書”や“図書館”をテーマにしたアロマや香水です。

実在する商品例:

  • 「Whispers in the Library」by Maison Margiela
     → 古い図書館をテーマにした香水。バニラ、ペッパー、木材調の香りで静かな読書空間を表現。

  • 「Old Book」by Wild Drops Parfums
     → ユニセックス香水で、リグニンやバニリンを思わせる“古書の香り”を再現。読書好きに人気。

  • BOOK型アロマキャンドルや“図書館の香り”ブレンド(国内外で複数ブランドが展開)
     → 木製の本棚・紙・インクなどをイメージした香り設計。

これらは、**実在する“においフェチ向けアイテム”**として一定の市場を持ち、
SNSや香水レビューサイトでも「落ち着く」「懐かしい」と高評価を得ています。


一方で、“印刷の匂い”はまだ想像の世界

一方で、「新刊の匂い」や「印刷所の香り」をテーマにした香水やハンドクリームは、現在のところ明確な実在商品は見つかっていません

たとえば…

  • 「新刊の香り」ルームスプレー
     → 印刷直後のインクや加工紙の香りをイメージした仮想のアイテム。SNSでは話題になりそうな“もしもあったら欲しい”世界観です。

  • 「印刷所の匂い」フレグランスオイル
     → トナー・紙・機械油が混ざった“印刷所特有の空気”を再現するという妄想アイデア。

  • 「Printer’s Hands」ハンドクリーム
     → 実在はしませんが、「印刷フェチ向けの香りコスメ」として創作的に語られることがあります。

このような創作コンセプトは、香りが“職業や文化”を表す記号になっている現代ならではのトレンドです。


“嗅ぎに行く”文化イベントも登場

最近では、香りそのものを体験しにいくイベントも静かに人気を集めています。

  • 活版印刷体験ワークショップ
     → インクを練る音とともに広がる香り。手作業のリアルが“五感で味わえる”。

  • 古書フェア
     → 紙と時間が染み込んだ“本屋の香り”を楽しみに訪れる人も。

  • 製本・印刷工場見学
     → 「印刷所の香りに包まれたい」と訪れる“においフェチ”な参加者も増加傾向。

これらは、嗅覚を通じて**印刷という文化に感情的に近づく“新しい入り口”**になっているのです。


【ここまでのまとめ】

  • 「図書館」や「古書」をテーマにした香りアイテムは実在し、人気も上昇中

  • 「新刊」「印刷所」の香りは未商品化だが、妄想・創作アイデアとして共感を集めている

  • 香りは今や“印刷文化のブランド価値”として注目されはじめている

  • 五感で印刷を味わうイベント・体験も増えており、匂いは印刷文化の入口として機能しつつある


第7章|まとめ|五感で愛される“印刷と本の世界”

インクの匂い、本屋の香り、印刷所の空気感──
これらはすべて、「印刷」や「本」という文化が視覚を超えて、五感に訴えてくる証です。

これまで見てきたように、「香り」は単なるにおいではありません。
それは記憶と感情を結びつけ、空間を演出し、時には人の心を動かす力を持つ、とても奥深い存在です。


香りがきっかけで“印刷の魅力”に目覚める人たち

SNSやイベント会場では、「あの匂いが忘れられなくて、また行きたくなった」
「香りを嗅いだだけで、印刷に興味を持つようになった」という声が多く聞かれます。

これは、香りが“興味の入り口”になる新しいパターンです。

  • 本屋の匂いから、装丁や製本に関心を持つ人

  • 活版の香りを嗅いで、昔の印刷技術に魅せられる人

  • インクのにおいに惹かれて、ZINEやリソグラフに挑戦する人

つまり、“香り”は印刷文化における感性マーケティングの武器とも言えるのです。


デジタル時代でも「匂い」は印刷だけの特権

今やSNSや電子書籍、AI画像などデジタル中心の時代
けれど、“香り”だけは、現物の紙やインクにしか宿らないリアルな体験です。

  • 電子書籍にはない“ページをめくる香り”

  • デジタル印刷機には出せない“油と紙の温もり”

  • モニター越しには届かない“空間に満ちるあの香り”

だからこそ、印刷や出版が“体験型文化”として再評価されている今、匂いという感覚はかけがえのない魅力になっているのです。


【全体のまとめ】