第1章|インクとは何か?──定義・語源・誰が名付けた?
私たちが普段何気なく使っている「インク」という言葉。その正体は、液体の中に色を持つ成分を混ぜた“書くため”“刷るため”の特殊な素材です。筆記具やプリンター、印刷機に欠かせない存在ですが、よく考えると「インクって何?」「誰が最初に作ったの?」という問いにスパッと答えるのは難しいかもしれません。
● インクの定義と基本的な役割
広義では、インクとは「文字・図・絵などを表現するために使用される、色素を含んだ液体またはペースト状の物質」とされます。用途によって性質も異なり、万年筆やボールペンなどの文房具用、新聞やポスターを刷る印刷用、絵画やアート作品に使われる画材用インクなど、さまざまな形で私たちの生活に関わっています。
● 「インク」と「インキ」って違うの?
印刷業界では今でも「インキ(インキベタ、インキ詰まり)」という言い回しが使われます。一方で、文房具売り場では「インクカートリッジ」「インクジェットプリンタ」など、「インク」が主流です。
実はどちらも意味はほぼ同じ。ただし「インキ」は、戦後の日本で使われるようになった和製英語。英語の “ink” の語感をそのままカタカナに置き換えたものが「インキ」で、その後、より自然な外来語「インク」が一般化していったという流れがあります。
現在では、文房具・デジタル印刷の分野では「インク」、伝統的な印刷現場では「インキ」と呼ばれることが多く、いわば業界用語的な違いでもあります。
● インクという言葉の語源はどこから?
「ink(インク)」という言葉の語源をたどると、ラテン語の encaustum(エンカウストゥム) に行き着きます。これは「焼き付けるもの」「染みついた色」という意味を持ち、古代ローマでは蝋に顔料を混ぜて焼きつける「エンカウスティック」という技法にも使われていました。
そこからフランス語の encre(アンクル)、英語の ink へと変化し、中世以降は「書くための液体」を意味する言葉として定着します。日本には、江戸時代の洋学翻訳の中で「インク」「インキ」として伝わり、明治期には文房具用語として一般化しました。
● 最初に“インク”を作った人は誰?
正確には「この人がインクの発明者だ!」と断言することはできません。なぜなら、インクのようなものは紀元前から世界各地で自然発生的に誕生しているからです。
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紀元前2500年のエジプトでは、炭粉や鉱物顔料を膠(にかわ)と混ぜて作った「黒インク」が使用されていました。
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**中国の戦国時代(紀元前5世紀頃)**には、「墨(すみ)」として松の煤(すす)を動物の膠で固めたものが登場し、書道文化が発展。
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**インドでは鉄胆インク(ガル鉄+酸)**が発見され、ヨーロッパ中世の修道士たちが写本に使用。
つまり、インクという技術は「同時多発的に世界中で自然発生した文化財産」といえます。誰か一人の“発明”ではなく、「色を残したい」「記録を残したい」という人類の本能が作らせた道具なのです。
● なぜ“液体”で書こうとしたのか?
石に刻む、焼きつける、彫るといった表現手段から、「液体でスッと書く」という表現法へ進化したのは、人間の生活に“可搬性”“速記性”“繊細な表現”が求められたからです。筆と紙の登場により、固体から液体への転換が一気に進みました。
● インクは“人類の記録欲”の結晶である
文字を書く、思いを記す、何かを伝える──そのために「色がついた液体」が必要とされたのです。現代のインク技術は、こうした太古の知恵と、科学の発展と、文化の積み重ねの上に成り立っています。
次章では、そんな多様なインクを分類するための4大カテゴリ──水性・油性・顔料・染料について、構造と特徴、そして製造方法の違いまで詳しく見ていきましょう。
第2章|インクの4大分類とは?【水性・油性・顔料・染料】
インクを理解するうえで欠かせないのが、「水性・油性」「顔料・染料」という2軸の分類です。これはインクの性質・用途・耐久性・発色を決定づける最も重要な要素です。
この2軸を組み合わせた基本の4分類は以下の通り:
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水性顔料インク
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水性染料インク
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油性顔料インク
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油性染料インク
それぞれの性質を詳しく見ていきましょう。
◆ 水性インクとは?──紙と好相性の“しっとり系”
水を主成分とした溶剤に色材を加えたインク。においが少なく、扱いやすいのが特徴です。
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【製造】水+色材(顔料or染料)+バインダー+添加剤を混ぜて分散
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【特徴】吸収性が高く、発色も柔らかい。ただし乾燥が遅め。
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【用途】
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水性染料:万年筆、水彩、染色など
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水性顔料:インクジェットプリンタ、イラスト、POP印刷など
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◆ 油性インクとは?──速乾&タフな“頼れる系”
石油やアルコール系の溶剤を使用し、乾きが早く、耐久性にも優れています。
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【製造】石油溶剤+色材+粘度調整剤を混合・加熱処理
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【特徴】乾きが早く、ツルツル素材にも定着。においがあるものも。
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【用途】
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油性染料:ボールペン、マーカー
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油性顔料:工業用印刷、屋外広告、段ボール印刷
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◆ 顔料インクとは?──「粒で色を乗せる」タイプ
顔料とは、水や油に溶けない微粒子の色材のこと。
インクの中に“粒状”の色素が分散しており、印刷や筆記の際に素材の表面に「乗る」ように着色します。
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【製造】顔料を微細粉砕(ナノレベル)→分散剤+バインダー+溶剤で撹拌
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【特徴】
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耐水性・耐光性が非常に高い
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色あせしにくく、長期保存に最適
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にじみにくく、細線表現に向いている
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一方で、ノズル詰まりのリスクや、やや色が沈みがち
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●「顔料」の“顔”ってどういう意味?
「顔料」の「顔」は、**“顔色”や“色合い”の「顔」**から来ています。
古くは「顔料=顔に塗る化粧料」という意味があり、「色をつける粉=顔料」と呼ばれるようになった歴史があります。
つまり、“顔料”とは「色をつけるための粉状の原料」という意味です。
● 顔料インクはザラザラする?
顔料は粒子なので、「紙の上に粒が乗る」ため、若干のザラつきやマットな質感が出ることがあります。
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普通紙に印刷したとき → そこまでザラつきは感じないが、やや「紙の上に浮いた」ような印象
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フィルムやアート紙では → 顔料の乗り方が際立ち、手触りにわずかに凹凸を感じることも
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プリンタ用紙との相性で「滑らかさ」は左右される
つまり、“顔料インクはツルッと一体化するのではなく、色が紙の上にしっかり残る”という感覚です。
◆ 染料インクとは?──素材に“染みこむ”タイプ
染料インクは、液体中に色が完全に溶けている状態。素材に染み込むため、柔らかく自然な表現が得意です。
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【製造】有機染料を水または溶剤に完全に溶かし、添加剤を加えて仕上げ
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【特徴】
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透明感と鮮やかさがピカイチ
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紙や布にしっかり染みこむ
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水濡れや紫外線で退色しやすい
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【用途】
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万年筆、染色、イラスト、布用インク
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写真プリントやグラデ表現
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◆ まとめ:4種のインク 比較チャート
種類 | 主成分 | 色材タイプ | 特徴 | 質感 | おすすめ用途 |
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水性染料 | 水 | 溶解(染料) | 発色◎、染み込み | なめらか | 万年筆、写真 |
水性顔料 | 水 | 粒子(顔料) | 耐水性◎、にじまない | ややマット | POP、文書印刷 |
油性染料 | 油 | 溶解(染料) | 速乾、発色良し | ツルッと滑らか | 油性ペン |
油性顔料 | 油 | 粒子(顔料) | 耐候性◎、素材対応広 | しっかり乗る | 工業印刷、段ボール |
◆ 用途によって選び方が変わる!
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繊細な色表現 → 染料(水性が◎)
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耐久性重視・にじみたくない → 顔料(特に油性)
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写真やグラデーション重視 → 染料
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屋外や配送用段ボール → 油性顔料
第3章|4種類のインク、それぞれどうやって作られている?製造工程を完全図解!
「インクって色の液体でしょ?」
…その通り。でも**水か油か? 粒か液か?**で、その作り方も驚くほど違ってくるんです。ここでは、印刷業界でよく使われる**4つの基本インク(分類)**について、それぞれの製造方法を詳しく解説します。
◆ 1. 水性顔料インクの作り方:粒子と水の“分散の妙”
特徴:にじみにくく、耐水性もあり。インクジェット印刷やイラスト用途で人気。
【製造工程】
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ナノ粒子の顔料を選ぶ
天然鉱物や合成顔料をナノレベルに粉砕して準備。 -
分散剤を加えて水に均一分散
水に溶けないため、顔料が固まらないよう分散剤(界面活性剤)を加えながら高速撹拌。 -
バインダー(接着剤)を追加
紙などに定着するようアクリル系やウレタン系樹脂を混ぜる。 -
pH・粘度・防腐剤を微調整
温度や素材に応じて、添加剤で調整。 -
脱泡・濾過して充填
気泡や不純物を取り除き、容器に詰めて完成。
【ポイント】
-
分散が命!粒子が凝集するとノズル詰まりに直結。
-
「紙に乗るインク」なので、ややマットな仕上がりになりやすい。
◆ 2. 水性染料インクの作り方:溶かして整える“化学の技”
特徴:鮮やかで繊細な色再現が得意。写真印刷や万年筆に使われる。
【製造工程】
-
水に溶ける染料を選定
アゾ系・アントラキノン系などの合成染料を使用。 -
温水で丁寧に溶かす
粉末状の染料を純水で加温して溶解。 -
pHと発色の調整
pH値の違いで色が変わるため、厳密な管理が必要(アルカリ性寄りが一般的)。 -
防腐剤・安定剤を添加
菌の繁殖や沈殿、退色を防ぐために必要。 -
濾過・パッキング
仕上げに微粒子フィルターでろ過し、ボトルに詰める。
【ポイント】
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溶けているからノズル詰まりしにくく、紙に染み込む感覚。
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光・水に弱く退色しやすいため、屋外には不向き。
◆ 3. 油性顔料インクの作り方:“粒”を油で包んでタフに仕上げる
特徴:段ボール印刷や屋外サインに多用されるタフなインク。速乾性と耐摩擦性が強み。
【製造工程】
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顔料(粉末)を溶剤に投入
石油系溶剤(例:IPA、灯油ベース)に顔料を投入。 -
分散剤で安定化
顔料が沈殿しないよう、強力な分散剤を入れて撹拌。 -
樹脂バインダーを配合
フィルム・プラ素材にも密着するため、強固な接着成分を追加(ウレタン系など)。 -
乾燥性を調整
速乾が求められるので揮発性の高い成分で調整。逆に乾きすぎてもダメなので配合は慎重。 -
防腐・脱泡・濾過・充填
【ポイント】
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粘度や濃度は現場で毎回確認。気温・湿度で変わるため「経験と調整力」がモノを言う。
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油性で速乾なので、段ボール印刷などに超便利。
◆ 4. 油性染料インクの作り方:溶けて乾く、滑らかな万能型
特徴:ボールペン・サインペンなどに最も使われている定番インク。
【製造工程】
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染料を石油系溶剤に溶解
油系でも溶けやすい染料を厳選し、常温または加熱して完全に溶かす。 -
粘度と流動性の調整
筆記具に使うため、なめらかに出ることが求められる。滑りを良くする潤滑成分を追加。 -
乾燥速度と退色耐性の調整
すぐ乾き、色が褪せにくいようUVカット剤・抗酸化剤を加える。 -
精製・充填
【ポイント】
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紙や合成紙にも染み込む滑らかさが人気。
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デスクワーク向け、筆記具のインクに最適。
📝【コラム1】顔料って水に溶けるの?
いいえ、顔料は水に溶けません。顔料は「粉(粒子)」のような存在で、液体の中に“浮かんでいる”だけ。インクの中では**「分散」している状態**です。
たとえば、塩や砂糖は水に溶けて見えなくなります(=染料)。一方で顔料は、泥や小麦粉のように、よく混ぜないと沈んでしまう“溶けない色材”です。
だからこそ、水性顔料インクでは**分散剤(界面活性剤)**を使い、微細に砕いた顔料を水の中で安定して浮かせているのです。
この「粒が水に浮いてるだけ」という性質が、顔料インクに
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にじみにくい
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耐水・耐光性が強い
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長期保存に向いている
というメリットをもたらしています。
📝【コラム2】顔料インクって、使うときに振ったほうがいい?
はい、使う前に“軽く振る・混ぜる”のがベターです!
顔料インクは“色の粒”が液体中に浮かんでいるだけなので、時間が経つと沈殿してしまいます。そのまま使うと、
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発色が薄くなる
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色ムラが出る
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ノズル詰まりの原因になる
といったトラブルにつながります。
ただし注意点もあります:
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強く振ると気泡が立って逆効果
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プリンタ用カートリッジならやさしく傾ける程度
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ボトルタイプの顔料インクなら数回ゆっくり上下に振るのがベスト
一手間かけて“色の粒”をうまく目覚めさせてあげましょう!
◆ まとめ:インクの製造は“4通りの正解”
種類 ベース 色材 特徴 主な用途 水性顔料 水 粒 にじまない、耐水◎ 文書、POP 水性染料 水 液 発色◎、にじみやすい 万年筆、写真 油性顔料 油 粒 耐候性◎、速乾 段ボール、工業印刷 油性染料 油 液 筆記に最適、滑らか ボールペン、サインペン
印刷の現場では、これら4つのインクの違いを見極めて、素材・環境・納期・色再現すべてにベストな仕上がりを提供しています。
第4章|色ってなんで“見える”?誰がその色と決めた?
―「色」という感覚と、その正体を探る大冒険!―
◆ 1. 色とは“光”であり、“脳の翻訳”である
私たちは普段、「赤いリンゴ」「青い空」「緑の葉っぱ」など、当たり前のように“色”を見て暮らしています。でも、それは本当に「物体の色」なのでしょうか?
実は色とは、
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光(波長)
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目の受容体
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脳の処理
という三段階で成り立つ“現象”であって、物自体が色を持っているわけではないのです。
● 光の波長=色の正体
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光は波であり、波長によって「色」が変わります。
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人間の目に見える波長は、約380〜780nm(ナノメートル)
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この範囲を「可視光」と呼びます。
色 波長(目安) 紫 約400nm 青 約450nm 緑 約530nm 黄 約580nm 赤 約650nm つまり、“赤く見えるリンゴ”は、赤の波長だけを反射し、他の色は吸収しているわけです。
● 人間の“目”が感じるメカニズム
人の網膜には、光を感知する2種類の細胞があります。
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桿体(かんたい)細胞:明るさ・暗さ(モノクロ感覚)
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錐体(すいたい)細胞:色を感じる
この錐体細胞には3つのタイプがあり、それぞれが感じ取る光の波長が異なります。
錐体 感じる色 ピーク波長 S錐体 青〜紫系 約420nm M錐体 緑系 約534nm L錐体 赤系 約564nm この3種類の細胞がどれだけ光を受け取ったかを、脳が処理して「これは赤だ」「これは緑だ」と判断しているのです。
◆ 2. 色は“存在”していない?哲学的な真実
ここまでの話をまとめると、色とは…
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光の波長+脳の処理結果
であり、物体自体に“赤”や“青”はついていないことがわかります。
つまり、色は
「脳が生み出した“知覚の産物”」
とも言えるのです。夜に色が見えにくいのは、錐体細胞が働かないから。
また、「月は白く見える」「夕日は赤い」のも、光の角度と波長の影響による錯覚です。
◆ 3. 「この色は赤!」って、誰が決めたの?
これはとても面白い問いです。色の「名前」や「定義」は、文化と歴史が作ってきたものです。
● 古代〜中世:「自然と感覚」で命名
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赤:血、火、太陽 → 命・危険・神聖
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青:空、水 → 精神性、冷静
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緑:森、草 → 成長、生命、癒し
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黄:太陽、金 → 権力、祝祭
それぞれの文明で、自然や宗教、感情との結びつきによって“名前”が与えられていきました。
● 日本の色名の例
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浅葱色(あさぎいろ):江戸町民文化の流行色
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濃紺・海松色・山吹色…→ 自然や植物をもとに名付けられた色が多数
● 工業化とともに、色は“規格”になる
印刷や繊維、塗装、デザインで「赤っぽい」では通じない時代がやってきました。
その結果、「色を定義する」ための標準化システムが誕生します。
◆ 4. 色の標準化システムたち
● マンセル表色系(Munsell)
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色相(Hue)、明度(Value)、彩度(Chroma)の3軸で構成。
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例:5R 4/12(赤系・やや暗い・高彩度)
● PANTONE(パントン)
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アメリカ発の特色見本帳。世界共通で「この色はPANTONE 186C」と言えば通じる。
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企業ロゴ・製品パッケージ・ブランドカラーの再現に必須。
● DICカラーガイド(日本)
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日本の印刷業界で主流。建築やファッション業界でも使用。
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和の色や自然の色にも強い。
● JIS色票(日本工業規格)
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工業製品・建材・表示物などに使用。官公庁でも多く採用。
◆ 5. 色を“測る”ってどうやってるの?
「目で見て判断」は限界があります。そこで登場するのが機械的測定。
● 分光光度計
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光を照射して反射・透過の波長を測定
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結果をスペクトルグラフや数値化(XYZ値、Lab値)
● ΔE(デルタE)=色差
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人間の目にどれだけ「違って見えるか」の数値
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ΔE 1.0以下 → ほぼ同じ色
ΔE 5.0以上 → はっきり違う
印刷現場ではΔEを限りなく小さくするため、インクの濃度や重ね刷りの微調整が繰り返されます。
◆ 6. でも、やっぱり“人の目”が最後の判断基準
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印刷の現場では、照明の種類(D50/D65)を統一
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必ず「目視チェック」を行う
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プルーフ刷りでお客様と一緒に「この色でOKですか?」と確認
つまり、数値と感覚の両立が求められる世界なんです。
◆ 7. 色の見え方は人によって違う?
もちろんです!
● 色覚タイプの違い
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男性の20人に1人が先天的な色覚異常を持つとされる
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赤緑色覚異常が最多 → 赤と緑の区別がつきにくい
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そのため、最近は色分けだけでなくアイコンや明暗差も活用
● 環境による見え方の違い
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自宅で見た赤と、職場で見た赤が違う…その理由は照明の種類や明るさ
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昼光色と電球色では同じ印刷物でも色の印象がまるで変わる
◆ 8. まとめ:色とは“光・目・脳・文化・技術”が作るもの
項目 内容 色の正体 光の波長+人間の感覚処理 誰が決めた? 昔は文化、今はPANTONEなどの色見本 測定方法 分光光度計+ΔE 見え方 人・環境・文化によって異なる 印刷の世界では 数値と目視を両立して“正しい色”を追求
第5章|インクの原料とその秘密
―「色の液体」は何でできているのか?―
インクとは、ただの“色つきの液体”ではありません。
実はそこには、色を出す材料(色材)・液体のベース(溶剤)・定着させる接着剤(バインダー)・さまざまな補助成分が絶妙なバランスで混ざり合っているのです。この章では、「インクって何からできているの?」「どうしてその材料なの?」という疑問に答えていきます。
◆ 1. インクの基本構成はこの4つ!
インクの原料は、主に以下の4成分で構成されています。
成分 役割 色材(Colorant) 色を出す(顔料 or 染料) 溶剤(Solvent) 色材を運ぶ液体(例:水、アルコール) バインダー(Binder) 色材を紙や素材に“くっつける”接着剤 添加剤(Additives) 乾燥促進、防腐、pH調整、泡抑制などの補助 これらがインクの種類(用途・印刷方式)に応じて絶妙に配合されることで、インクは「滑らかに出る」「早く乾く」「にじまない」「色が長持ちする」などの性能を発揮します。
◆ 2. 色材:色を決める主役たち
インクの“色”の元となる成分には、2種類あります。
● 顔料(Pigment)
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水や油に溶けずに分散する微粒子
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天然鉱物(酸化鉄・カーボンブラック)や合成樹脂から作られる
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色あせ・にじみに強く、耐候性バツグン
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仕上がりはややマット/ザラっと感があることも
● 染料(Dye)
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液体に完全に溶け込む分子構造
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有機合成化学で作られるものが主流(アゾ系・アントラキノン系など)
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発色が美しく、グラデーション・にじみ表現に向く
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紫外線や水にはやや弱い
【色材の代表例】
色 染料 顔料 赤 ローダミンB キナクリドン 青 メチレンブルー フタロシアニンブルー 黒 ニグロシン カーボンブラック 緑 マラカイトグリーン クロムグリーン
◆ 3. 溶剤:色を“運ぶ”ベース液体
インクの液状成分を担うのが溶剤です。色材のタイプや使用環境により、使い分けられます。
● 水(Water)
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安全・無臭で紙との相性が良い
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インクジェットや筆記具、サインペンなどに多用
● 有機溶剤(石油系)
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IPA(イソプロピルアルコール)、トルエン、キシレンなど
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速乾性・密着性に優れ、工業印刷・屋外広告などに使用
● グリコール系・アルコール系
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水と油の中間的性質
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インクの乾燥時間や耐久性を調整できる
◆ 4. バインダー:色を定着させる“ノリ”
色材が紙や素材にしっかりくっつくようにするのが「バインダー」。これがないと、インクはただの“色水”です。
● 主なバインダー成分
バインダー 用途・特徴 アクリル樹脂 耐水性・接着力◎。水性インクに多い ウレタン樹脂 弾性があり、布やフィルムに密着 アルキド樹脂 油性インクによく使われる 天然樹脂(シェラックなど) 伝統的なバインダー。万年筆インクにも ● バインダーの量で質感が変わる!
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多い → ツヤツヤ、高光沢
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少ない → マット、紙に沈む
◆ 5. 添加剤:インクの性格を調整する“裏方”
インクはただ色が出ればいいわけではありません。現場での使い勝手を支えるのが「添加剤」です。
【代表的な添加剤】
添加剤 効果 分散剤 顔料が固まらないように 消泡剤 泡が立つのを防ぐ 増粘剤 粘度を調整する 防腐剤 カビや菌の繁殖を防止 乾燥促進剤 速乾性を高める 紫外線吸収剤 色あせを防止 これらをインクの用途ごとにカスタマイズして調合していくのが、印刷会社やインクメーカーの腕の見せどころなんです。
◆ 6. 実は…インクの色って“混ぜ物”でできてる?
色材は単体では理想の色が出にくく、何種類もブレンドして「狙った色」を作ります。
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赤インクにちょっと青を足す → 深みのあるワインレッド
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黄色にわずかに白 → 優しいパステルカラー
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“赤に見える赤”は、実は赤・オレンジ・少し緑のブレンドだったり…
これが「調色」と呼ばれる職人技で、経験とセンス、そして測色機を使った科学的アプローチの融合です。
📝【コラム】全部自然素材でインク作ってみた!──色と筆記の“原点”を探る旅
現代のインクは、合成顔料や高性能な添加剤によって、発色・乾き・定着すべてが進化しています。でも、もし**自然素材だけでインクを作ったらどうなるの?**という疑問から、実験してみました!
● 材料はすべて“キッチン”から
材料 目的 実験内容 黒ゴマ or 墨 顔料 すり鉢で細かくして“黒インク”に 紫キャベツ 染料 茹で汁がキレイな紫に! コーヒー or 紅茶 染料 褐色インクの定番。昔の手紙にも 米のとぎ汁 溶剤 粘度と発色の補助に ハチミツ少々 バインダー 天然の粘りで紙への定着UP
● 結果は…意外と“書ける”!
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コーヒー+とぎ汁+ハチミツ → 明るいセピア調の筆記インクに
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紫キャベツ → 鮮やかな紫(pH変化で緑や赤にも!)
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黒ゴマ → 若干ムラはあるが、粒感あるマットな黒に!
筆やつまようじで紙に描いてみると、それなりに読めるインクが完成。ただし、
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乾くのが遅い
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水に弱い
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光にさらすと退色しやすい
という弱点も…
● 昔の人も同じように作っていた!
実はこの実験、かつての“本物のインク”と同じなんです。
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エジプト:煤(すす)+アカシア樹脂+水
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中世ヨーロッパ:タンニン(木の実)+鉄塩+ワイン
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日本の古墨:松の煤+膠(にかわ)+香料
自然素材でも、工夫次第でインクは作れることがわかります。今ほど性能は高くなくても、想いや物語を伝える力は十分にあったんですね。
● 感想:色のありがたみ、再認識
現代のインクって、ほんとに便利なんだな…と実感する実験でした。
でも、自然素材で作ったインクにも独特の風合いや“味”があり、これはこれで味わい深い!
今後、サステナブル時代の文房具やエコ教育のワークショップでも使えそうです。
◆ 7. まとめ:インクは、科学とアートの融合体!
要素 内容 色材 顔料 or 染料。色そのもの 溶剤 水 or 油。色を運ぶ液体 バインダー 接着剤。色を紙に定着させる 添加剤 インクを“使いやすく”整える役目 インクは見た目こそシンプルですが、その中身は化学・素材・アート・経験の塊。
そして、誰かのイメージした「この色」を実現するための、緻密で繊細な仕事なんです。
第6章|色が変わる・にじむ・落ちない…インクのトラブルと原因
―“あれ?おかしいぞ?”を科学と経験で解決する―
◆ 1. インクトラブル、いちばん多いのは“色の変化”
印刷物や手書き文書でよくあるのが「色が変わった」「思ったより早く退色した」というトラブル。
その原因には、大きく4つの要素が関係しています。
● 酸化
空気中の酸素と反応して、色素が変質する現象。特に染料インクは酸化しやすく、次第に色が褪せていきます。
例:
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青インク → 緑っぽく変色
-
黒インク → 茶色がかる
● 紫外線
日光や蛍光灯の紫外線で色素分子が破壊される。これも特に染料インクに顕著で、窓際に置いた書類だけ色が飛ぶといった現象が起こります。
● 湿度と水分
高湿度でインクがにじむ・ヨレる・紙が波打つといった物理的変化が発生します。
特に水性染料インクは、書いてからしばらく乾かさないと簡単ににじみます。
● 経年劣化
時間が経つことで、顔料の沈殿やバインダーの劣化が起こり、色が薄く見えたり、ムラになったりします。保存状態が悪いと加速します。
◆ 2. 染料インクと顔料インク、実は“弱点”が違う
インクの4分類(水性/油性 × 顔料/染料)によって、トラブルの種類も変わってきます。
インク種 よくあるトラブル 原因の傾向 水性染料 にじみ、変色、退色 水や光に弱い/紙に染み込む 水性顔料 沈殿、乾燥詰まり 顔料が重く沈む/分離しやすい 油性染料 退色、揮発 VOC成分が飛びやすく長期劣化 油性顔料 ダマ・凝集、ノズル詰まり 高濃度顔料による結晶化 染料インクは「きれいに染まる」反面、「落ちやすく劣化しやすい」。
顔料インクは「落ちにくく長持ち」だが、「固まりやすくトラブルを起こしやすい」──この違いを知っておくと、用途に合わせて選べるようになります。
◆ 3. にじみ・裏抜けは“紙との相性”の問題が多い
インクトラブルで非常に多いのが「にじんだ!」「裏に抜けた!」というクレーム。
その原因の多くは、用紙との相性にあります。
● 表面が滑らかな紙 vs 吸水性の高い紙
紙のタイプ 起こりやすい現象 説明 コート紙・アート紙 弾いて乾かない 表面加工でインクが定着しない 上質紙 にじみ 水性インクが繊維に広がる 再生紙 裏抜け 繊維が粗く、裏面まで浸透しやすい → 対策としては、「用途別に適したインクと紙をセットで選ぶ」ことが重要です。
◆ 4. 乾きが遅い・ベタつくのはなぜ?
「乾きが遅い」「何日経ってもベタベタする」──これはバインダーや溶剤の揮発性、気温、湿度などの環境要因が関係しています。
● 油性インク × 低温・多湿 → 乾かない
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特に冬場の印刷室では、乾燥工程での温度管理がカギに。
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また、インクの塗布量が多すぎると、表面だけ乾いて中が乾かずベタベタになる「乾燥ムラ」現象も起こります。
● UVインクや昇華インクは“特殊処理”が必要
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UVインク:紫外線照射で瞬時に硬化
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昇華インク:熱を加えて“昇華転写”する
→ 専用機材や乾燥装置が必要で、トラブルが起きると「全滅」することもあるため、専門知識と設備が必須です。
◆ 5. トラブルを防ぐために現場でやっていること
印刷現場や筆記製品の開発現場では、以下のような工夫でトラブルを未然に防いでいます。
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インクの撹拌(かくはん):顔料の沈殿を防ぐ
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温度・湿度管理:乾燥速度と定着性の安定化
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試し刷り・色見チェック:本番前の品質確認
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紙とインクの相性テスト:にじみやすさを事前に評価
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ノズルクリーニングやメンテ:詰まり防止、濃度維持
→ 要は「インクまかせ」ではなく、“使い方・環境・人の目”で品質を守るのがプロの仕事なんです。
◆ まとめ:インクのトラブルには必ず“理由”がある
トラブル 主な原因 変色・退色 紫外線、酸化、染料の特性 にじみ・裏抜け 紙質との相性、水分量 乾きにくい 溶剤の特性、環境、塗布量 ノズル詰まり・沈殿 顔料インクの管理不足 ベタつく 乾燥不足、バインダーの影響
第7章|色見本・色合わせの現場──印刷会社の“目”と“機械”
―「この色、ちょっと違うんだけど…」をゼロに近づける仕事術―
◆ 1. 色合わせは“感覚”じゃない、科学と経験の融合だ
印刷現場で最も重要なクレームワード。それが――
「思ってた色と違う!」実はこれ、発注側・制作側・印刷現場での“色の基準”がズレていることが原因なんです。
「パソコン画面では青だったのに、刷り上がりは紫っぽい」
「同じ色番号指定したのに、前と微妙に違う」
こういった事態を避けるため、プロの印刷現場では“色管理”が徹底されています。
◆ 2. RGBとCMYK|色のモードがそもそも違う!
● RGBとは(ディスプレイ用)
-
Red/Green/Blue(光の三原色)
-
光を混ぜる → 明るくなる(加法混色)
-
デジタル画面では“発光”によって色を表現
● CMYKとは(印刷用)
-
Cyan/Magenta/Yellow/Key plate(黒)
-
インクを重ねる → 暗くなる(減法混色)
-
紙に色を“乗せて”表現するため、RGBより暗く沈むことが多い
→ つまり「画面上の鮮やかな色=印刷の色」とは限らないんです。
この差を埋めるには、適切なカラーモード変換と校正確認が必要不可欠!
◆ 3. カラーチャート&特色インクの存在
● カラーチャートって何?
-
DIC・PANTONE・TOYOなどの色見本帳
-
実際のインクで印刷された色を見て確認できる
-
RGBの“イメージ色”ではなく、印刷現場で使える現実的な色
● 特色(スポットカラー)って何?
-
CMYKの掛け合わせではなく、専用に調合された単色インク
-
例:コーポレートカラー、ブランドカラー、金・銀・蛍光色など
-
ロゴや商品パッケージなどで色ブレを許されない時に必須
→「絶対にこの赤じゃなきゃダメ!」という現場では、特色指定+DIC番号で発注するのがプロのやり方。
◆ 4. 印刷現場の“色合わせ”はこうして行われる
● STEP1:初回校正(試し刷り)
-
実際の紙・インク・機械でテスト印刷
-
見本と比べて微調整(色補正・網点濃度など)
● STEP2:本番印刷での見本照合
-
試し刷りの色見本と、刷り上がりを横に並べてオペレーターが確認
-
顔料濃度や水量、スピードなどをその場で調整
-
必要に応じて「濃い目/薄い目」など、微細な印象調整も
→ まさに職人芸!でも、目視だけじゃなく“機械”もちゃんと使ってるんです。
◆ 5. “色ブレ”を防ぐためのテクノロジー
● 分光測色計(カラーアナライザー)
-
色を数値化(Lab値など)して測定
-
人の目ではわからない微妙な差を判断可能
● カラーマネジメントシステム(CMS)
-
制作 → 出力 → 印刷までの色を統一するデータ管理手法
-
プロファイル(ICCプロファイル)で色の再現性をコントロール
● RIPソフトウェア(印刷制御ソフト)
-
出力機器に応じて、インク量や色再現を最適化
-
特定のプリンタ専用設定なども可能
→ 人の感覚×デジタルの正確性のハイブリッドが、現場の「ぴったりこの色!」を実現しているのです。
◆ 6. それでも“色の誤解”が起こる理由とは?
● 環境光の違い
-
昼間と蛍光灯下、白熱灯下では色の見え方が変わる
-
色評価用の標準光源(D50/D65など)で確認するのがベスト
● 人間の色覚差
-
色覚の個人差、体調、年齢によって色の印象が変わる
-
2人で「同じ赤」だと思っていても、実はズレていることも
→ だからこそ、「数値」と「実物」を見て確認するというダブルチェック体制が必要なんです。
◆ まとめ:印刷の色合わせは、技術と信頼の合わせ技
要素 内容 色空間の違い RGBとCMYKでは見え方が違う カラーチャート 印刷現場での色の基準 色合わせ工程 試し刷り → 微調整 → 本番照合 測定機器 分光測色計・RIPソフト・CMS 人の目 最終確認はオペレーターの経験と感覚
第8章|インクの寿命と正しい保存方法
―「知らぬ間に劣化してた…」を防ぐ保存&見極めマニュアル―
◆ 1. インクにも“賞味期限”があるって知ってた?
意外と知られていないのが、インクには「使用期限」や「寿命」があるという事実。
空気や湿度、光などにさらされ続けることで、インクは確実に劣化していきます。● 製品別インクの一般的な寿命目安
種類 使用期限の目安(未開封) 開封後の目安 万年筆インク(ボトル) 約2〜3年 約1年以内が推奨 プリンター用インク 約1〜2年 約6か月〜1年 顔料インク(業務用) 約1年半〜2年 開封後3か月〜半年 染料インク(文具・家庭用) 約2年 使用頻度により変動大 ※保存条件によって大きく差が出るため、あくまで目安です。
◆ 2. インクが劣化すると何が起きるの?
● 粘度が変わる(ドロドロ/サラサラになりすぎる)
インクが空気中の水分や溶剤と反応して変質。
→ うまく紙に乗らない/乾かない/ノズルが詰まる、などの症状に。● 沈殿・分離
顔料インクに多い現象。インク成分が分離して底に沈む or 上澄みができると均一に印刷できなくなります。
→ 撹拌しても戻らない場合は完全アウト。
● においが変わる
明らかに“化学っぽい”刺激臭がしたり、逆に“腐った水のような匂い”がする場合、インクのバインダーや防腐剤が分解されている可能性が高いです。
◆ 3. 保存のコツは「温度・密閉・振ること」
● 温度管理|冷暗所が鉄則!
-
適温は15〜25℃の室内温度が理想
-
極端な高温・低温(車内や倉庫など)は厳禁!
-
冬場の凍結、夏場の劣化・変質に要注意
● 密閉保存|空気は敵!
-
キャップはしっかり閉める!
-
ノズルや注ぎ口にインクだまりが残らないように拭き取り
-
長期保管には密閉容器やチャック袋で二重保存も効果的
● 撹拌(かくはん)|顔料系は特に重要
-
使用前に軽く振る or 混ぜることで成分を均一化
-
業務用インクは専用撹拌機やローラーを使用するケースも
◆ 4. 保存中のチェックポイント|こんな状態なら使用中止!
症状 インクの状態 対処法 透明な液体が分離して浮いている 分離・劣化 使用NG、廃棄を検討 異臭がする 腐敗 or 成分分解 使用厳禁 フタが開けづらい/膨張している 内部発酵・ガス発生 破裂の危険、すぐ廃棄 書いても色が薄い/ムラになる 顔料沈殿 or 粘度変化 振って戻らなければ使用中止 → 迷ったら「臭い・見た目・書き味」の3チェックが基本!
◆ 5. 「古いインク」でも使いたいときの最終テクニック
● 万年筆用インクの場合
-
水を数滴加えて希釈 → 粘度が戻ることも(※あくまで自己責任)
-
濾紙や布でろ過してゴミやカビを除去
● プリンターインクの場合
-
洗浄カートリッジでノズルをクリーニングしてから装着
-
ただし…内部ヘッドが詰まったら寿命と思ったほうが安全
◆ 6. “インクは生もの”という意識で取り扱おう
インクは、ただの液体ではなく「化学的に安定していないもの」。
長持ちさせたければ、以下の3原則を守るだけでも大違いです。-
開封後は半年以内を目安に使い切る
-
保管は冷暗所+密閉+定期的な軽い撹拌
-
怪しいと思ったら絶対に使わず廃棄!
◆ まとめ:インクにも“命”がある。管理次第で差が出る!
ポイント 実践内容 使用期限 種類別に違うが1〜2年が目安 劣化サイン 粘度、沈殿、匂い、色ムラ 保存方法 冷暗所・密閉・振るの3原則 使用前チェック におい・見た目・書き味の3点確認
第9章|インクトラブル対処集【出ない・落ちない・ついた】
―“どうしよう…”を“なるほど!”に変える実践テクニック集―
◆ 1. 「インクが出ない!」―機器別トラブルと対処法
最もよくあるトラブルがこれ。
原因は単純なようで、インクの種類・使用環境・メカ構造によって多様です。
● 万年筆・ペン編
原因TOP3:乾燥/詰まり/インク切れ
症状 原因 解決法 書き出しだけ出ない 乾燥しかけ ペン先を軽く拭く/少し湿らせる 全く出ない インクの固着 湯煎 or 水にペン先をつける(5分〜) かすれる・ムラ インク不足 or 気圧変化 カートリッジ確認/軽く振ってインク誘導 ※ペン先に強く圧をかけると悪化します。やさしく扱うのが鉄則!
● プリンター編
原因TOP3:ノズル詰まり/インク残量誤認/設定ミス
症状 原因 解決法 片方の色だけ出ない ノズル詰まり ヘッドクリーニング/洗浄液カートリッジ すべての色が薄い インク劣化 or エア混入 インク交換+ノズルチェック 印刷エラーになる チップ認識ミス カートリッジ再装着/互換インクは注意 → 長期間未使用は“自動クリーニング機能”ONにしておくと安心!
◆ 2. 「インクが落ちない!」―素材別“しみ抜き”テクニック
服や机にインクがついて「終わった…」と落ち込む前に、冷静に対処を!
まずはインクの種類を見極めてから行動しましょう。
● 素材×インクのしみ抜きガイド
素材 対応インク 落とし方(応急) 綿シャツ 水性染料インク 台所洗剤+ぬるま湯で叩き洗い デニム 油性インク アルコール系除光液を少量使う 木製デスク 水性インク メラミンスポンジ+中性洗剤で拭く 革製バッグ 油性インク レザー専用クリーナー+乾拭き 壁紙 顔料インク エタノールで軽く叩く→漂白剤はNG
● 絶対やってはいけないNG例
-
水でゴシゴシこする(色が広がる)
-
塩素系漂白剤をいきなり使う(色飛び&素材劣化)
-
ドライヤーで乾かす(落ちにくくなる)
→ しみは“拭く”より“叩く”が基本。熱を加える前に処理を!
◆ 3. 「にじむ・かすれる・ムラになる…」予防と改善法
● 原因:インク or 用紙 or 環境、どれかがミスマッチ
症状 主な原因 対策 にじむ 用紙がインクを吸いすぎる 用紙変更 or 顔料インク使用に切り替え かすれる インク量不足 or ノズル汚れ ノズルクリーニング/ヘッド位置調整 ムラになる 湿度変化/静電気 室温管理/加湿 or 除湿を適切に調整
● 書き道具なら…
-
書き出し時に“数秒だけキャップ外して待つ”
-
紙がツルツルすぎるとインクが乗らない → 上質紙 or 万年筆対応紙へ
-
万年筆インクに少量の水で粘度調整(染料系のみ/要注意)
◆ 4. 専門現場でやってる“最終手段”テクニック
-
インクヘッドの超音波洗浄:業務用プリンター向け(家庭用には非推奨)
-
静電防止スプレーで紙を処理:レーザープリンターやフィルム印刷時に使用
-
保湿ボックスに筆記具保管:特に顔料系万年筆には有効!
◆ まとめ:インクのトラブルには“冷静+対処パターン”がカギ!
トラブル 第一に確認すべきこと 出ない インク切れ/乾燥/詰まり 落ちない 素材×インクの性質を見極める にじむ 用紙との相性&環境条件を確認 カスレる ノズル or ペン先の状態をチェック
第10章|インクと環境の話【知っておくべき課題と未来】
―“色”を使いながら地球を守る時代へ―
◆ 1. 実はけっこう“環境負荷が高い”インクの話
私たちが何気なく使っている印刷インク。
実は、その多くが石油由来の溶剤や顔料を使用していて、-
揮発性有機化合物(VOC)の排出
-
廃液や洗浄剤による水質汚染
-
焼却時の有害ガス発生
といった見えにくい環境リスクを含んでいます。
特にオフセット印刷・グラビア印刷で使用される「油性インク」「溶剤系インク」は、VOC対策が義務化されている地域も多いです。
◆ 2. “大豆”から作った!?ソイインクとは?
ソイ(大豆)インクは、石油系溶剤の代替として注目される植物由来インクです。
● ソイインクの特徴
特徴 内容 原料 大豆油(ソイオイル)+顔料 においが少ない 揮発性が低く、安全性が高い 印刷適性が良い 発色・定着も良好(特に新聞・雑誌など) 環境負荷が低い 再生紙化にもやさしい/CO2排出削減にも貢献 ● ソイインクの見分け方
「Soy Seal」という大豆インク認証マークが印刷物に入っていることがあります(特に米国製カタログや海外の自然派商品パッケージなど)。
◆ 3. 水性UV・バイオベース・次世代インクの進化
最近では「水性×UV硬化型」や「バイオマス配合」など、
高性能かつ環境配慮型のインクが急速に進化しています。● 注目の新技術インク
名称 特徴 水性UVインク 水で希釈→UVで瞬時硬化。VOCゼロ&高性能 バイオマスインク 植物性オイルを30〜50%以上使用。CO2削減 藻インク(アルガインク) 微細藻類から抽出した顔料を使用。再生可能資源 再生顔料インク 廃プラスチックや廃タイヤから色素を抽出する技術も研究中 → 環境×性能の両立を目指した“第3世代インク”の時代が目前に!
◆ 4. 認証マークで見る「エコな印刷物」の見分け方
印刷物がどれだけ環境に配慮されているかを見極めるには、第三者機関の認証マークが手がかりになります。
● よく使われる認証例
認証マーク 内容 FSC認証 森林資源の保全。FSC紙+環境対応インクで取得可能 エコマーク 印刷会社や製品全体の環境配慮度を審査 グリーンプリンティング(GP)認定 印刷業界の自主認定。使用インク・洗浄剤・廃液処理含めた総合評価 バイオマスマーク 原料に一定量の植物由来成分を含むことを示す → マークがついている印刷物=“環境と向き合った印刷”の証拠なんです。
◆ 5. 廃インク・洗浄液の処理も環境に直結する問題
インクの“使い終わり”もまた、重要な環境課題です。
● 廃インクや廃液の影響とは?
-
流しに捨てれば、水質汚染・有害物質の拡散につながる
-
洗浄液に含まれる溶剤やアルコールも、大気汚染や火災の原因に
● 正しい廃棄方法とは?
種別 処理方法 家庭用インクカートリッジ 家電量販店やメーカー回収を活用 業務用バルクインク・廃液 産業廃棄物として専門処理業者に依頼 洗浄液 再利用可能なものは社内回収・ろ過処理/使い捨ては分別廃棄
◆ 6. 印刷会社にできる“サステナブル印刷”の取り組み
印刷業界でも、環境配慮は避けて通れない時代です。
-
水性フレキソインクの採用(VOCレス&再生紙に強い)
-
PP加工や箔押しを減らし、再資源化しやすい設計
-
在庫を持たないオンデマンド印刷化でロス削減
-
環境ラベル・包装資材の見直しによるCO2削減
→ “印刷会社だからできる環境対策”が確かに存在しています!
◆ まとめ:環境と共にあるインクの未来へ
テーマ 変化 原料 石油 → 植物・再生資源 廃棄 単なるゴミ → 資源としての管理 技術 VOC発生 → 水性・UV・無溶剤化 マーケティング 安さ・早さ → エコ・共感・ブランド価値
第11章|インクの未来──技術革新と新しい表現
―「紙に色をつける」だけじゃない、“次の使い道”が始まっている―
◆ 1. すでにインクは“紙専用のもの”ではない
かつて「インク=紙に印刷するための液体」というのは常識でした。
しかし今、インクは医療・電子・建築・ファッション・宇宙開発にまでそのフィールドを広げています。
◆ 2. “新しい印刷方式”に対応する次世代インク
● DTFインク(Direct to Film)
-
生地に直接ではなく、「専用フィルムに印刷→熱転写」で布に定着
-
フルカラー・グラデーションも鮮やかに再現可能
-
小ロットアパレルやグッズ制作で人気急上昇中!
対応インク:水性顔料+ホワイトインク+接着パウダー
→ 熱に強く、発色が美しいインクが求められる
● UV硬化型インク
-
紫外線を当てると一瞬で硬化=乾燥不要!
-
プラスチック・金属・ガラスなど「非吸収素材」にも印刷可能
-
看板・スマホケース・ガジェットなどに広く応用
対応インク:アクリル樹脂系・無溶剤・速乾設計
→ 光と化学反応で“固まる”未来系インク
● 昇華インク(昇華転写用)
-
インクが「熱で気体化して、繊維に染み込む」特殊方式
-
化学繊維(ポリエステル)に最適。洗っても色落ちしにくい
-
スポーツウェア、マグカップ、タオルなどで大活躍!
対応インク:水性染料ベース+昇華性染料
→ 一見プリントじゃないような“染めた感”が出せる
◆ 3. 機能性インクが“モノづくり”を変えている
● ナノインク(ナノ粒子導電インク)
-
銀・銅・カーボンなどのナノ粒子を含む
-
電子回路やセンサーを“印刷で”作れる時代に!
-
フレキシブルディスプレイやIoT機器への応用が進行中
● 匂い付きインク・温感インク・光感応インク
種類 特徴 応用例 匂い付き 香料を封入し、こすると香る 雑誌・ポスター・香水の広告など 温感 温度変化で色が変わる ドリンク容器・サーモカード 光感応 紫外線や赤外線で発色/変化 UVチェッカー・子供向け絵本 → インクが**“五感に訴えるメディア”**になってきているのです。
◆ 4. 医療や環境分野でも“印刷できる液体”として進化中
● 医療用途
-
皮膚に貼るセンサーや“スマート絆創膏”の印刷
-
細胞に直接プリントして再生医療に応用(バイオプリンティング)
-
DNAや薬剤を含む“機能性インク”の開発も進行中
● 環境対応
-
二酸化炭素を吸収するインク(CO₂インク)
-
植物から抽出した天然色素インク(藍・ベニバナ・藻など)
→ インクは「刷る」だけじゃなく「活かす・測る・治す」液体にも変わりつつある
◆ 5. アートとテクノロジーの交差点としてのインク
現代アートやプロダクトデザインでは、「インクの質感・偶発性」をあえて作品に活かす表現が増えています。
-
絵具では出せない透明感・流動性を表現に活用
-
時間とともに色が変化する“儚さ”を主題にした作品も
-
デジタルプリントとの融合で、“一枚一枚違うアート”を量産できる時代へ
◆ 6. 未来の印刷は“どこにでも、なんにでも刷れる”時代へ
現在 これから 紙に印刷 金属、木材、布、皮革、フィルム、人体へ 色を出す 電気を通す、香る、反応する、光る 機械で印刷 手のひらサイズの携帯型プリンターも登場 インクの進化によって、
印刷=平面の世界から、立体・感覚・反応の世界へ突入しています。
◆ まとめ:インクは“未来を刷る”ための道具になる
かつて“記録の道具”だったインクは、
いまや“未来を創造する液体”へと進化しています。-
記録→表現→機能→共感へ
-
紙→人間→世界へ
-
技術→感性→感動へ
印刷会社やメーカーの枠を超えて、デザイナー・エンジニア・研究者すべてが“インク”という言葉でつながり始めているのです。
第12章|インクにまつわるコラム集【雑学・逸話・名品】
―ちょっと休憩、でも濃いめのインクトリビア―
◆ コラム1|あの「マジックインキ」って実はすごい発明だった
「マジックで書いといて〜」という時の「マジック」、
実は【寺西化学工業】が1953年に開発した日本発の油性インクマーカー。正式名称は**「マジックインキ」**。● 特徴
-
紙だけでなく、木材・プラ・金属・ガラスにも書ける
-
においの元はキシレン(現在はノンキシレンタイプも主流)
-
キャップを閉め忘れてもすぐには乾かない独自処方
→「書ける+消えない+乾きにくい=画期的な“インク革命”」として世界に広まりました。
今ではカラーバリエーションが20色以上もあり、オタク界隈では「推し色のマジックインキで応援うちわを作る」文化も!
◆ コラム2|インク好きが沼にハマる…万年筆インクの世界
通称「インク沼」――
これは万年筆ユーザーたちが語る、美しいインクに魅せられて財布が軽くなる沼のことです。● 代表的な沼ポイント
-
季節限定インク(春の桜色、秋の紅葉色…コレクター泣かせ)
-
ご当地インク(新潟、金沢、京都などの“町色”を再現)
-
ラメ入り・にじみ・シアー系の個性派インク
→ インクは“色を選ぶ”だけじゃなく、“気分を色にする”楽しみへと進化しているのです。
◆ コラム3|世界一高価なインクって、いくらするの?
● 驚異の価格インク例
インク名 価格 内容 Montblanc The Elixir 約100,000円/50ml 天然染料&手作業抽出 Sailor 墨流しシリーズ 約6,000円/20ml 職人の手染め技術を再現 アウロラ インク360 約3,500円 “香り付き×UV反応”付きのアート系インク 中には純金粒子を配合したインクなんてのも…。
「書くための道具」から「嗜むための宝物」へと変わりつつあるんですね。
◆ コラム4|“消せるインク”の正体ってどうなってるの?
フリクションペンなどの“消せるインク”の仕組み、気になりませんか?
答えは、「色素が熱で無色になる」という**“熱変色性インク”**!
-
温度が60度以上になると色が消える(正確には“透明になる”)
-
−10度以下に冷やすと色が復活することも!
→ なので、重要書類には使っちゃダメなやつです(笑)
◆ コラム5|「色の名前」って誰がつけたの?
● 和の色名(例:曙色、千歳緑、紅梅色)
-
主に平安〜江戸時代の衣装や染色技術に由来
-
四季・植物・自然現象を取り入れた詩的なネーミング
● 洋の色名(例:ローズマダー、セピア、インディゴ)
-
絵具や鉱石、動植物に由来
-
宗教画や肖像画など“美術の伝統”がベースに
→ 近年では、PANTONEやDICなどの色見本メーカーがグローバル標準の色名とコード体系を定めています。
◆ コラム6|“インクの語源”はラテン語だった?
「インク(ink)」の語源は、ラテン語の“encaustum”(焼き付ける)。
もとは**羊皮紙や石に文字を残すために“焼いて定着させた液体”**を指していました。つまりインクは、“色をつける”液体ではなく、“痕跡を残す”ためのツールだったんです。
◆ コラム7|昭和のコピー機には“鉄インク”が使われてた?
昭和30〜40年代に流行った「ガリ版印刷(謄写版)」では、鉄塩(硫酸第二鉄)を含む青インクが主流。
-
炭素紙の上に書く → 鉄インクが反応して文字が定着
-
薄い青い文字になる(レトロ感満点)
今でも「昭和レトロ風ポスター」などでこの質感を再現する技術が活用されています!
◆ コラム8|インクで“演出する”広告たち
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温めると当選番号が現れるチラシ
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濡れると文字が浮かぶ選挙ポスター
-
スマホのライトで照らすと“別のメッセージ”が出る招待状
これらすべて、特殊インクとアイデアのコラボレーション!
→ インクは“静的な情報伝達”から、“動きのあるコミュニケーション”へと変わってきています。
◆ まとめ:インクはただの色じゃない、“文化”だ。
インクという液体には、人の技術、感性、歴史、そして想いが詰まっています。
-
書く
-
刷る
-
飾る
-
驚かせる
-
感動させる
そんな力を持ったインクの世界は、これからも進化し続けます。
巻末付録|図解・用語辞典・おすすめリンク集
―インクの全てが一目でわかる!永久保存のまとめ編―
◆ 1. 図解:インク4分類チャート【水性・油性 × 顔料・染料】
染料インク(溶ける) 顔料インク(溶けない) 水性 発色が良くコスパも良い/にじみやすい/退色しやすい
→家庭用プリンター・文具耐水性・耐光性あり/沈殿しやすい/詰まりやすい
→業務用プリンタ・画材・サインペン油性 布・プラ・金属に書ける/臭いがある/速乾性あり
→マジック・サインペン超耐久・消えにくい/塗膜が硬い/粘度が高い
→工業用途・高耐候印刷
◆ 2. 図解:インクトラブル早見表
症状 原因キーワード 対処方法(ざっくり) 出ない 詰まり・乾燥・気温変化 湯煎・クリーニング・振る にじむ 紙との相性・湿度 用紙を変える・顔料系へ 色が変わる 紫外線・酸化・経年劣化 保管見直し・顔料使用 ムラ・かすれ 粘度・ノズル・撹拌不足 振る・クリーニング 落ちない 油性インク or 素材不適合 素材別しみ抜き
◆ 3. 用語辞典(簡易解説つき)
用語 意味 顔料(がんりょう) 紙の上に「乗る」タイプの色成分。沈殿しやすいが耐久性あり。 染料(せんりょう) 紙に「染みこむ」タイプ。発色は良いが水・光に弱い。 バインダー 顔料などの色成分を紙に定着させる“のり”成分。 VOC 揮発性有機化合物。空気中に揮発し、人体や環境に悪影響を与えることも。 ソイインク 大豆油をベースとした植物由来インク。エコ対応。 UVインク 紫外線で硬化するインク。非吸収素材に印刷可能。 DTF フィルムにプリント後、熱で布に転写する印刷方式。 CMS/ICC 色の管理方式。画面・印刷・出力間の色ブレを防ぐプロファイル設定。
◆ 4. 関連リンク集(公式&おすすめ資料)
● 色見本・カラーマネジメント
● 環境ラベル・認証関連
● 印刷業界・最新インク技術
◆ まとめ:インクは、色の液体であり、知識の結晶でもある印刷、文具、デザイン、工業、医療――
どの分野でも、インクはただの液体ではなく、“目的を果たすための機能”そのものです。このブログが「色の裏側」にちょっとでも興味を持つきっかけになったなら、本望です。
\法人も個人も大歓迎!/
新潟で印刷物を作るなら、新潟フレキソへ。株式会社新潟フレキソは新潟県新潟市の印刷会社です。
印刷物のご注文承っております。
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