【導入】
時候の挨拶とは?季節を大切にする日本ならではの文化
「手紙を書こうと思ったけど、最初の言葉に迷った…」
そんな経験、ありませんか?
ビジネスの文書や、町内会のお知らせ、学校行事の案内状、あるいは親しい人への手紙やハガキ…。
日本では、季節感を大切にする「時候の挨拶(じこうのあいさつ)」が、文書の書き出しに欠かせないマナーとされています。
時候の挨拶とは、季節の移り変わりや天候をさりげなく表現しながら、相手の健康や幸せを願う言葉。
「初春の候(しょしゅんのこう)」「新緑の候(しんりょくのこう)」など、わずかな一言に、季節への思いや、相手への心配りが込められています。
しかし、「どの季節に、どんな言葉を使えばいいの?」「月によって違うって本当?」
そう感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、時候の挨拶は単に「何月だからこれ」というだけではなく、上旬・中旬・下旬でも微妙に変わることをご存知でしょうか?
たとえば、3月上旬は「早春の候」、下旬になると「桜花爛漫の候」──同じ月でも、季節の表情は少しずつ変化していきます。
こうした細やかな心遣いこそ、日本らしい美しい文化のひとつ。
そこで本記事では、
✅ 1月〜12月それぞれの「〇〇の候」を上旬・中旬・下旬に分けて
✅ 読み仮名(ふりがな)付きで
✅ すぐ使える保存版リストとして
徹底的にまとめました!
さらに、ビジネス向け・町内会向け・学校向けなど、シーン別の使い分けガイドや、結びの一言パターンもご紹介します。
手紙や文書を書くたびに悩んでいた方も、もう大丈夫。
この1ページを開くだけで、ぴったりの挨拶文が見つかります!
ぜひブックマークして、長くご活用ください。
2.【月別】時候の挨拶一覧(1月〜12月)
ここからは、1月から12月まで、上旬・中旬・下旬別におすすめの時候の挨拶(〇〇の候)を一覧にしてご紹介します。
すべてふりがな付きなので、読み方に迷う心配もありません。
ぜひ、手紙やメール、広報誌などにご活用ください。
【1月】
-
上旬(年始、寒の入り)
初春(しょしゅん)の候、新春(しんしゅん)の候、厳寒(げんかん)の候 -
中旬(寒さ本番)
寒冷(かんれい)の候、寒中(かんちゅう)の候、厳寒(げんかん)の候 -
下旬(寒さ続く)
晩冬(ばんとう)の候、酷寒(こっかん)の候、寒気厳(かんききび)しき折(おり)
【2月】
-
上旬(立春前後、まだ寒い)
余寒(よかん)の候、厳寒(げんかん)の候、立春(りっしゅん)の候 -
中旬(寒さ少し緩む)
向春(こうしゅん)の候、残寒(ざんかん)の候、早春(そうしゅん)の候 -
下旬(春を感じる)
春寒(しゅんかん)の候、浅春(せんしゅん)の候、春浅(はるあさ)しの候
【3月】
-
上旬(まだ寒い日も)
早春(そうしゅん)の候、浅春(せんしゅん)の候、春寒(しゅんかん)の候 -
中旬(少しずつ春めく)
春暖(しゅんだん)の候、春和(しゅんわ)の候、陽春(ようしゅん)の候 -
下旬(桜開花、春本番へ)
桜花爛漫(おうからんまん)の候、春陽(しゅんよう)の候、春光(しゅんこう)うららかな候
【4月】
-
上旬(桜満開、春爛漫)
桜花爛漫(おうからんまん)の候、陽春(ようしゅん)の候、春爛漫(はるらんまん)の候 -
中旬(新緑が芽吹く頃)
春暖快適(しゅんだんかいてき)の候、春日和(はるびより)の候、春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)の候 -
下旬(初夏の気配)
新緑(しんりょく)の候、若葉萌(わかばも)ゆる候、万緑(ばんりょく)の候
【5月】
-
上旬(新緑、さわやかな風)
新緑(しんりょく)の候、薫風(くんぷう)の候、立夏(りっか)の候 -
中旬(初夏の訪れ)
薫風快適(くんぷうかいてき)の候、初夏(しょか)の候、青葉若葉(あおばわかば)の候 -
下旬(暑さ感じる日も)
向暑(こうしょ)の候、若葉香(わかばかお)る候、晩春(ばんしゅん)の候
【6月】
-
上旬(梅雨入り前後)
初夏(しょか)の候、入梅(にゅうばい)の候、青葉茂(あおばしげ)る候 -
中旬(梅雨本番)
梅雨(つゆ)の候、長雨(ながあめ)の候、湿潤(しつじゅん)の候 -
下旬(梅雨明け間近)
小夏(こなつ)の候、夏至(げし)の候、向暑(こうしょ)の候
【7月】
-
上旬(梅雨明け、暑さ本格化)
盛夏(せいか)の候、猛暑(もうしょ)の候、酷暑(こくしょ)の候 -
中旬(夏の真っ盛り)
炎暑(えんしょ)の候、酷暑(こくしょ)の候、盛夏(せいか)の候 -
下旬(夏本番、猛暑続く)
炎暑厳(えんしょきび)しき候、大暑(たいしょ)の候、真夏(まなつ)の候
【8月】
-
上旬(立秋前後、残暑厳しい)
盛夏(せいか)の候、残暑(ざんしょ)の候、立秋(りっしゅう)の候 -
中旬(お盆、秋の気配少し)
晩夏(ばんか)の候、新涼(しんりょう)の候、秋暑(しゅうしょ)の候 -
下旬(朝晩涼しく)
晩夏(ばんか)の候、初秋(しょしゅう)の候、秋涼(しゅうりょう)の候
【9月】
-
上旬(秋のはじまり)
初秋(しょしゅう)の候、新涼(しんりょう)の候、秋初(しゅうしょ)の候 -
中旬(中秋、十五夜)
仲秋(ちゅうしゅう)の候、秋冷(しゅうれい)の候、清涼(せいりょう)の候 -
下旬(本格的な秋)
秋涼(しゅうりょう)の候、秋分(しゅうぶん)の候、涼秋(りょうしゅう)の候
【10月】
-
上旬(涼しく爽やか)
秋冷(しゅうれい)の候、清秋(せいしゅう)の候、爽秋(そうしゅう)の候 -
中旬(紅葉始まる頃)
錦秋(きんしゅう)の候、秋晴(あきば)れの候、冷秋(れいしゅう)の候 -
下旬(深まりゆく秋)
深秋(しんしゅう)の候、晩秋(ばんしゅう)の候、紅葉(こうよう)の候
【11月】
-
上旬(紅葉本番)
晩秋(ばんしゅう)の候、霜秋(そうしゅう)の候、暮秋(ぼしゅう)の候 -
中旬(寒さが本格化)
初霜(はつしも)の候、寒冷(かんれい)の候、霜寒(そうかん)の候 -
下旬(冬近し)
初冬(しょとう)の候、寒気(かんき)の候、初雪(はつゆき)の候
【12月】
-
上旬(冬到来、寒くなる)
初冬(しょとう)の候、寒冷(かんれい)の候、師走(しわす)の候 -
中旬(本格的な寒さ)
寒冷厳(かんれいきび)しき候、歳末(さいまつ)の候、厳冬(げんとう)の候 -
下旬(年末ムード)
歳末多忙(さいまつたぼう)の候、年末(ねんまつ)の候、寒気甚(かんきはなは)だしき候
✏️コラム:時候の挨拶における「候(こう/みぎり)」の読み方(最終版)
時候の挨拶に使われる「〇〇の候」の「候(こう)」は、
現代では「こう」と読むのが基本です。かつて日本では「候(そうろう)」と読み、
「〜でございます」や「〜いたします」といった意味で使われていましたが、
これは**文語(昔の古い言葉)**であり、現代では使われません。また、**「みぎり」**と読む場合もあり、
これは「このごろ」「この時期」といった意味を持ち、
特に丁寧な文書や挨拶状などで用いられる表現です。
(例:春暖のみぎり、ご清栄のこととお慶び申し上げます。)通常の手紙やビジネス文書では「こう」と読むのが一般的ですが、
格式を高めたい場合は「みぎり」も選択肢の一つになります。
🌟まとめ
-
通常の時候の挨拶では「こう」と読むのが正解!
-
「みぎり」はより丁寧・格式高い場面で使われる
-
「そうろう」は古い文語表現なので現代文書では使わない
3.【シーン別】時候の挨拶の使い分けガイド
時候の挨拶は、使う場面によって、選び方や表現を少し変えるとさらに効果的です。
ここでは、代表的な5つのシーンごとに、おすすめの「〇〇の候」とその使い方を紹介します!
【ビジネス文書・取引先への挨拶】
🔵 特徴
-
丁寧で格式を重んじる表現が好まれる
-
季節感を出しながら、相手を気遣う言葉を
🔵 おすすめの表現
-
初春(しょしゅん)の候、陽春(ようしゅん)の候、盛夏(せいか)の候、晩秋(ばんしゅう)の候、厳冬(げんとう)の候
🔵 文例
「初春の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
【町内会・自治体の広報誌・案内文】
🟢 特徴
-
フォーマルすぎず、地域住民に親しみを持たれる表現が理想
-
季節の行事やイベントにも軽く触れると◎
🟢 おすすめの表現
-
新緑(しんりょく)の候、薫風(くんぷう)の候、秋晴(あきば)れの候、師走(しわす)の候
🟢 文例
「新緑の候、皆さまにはお変わりなくお過ごしのことと存じます。」
【PTAや学校行事・学校便り】
🟠 特徴
-
保護者や地域との信頼関係を意識した、柔らかい言葉選び
-
子どもたちの活動に関連した季節表現も取り入れるとよい
🟠 おすすめの表現
-
春暖(しゅんだん)の候、青葉若葉(あおばわかば)の候、清秋(せいしゅう)の候
🟠 文例
「春暖の候、保護者の皆さまにはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」
【個人の手紙・ハガキ・暑中見舞い】
🟡 特徴
-
カジュアルに親しみを込めた挨拶がOK
-
相手との関係性に応じて、砕けた表現も使える
🟡 おすすめの表現
-
桜花爛漫(おうからんまん)の候、涼秋(りょうしゅう)の候、晩夏(ばんか)の候
🟡 文例
「桜花爛漫の候、皆さまにはお健やかにお過ごしのことと存じます。」
【イベント・式典の案内状】
🔴 特徴
-
少し格式を意識しつつ、華やかな季節表現を選ぶ
-
行事のテーマや季節感とリンクさせると好印象
🔴 おすすめの表現
-
陽春(ようしゅん)の候、錦秋(きんしゅう)の候、小夏(こなつ)の候
🔴 文例
「陽春の候、皆さまにおかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。」
🌟ワンポイントアドバイス
-
「ビジネス」ではなるべくオーソドックスな表現を選ぶ
-
「個人用」では柔らかい季節表現も積極的に使ってOK
-
「式典や案内状」は行事の雰囲気に合った季節感を意識
4.【ワンランク上の一言集】時候の挨拶をもっと心に響かせるコツ
時候の挨拶をただ「〇〇の候」で終わらせるのではなく、
そのあとに一言添えるだけで、
文面の印象はぐっと温かく、心のこもったものになります。ここでは、季節感や相手への気遣いをさりげなく伝える、ワンランク上の一言例をたっぷりご紹介します。
【基本構成】
〇〇の候、+【続く一言】
※「続く一言」の選び方で、フォーマルにもカジュアルにも調整できます。
【相手の健康を気遣う一言】
-
「皆様には益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。」(ビジネスフォーマル)
-
「ご家族の皆さまにもお健やかにお過ごしのことと拝察いたします。」(ややかため)
-
「お変わりなくお元気でお過ごしのことと存じます。」(一般文書・町内会向け)
-
「体調を崩しやすい季節ですので、どうぞご自愛ください。」(個人・カジュアル寄り)
▶️ ポイント:
季節の変わり目や寒暖差が大きい時期は、特に体調を気遣う表現が好まれます。
【季節の自然・行事に触れる一言】
-
「桜の便りが待ち遠しい今日この頃でございます。」(春先・3月)
-
「新緑がまぶしい季節となりました。」(5月)
-
「梅雨の晴れ間に夏の訪れを感じるこの頃です。」(6月)
-
「秋の夜長を楽しむ季節となりました。」(10月)
-
「師走の忙しさの中、何かと気ぜわしい時節となりました。」(12月)
▶️ ポイント:
自然や季節行事をさりげなく織り込むと、文章が豊かになり、読んだ相手もその情景を思い浮かべやすくなります。
【励まし・労いを込める一言】
-
「新たな年が皆さまにとって実り多きものとなりますよう祈念いたします。」(1月・年始)
-
「暑さ厳しき折、どうぞご無理なさらずお過ごしください。」(7月・8月)
-
「年末ご多忙の折、くれぐれもお体をおいといください。」(12月)
▶️ ポイント:
相手の頑張りを想像し、いたわる一言は、ビジネス・個人問わず非常に好印象を与えます。
【結びに使えるおすすめフレーズ】
-
「今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。」(ビジネス)
-
「どうぞ健やかな日々をお過ごしください。」(個人・学校向け)
-
「引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。」(ビジネスフォーマル)
-
「ご家族皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」(個人・式典挨拶)
▶️ ポイント:
特にフォーマルな書類や案内状では、「締めの一言」まで気を配ると、きちんと感が伝わります。
✨ワンランク上に見せるコツまとめ
-
時候の挨拶だけで終わらせず、「相手への配慮」「季節の情景」「励まし」などをセットで添える
-
文面のトーン(ビジネス寄り/親しみ寄り)を意識して一言を選ぶ
-
季節行事や時節柄に合った自然な流れを意識する
たった一言の工夫で、
あなたの文面は、ぐっと印象深く、温かみのあるものに変わります!
5.【まとめ】時候の挨拶を味方につけて、伝わる文章を
時候の挨拶は、単なる形式ではありません。
そこには、日本人らしい「季節を大切にする心」、そして「相手を思いやる心」が、そっと込められています。ほんの一行。
しかし、その一行があるだけで、手紙や文書の印象は大きく変わります。
書き出しで季節を感じさせ、相手への気遣いを伝えられる──
それが、時候の挨拶の持つ力です。本記事では、
✅ 1月〜12月の月別・上旬中旬下旬別のおすすめ表現
✅ ふりがな付きで読みやすいリスト
✅ シーン別の使い分けガイド
✅ ワンランク上の一言例
まで徹底的にまとめました。ビジネス文書、町内会の広報誌、学校行事のお知らせ、そして大切な人への手紙まで。
どんな場面でも、自信を持って時候の挨拶が使えるようになります!🌟 このページは、保存版としてブックマーク推奨です!
🌟 困ったときにすぐ開ける「あなた専用の時候の挨拶辞典」として、ぜひご活用ください。季節の移ろいと共に、あなたの想いも、きっとより豊かに相手に届くはずです。
🎯この記事をおすすめしたい人
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ビジネス文書の挨拶文に悩んでいる方
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PTAや町内会の案内状を作成する担当者さん
-
手紙やハガキを書くとき、毎回最初の言葉でつまずいてしまう方
-
もっと気持ちが伝わる文章を書きたいと考えている方
あなたの文章に、さりげない「季節の彩り」と「心の温度」を添えてみませんか?
株式会社新潟フレキソは新潟市の印刷会社です。挨拶状・案内状のご注文承っております。
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