複写紙とは?仕組み・種類・印刷方法・カーボン紙との違いを徹底解説【減感加工も対応】

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第1章|まず結論:複写紙は“化学反応”で文字が写る仕組みです

ペンでこすっただけで、なぜ下の紙に文字が写るの?

複写紙(ふくしゃし)とは、筆圧によって上の紙に書いた内容が、下の紙に自動的にコピーされる特殊な紙のことです。領収書や申込書など、ビジネスの現場では当たり前に使われていますが、「なぜ写るのか?」と聞かれると、実は意外と知られていません。

結論から言えば──複写紙は、紙に仕込まれた化学物質同士が“化学反応”を起こして色が出る仕組みです。つまり、ただ筆圧で押しつけているだけではなく、紙と紙のあいだで目に見えない化学変化が起きているのです。


化学反応の主役は「マイクロカプセル」と「現像剤」

具体的には、上の紙(CB紙)には「色のもと(染料)」が入った極小のマイクロカプセルが塗布されており、下の紙(CF紙)にはその染料に反応して発色する現像剤が塗られています。ボールペンなどで上から筆圧をかけると、カプセルが破れ、中の色材が現像剤と反応して色が浮かび上がる──これが複写紙の正体です。


このブログでは何がわかるの?

このブログでは、「複写紙とは何か?」という基本からスタートし、

  • どんな種類があるの?

  • カーボン紙との違いって?

  • 一部だけ写らないようにするには?(減感加工)

  • 印刷の注意点は?

  • 発注するとき、何を伝えればいいの?

など、「複写紙の疑問」をまるごと解決できる構成になっています。

業務で使う伝票をもっと便利にしたい方、印刷物の発注を検討している方にとって、「知っててよかった!」となる内容を目指して丁寧にお届けします。

▶併せて読みたい記事 伝票とは何か?複写の歴史・コピー機以前の仕組みと今も使われる理由


第2章|複写紙とは?基本と用途をやさしく解説

複写紙とは、手書きの内容を同時に複数枚にコピーできる特殊な紙

複写紙とは、上の紙に書いた内容が、そのまま下の紙にも複写される仕組みを持った用紙のことです。別名「感圧紙(かんあつし)」とも呼ばれ、領収書や納品書、申込書などに広く使われています。特に手書き伝票の現場では欠かせない存在です。

従来は「カーボン紙」と呼ばれる黒い紙を間に挟んで複写していましたが、現在主流となっているのは**カーボン紙を使わない“ノーカーボン紙”**です。正式には「NCR紙(No Carbon Required Paper)」とも呼ばれています。


複写紙の用途は?──実は日常でよく使われている!

複写紙はあらゆる場面で使われています。代表的な例はこちら:

  • 領収書・納品書・請求書(2〜3枚複写で控えを保存)

  • 契約書・申込書(顧客控えと会社控えを同時に作成)

  • 宅配伝票・配送指示書(荷物・倉庫・ドライバーそれぞれ用)

  • ホテルのチェックイン用紙やレンタカーの利用申込書

  • 工事伝票・作業報告書・メンテナンス記録など

どれも「1回書いた内容を複数部残す必要がある場面」ばかりです。特にシステム入力が不要な手書き対応が求められる現場では、今も複写紙が現役で使われています。


英語ではなんて言う?海外でも使われているの?

複写紙の英語表記は主に以下の2つ:

  • Carbonless Copy Paper(カーボンレス・コピー・ペーパー)

  • NCR Paper(エヌシーアール・ペーパー)※登録商標に由来

海外でも複写式のレシートや申込用紙などで広く使われています。ただし、デジタル化の進んだ国では減少傾向にあり、日本はむしろ複写紙が根強く残る珍しい市場ともいえます。


「コピーできない複写紙」とはどういう意味?

「複写紙 コピーできない」という検索ワードがありますが、これは「一部だけ複写されないように加工された複写紙」を指しているケースが多いです。たとえば、伝票の「金額欄」や「社内メモ欄」など、控え側に表示させたくない部分に**“減感加工”**という特殊処理を施すことで、あえて写らなくすることも可能です。

この「写らない工夫」については、第5章で詳しく解説します。


第3章|複写紙の仕組み|上・中・下紙それぞれの役割とは?

複写紙は3種類の紙を組み合わせて“化学反応”で文字を写す

複写紙は単なる一枚の紙ではありません。実は「上用紙」「中用紙」「下用紙」と呼ばれる3種類の紙を組み合わせて使い、それぞれに異なる化学処理が施されています。それが、あの不思議な“こするだけで写る”仕組みの正体です。

複写紙に使われる基本構造は以下の3種類:

用紙の種類 名称 主な役割
上用紙 CB紙(Coated Back) 裏面にマイクロカプセルが塗布されており、筆圧でカプセルが破れて色材が出る
中用紙 CFB紙(Coated Front & Back) 表に現像剤、裏にカプセルがあり、中間で受け取りつつ次に伝える役割
下用紙 CF紙(Coated Front) 表面にのみ現像剤が塗られており、最終的に色を浮き出させる紙

マイクロカプセルと現像剤──写るメカニズムの主役たち

複写紙の仕組みの核となっているのは、「マイクロカプセル」と呼ばれる極小の球体と、「現像剤」と呼ばれる化学反応を起こす物質です。

  • CB紙の裏面には、無色の色材(染料)を含むマイクロカプセルがびっしり塗布されています。

  • CF紙の表面には、**その色材と反応して色を発色させる“現像剤”**が塗られています。

  • 筆圧をかけると、CB紙のカプセルが破れ、CF紙に染料が転写され、化学反応で色が浮き出ます。

つまり、「力でこする」のではなく、「色の素が反応する」から写るというわけです。


複写枚数の限界は?──3枚〜4枚が実用ライン

複写紙は「2枚複写」「3枚複写」「4枚複写」など、必要な控えの枚数に応じて構成されますが、筆圧が届く範囲に限界があるため、一般的には4枚程度が限界です。5枚目以降になると、筆圧が弱くなり発色が薄れるため、業務用途では非推奨とされています。


第4章|複写紙の種類とカーボン紙との違い

複写紙には2種類ある|カーボン紙とノーカーボン紙

ひとくちに「複写紙」と言っても、実は2つの方式があります。

名称 概要 特徴
カーボン紙方式 黒いインク層がついた紙を間に挟む 書いた内容が下の紙に直接インクで転写される
ノーカーボン紙方式(NCR紙) 化学処理された紙を直接重ねる 化学反応によって色が出る。現在の主流

「カーボン紙方式」はかつて多くの現場で使用されていましたが、現在では**ノーカーボン紙(カーボンレス複写紙)**が完全に主流となっています。


カーボン紙の特徴とデメリット

かつて多く使われていたカーボン紙は、上の紙と下の紙の間に黒いカーボン層(炭素インク)を挟んで使用する方式でした。書いた筆圧で上からインクを押し出して転写するという、物理的な転写方式です。

しかし、以下のようなデメリットがありました:

  • 汚れやすい(手や紙にインクが付く)

  • 静電気や摩擦で文字が写ってしまう事故が多い

  • 紙を1枚ずつセットする必要があるため手間がかかる

現在ではこの方式はほとんど使われず、主に**ノーカーボン紙=感圧紙(Pressure-sensitive Paper)**が使われています。


ノーカーボン紙のメリット|現場で選ばれる理由

現代の複写紙は、前章で説明したように化学反応によって文字を写すノーカーボンタイプが一般的です。この方式には多くの利点があります。

  • カーボン紙のように汚れない

  • セットが簡単で、連続帳票やミシン目処理に対応しやすい

  • ミシン目・ナンバリング・製本など各種加工が可能

こうした実用性の高さから、現在の伝票印刷や事務用紙はほぼすべてノーカーボン紙(NCR紙)方式に移行しています。


第5章|“一部だけ写らない”減感加工とは?

減感加工とは?──あえて“写らせない”ための技術

複写紙の大きな特徴は、上の紙に書くだけで下の紙にも文字が写ることですが、逆に「この部分には写ってほしくない」というケースも存在します。

たとえば:

  • 控えには金額を見せたくない

  • 社内回覧用に個人情報を伏せたい

  • 複写したくないメモ欄や社内コメント

そんなときに使われるのが「減感加工(げんかんかこう)」という技術です。これは、複写紙の“発色反応”をわざと止める処理のこと。つまり「写らない部分」を作る技術です。


仕組みは“発色をブロックする”マスキング処理

減感加工は、主に下側の紙(CF紙やCFB紙)の発色剤が塗られている面に特殊なインクを上から印刷することで行います。このインクがバリアとなって、上から落ちてきた染料と反応できないようにするのです。

つまり、発色の“化学反応”を妨げる“マスキング処理”のようなもの。

減感インクは透明に近いものや白色、あるいは印刷と重ねられるデザインで処理されることもあり、見た目は普通でも反応しない=写らない領域を作ることができます。


どんな場面で使われている?使い方の例

減感加工は、業種を問わずさまざまな現場で利用されています。

例1|領収書の金額欄だけ写さない

→「社内控え」には金額を書かずに渡したい場合

例2|契約書のメモ欄だけ減感

→「顧客控え」には社内コメントを見せたくない場合

例3|申込書の個人情報欄を減感

→「回収控え」や第三者に渡る紙には個人情報が写らないように

特に情報保護・プライバシー管理の観点から、減感加工はますます需要が高まっています。


注意点|減感位置は正確に指定しよう

減感加工は**「ここには写らせない」とピンポイントで設計する**必要があるため、印刷データの段階であらかじめレイアウトを決めておくことが大切です。ずれてしまうと減感の意味がなくなるので、印刷会社との事前相談は必須です。


第6章|複写紙の印刷方法と注意点

複写紙の印刷には“紙の特性”に合った設備と技術が必要です

複写紙(ノーカーボン紙)は、マイクロカプセルと発色剤を利用して、筆圧によって色を出す特殊な構造を持つ感圧紙です。
この仕組みを正しく機能させるには、印刷時の圧力や熱、湿度、用紙搬送の精度などに細心の注意が必要です。

とくに複写紙の印刷では、構造を傷めず、均一にインクを載せられる印刷方式が求められます。高い見当精度(版のズレがないこと)と製版技術によって、複写伝票としての機能性と読みやすさを両立させることができます。


印刷データの作り方|“見当合わせ”とレイアウト精度が重要

複写伝票では、1枚目・2枚目・3枚目の内容がぴったりと同じ位置に印刷されていることが非常に重要です。わずかなズレでも、記入欄の位置や減感加工の範囲が合わず、実用性が大きく損なわれてしまいます。

印刷用データを作る際には、以下の点にご注意ください:

  • 各用紙(CB・CFB・CF)ごとにレイヤーを分けてデザインする

  • トンボ(断裁位置)と見当マークを正確に配置する

  • 減感加工を行う場合は、その範囲をmm単位で明示する

  • チェック欄やナンバリング欄の位置も厳密に揃える

当社では、印刷用データのチェックや、仕上がり見本(校正)による仕様確認も丁寧に対応しております。ご不安な点があれば、事前にご相談ください。


複写紙に対応した加工例|現場で使いやすい工夫

複写紙の伝票を“業務で使いやすくする”ためには、印刷後の加工も非常に重要です。用途や運用方法に応じて、以下のような加工を組み合わせることで、効率的かつストレスのない使い心地を実現できます。

  • ミシン目加工:伝票を切り離しやすくするための切り取り線

  • ナンバリング加工:整理番号・管理番号などを連番で印字

  • 製本加工:天のり(上綴じ)・左のり(左綴じ)・バラ納品も対応可

  • 下敷き付き伝票セット:裏写りを防ぐための厚紙台紙付き伝票

これらの加工を目的に合わせて適切に組み合わせることで、業務効率を高め、現場のミスも減らすことができます。


第7章|発注時に必要な仕様チェックリスト

複写紙の印刷は「仕様の伝え方」がすべてを決める

複写伝票は、ただ「印刷して」と依頼するだけでは不十分です。どのような構成で、何枚つづりにして、どこに何を印刷するか──細かな仕様を正確に伝えないと、実際の運用で不便な伝票ができてしまうリスクがあります。

そこでここでは、印刷を依頼する際に必ず確認しておきたいポイントをチェックリスト形式で整理しました。
社内での確認や、印刷会社への依頼書づくりにも役立ちます。


仕様チェックリスト【発注前の確認用】

チェック項目 内容・選択肢
複写枚数 2枚複写(CB+CF)/3枚複写(CB+CFB+CF)など
用紙の色構成 1枚目:白、2枚目:ピンク、3枚目:イエローなど
減感加工の有無 あり/なし(ある場合は位置をmm単位で指定)
印刷内容 各枚ごとに同一/一部異なる(社内メモ欄など)
ナンバリング あり/なし(位置・桁数・開始番号)
ミシン目 あり/なし(切り離しやすい仕様)
綴じ方向 天のり(上部)/左のり(左側)/製本なし
下敷きの有無 あり(下敷き付き伝票)/なし
用紙サイズ B6、A5、A4など。既製サイズ/オリジナルサイズ
印刷色 モノクロ(黒1色)/特色(赤・青など)
枚数(部数) 例:100部(1部=3枚複写)など

第8章|まとめ|複写紙を正しく理解して、最適な伝票印刷へ

複写紙の“写る仕組み”は、化学と設計の力

ここまでご紹介してきたように、複写紙はただの紙ではありません。マイクロカプセルと発色剤による化学反応によって、筆圧で文字が写る――この精密な仕組みによって、今も多くの現場で欠かせない役割を果たしています。

そして、用途や業務フローに合わせて「減感加工」や「ナンバリング」「ミシン目」などを加えることで、より使いやすく、安全性の高い複写伝票を設計することができます


種類・構造・加工を理解すれば、伝票がもっと便利になる

  • CB紙・CFB紙・CF紙の違いを知れば、複写枚数に応じた構成が理解できる

  • 減感加工を活用すれば、プライバシー保護にも対応できる

  • カーボン紙との違いを知ることで、清潔で扱いやすいノーカーボン紙のメリットを実感できる

  • 印刷方式の注意点を押さえれば、発色不良やズレを防げる

こうした知識は、実際の発注にも役立ちます。
「今の伝票、ちょっと使いづらいな…」「もっと見やすくしたい」「減感って使える?」そんな疑問をもったときこそ、印刷会社に相談するタイミングです。


新潟で複写伝票をつくるなら、株式会社新潟フレキソへ

当社では、オフセット印刷による高品質な複写紙伝票の印刷に対応しています。
以下のようなご要望にも対応可能です:

  • 小ロット印刷

  • 減感加工・ナンバリング・ミシン目加工

  • 製本(天のり・左のり)、下敷き付き伝票

  • 納品形態のご相談(仕分け・包装対応)

仕様のご相談や見積もりは無料です。伝票のリニューアルや、新規作成を検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


\株式会社新潟フレキソは新潟県新潟市の印刷会社です。/

あらゆる要望に想像力と創造力でお応えします!

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