菊判・四六判とは?サイズ・違いを印刷会社がわかりやすく解説

【導入】

本を開くと、奥付(おくづけ)やカバーの裏に「四六判」「菊判」といった表記を見かけることがあります。
けれど、これがどれくらいの大きさなのか、正確にイメージできる人は意外と少ないかもしれません。

「四六判って、どれくらいのサイズだろう?」
「菊判って、何か特別な意味があるの?」
本好きな方でも、なんとなく聞いたことはあっても、詳しくは知らない──そんな言葉の一つかもしれません。

さらに、「本のサイズ」と一口に言っても、
実は印刷業界ではもう一歩深い世界があります。

それが、
「本の仕上がりサイズ」と「紙の原紙サイズ(印刷に使う紙のもと)」は違う
という事実です。

たとえば、仕上がりがA5サイズの本を作るとしても、
最初からA5サイズの紙に印刷するわけではありません。
もっと大きな紙に複数ページ分を刷り込み、裁断して仕上げるのが基本の流れです。

なぜかというと──
印刷機というのは、紙の「端っこギリギリ」まできれいに刷ることができないからです。
端の方には「ノンプリントエリア」と呼ばれる余白が必要で、そこを確保するためにも、
一度「大きな紙」に印刷してから、仕上がりサイズに断裁する工程が必須になります。

つまり、印刷物を作るときには、

  • どんな仕上がりサイズにするか?

  • どの原紙を使って、どう断裁するか?

  • 塗り足し(断裁時に必要な余白)をどう設計するか?
    これらすべてを考えた上で設計しないと、きれいな本やパンフレットは作れないのです。

このあたりは、普段本を読むだけではなかなか意識しない世界。
でも、印刷に関わる私たちからすると、ものすごく基本であり、すごく奥深い部分でもあります。

今回のブログでは、

  • 「四六判」「菊判」ってそもそもどんなサイズ?

  • なんでそんな名前なの?

  • A判・B判とはどう違うの?

  • 印刷現場ではどうやって紙を選び、仕上げているの?

  • 本づくりやパンフレットづくりで失敗しないために気をつけることは?

そんな疑問に、わかりやすく・じっくりとお答えしていきます。

この記事を読み終えた時には、
きっとあなたも「本」や「印刷物」を、今まで以上に深く楽しめるようになるはずです。

それではさっそく、
まずは**「四六判」と「菊判」**の正体から探っていきましょう!


【2. 四六判とは?】

「四六判(しろくばん)」は、日本でとても広く使われている本のサイズのひとつです。
小説やエッセイ、一般向けのビジネス書など、書店に並ぶ多くの単行本がこの四六判で作られています。

では、四六判とは具体的にどのくらいの大きさなのでしょうか?
答えは──
127ミリ × 188ミリ
(ざっくり言うと、A5サイズよりほんの少し小さく、手に持ちやすい絶妙な大きさです。)

本を読むときに「しっかり情報量があって、それでいて持ち運びもラク」
そんなバランスを実現しているのが、四六判の大きな魅力です。


四六判の「四六」ってなに?

「四六判」という名前、
初めて聞いた人は「なんで四六?」「4と6って何のこと?」と不思議に思うかもしれません。

実はこの「四六」というのは、もともと**「四六判原紙」という紙の大きさ**を指しています。

四六判原紙のサイズは、
788ミリ × 1091ミリ。

この大きな紙を、ちょうど4つ折り、6つ折り、という意味ではなく、
元の四六判サイズから一定のルールで断裁して、ちょうどいい本のサイズに仕上げたのが「四六判の単行本」なのです。

つまり、「四六判」という呼び名は、
元になった紙の規格(四六判原紙)に由来している、ということ。

これ、意外と知られていないポイントですね。


四六判がよく使われるジャンル

  • 文芸小説

  • エッセイ集

  • 自己啓発本

  • ビジネス書

など、「広いターゲットに向けた本」「持ち運びやすさと読みやすさのバランスを重視する本」で、四六判がよく採用されます。

四六判は1ページあたりに収まる情報量も適度で、

  • 文字を大きくとれる

  • 余白を広くとれる

  • 挿絵や図版もレイアウトしやすい
    といった特長もあります。

また、読者が片手でも持ちやすく、電車の中など移動中でも無理なく読める、というのも四六判が好まれる理由のひとつです。


まとめ:四六判とは?

127mm × 188mmの手頃なサイズで、
読みやすさ・持ち運びやすさ・デザイン性のバランスに優れた本のスタイル。

名前の由来は「四六判原紙」から来ていて、
日本の出版文化において、最もポピュラーな仕上がりサイズのひとつです。


【3. 菊判とは?】

「菊判(きくばん)」も、印刷・出版の世界ではよく使われる本のサイズのひとつです。
特に、教科書や専門書、学術書など、少ししっかりした内容の本で見かけることが多いサイズです。

具体的な大きさは──
151ミリ × 218ミリ。
四六判よりひとまわり大きく、A5サイズ(148ミリ×210ミリ)にも近いですが、微妙に違う独自サイズです。


菊判の「菊」ってなに?

「菊判」の「菊」。
これは花の「菊(きく)」を意味しています。

なぜ花の名前がついているかというと──
もともと「菊判原紙」と呼ばれる紙のサイズ(636mm × 939mm)があり、
この紙が「菊の花のように気品がある」とたとえられた、という説が有力です。

また、明治時代以降、日本で紙の規格を整えようとした時に、

  • 高貴な花=「菊」

  • 皇室の象徴=「菊」
    こうしたイメージに重ねて、「菊判」という名前が定着していったとも言われています。

つまり、「菊判」という名前には、
単なるサイズ以上の、日本文化的な意味合いも込められているんですね。


菊判がよく使われるジャンル

  • 学校の教科書

  • 専門書・学術論文集

  • 法律関係の書籍

  • 技術解説本・マニュアル書

など、しっかり読み込んで使うことが前提の本に、菊判はよく選ばれます。

ページあたりの情報量を増やせるので、

  • 小さな文字でも読みやすい行間を確保できる

  • 図版や表をゆったり配置できる

  • 持ち運びにはやや大きいが、デスクで読むにはちょうどいい
    そんな特性が、菊判の強みです。


四六判と菊判、ここが違う!

 

サイズ 用途の傾向 持ちやすさ 情報量
四六判 小説・ビジネス書・エッセイ 持ちやすい ほどほど
菊判 教科書・専門書・学術書 やや大きめ 多い・レイアウト自由
  • 四六判は、「手に持って読む」「読みやすさ重視」。

  • 菊判は、「デスクでじっくり読む」「情報量重視」。

用途によって選ばれているんですね。


まとめ:菊判とは?

151mm × 218mmのしっかりめサイズで、
情報量重視の本や、じっくり読み込む本に適したスタイル。

名前の由来は、日本文化にちなんだ「菊の花」。
知れば知るほど、奥深さを感じさせるサイズ規格です。


【4. 印刷現場ではどう使われる?】

さて、ここまでで「四六判」「菊判」という本の仕上がりサイズについて紹介してきました。
ここからは、印刷会社の視点で、
「実際にどうやって紙を使い、仕上げサイズにしているか」
について、もう一歩深く掘り下げていきましょう。


本やパンフレットは、最初から仕上がりサイズでは刷らない

たとえば「四六判の本を作りたい!」と思ったとしましょう。
このとき、四六判(127mm × 188mm)ぴったりの紙に、1ページずつ刷る──なんてことは、絶対にしません。

なぜなら、
印刷機は紙の端ギリギリまできれいに印刷できないからです。

印刷機の構造上、どうしても「ノンプリントエリア」と呼ばれる、

  • インキがきれいに乗らないゾーン

  • 紙を送り込むための余白
    が必要になります。

そのため、仕上がりより一回り大きな紙に、塗り足し(断裁するための余白)をつけて印刷し、
最後に断裁して仕上げる──これが基本の流れになります。


全面ベタ印刷には「塗り足し」が必須!

たとえば、表紙が全面イラストや写真で覆われた本を作りたい場合。
仕上がりサイズぴったりに絵を置くと、断裁のわずかなズレで白い部分(白フチ)が見えてしまいます。

それを防ぐために、
上下左右に各3mm〜5mm程度の「塗り足し」をつける
のがルールです。

つまり、仕上がりサイズより、
縦横とも6mm〜10mm大きいサイズでレイアウトする必要があるわけです。

これも、印刷物をきれいに仕上げるためには欠かせないポイント!


仕上がりサイズと原紙サイズの関係

さらに大事なのが、原紙の選び方。

印刷の設計では、

  • どの原紙を使うか?

  • どんなレイアウトで紙取り(面付け)するか?
    が非常に重要です。

たとえば、仕上がりがA3サイズ(297mm × 420mm)のチラシを作る場合。

単純に「A3サイズの紙に刷ればいいじゃん」と思うかもしれませんが、
それでは全面ベタ刷りができません。

なぜなら、A3ジャストの紙では塗り足し分の余裕が取れないからです。
そのため、実際には

  • 菊判四つ切サイズ

  • ハトロン判四つ切サイズ
    など、A3より一回り大きな紙を使って印刷し、最後に断裁してA3に仕上げる
    というプロセスになります。

【イメージ】

▶︎ 大きな原紙に、仕上がりサイズ+塗り足し分のデータを面付け
▶︎ 印刷後、塗り足しラインで断裁
▶︎ 完成したA3チラシ!


【豆知識コラム】なぜ「端まで印刷できない」のか?

印刷機には、紙を安定して送るための「紙押さえローラー」や「グリッパー」と呼ばれる機構があります。
これが紙の端をつかんで運ぶため、どうしても紙のごく端には印刷できない部分ができてしまうのです。

オフセット印刷機でもオンデマンド印刷機でも、この「ノンプリントエリア問題」は避けられません。
そのため、必ず大きめの紙に刷ってから断裁するという文化が、印刷業界では当たり前になっているんですね。

これを知らずに、
「仕上がりピッタリのサイズで作ってください!」
なんて指示を出してしまうと、トラブルのもとになりがちなので注意が必要です。


印刷設計=コストにも直結する

もうひとつ重要なのが、
「取り都合(とりつごう)」=どれだけ無駄なく刷れるか?
という考え方です。

たとえば、

  • ある原紙に四六判サイズがぴったり8面取れるならロスが少ない

  • 逆に、5面しか取れないと、無駄が多くコストも高くなる

この「原紙のサイズと仕上がりサイズの最適な組み合わせ」を考えるのも、印刷会社の腕の見せ所なんです。

同じ仕上がりサイズでも、使う原紙や取り都合次第でコストが変わる。
これも、知っておくと面白い印刷の裏話ですね!


【まとめ】

  • 印刷は必ず「大きな紙」に「塗り足しつき」で刷り、仕上げで断裁する

  • 全面印刷したいなら、原紙サイズの選び方が超重要

  • 印刷設計=コストや品質にも大きく関わる

このあたりを理解しておくと、
本づくり、チラシづくり、パンフレット制作も、ぐっと精度が上がります!


【5. A判・B判だけじゃない!紙サイズいろいろ紹介】

印刷や本の話になると、つい「A判」「B判」という言葉が中心になりがちです。
たとえば、

  • A4サイズのチラシ(210mm×297mm)

  • B5サイズのノート(182mm×257mm)
    などは、普段の生活でもなじみ深いですよね。

でも、印刷現場ではA判・B判だけではなく、もっといろいろな「原紙サイズ」が使われているのをご存じでしょうか?

ここでは、印刷会社ならではの視点で、ちょっとマニアックな紙サイズたちをご紹介します!


ハトロン判(ハトロン紙判)

サイズ:900mm × 1200mm

ハトロン判とは、もともと「ハトロン紙」と呼ばれる丈夫な包装紙に由来する紙サイズです。

厚みがあって破れにくいので、

  • 大判ポスター

  • 包装用紙

  • 貼り箱の中敷き
    など、強度が求められる用途によく使われます。

また、ハトロン判をベースに刷って、断裁してA3やB4などに仕上げるケースもあります。
特にポスター印刷では、ハトロン判が活躍する場面が多いですね。


四六判原紙・菊判原紙

  • 四六判原紙:788mm × 1091mm

  • 菊判原紙:636mm × 939mm

これは、先ほど出てきた「四六判」や「菊判」のもとになっている原紙サイズです。

この大きな紙を、

  • 四つに分けたサイズ(四六判)

  • 八つに分けたサイズ(菊判)
    として使うことで、小説や教科書などの本が作られています。

もともとの原紙サイズに合わせた「面付け」を考えることが、印刷設計ではとても重要です。


菊半裁・四六半裁

  • 菊半裁サイズ:約318mm × 469mm(菊判の半分)

  • 四六半裁サイズ:約393mm × 545mm(四六判の半分)

これらは、菊判や四六判の原紙を縦半分に切ったサイズです。

  • 少し小型のカタログ

  • 冊子

  • 会社案内パンフレット

  • プログラム(イベント用)

など、コンパクトながらもしっかり情報を載せたいときによく選ばれるサイズです。

ちょうど良い取り都合が取れるので、コスト面でも優れています!


新書判・文庫判

  • 新書判:103mm × 182mm

  • 文庫判:105mm × 148mm

こちらは、「本の仕上がりサイズ」の仲間ですが、印刷設計的にもよく出てくるサイズです。

新書はビジネス・学術系の軽い読み物に、
文庫本は小説やエッセイにと、使われるジャンルが異なります。

原紙からの取り都合を考えると、
文庫本はA判系の原紙から、
新書判はB判系の原紙から設計することが多いのもポイントです。


【豆知識コラム】そもそもA判・B判ってどう決まった?

  • A判サイズは、国際規格(ISO 216)に基づくもの。
    A0を基準に、面積を半分ずつにしていったサイズ展開です。

  • B判サイズは、日本独自のJIS規格に近い展開で、A判より少し大きめ。

もともと、A判はドイツ発祥B判は日本ローカル規格という違いがあり、
世界標準ではA判、
日本国内の出版・印刷文化ではB判も根強く使われ続けています。

つまり、日本の印刷会社では
**「A系」「B系」「四六系」「菊系」「ハトロン系」**と、
5系統ぐらいを自在に使い分けているわけですね!

なかなか奥が深い世界です。


【まとめ】

A判・B判だけじゃなく、

  • ハトロン判

  • 四六判原紙

  • 菊判原紙

  • 菊半裁・四六半裁

  • 新書判・文庫判
    といった多種多様な紙サイズが、印刷の現場では日々使われています。

仕上がりサイズだけを見ているとわからない、
**「もとの紙をどう使っているか」**まで知ると、
印刷物の面白さが一段と深まります!


【比較表】

 

系統 全判サイズ(現場基準) 半裁サイズ 四つ切サイズ 八つ切サイズ
菊判 636mm × 939mm 約469mm × 636mm 約318mm × 469mm 約234mm × 318mm
四六判 788mm × 1091mm 約545mm × 788mm 約393mm × 545mm 約272mm × 393mm
A判 A1(594mm × 841mm) A2(420mm × 594mm) A3(297mm × 420mm) A4(210mm × 297mm)
B判 B1(728mm × 1030mm) B2(515mm × 728mm) B3(364mm × 515mm) B4(257mm × 364mm)

【6. 本づくり・印刷物制作で気をつけたいこと】

ここまで、菊判・四六判・A判・B判、それぞれのサイズや紙の切り分けについて詳しく見てきました。
印刷物を作るときには、仕上がりサイズだけでなく、原紙サイズや断裁の流れまで意識することが大切だとお分かりいただけたかと思います。

ここでは、いざ本づくりや印刷物制作を進めるときに、特に注意しておきたいポイントをまとめます。


仕上がりサイズと原紙サイズをセットで考える

本やパンフレットを企画するとき、
つい「仕上がりはA4で」「B5で作りたい」といった話から入ってしまいがちです。

でも、印刷設計のプロ目線では、

  • その仕上がりサイズは、どの原紙からどれだけ取れるか?

  • 塗り足しを考えたら、どのサイズで印刷するべきか?
    というところから逆算して設計することが欠かせません。

例えば、A4仕上がりの冊子なら、
実際にはA3サイズの紙に見開き2ページ分を面付けし、断裁して仕上げる設計になります。
この「原紙→仕上がり」の視点を持っておくだけで、仕上がりの完成度がぐっと上がります。


塗り足し(断裁余白)を忘れずに!

特に全面に色を敷きたいデザインの場合は、塗り足しを忘れると致命的です。

塗り足しとは、
仕上がりより上下左右それぞれ3mm〜5mm程度広めにデザインを伸ばしておく領域のこと。
これがないと、断裁時にわずかにズレたとき、白フチが出てしまいます。

  • 表紙の背景がズレる

  • チラシの端に白線が出る
    こういったトラブルを防ぐためにも、塗り足し設計は絶対に必要です。

データ作成段階で、必ず「仕上がり+塗り足し」を意識しましょう。


用途にあわせたサイズ選びを

また、用途によって適切なサイズ感を選ぶことも大切です。

  • 片手で持ち運びたい → 四六判やA5サイズ

  • 読み物中心、情報量重視 → 菊判やB5サイズ

  • 展示・ポスター → A1・B1サイズ

仕上がりの目的、使われるシチュエーションに応じて、
「ちょうどいい」サイズ設計を考えると、読む人・見る人にとっても快適な印刷物になります。


印刷設計に強いパートナーと相談する

本づくりや印刷物制作は、最初の設計段階で成功・失敗がほぼ決まります。

  • どの紙を選ぶか?

  • どれだけロスを減らすか?

  • コストと品質をどう両立するか?

これらをうまくコントロールするには、印刷設計に詳しいパートナーと一緒に進めるのが一番安心です。

「なんとなくこのサイズで」「なんとなくこのデザインで」ではなく、
プロと一緒に設計することで、無駄なく、きれいで、読みやすい印刷物を作ることができます。


【まとめ】

  • 仕上がりサイズだけでなく、原紙と塗り足しを意識しよう

  • 用途にあわせたサイズ選びをしよう

  • 印刷設計に強いパートナーと相談しながら進めよう

少しだけ「印刷の裏側」を知っているだけで、
あなたの本づくり、パンフレットづくりは確実にワンランクアップします!


【コラム:紙の規格を考えた人たちの物語】

現在、世界中で広く使われているA判サイズ。
実はこの規格を考えたのは、ドイツの物理学者ヴァルター・ポルシェといわれています。

1920年代、ドイツでは「印刷物や書類をもっと効率的に扱えるようにしたい」というニーズが高まっていました。
そこでポルシェは、「用紙を半分、また半分に切っても、常に縦横の比率が同じになるサイズ」を設計したのです。

その比率は、1:√2(ルート2)
この特別な比率を持つ長方形なら、どれだけ半分にしても、形が崩れず、美しいプロポーションを保ちます。

この合理性の高さから、A判サイズは瞬く間に世界中に広がり、
のちに**ISO(国際標準化機構)**にも正式に採用されました。

一方、日本では独自にB判(日本工業規格)を作り出しました。
このB判は、もともと江戸時代から使われていた和紙の寸法感覚を活かし、
日本人の暮らしや印刷文化に馴染むサイズとして整えられたものです。

つまり、A判・B判にはそれぞれ、

  • ヨーロッパ発の科学的な合理性

  • 日本独自の文化的な感覚
    が詰まっているのです。

紙のサイズ一つとっても、そこには人々の知恵と工夫、歴史が息づいています。


【まとめ】

本やパンフレットの「サイズ」と一口に言っても、
実際には仕上がりサイズと原紙サイズ、断裁や塗り足しまで、
たくさんの設計ポイントが隠れていることを見てきました。

菊判・四六判・A判・B判──
それぞれに成り立ちがあり、特徴があり、現場ではどう使われるかも違います。

  • 仕上がりだけを見るのではなく、原紙サイズまで考えること。

  • 塗り足しをしっかり設計すること。

  • 用途にあったサイズ選びをすること。

これらを意識するだけで、
印刷物のクオリティはぐっと向上します。

本づくりも、チラシも、パンフレットも、
ちょっとした知識と工夫で、見栄えもコストも大きく変わります。

もし、

  • 「仕上がりイメージに合う紙サイズがわからない」

  • 「断裁設計や塗り足しのことが不安」
    そんな時は、ぜひ印刷会社に相談することをおすすめします。

正しい設計は、きれいな仕上がりへの最初の一歩です。


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