フレキソ製版とは、ゴム製または合成樹脂製の高弾性の材質で構成する刷版のことで、主に段ボールの印刷で使用されています。
当社では、TENAFLEXTM-SRの「液状感光性樹脂版」を使用し、製版しています。液状感光性樹脂版とは、感光性樹脂にUV光を照射し、露光部が硬化して形成する刷版のことです。未硬化樹脂は、回収して再利用することができるため、環境に優しく経済的な製法です。
TENAFLEXTM-SR「液状感光性樹脂版」の特徴
- ベタ品質が良好で低い印圧でも印刷が可能
- 軽量ライナーにおいても印刷後の段シートの潰れ、段シートの傾き低減
- 印刷終了後の印版洗浄性が向上します
- 独自技術による良好な紙粉離脱性の実現
- 個体版に比べ製版時間が短く短納期対応に貢献
- デザインごとに版の硬度を最適化することで、ベタ品質と細字の太り、段目抑制のバランスが向上
液状版だからこそできること
1.高再現キャップ樹脂
液状版は、ダンボール会社様のご要望に合わせて特徴ある判を製版することが可能です。これは液状版ならではの技術です。
高再現キャップ技術は、段ボール印刷において太りやすい網点・細字・バーコード部分の版を三層構造にすることで、ベタ中心の印刷条件で段目が低減し、細字・バーコードの印刷品質が向上します。
①段目の抑制
例えば、A段(強化中芯180g)の場合、ベタがのるまで印圧をかけても、シートの凸部に対して網点太りを生じ難い構成体のため、画像全体が明るくなる上、段目が目立たなくなります。
②細字再現性、バーコードの印刷品質向上
画像を選択して多層構造化しているため、ベタと細字、ベタとバーコードの組み合わせ図柄の印刷品質を向上させることができます。
例えば、A段はもちろん、B段やC段からE段のような平滑性の高いシートでも、細字再現性が向上。
印刷縦通しのバーコードの太りも抑制することが出来ます。
③印刷作業性が向上
上述の通り、ベタのりを維持したまま、例え印圧をかけ過ぎても細字や網点の太りが抑制できますので、印刷条件調整幅が広がります。
2.微マットカバーフィルム
製版時に微マットカバーフィルムを使用し、ベタ品質が向上し、洗版性を向上させます。
①ベタ品質の向上
カバーフィルムの表面の粗さを微マットにすることで、製版後の版の表面の凹凸形状を最適化することで印刷時のインキ転移量を改善。これにより、従来に比べ、軽い印圧でベタ画像にインキを転移することが出来ます。
②洗版性の向上
微マットカバーフィルムをしようすることにより版の表面の凹凸が小さくなり、版の洗浄がしやするなりました。これにより、版のインキ残りが低減されます。
③その他
印圧条件を現在よりも下げる、版をゴシゴシ洗う必要がなくなったことで、版に対するストレスが少なくなり、版の寿命が延びることが期待できます。
また版表面のインキ残りを抑制することで、紙粉離脱性の改善が期待されます。
3.目止めレスベースフィルム
ベースフィルムの粘着剤の形状を変更することでインキなどを染み込みにくくし、製版の目止めが不要に。
①目止め処理における目止め剤の塗布・乾燥(1時間)をカットすることでスピーディーな納期に対応。
②目止め剤が印刷中に剥がれる課題を解決。