Windows 95とは?AppleとIBMの時代を超えた“誰でも使えるOS”の革命[1995年]

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このブログはブログシリーズ「商用コンピュータとパソコンの進化」⑧です。

まとめはこちらから▶商用コンピュータとパソコンの進化|UNIVACからWindows95まで50年の歴史を総まとめ

前の記事はこちらから▶⑦IBM PCとMS-DOSとは?1981年に誕生した“世界標準PC”とMicrosoftの躍進


第0章|導入:OSが“道具”になった日──パソコンは、誰もが触れる窓になった


🖥️ 計算機から「生活の道具」へ──歴史を変えた転換点

メソポタミアで数が生まれ、
そろばんや加算機が“道具としての計算”を支えてきた。

電気による計算機 ENIAC が登場し、
Apple II が家庭に、IBM PC と MS-DOS が業界に普及し始めた。

そして──1995年。

💡 コンピュータが「専門家のもの」から「誰もが日常で使うもの」へと変わった節目。

その流れを一気に加速させたのが Windows 95 の登場でした。


☟併せて読みたい記事

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Apple IIとは?スティーブ・ジョブズが家庭にパソコンを届けた“最初の革命”


🔳 OSが“生活に入り込んだ”という衝撃

もちろん、OSは以前から存在していました。

  • MS-DOS(コマンド中心)

  • Windows 3.1(GUIはあるが設定が難しい)

  • Mac OS(直感的だが Apple 製品に限定)

しかし Windows 95 が現れた瞬間、OSは「技術」ではなく「文化への入口」になった のです。

  • スタートボタン

  • デスクトップ

  • ダブルクリック

  • ネットワーク設定(インターネット接続がしやすくなった)

これらの操作体系が、はじめて“多くの人にとってのデジタルの窓”になりました。


🪟 パソコン=Windows の時代へ

Windows 95 は、単なる改良版ではありませんでした。

  • GUIが洗練され、マウス操作が中心に

  • プラグ&プレイ対応で周辺機器設定が簡単に

  • ネットワーク設定が容易になり、インターネット利用が一気に広まった
    ※ブラウザは後の OSR2 などで同梱

そして何より──
「誰でも使えそうだ」と思わせる使いやすさ が突出していました。

💬 OSという“裏方”が、人の心を動かす存在になったのは、このときが初めてだったとも言えます。


📅 1995年、世界が“スタートボタン”を押した日

  • 発売日:1995年8月24日

  • 深夜販売には数千人が行列

  • CM曲はローリング・ストーンズ「Start Me Up」

  • 起動音も世界的に話題に

家庭のパソコンが、テレビや冷蔵庫のように
「一般家庭の道具」へ本格的に近づいた瞬間でした。


🧠 今回のブログでは、こんな視点で読み解きます:

  • Windows 95 の“画期的な中身”とは何だったのか?

  • なぜ、ここまで大ヒットしたのか?

  • インターネット普及と Windows 95 の関係

  • Apple・DOS時代との決定的な違いとは?

歴史・文化・技術をまじえながら、やさしく楽しく解説していきます。


第1章|Windows 95とは?“最初から人間のために作られたOS”


🪟 1995年、「万人向けのパソコンOS」に本気で近づいた瞬間

それまでのパソコン用OSは、どうしても“詳しい人向け”の側面が強いものでした。

  • MS-DOS … コマンド操作(黒い画面に文字を打ち込む世界)

  • Windows 3.1 … グラフィックはあるが、設定や運用はやや上級者向け

  • Mac OS(System 7) … わかりやすいが、Apple 製品に限定される

💡 一般の人にとっては、
「ちょっと興味はあるけど、自分には難しそう…」
そんな距離感のまま、パソコンは“少し遠い存在”でした。

その空気をガラッと変えたのが──
Windows 95です。


👀 “人間の感覚”で使えるように設計されたOS

Windows 95は、これまでのOSと比べて、はっきりと
「日常の感覚で触れる」ことを意識して作られたOSでした。

✔ 直感的なデスクトップ

アイコンを並べて、クリックするだけ。
自分のよく使うアプリやファイルを置いておけば、そこが“自分の机”になる。

✔ スタートボタン

「パソコンって何から始めればいいの?」
→ ひとまず 「スタート」 を押せばいい。

やることが迷子になりにくい、わかりやすい入り口でした。

✔ タスクバー

今どのソフトが動いているのか、一目でわかる。
ウィンドウを切り替えたり、最小化したりする操作もタスクバーから簡単に。

✔ ドラッグ&ドロップ

「クリックして引っ張って、離す」
この動きだけでファイルの移動やコピーができるように。

📌 それまで“ある程度の知識が必要だったOS”が、
Windows 95 によって “触りながら覚えられるOS” に近づいたのです。


💡 MS-DOSとGUIの“いいとこ取り”

Windows 95 は、内部的には MS-DOS の技術や互換性を引き継ぎながら
その上に本格的な GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を構築したOSでした。

  • 従来の MS-DOS向けアプリ との互換性を維持

  • しかし、日常の操作は マウスとアイコン中心 で完結

🧠 いわば、

裏では DOS が静かに動き、
表では GUI が“わかりやすさ”を演出する

という二層構造。
ユーザーには、その複雑さをほとんど意識させませんでした。


📦 初期搭載された代表的な“定番機能”

Windows 95 で整えられた基本機能は、のちの Windows 系OSの“型”にもなっていきます。

  • マイコンピュータ … 自分のパソコンの中身を俯瞰する場所

  • コントロールパネル … 設定のまとめ役(“本部”のような存在)

  • ゴミ箱 … 「削除してもすぐには消えない」という安心設計

  • Windows エクスプローラー … ファイルやフォルダを整理・管理するための標準ツール

これらは今日に至るまで、形を変えながらも Windows の基本的な考え方として受け継がれています。

💬 そういう意味で、Windows 95 は
**「現代的なOSデザインの雛型になった存在」**といっても大きな無理はありません。


🧑‍🎓 「子どもからおじいちゃんまで」がターゲットに入ったOS

それまで、パソコンはどちらかといえば

エンジニア・事務職・専門職の道具

というイメージが強いものでした。

しかし Windows 95 の登場以降、少しずつこんな光景が当たり前になっていきます。

  • 子どもがお絵描きソフトやゲームで遊ぶ

  • 主婦が家計簿ソフトや年賀状ソフトを使う

  • 祖父母がワープロやメールに挑戦してみる

もちろん、すべてが一気に変わったわけではありませんが、
**「自分にもできるかもしれない」**と感じる人が一気に増えたのは、Windows 95 以降の時代です。

💡 パソコンが“人のほうへ歩み寄ってきた”と感じられたのが、まさにこのタイミングでした。


🔜 次章では…

  • Windows 95 がなぜここまで大ヒットしたのか?

  • どんな「操作性」や「設計哲学」が支持されたのか?

  • 当時の市場の空気感・インターネット普及との噛み合わせは?

といったポイントを、
歴史+ユーザー体験の両面からじっくり掘り下げていきます。


第2章|なぜ大ヒットしたのか?──見た目・操作・機能がすべて噛み合ったOS


💥 発売前から“社会現象”と呼ばれるほど話題に

Windows 95 の発売が近づくと、
世界各国のメディアが 「パソコンが大きく変わる」 と報じ始めました。

特に日本では、雑誌・入門書・テレビ番組などが相次いで特集を組み、
発売前から大きな盛り上がりに。

深夜販売に行列ができた店舗もあり、
OS 単体の発売としては異例の注目度となりました。

📰
「スタートボタンを押すだけで操作できるらしい」
「これで家族とメールができるかも」

そんな期待の声が広がり、
一般ユーザーが OS に注目するという珍しい状況が生まれたのです。


🎨 見た目が“きれいで安心できる”UI設計

Windows 95 の特徴のひとつは、
画面全体が “生活の比喩”で理解できる デザインだったことです。

  • デスクトップ=自分の作業机

  • フォルダ=書類をしまう箱

  • アイコン=モノの形をしたボタン

  • スタートボタン=最初に押す入口がはっきりしている

説明書を読み込まなくても、
“なんとなく意味がわかる” ビジュアル設計。

💡 言語ではなく視覚で理解できるOS。
初心者がパソコンに抵抗を感じにくくなった理由のひとつです。


🖱 マウス操作だけで完結するシンプルさ

Windows 95 は、日常の操作の多くをマウスだけで完結できました。

やりたいこと 操作方法
アプリを開く アイコンをダブルクリック
設定を開く スタート → コントロールパネル
ファイルを移動 ドラッグ&ドロップ
終了する スタート → シャットダウン

「コマンドを覚える」必要がほぼなくなり、
これがパソコンをより多くの人に広げる大きな要因になりました。


📂 “やりたいこと”の動線がわかりやすかった

Windows 95 は、画面の構造そのものが
ユーザーの行動パターンに沿うように設計されていました。

  • マイコンピュータ:自分のデータやドライブを探しに行く場所

  • エクスプローラー:ファイルを整理するためのツール

  • プリンタ・モデム:プラグ&プレイでセットアップが簡単に

  • ゴミ箱:削除してもすぐには消えない安心設計

🧠 “技術的に正しい構造”ではなく、
人が迷わない構造を優先したOSだったのです。


📈 Office・PCメーカー・教育分野──あらゆる場所で広がった

Windows 95 は、さまざまな環境で採用が進みました。

  • Word・Excelなど Office 製品との相性が良かった

  • NEC、富士通、東芝など多くのPCが標準搭載モデルを販売

  • 学校教育での Windows ベース授業が増加

  • 初心者向けPCとして家庭にも普及

これらの環境が重なり、
Windows 95 が 事実上の標準OS として広く使われるようになっていきました。


🔍 “わかりやすさ・やさしさ・安心感”がすべて噛み合ったOS

Windows 95が支持された理由は、ひとつではありません。

  • 見た目がわかりやすい

  • 操作が簡単でストレスが少ない

  • ハード・ソフトとの相性が良い

  • 初心者でも「自分にも使えそう」と感じる

これらが家庭・職場・学校・公共機関まで広がり、
結果として
「Windows 95 を使う」=「パソコンを使う」
という時代が形づくられていきました。


第3章|インターネット時代の扉──Windowsが“オンライン前提”になった瞬間


🌐 パソコンは、ついに“世界とつながる”道具へ

Windows 95が登場するより前、
インターネットはまだ大学・研究機関・企業・一部の愛好家に限られた世界でした。

  • 接続には専用ソフトが必要

  • モデムのドライバやTCP/IP設定が複雑

  • 電話回線を使うため家庭利用のハードルが高い

当時の一般ユーザーにとっては、
「気になるけれど、自分には難しそう」という印象が強い通信技術でした。

そんな状況の中、Windows 95は明確なメッセージを提示します。

💬 「もっと手軽にネットへつながる時代をつくる」


🛠 TCP/IPが“最初から入っていた”という大きな転換

Windows 95には、インターネット通信の基礎となる
TCP/IPプロトコルが標準搭載されていました。

これは非常に大きな変化でした。

  • 追加ソフトが不要

  • ネットワーク設定からそのまま使える

  • プロバイダのセットアップも簡素化

💡 “特別な人の技術”だったネット接続が、一般ユーザーにも手が届くものになった。

これが、パソコンを“ネットと前提で使う”時代の入口になります。


🌍 Internet Explorerの同梱──ウェブへの“入口”が統一される

Windows 95の後期版(OSR2)以降には
**Microsoft純正ブラウザ「Internet Explorer(IE)」**が同梱されました。

  • アイコンをクリックするだけでウェブにアクセス

  • 電話回線+モデムで家庭でも利用可能

  • プロバイダ各社がセットパッケージを展開

🧠 当時の一般ユーザーにとって
「ホームページを見る=IEを開く」は自然な流れとなっていきます。


📡 “電話線で世界へつながる”体験そのものが新しかった

ダイヤルアップ接続特有の「ガーガーピーピー」という音、
夜間割引の“テレホーダイ”、
家族と電話回線の取り合い──。

初めてアクセスしたYahoo! JAPANや、
地球儀が回るアイコンのアニメーション。

💬 多くの人にとって「ネットの記憶」は、Windows 95を通して始まったものだった。


📧 メール・チャット・ダウンロード──「つながること」がパソコンの主役に

Windows 95が普及したことで、パソコンの用途は大きく広がりました。

それまで Windows 95以降
文書づくり・計算・ゲーム中心 メール・ウェブ閲覧・調べ物・ダウンロード
ローカル作業が中心 世界とつながる“オンライン利用”へ
個人の作業机 ネットワークへ開かれた“窓”

GUIの進化とネット対応が重なったことで、
パソコンは“単なる作業機”から“コミュニケーション機器”へと変化していきました。

💡 **Windows 95が持つ本当のインパクトは、
「一般ユーザーをオンライン世界へ導いたこと」**にありました。


第4章|パソコン=Windowsになった──世界標準の座を完全に手に入れる


🧱 “Windows前提”という空気が広がった1990年代後半

Windows 95が普及し始めると、
パソコン業界の流れに大きな変化が見えるようになりました。

  • 多くのメーカーが「Windows搭載機」を中心に展開

  • ソフトメーカーがWindows版を優先

  • 一般ユーザーの間でも「パソコンと言えばWindows」という認識が広がる

もちろん当時はMacやUNIXマシンなど他の選択肢も存在していましたが、
家庭・企業・教育分野で広く共有される“共通環境”として、
Windowsの比重が急速に高まっていく時代でした。


🖥 日本市場でも“98からDOS/Vへ”という大きな転換が起きた

1990年代前半、日本の家庭用・ビジネス用パソコンといえば
NECの PC-9800シリーズ(98) が大きなシェアを占めていました。

しかし、

  • 独自仕様のハード構造

  • Windows 95との互換性が限定的

  • ソフト開発の負担が大きい

といった要因が重なり、
各メーカーが次第に DOS/V(=Windowsが動く汎用PC) へ移行し始めます。

Before(1994年頃)

  • NECの98シリーズが主流

  • ワープロ専用機とPCの中間のような使われ方も多い

After(1996年以降)

  • 富士通・東芝・IBM・SONYなど多くのメーカーがDOS/V機を展開

  • 「Windowsパソコン」が家庭市場・教育市場で一般化

この流れが、
「日本でもWindows PCが標準になる」道筋をつくっていきました。


💼 ソフトウェア開発の中心が“Windows版優先”に

Windows 95が広がると、
ソフトウェア会社の開発方針にも変化が生まれます。

  • ゲーム

  • 年賀状ソフト

  • 家計簿ソフト

  • 学習ソフト

  • CAD

  • 表計算・文書作成

これらの多くが Windows対応を前提に開発される ようになりました。

パッケージにも「Windows対応」が大きく記載され、
「まずはWindows版」
という作り方が一般的になっていきます。


🧑‍🏫 教育・官公庁・企業でも“Windows環境”が広がる

1990年代後半以降、
教育機関・企業・行政の現場でもWindows環境の導入が進みます。

  • 学校 → パソコン教室の標準OSとして導入

  • 企業 → Windows対応ソフトが社内業務の中心に

  • 官公庁 → 書類形式や内部ツールがWindows前提に

🧠 「パソコンスキル=Windowsを使えること」
という認識が社会全体で共有されるようになっていきました。


📎 Officeの普及で“社会の共通語”が生まれた

Windows 95の時期と重なるように、
Microsoft Office(Word / Excel / PowerPoint) が急速に普及します。

  • Word → 文書作成の一般的な形式

  • Excel → 表計算の代表格

  • PowerPoint → プレゼンのスタンダード

この3つがセットになったOfficeは、
企業・学校・自治体で欠かせない存在となり、

💡 「Windows + Office」=職場の共通ルール

という関係が確立されていきました。


💬 まとめ:Windows 95は“共通プラットフォーム”をつくった

Windows 95の時代は、次のような変化を同時に生み出しました。

  • ハードメーカーがWindows搭載機を展開

  • ソフトメーカーがWindows対応を優先

  • 職場・学校・家庭で同じOSが使われるように

  • Officeが“共通の言語”として定着

これらの流れが重なった結果、
パソコンは特別な機械ではなく、
**「みんなが同じ環境で使える日常の道具」**へと変わっていったのです。


第5章|Windows 95の“文化的インパクト”──CM、深夜販売、パソコン元年


📰 「OSの発売」に行列ができた日──社会の空気が変わった瞬間

1995年8月24日。
この日の深夜、全国各地の量販店やPCショップには、Windows 95の発売を待つ人が並びました。

  • 発売開始を待つ深夜の列

  • 店頭イベントでのカウントダウン

  • 秋葉原や渋谷などで見られた長い行列

「ソフトの発売日」に深夜販売が行われること自体が珍しく、
それだけ **“パソコンへの関心が広がっていた時代背景”**を象徴する出来事でした。


📺 ローリング・ストーンズ「Start Me Up」──象徴的なCM演出

Windows 95のテレビCMには、
ローリング・ストーンズの楽曲 「Start Me Up」 が使用されました。

  • “スタートボタン”と楽曲タイトルを重ねた印象的な演出

  • 世界的なアーティストを起用した大型キャンペーン

  • パソコンやOSがポップカルチャーの文脈で語られた珍しい例

このCMは、Windows 95を“技術製品”から“時代の象徴”へと押し上げた
象徴的な出来事として語られることが多くあります。


📈 “パソコン元年”と呼ばれた1995年──家庭への普及が一気に加速

Windows 95の登場前後から、日本では

  • 家電量販店にパソコンコーナーが常設

  • 「初心者向けPC」が多くのメーカーから発売

  • 街の「パソコン教室」が注目されるように

  • 年賀状ソフト・家計簿ソフトなど家庭向けアプリが普及

といった動きが広がり、
パソコンが家庭に入る流れが一段と強まります。

この頃から、
**「一般家庭にパソコンが普及し始めた節目」**として
1995年を“パソコン元年”と呼ぶ向きもあり、
当時の社会的な空気を象徴する言葉となりました。


🧓 子どもから大人まで──誰もが「スタートボタン」から始めた

Windows 95のインターフェースは、多くの“最初の体験”を生みました。

  • 子ども:ペイントやマインスイーパで遊ぶ

  • 親世代:年賀状ソフトや家計簿ソフトを使う

  • 高齢者:メールで家族と連絡を取るためにパソコン教室へ

目的は違っても、
パソコンを起動すると最初に目に入るのは 緑色のスタートボタン

🟩「まずはここから始める」というシンプルな導線は、
多くの初めてのユーザーを支える“安心の入口”となりました。


🔊 ブライアン・イーノが作曲した“起動音”──6秒の記憶

Windows 95の起動音は、
Ambient音楽のアーティスト ブライアン・イーノ によるものです。

  • 約6秒の短いフレーズ

  • やわらかく未来的な響き

  • “新しい世界が開く”ような印象を残す音

このサウンドは印象深く、
当時のPCユーザーにとっては“記憶の合図”として語られることも多いものです。

🟦 「OSの起動音が文化的に語られる」
そんな珍しい現象を生み出したのも、Windows 95の特徴でした。


🎯 まとめ:Windows 95は“技術製品”をこえて、時代の象徴になった

  • 深夜販売に並ぶ人々の光景

  • 大型ミュージシャンを起用したCM

  • パソコンが家庭に普及し始めた社会の空気

  • 起動音まで語り継がれるユーザー体験

Windows 95は、
単なるOSのバージョンアップではなく、

💬 「人々がパソコンと向き合うきっかけを広げた節目」

として記憶されている製品です。

パソコンが“難しい機械”から
“生活の一部になる道具”へと変わっていく──
そのターニングポイントにあった存在こそ、Windows 95でした。


第6章|まとめ:Windows 95が変えたのは“誰もがPCを使う世界”だった


🧑‍💻 専門家の道具だったPCが、生活の道具へ近づいた

コンピュータは長いあいだ、研究所・企業・軍事用途など、専門的な領域で使われてきました。
その後、

  • Apple II が家庭用パソコンのイメージを広げ

  • IBM PC + MS-DOS が業務利用の標準環境をつくり

  • Windows 95 が、より幅広いユーザーにも扱いやすいOSとして登場

という流れの中で、PCは少しずつ“特別な機械”から“生活に近い道具”へと変わっていきました。

💡 この積み重ねが、いま私たちが日常的にPCやスマホを使える環境につながっています。


🪟 Windows 95は「OSの使われ方」を変えた

Windows 95が登場したことで、OSの役割は単に「動かすための仕組み」から、
人が使いやすい“入り口”をつくる存在へと広がりました。

  • 迷わず使える スタートボタン

  • インターネット接続を前提とした環境

  • Word・Excelなど、社会で共通して使えるソフトとの連携

  • 親しみやすい画面構成や起動音

こうした要素が組み合わさり、
「PCを使い始めるための入口を誰にでも開く」 という役割を果たしたと言われています。


🌍 各社が担った役割──PC普及の流れを整理すると

PCが広く使われるようになった背景には複数の企業の貢献があります。
一般的には次のように整理されることが多いです。

企業 担った役割(一般的な整理)
Apple パソコンを“人にやさしい道具”として設計・普及
IBM パソコンをビジネスに受け入れられる標準環境として確立
Microsoft ソフトウェアとOSを通じて“誰でも使えるPC環境”を広げた

この流れの中で、Windows 95は
「幅広いユーザーが使いやすいPC環境」を象徴する製品として位置づけられています。


🔚 コンピュータ史の“ひとつの大きな転換点”

  • ENIAC・UNIVAC時代の巨大計算機

  • AltairやBASICに象徴されるホビイスト文化

  • Apple IIによる家庭市場の開拓

  • IBM PC+DOSによる業務用途の標準化

こうした歴史を経て、
Windows 95は、PCが より広い層に届くための転換点 として語られることが多い製品です。

🧠 ここで初めて「パソコンを人が自然に使う」状態に近づいた、という見方ができます。


🎓 エピローグ:すべては“数を扱う技術”から始まった

このシリーズは、メソポタミアの数字発明から物語を始めました。

  • そろばん

  • 機械式加算機

  • パンチカード

  • 真空管コンピュータ

  • Apple、IBM、Microsoft…

それらすべては「情報を扱う方法」を進化させてきた歴史でした。

いま私たちは、スマホを持ち歩き、
クラウドで仕事し、動画で学び、AIと会話しています。

💬 その背景には「0と1で世界を表現する」というコンピュータの原理があり、
PCの利用が身近になったことで、この技術は広い社会に浸透しました。


🪟 Windows 95は“人とコンピュータの距離”を縮めた

Windows 95は、技術革新そのものだけでなく、
“誰でも使える環境を整えた” という意味で大きな役割を果たしました。

そして、あなたがいまこの文章を読んでいる画面の奥にも、
当時生まれたUI・操作概念・ネット接続の思想が、どこかで受け継がれているかもしれません。


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