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0章|導入──「早い」はわかるけど、「素早い」は何が違う?
「動きが早い」
「反応が速い」
「素早く対応する」
どれも日常的に使われる表現です。
意味も、おおよそは通じます。
ただ、あらためて考えると少し不思議です。
「早い」だけでは足りないのか。
なぜ、そこに「素」が付いているのか。
付けなくても成立しそうな言葉に、
わざわざ一文字足している。
この記事ではまず、
「素早い」という言葉の正確な意味を整理します。
そのうえで後半では、
「では、素早いの“素”は何をしている字なのか」
という点を、日本語の語感から考えていきます。
1章|素早いの意味──時間ではなく、動作を表す言葉
**素早い(すばやい)**とは、
-
動作や反応が機敏であること
-
ためらいや間をほとんど挟まずに行動できること
を表す言葉です。
ここで押さえておきたいのは、
時間そのものを表す語ではないという点です。
たとえば、
-
朝が早い
-
予定が早まる
この「早い」は、
時刻や時期が前倒しになることを指しています。
一方で、
-
素早く身をかわす
-
素早い判断
-
素早い対応
といった用法は、
実際の動きや反応がどう出たかを表しています。
つまり、
-
早い=時間や段取りの話
-
素早い=行動や反応の話
この時点で、両者は別の言葉です。
2章|「素早い」は一語として成立している表現
現代日本語において、「素早い」は
ひとまとまりの形容詞として自然に使われています。
辞書でも、
-
機敏
-
すみやか
-
てきぱきしている
といった語で説明されており、
「素+早い」に分解しなければ意味が分からない言葉ではありません。
ここまでを整理すると、
素早いとは、
迷い・ため・準備をほとんど挟まずに動けること
という定義は、
漢字の意味に踏み込まなくても成立します。
ただし、ここで一つ疑問が残ります。
それでもなぜ、「早い」では足りなかったのか。
なぜ、「素」という字が添えられたのか。
ここから先は、
辞書的な定義をいったん離れ、
言葉の形や使われ方からの考察に入ります。
3章|「素〇〇」を並べると見えてくる共通点(考察)
「素早い」の「素」を考える前に、
他の 素〇〇 という言葉を並べてみます。
-
素顔
-
素手
-
素足
-
素人
ここで注目したいのは、
これらが 元の言葉の単なる言い換えではない という点です。
-
顔 と 素顔
-
手 と 素手
-
人 と 素人
は、それぞれ別の概念として使い分けられています。
「素顔」は単なる顔ではなく、
化粧や演出が入っていないという条件が加わった顔。
「素手」は単なる手ではなく、
道具や防護がないという条件が加わった手。
この使われ方を見る限り、「素」は
意味を削っているというより、
元の語に「状態の情報」を加えている字
と考えると理解しやすくなります。
4章|素早いの「素」は何をしているのか(考察)
この見方を「素早い」に当てはめてみます。
-
早い:時間的に前、段取りが早い
-
素早い:
👉 準備やため、迷いを挟まずに動きが出てくる状態
ここでも「素」は、
早さそのものを強めているわけではありません。
むしろ、
本来入りそうなワンクッションを省いた状態を示している
と考える方が自然です。
-
素顔:化粧というクッションがない
-
素手:道具というクッションがない
-
素人:訓練というクッションが入る前
-
素早い:準備・思考・ためというクッションがない
このように並べてみると、「素」は
評価を加える字というより、
状態を指定するための字として機能している
ように見えてきます。
※この点は語源として断定できるものではなく、
あくまで語感と用法から読み取れる一つの見方です。
まとめ|素早いとは何か。素はなぜ必要だったのか
素早いとは、
-
単に時間的に早いことでも
-
単にスピードが速いことでもなく
迷い・準備・間をほとんど挟まずに行動できること
を表す言葉です。
そして「素」は、
その動きが
加工されていない、直の状態で出ている
ことを示していると考えると、理解しやすくなります。
だから、
-
「早い」では足りなかった
-
「速い」とも違った
結果として、
「素早い」という言葉が使われるようになった
と見ることができます。
結論として言えるのは、これです。
素早いとは、
直で動けること。
その直さを示すのが、「素」なのかもしれない。
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