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0章|導入──寒さのピークはいつ?
一年で最も冷え込みを感じるのは、1月から2月にかけて。
ただ、その寒さには昔から明確な区切りが設けられていました。
それが、二十四節気の
小寒(しょうかん)
大寒(だいかん)
という季節の言葉です。
日本では古くから、太陽の動きに基づく暦を使い、冬の寒さにも段階があると考えてきました。
「小寒=少し寒い」「大寒=とても寒い」と短絡的に捉えるのではなく、それぞれの意味と背景を知ることで、冬の感じ方も豊かになります。
1章|小寒とは?──寒の入り、冬の本番へ
●意味
小寒は、寒さが本格化していく頃とされ、
寒の入り(かんのいり)
= 小寒が始まる日
とされています。ここから節分までが「寒の内(かんのうち)」とも呼ばれます。
●時期/2026年はいつ?
-
二十四節気の第23番目。
-
通常、新暦ではおおよそ 1月5日頃 にあたります。
-
2026年の小寒は 1月5日(月) です。
●語源・由来
「寒さが一層強まる前段階」という意味合いで名づけられたとされます。
字面から「寒が小さい」と解釈されることもありますが、実際には冬の厳しさが深まる始まりを示す時期です。
●気象の特徴
年や地域により差はあるものの、次のように体感が変わりやすい頃です。
-
乾燥が強まり、風が冷える
-
積雪が増え始める地域もある
-
感染症が流行しやすくなる環境
2章|大寒とは?──寒さが極まるピークの象徴
●意味
大寒は、小寒の後に続く節気で、
一年で最も寒さが厳しい時期
(とされてきた)
という伝統的な位置づけがあります。
●時期/2026年はいつ?
-
二十四節気の第24番目、冬の最後の節気。
-
通常、新暦で 1月20日頃。
-
2026年の大寒は 1月20日(火) です。
●語源・由来
中国の暦に由来し、「寒気が最も強まる頃」を表す言葉とされています。
陰の力が極まり、これから陽が生まれる――そんな思想も背景にあると伝えられます。
●気象の特徴
-
冷え込みがさらに強まることが多い
-
豪雪地帯では積雪量が増えやすい
-
寒波のニュースが増える時期
ただし、実際の最低気温のピークは、その後の 1月末〜2月初旬 に訪れる年もあるため、必ずしも「大寒=気温最低」になるとは限りません。
3章|小寒と大寒の違いを一目で比較
| 項目 | 小寒 | 大寒 |
|---|---|---|
| 意味 | 寒さが深まる入り口 | 寒さの極まり(とされる) |
| 時期(新暦) | 1月5日頃 | 1月20日頃 |
| 二十四節気番号 | 第23 | 第24(最後) |
| 暦の位置づけ | 寒の入り | 立春直前 |
| 2026年の実際の日付 | 1月5日 | 1月20日 |
| 関連語 | 寒の内の始まり | 寒の内の中でも特に寒さ厳しい頃 |
※小寒〜節分が「寒の内」。
大寒はその中でも特に厳しいとされる期間にあたります。
4章|歴史と文化──寒さの中にある暮らしの知恵
厳しい季節をただ耐えるのではなく、逆に「整える時期」として向き合ってきました。
●寒稽古・寒中水泳
寒さの中で心身を鍛える、伝統的な行事。
●寒中仕込み
味噌・日本酒・醤油などを低温期に仕込む文化。
雑菌が繁殖しにくく、発酵が安定しやすいとされています。
●寒中見舞い
小寒〜節分の時期に送る礼節。喪中の場合の年始挨拶としても使われます。
●節分へ続く流れと季節感
小寒 → 大寒 → そして立春へ。
季節の大きな転換点を迎える準備期間として、暮らしのリズムに刻まれてきました。
5章|縁起が良いとされることも──大寒生まれ・寒卵
昔から、寒さの中で生まれた命は強い、という考えがあり、
大寒生まれは丈夫になる
大寒の卵(寒卵)は縁起物
とされる地域や慣習があります。
6章|現代の気象との違い──暦と季節はずれることも
近年の気象データでは、平均気温の底が 1月末〜2月初旬 に訪れることが多く、
大寒より後に寒さのピークが来ることもある
といわれています。
暦(節気)はあくまで太陽の動きに基づくもの。
実際の天気とは必ず一致するわけではないのです。
それでも暦は、季節の移ろいを感じるための大切な指針となっています。
7章|まとめ──寒さの奥で、春は静かに芽生えている
小寒は寒さの入り口。
大寒は寒さの極み(とされる)。
そしてその先には、間もなく 立春。
2026年は、小寒が 1月5日、大寒が 1月20日。
この年ならではの冬のリズムを、暦とともに感じてみるのも良いでしょう。
一年で最も寒い時期。
でも、それは言い換えれば 春の直前 でもあります。
厳しい寒さの中で、自然は静かに次の季節へと準備を進めています。
小寒と大寒は、それに気づくための言葉。
寒い日は、春の息吹に一歩近い日。
そう思うと、冬は少し優しく見えてきます。
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