セロトニンと色|安心感・信頼感を生む“脳科学デザイン”の秘密

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0章|導入──セロトニンと色の不思議な関係


「安心できる色」には科学的な理由がある

「青を見ると落ち着く」「緑に囲まれるとリラックスできる」──そんな経験はありませんか?
これは単なる気分の問題ではなく、**脳内の神経伝達物質「セロトニン」**の働きと関連している可能性があります。

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分の安定やストレス緩和に関わる物質です。
十分に機能すると心が落ち着き、安心感や前向きな気持ちを保ちやすくなると考えられています。

そして興味深いことに、青や緑などの色が副交感神経を優位にし、セロトニンの働きを間接的にサポートする可能性が示されています。
つまり「安心感を与える色」は、心理的なイメージだけでなく、生理学的な仕組みとも結びついているのです。


デザインや広告に「安心感の色」を活かす

広告・Web・ブランドデザインの世界でも、セロトニンカラーは重要な役割を果たしています。
たとえば銀行や保険会社の青色、スターバックスの緑、医療広告のパステルブルー──いずれも「安心・信頼感」を与えるために使われることが多い配色です。

セロトニンと色の関係を理解すれば、「人に安心感を与えるデザイン」をより戦略的に作ることができます。

この記事では、

  • セロトニンとは何か?(脳科学的な役割)

  • なぜ色がセロトニンをサポートするのか?(科学的示唆)

  • セロトニンカラーのデザイン応用(広告・Web・商品)

  • ブランド事例(青や緑が信頼につながる理由)

  • 注意点(落ち着きすぎて逆効果になるケース)

をわかりやすく解説していきます。


第1章|セロトニンとは?──脳の「安定ホルモン」


セロトニン=心の安定を支える物質

セロトニンは脳内で働く神経伝達物質のひとつです。
「幸せホルモン」「安定ホルモン」とも呼ばれ、気分や精神のバランスを整える役割を担っています。

  • セロトニンが十分に働く → 穏やかで安心感があり、ストレスに強くなる傾向

  • セロトニンが不足すると → 不安・イライラ・睡眠リズムの乱れと関連することがある

つまり、セロトニンは「心の安定」を支えるうえで欠かせない存在といえます。


ドーパミンとの違い

前回取り上げた「ドーパミン」と比較すると、役割の違いがわかりやすいです。

  • ドーパミン:やる気・快感・衝動 → 「行動を促す色」と結びつきやすい

  • セロトニン:安心・安定・リラックス → 「落ち着きを与える色」と結びつきやすい

デザインの視点では、ドーパミンが「刺激を与える戦略」、セロトニンは「信頼を与える戦略」に近い立ち位置になります。


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セロトニンと色のつながり

研究や実験心理学では、青や緑などの色がリラックス効果や副交感神経の働きを助けることが報告されています。

  • 青を見ると「落ち着く」「安心する」と感じやすい

  • 緑の自然環境に触れると「リラックス感」が高まりやすい

  • 柔らかいパステル色は「ストレスを和らげる」と感じるケースが多い

これらは単なるイメージではなく、心理的効果と生理学的反応が重なった現象と考えられています。


第2章|科学研究から見た「色とセロトニン」の関係


青と緑がもたらす「安心感の科学」

多くの研究では、青や緑を見るとリラックス感が高まり、心拍数や血圧が安定しやすいことが報告されています。
これは副交感神経の働きが優位になるためと考えられています。

  • → 精神を落ち着け、冷静さを取り戻しやすい色

  • → 自然を連想させ、安心感やリラックス感をもたらす色

これらは単なる心理的イメージではなく、脳内の安定ホルモン「セロトニン」の働きをサポートする可能性があると考えられています。


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パステルカラーとストレス軽減

色彩心理学の研究では、淡いパステルカラーがストレスの軽減に役立つケースがあると示唆されています。
実際に、病院の待合室や学校の教室では、パステルブルーやライトグリーンが多用されています。

  • パステルブルー → 清潔感・静けさ・安心感

  • パステルグリーン → 優しさ・自然とのつながり・落ち着き

これらは「リラックスしたい環境」で選ばれる色として定着しているのです。


自然の色とセロトニンの関係

森林浴や海・空の青を眺める体験が「落ち着き」「幸福感」と結びつくことは、多くの研究で報告されています。
自然環境の色は、セロトニン神経系を含む脳の安定機構と関連している可能性があると考えられています。

  • 森林の緑に触れると癒やされる

  • 空や海の青を眺めると心が落ち着く

  • 花や草原の色に触れると安心感が高まる

こうした体験は「自然の色=安心感の色」という結びつきを強めています。


色彩心理学から色彩神経科学へ

従来の色彩心理学は「青=冷静」「緑=安心」といった経験則が中心でした。
現在は神経科学の進展により、これらが脳内のセロトニンや副交感神経の働きと関連している可能性が指摘されています。

つまり「安心感を与える色」は、感覚的な表現にとどまらず、科学的に説明可能な領域へと発展しつつあるのです。


第3章|科学をどうデザインに落とし込むか?


Webデザインで「安心して使える」体験をつくる

Webサイトやアプリでは、セロトニンカラーを使うことで「安心して利用できる」体験を演出できます。

  • 青や緑を基調に → 信頼感を演出し、安心して登録や購入につながりやすい

  • パステルブルーの背景 → 緊張を和らげ、長時間の利用でもストレスが少ない

  • 落ち着いた色合いのフォームやCTA → 「安心して入力できる」心理を与える

特に金融・医療・教育系のサイトでは、セロトニンカラーが重視されやすい傾向にあります。


広告デザインで「信頼」を伝える

広告でも、ブランドの信頼感を強調するためにセロトニンカラーが活用されます。

  • 銀行・保険 → ブルー系で「安心・信頼」を表現

  • 医療・製薬 → ホワイト+ライトブルーで「清潔・安全」を表現

  • 環境・エコ関連 → グリーンで「自然・持続可能性」を訴求

見る人に「安心感のあるブランド」と認識させやすくなるのです。


商品・空間デザインで「リラックス感」を演出

日常生活のデザインでもセロトニンカラーは活用されています。

  • インテリア → パステルグリーンやブルーでリラックス空間を演出

  • パッケージ → ハーブティーや化粧品で優しい色合いを採用

  • オフィス → 観葉植物の緑や淡い青で集中と安定感をサポート

こうした色の選択は、感覚に頼るだけでなく、心理学や神経科学の知見に基づくアプローチでもあります。


第4章|セロトニンカラーの実例分析


Facebook・Twitterの「青」が信頼を生む

FacebookやTwitter(現X)は、ブランドカラーとして「青」を選んでいます。
青は「冷静・誠実・安心感」を与える色とされ、情報のやりとりを行うプラットフォームに適していると考えられます。
ユーザーは無意識に「ここは信頼できる場」と感じやすく、ブランド体験を支える色になっています。


スターバックスの「緑」がリラックスを演出

スターバックスのブランドカラーは深いグリーン。
これは単なる装飾ではなく、心理的に「安心・自然・落ち着き」と結びつきやすい色です。
カフェ空間を「居心地の良い場所」と感じてもらうために、グリーンは効果的に機能しています。


医療・薬品に多い「パステルブルー」

病院の内装や薬品のパッケージには、淡いブルーやホワイトがよく使われます。
これらの色は「清潔・安全・安心」を表現するための代表的な配色です。
特に鎮静系の薬や睡眠関連のサプリではブルー系が選ばれる傾向があり、心理的に落ち着きを与える役割を果たしています。


リラクゼーション広告に見る「自然の色」

スパやヨガスタジオ、リラクゼーションサービスの広告では、森の緑や海の青が多用されます。
こうした自然の色彩は、人のリラックスや安心感を高めるとされ、広告に「癒やし」の雰囲気を演出します。
見る人に「ここに行けば安心できる」という期待感を与えるのです。


事例から見える共通点

これらのブランドや広告に共通するのは、「安心・信頼・リラックス」といった感情を、セロトニンカラーで視覚的に表現している点です。

  • 青 → 信頼・誠実

  • 緑 → 自然・安らぎ

  • パステル → 優しさ・安心感

科学的な知見を取り入れることで、色は単なる装飾ではなく、ブランド体験を支える心理的な仕組みとして活用できるのです。


第5章|注意点──落ち着きすぎは退屈を招く


セロトニンカラーの強みと弱み

青や緑、パステルカラーは「安心感」「信頼感」を与えるのに適しています。
ただし、強く使いすぎると逆に 「地味」「退屈」「刺激が足りない」 という印象を持たれることもあります。

  • 金融サイト → 信頼は生まれるが、楽しさや行動意欲が弱まりやすい

  • 医療広告 → 安心感はあるが、インパクトが薄れて記憶に残りにくい

  • インテリア → 落ち着きすぎて「眠くなる空間」になることもある

セロトニンカラーは万能ではなく、状況に応じて調整する必要があるのです。


「安心」と「行動」のバランスをとる

デザインで重要なのは、セロトニンカラー(安心)とドーパミンカラー(行動)をどう組み合わせるか。

  • 青や緑を基調に → 安心・信頼を演出

  • 赤やオレンジをアクセントに → 行動や購買意欲を刺激

両者をバランスよく使うことで、「安心して行動できる」デザインを作れます。


文脈を無視しない

色の効果は文脈によって変わります。

  • ラグジュアリーブランド → パステルブルーを多用すると高級感より安っぽく見える可能性

  • 子ども向け教育サービス → 濃すぎる青は堅苦しさを与え、親近感を損なう恐れ

セロトニンカラーは万能の答えではなく、“文脈に応じて調整すべき要素” なのです。


データ検証とA/Bテストが必須

科学に裏付けられた色戦略は有効ですが、最終判断はユーザー行動のデータが決め手です。
同じ青でも「濃淡・配置・背景色」によって効果が変わるため、A/Bテストやユーザーテストで検証することが欠かせません。


第6章|まとめ──セロトニンカラーで安心感をデザインする


セロトニンと色の力を振り返る

ここまで見てきたように、セロトニンと色の関係はデザインに大きなヒントを与えてくれます。

  • セロトニンは「安心・安定・リラックス」に関与する神経伝達物質

  • 青や緑、パステルカラーは安心感を与える色としてよく使われる

  • 金融・医療・環境など「信頼や安定」が求められる分野で特に有効

  • 色は単なる装飾ではなく、安心感を伝える心理的メッセージになり得る


科学をデザインに活かす意味

従来の「色彩心理学」は経験則が中心でしたが、近年は神経科学や心理学の研究により「なぜその色が安心感を与えるのか」が少しずつ明らかになっています。
これにより、デザインは「センス頼み」から「科学的根拠を持つ戦略」へと進化しつつあります。

  • 科学で「原理」を理解する

  • デザインで「文脈」に適用する

  • データで「効果」を検証する

この流れを実践することで、色は再現性のあるデザイン要素として活用できます。


ドーパミンカラーとの対比

  • ドーパミンカラー(赤・オレンジなど):ワクワク・衝動・行動を促す

  • セロトニンカラー(青・緑・パステルなど):安心・信頼・落ち着きを与える

この2つは対立するのではなく、補完関係にあります。
安心だけでは退屈になり、刺激だけでは疲れてしまう。
両者をバランスよく使うことで、より効果的なデザイン戦略が完成するのです。


まとめのメッセージ

セロトニンカラーは「安心感のデザイン」を支える有力な手段です。
ブランドに信頼を与えたいとき、広告で安心を訴えたいとき、Webサイトで落ち着いた体験を届けたいとき──その知識は必ず役立ちます。

そして次に大切なのは、ドーパミンとセロトニンの両輪をどう組み合わせるか。
「科学 × デザイン」が融合した色彩戦略は、人の感情と行動をより確実に導くツールになるでしょう。


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