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0章|臘月(ろうげつ)とは?
古くからの暦では、12月には複数の呼び名がありました。
「師走」「極月」「窮月」などがよく知られていますが、
その中には、漢字文化圏に由来する 臘月(ろうげつ) という言葉もあります。
現代では日常で見かける機会は多くありませんが、
言葉の背景には、厳しい冬を越えようとする祈りや願いが込められています。
1章|臘月の意味──旧暦12月を表す季節語
臘月は、旧暦12月(太陰太陽暦)を示す異名です。
旧暦は月の満ち欠けと季節の動きを組み合わせた暦のため、
現代の暦(新暦)とは時期がずれることがあります。
そのため臘月は、年や地域の差はありますが、おおむね現代の12月下旬〜1月下旬ごろに重なると言われています。
年越し準備が進む冬の最終月を指すことから、
季節の言葉として俳句や歳時記に「冬」の季語として記載されることもあります。
2章|臘月の語源・由来──古代中国の年納めの祭祀と関連
「臘」という字の背景は、古代中国にまで遡ります。
年末に、
-
神や祖先へ感謝を捧げる
-
収穫の恵みを祈る
-
新しい年の安寧を願う
といった儀礼(臘祭/腊祭)が行われたと伝えられています。
そこで捧げられた供物には、
狩猟などで得た動物が含まれることもあり、
「臘」には “命をつなぐ祈り” の意味合いが含まれると解釈されることがあります。
冬の厳しさが頂点に達する時期に、
来たる年への願いを込める月──
臘月は、そんな節目を示す言葉として生まれたと考えられています。
3章|厳冬と再生──臘月は静かな光が戻り始める頃
臘月の頃は、冬至と近い時期になることが多く、
暗い時間が最も長くなる季節です。
しかし同時に、
冬至を過ぎると少しずつ昼の時間が伸びていきます。
厳冬の中にも、確かな春の兆しが宿り始める
そのタイミングと重なることから、
現代では「祈り」「再生」といったイメージが
臘月に重ねられることもあります。
4章|日本で受け継がれた臘月──文化の中での位置付け
「臘月」は中国に由来する言葉ですが、
日本にも暦文化や和漢の文学を通じて伝わり、
一部の書物や句作の中で冬を象徴する語として用いられる場合があります。
煤払いをはじめ、
年末の静かな行事や生活の風景と結びつけて使われることが多く、
冬の情緒を漂わせる言葉として扱われてきました。
5章|臘月の現代での使い方──挨拶文に添えると季節が深まる
日常的な言葉ではないものの、
和の趣を大切にする文章や案内文などに添えると、
年末ならではの季節感を落ち着いた雰囲気で表現できます。
使用例:
臘月に入り、何かと慌ただしい時期となりました。
臘月の寒さが身に沁みる頃、どうぞご自愛ください。
書道・茶道・寺院行事など、
伝統文化の文脈でも見られる表現です。
6章|まとめ──一年の終わりに寄り添う言葉
臘月は…
✔ 旧暦12月を示す漢字文化圏の言葉
✔ 年末の祈りや感謝を象徴する語源を持つ
✔ 冬の最終月の風情を静かに伝える季節語
一年の締めくくりに、祈りと希望をそっと添える言葉
それが「臘月」です。
年末のご挨拶や文章に取り入れると、
季節への感性がより豊かに伝わるかもしれません。
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