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はじめに:印刷機はいつから電気で動き始めたのか?
「印刷機って、いつから電気で動くようになったんだろう?」
そんな素朴な疑問から始まったこのテーマ。手動だった時代、蒸気で駆動していた時代、そして電動モーターによる近代化――印刷機は時代ごとにその“動力”を進化させてきました。
そこで本記事では、
📌 **印刷機の動力の歴史(手動→蒸気→電気)**と、
📌 同時期に電動化が進んだ“電車”との比較を通して、
📌 「どちらが先だったのか?」「なぜその時期に動力革命が起きたのか?」
を、年表と具体例でわかりやすく解説していきます。
ちょっとマニアックなテーマではありますが、技術の進化を支えた“電気の力”の意外な共通点が見えてくるはず。
印刷業界の方、技術史に興味がある方、歴史好き・雑学好きの方、ぜひ最後までお楽しみください。
印刷機の動力の歴史:手動→蒸気→電気の三段階
手動(15世紀〜):グーテンベルクの時代
印刷機の歴史は、15世紀のグーテンベルクに始まります。彼が考案した活版印刷機は、金属活字と油性インクを使い、木製プレス機で紙に印刷するものでした。動力は一切なく、すべてが人力。ハンドルを回して圧をかけ、一枚一枚丁寧に刷っていく手作業は、まさに“職人技”でした。
この手動印刷の時代は、300年以上続きます。印刷スピードは非常に遅く、1時間に数十枚が限界。それでも、それまで手書きだった本が大量に複製できるようになったことは、ヨーロッパの情報革命の幕開けでした。
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蒸気機関(1814〜):ケーニヒの革命
19世紀になると、産業革命の波が印刷にも押し寄せます。1814年、ドイツの技術者フリードリヒ・ケーニヒが発明した蒸気機関駆動の印刷機がロンドン・タイムズ紙に導入されました。これは世界初の“動力付き印刷機”とされ、1時間に1100部という当時としては驚異的な速度を実現しました。
この印刷機は、ローラーで紙を送りながら両面印刷できる仕組みを持ち、後の回転印刷機や輪転機の原型となります。印刷の大量化・高速化の時代がここに始まりました。
▶併せて読みたい記事 フリードリッヒ・ケーニヒとは?蒸気機関で印刷を変えた発明家と“近代印刷革命”の始まり
電動モーター(1880年代末〜):電気が動かす印刷工場へ
さらに革新的だったのが、1880年代後半から登場する電動モーターによる印刷機です。当初は蒸気機関で動くベルト駆動と併用される形でしたが、やがて工場に電気インフラが整備されるにつれ、個別モーター付き印刷機が普及していきます。
特にアメリカのMiehle社などが、電気駆動式の高速ロータリー印刷機を開発。1920年代には印刷現場の主流が電動式となり、印刷工場の効率とスピードは格段に向上しました。
電車はもっと早かった?鉄道の電化との比較
1879年:ドイツで世界初の電気鉄道(試作)
電車の電動化も、産業革命の延長線上にあります。
1879年、ドイツの技術者ヴェルナー・フォン・ジーメンス(Siemens)が、ベルリン産業博覧会において世界初の電気鉄道を試作・展示しました。この車両は、レールから電気を取り込みながら走行する形式で、現在の路面電車の原型とも言えるものでした。
ただしこれはあくまでデモンストレーションであり、商用利用という点ではもう少し後の話になります。
1881年:実用化スタート(ベルリン郊外)
そのわずか2年後、1881年にはベルリン郊外のリヒターフェルデで世界初の実用電気鉄道が開業。これにより、蒸気機関車に代わる新たな都市交通のスタイルが現実のものとなります。
このころの電気鉄道は、煙や騒音が少ないことから都市部で歓迎され、各国でも導入が検討され始めました。
1888年〜:アメリカ・日本でも電車の電化が拡大
1888年、アメリカ・バージニア州リッチモンドにて、フランク・スプレイグによって設計された本格的な市街電車システムが始動。これは急勾配にも対応し、以降、全米で一気に電化が進みました。
日本でも1895年、京都にて**日本初の電気鉄道(京都電気鉄道)**が登場。これが現在の京阪電車や阪急電鉄のルーツとなっています。
つまり、鉄道の電動化は1880年代前半〜90年代にかけて一気に拡大していたのです。
印刷機と電車、どっちが先?動力進化の年表で比較!
印刷機と電車――どちらが先に「電気の力で動いたのか?」。
ここまで読んできた方は、なんとなく「電車が先かも」と感じているはず。では、年表で比較してみましょう。
🔍動力進化の年表:印刷機 vs 電車
年代 | 電車の動力革命 | 印刷機の動力革命 |
---|---|---|
1879 | ジーメンスが電気鉄道を試作(ドイツ) | 蒸気機関主流、電力は未使用 |
1881 | 世界初の実用電気鉄道(ベルリン郊外) | 蒸気印刷が主流 |
1888 | 米リッチモンドで市街電車システム | 電動モーターの導入が始まる(欧米) |
1895 | 日本初の電気鉄道(京都) | 電動印刷機が工場に普及し始める |
1920年代 | 鉄道の電化が主要都市に広がる | 印刷工場の全面電動化が進む |
✅結論:電車の方が“わずかに先”だった
印刷機と電車の電動化はほぼ同時期(1880〜1920年代)に進行しましたが、
最初に電気で動き出したのは電車でした。
-
鉄道は1879年〜1881年に試作・実用化
-
印刷機の電動化は1880年代末〜1890年代にかけて始動
とはいえ、どちらも19世紀末という時代の中で起きた“電動革命”の象徴的存在であり、
情報と交通という2大インフラが同時期に変革を迎えたことは、技術史における大きな意味を持ちます。
まとめ:電気が動かした、印刷と交通の近代化
グーテンベルクの時代から人力で動いていた印刷機。
そして、蒸気を力に変えて進化してきた鉄道。
この2つの巨大な仕組みが**「電気」という新たなエネルギー源によって進化を遂げた**のが、19世紀末〜20世紀初頭という時代でした。
電車は1879年の試作から1881年に実用化され、印刷機もまた1880年代後半から電動モーターが導入され始めました。
いずれも、産業の現場や都市のインフラに深く関わる存在であり、
その電動化は、単なる機械の進化にとどまらず、社会構造や情報の流通、働き方の変革にまで影響を与えました。
現代の私たちが当たり前のように享受している「大量印刷」「都市の電車網」。
その裏には、約150年前の電気革命があったという事実。
そしてその革命は、印刷と鉄道がほぼ同時に動き出したことで加速したということを、ぜひ記憶にとどめてください。
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