そもそもPP加工とは?
PP加工とは、印刷物の表面にポリプロピレン(Polypropylene)フィルムを圧着する加工方法です。
光沢感を加えたり、印刷面の保護を目的として使われることが多く、商業印刷やパッケージ印刷の現場では欠かせない工程の一つです。
加工後の仕上がりによって、「グロスPP(ツヤあり)」と「マットPP(ツヤ消し)」の2種類に分かれ、それぞれ見た目や質感に特徴があります。
PP加工の流れ|印刷物が仕上がるまでの工程
それでは、実際にPP加工がどのような流れで行われているのかを、工程ごとに詳しく見ていきましょう。
① 印刷完了
PP加工は、あくまで印刷後の表面仕上げ工程です。
まず、デザインが印刷された紙(ポスター、パンフレット、パッケージなど)を完全に乾燥・安定させてから、次の工程に進みます。
乾燥が不十分だと、インキがにじんだり、フィルムが密着しづらくなる原因になります。
② フィルムのラミネート(貼り合わせ)
PPフィルムを印刷物に貼り合わせる工程です。
ここでは大きく2つの方式があります:
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ホットラミネート(加熱圧着)
→ 熱と圧力でPPフィルムを紙に圧着。密着性が高く仕上がりも安定。 -
コールドラミネート(冷間圧着)
→ 粘着剤付きのフィルムを使用。熱に弱い印刷物でも加工可能。
使用するフィルムは、**グロスPP(ツヤあり)またはマットPP(ツヤ消し)**から選択します。
③ カット・仕上げ加工
貼り終えた印刷物を、最終的なサイズに合わせて断裁します。
パッケージ用途などの場合は、トムソン(型抜き)加工も行われます。
④ 検品・梱包
仕上げた印刷物に気泡・剥がれ・ムラなどがないかを検品し、問題なければ梱包して納品されます。
この段階で仕上がりの質が確定するため、最終チェックは非常に重要です。
PP加工の仕上がりとは?グロスとマットの違い
PP加工では、フィルムの種類によって見た目・触感・用途が大きく変わるのが特徴です。ここではグロスPPとマットPPの違いを解説します。
グロスPP(ツヤあり)
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表面に光沢があり、つるつるとした質感
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印刷の発色がよくなり、鮮やかでインパクトのある仕上がり
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写真やカラー重視のデザインに最適
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汚れ・水滴にも比較的強い
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反射が強いため、照明の下では光が映り込むことも
使用例:商品パッケージ、パンフレット、カタログ表紙 など
マットPP(ツヤ消し)
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表面がしっとりとした落ち着いた質感
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高級感・上質感のある印象を与える
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反射を抑え、文字も読みやすい
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グロスよりも傷がつきやすい傾向がある
使用例:会社案内、名刺、アート系冊子、ブランドカタログ など
注意点とコツ|失敗しないPP加工の発注方法
PP加工は便利な反面、紙質や用途に合わないとトラブルになりやすい側面もあります。以下の点に注意しましょう。
紙質との相性を確認する
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コート紙やアート紙との相性は抜群ですが、上質紙やクラフト紙などの吸水性の高い紙とは相性が悪く、はがれやすいことがあります。
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インクが盛られているデザイン(UV厚盛など)は、密着しづらく加工不良の原因に。
ヒートラミ or コールドラミを見極める
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熱を加えるヒートラミは密着力が高く丈夫ですが、熱に弱い素材には不向き。
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コールドラミは繊細な素材や特殊印刷物に向いていますが、コストが上がる傾向も。
加工の向き・不向きを知る
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特殊エンボス加工や、表面に立体的加工がある場合、PP加工がうまく密着しないことも。
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インクが乾いていない段階で加工すると、フィルムの内側に気泡やシワが発生します。
PP加工が活きる印刷物の具体例
実際にPP加工がよく使われる印刷物は以下のようなものです。
印刷物 | 推奨PP加工 | 理由 |
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パッケージ | グロスPP | 発色がよく、高級感が出る |
名刺 | マットPP | 落ち着いた印象、高級感 |
カタログ表紙 | グロス・マット両方 | デザイン・ブランドに合わせて選択 |
ポスター | グロスPP | 色のインパクトを強調できる |
パンフレット | マットPP | 読みやすく、反射しない |
まとめ|PP加工は「仕上げの最終兵器」
PP加工は、印刷物に保護・高級感・耐久性という3つの付加価値を与える、まさに「仕上げの最終兵器」です。
工程や仕上がり、フィルムの種類をしっかり理解することで、より効果的な印刷物を制作することが可能になります。
印刷の完成度をワンランク上げたいなら、PP加工は非常に有効な手段です。
もしPP加工の導入や相談を検討されている方は、株式会社新潟フレキソに問い合わせを。
新潟フレキソは新潟市に拠点を構える印刷会社です。企画からデザイン、印刷、後加工、発送までを一貫して行える生産体制を備えております。 これにより、お客様の細かいご要望にも柔軟に対応し、高品質な印刷物作成をサポートいたします。
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