国旗という“キャンバス”──色とデザインに込められた国の物語 多色国旗が語る歴史・文化・アイデンティティ

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0章|導入──なぜ、このデザインじゃなきゃダメなのか?


世界には200を超える国があり、そのほぼすべてが国旗を掲げています。
けれど、よく考えると疑問が浮かびます。

「どうして、この色なのか?」
「どうして、この模様なのか?」
「もっと簡単なデザインではダメなのか?」

国旗は、単なる“印”という以上の存在とされています。
その国の歴史・文化・宗教・自然・民族の歩みが象徴的に込められた、ただ一枚のシンボル。

中には──
一目で「情報量の多さ」を感じる国旗があります。

色が多い。
文様が複雑。
見るほどに背景が立ち上がってくる。

本記事では、そんな 「色数や象徴性の多い国旗」 に注目します。

なぜ複雑なのか?
なぜこのデザインである必要があるのか?

国旗を“読み解く旅”へ、ご案内します。


1章|多色国旗とは?──国の多面性を映す鏡


多くの国旗は、赤・白・青など
2〜3色を基本としたシンプルな構成が一般的です。

これは

  • 遠くから識別しやすい

  • 誰でも描ける

  • 再現性・印刷性に優れる

  • 国際舞台で目立つ

といった理由があると考えられています。

一方、多色で複雑な国旗は、あえて多様な象徴を盛り込みます。
背景にあるのは、次のような価値観だとされています。

  • 複雑な歴史

  • 多民族国家であること

  • 宗教や文化の共存

  • 大地や自然への意識

それらを省きすぎると、
その国らしさを伝えにくくなるためです。

つまり国旗は、
**「国の多面性をそのまま表す鏡」**とも言えるでしょう。


2章|色とモチーフが語るもの──国旗は“言葉”になる


国旗に用いられる色には、
一般的に象徴的な意味が関連づけられることが多いとされます。

例として:

赤 … 独立の犠牲・勇気・情熱
白 … 平和・公正・純潔
青 … 海と空・自由・理想
緑 … 大地・信仰・繁栄
黄(黄金)… 富・太陽・希望

文様や国章が加わることで、
その国の物語がさらに多層的になります。

山や海 → 地理・自然
星や月 → 宗教や願い
植物 → 産業や恵み
道具 → 生活や歴史の背景

国旗は

“文字のない自己紹介”

とも例えられます。

小さな布きれながら、
多くのメッセージを持つ象徴表現なのです。


3章|エクアドル──“自然のすべて”を象徴する旗


黄・青・赤の三色旗。
一見すると単純な構成ですが、
中央に大きく置かれた国章が重要視されています。

そこには、

  • アンデス山脈(チンボラソ峰とされる)

  • 海と川を含む自然環境

  • 太陽や大空による循環の象徴

  • 国を守る存在としてのアンデスコンドル

  • 交易や歴史を示す船と港

などが描かれています。

また三色の意味は一般に、

黄…豊かな大地・資源
青…海と空という生命線
赤…独立のための犠牲

と解釈されています。

多様な自然と歴史をもつエクアドルでは、
三色だけでは語りきれない背景があることから、
国章が象徴の中心を担っていると理解されます。


4章|トルクメニスタン──絨毯に宿る民族の記憶


鮮やかな緑地に、旗竿側の赤い縦帯。
ここに並ぶ文様は、伝統的な**ギュル(絨毯柄)**とされ、

主要5部族を象徴していると解釈されています。

さらに、

  • 三日月 → 国家の宗教的象徴(イスラム)

  • 五つの星 → 行政区分(地方単位)や民族の多様性

といった意味が読み取れることが一般的な解釈です。

緑は、大地や繁栄への希望を表すことも多い色です。

布に織り込まれた伝統文化を
国旗として掲げることにより、

「異なる部族が、伝統と信仰で結びつく国」

というメッセージが込められていると考えられています。


5章|ベリーズ──“人の物語”を真正面から描いた旗

世界でも特に色数が多い国旗のひとつとされるベリーズの旗。
中央の国章には、

  • 木材産業に関わりの深い男性2名

  • 道具(斧・のこぎりなど)

  • 大樹、海、船

が細かく描かれています。

これは、植民地時代と森林資源の歴史に
深く根ざした象徴とされています。

多民族国家であるベリーズにとって、
その歩みを正確に描くことは難しい選択でもあったはず。

それでも国章を大きく示すことにより、

“歴史の光も影も含めて、私たちの物語である”

という姿勢が示されていると受け取られています。


6章|結論──複雑さは、その国の“誠実さ”を映す


国旗が複雑になる背景には、
単に装飾性を求めたのではなく、

削れないほど大切な象徴が多い
という事情があると考えられます。

色数は、語りたいことの数。
文様は、そこに暮らす人々の多様性。

多色国旗は、こう語りかけているとも言えます。

「私たちの歴史は、簡単には語れない」と。

国旗に興味をもつことは、
その国の歩みに敬意を払うことでもあります。

小さな旗の中で
どれだけの物語が紡がれているのか。

そんな視点で世界を見れば、
もっと豊かに感じられるかもしれません。


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