如月とは?意味・読み方・語源や由来をわかりやすく解説|旧暦2月の季節名【和風月名:きさらぎ】

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0章|導入──春へ向かう2月を彩る言葉「如月」


カレンダーや手紙の時候の挨拶などで目にすることも多い
如月(きさらぎ) という言葉。
読み方は知っていても、「なぜ2月を如月と呼ぶのか」「どこから来た言葉なのか」まで理解している人は多くありません。

旧暦での如月は、現在の暦でいうとおおよそ2月下旬から4月上旬ごろにあたります。
寒さはまだ厳しいものの、梅がほころび始め、日差しの中にわずかな春の気配が感じられる時期です。

そんな冬と春の境目を、日本人は一つの言葉に託してきました。
本記事では、如月の意味・語源・歴史・文化的背景を、やさしく、しかし正確にひも解いていきます。


1章|如月の意味──旧暦の「二月」を表す言葉


如月とは、旧暦における二月の呼び名です。
旧暦は月の満ち欠けを基準とした太陰太陽暦で、季節とのずれを調整しながら使われていました。

そのため、旧暦二月は年によって多少前後しますが、
現代の暦では早春に相当する時期と重なります。

正月という大きな節目が終わり、日常が戻る一方で、
まだ冬の空気は色濃く残っている。
しかし、地面の下では確かに春の準備が進んでいる――
如月とは、そんな二つの季節が重なり合う時間を表す月名なのです。


2章|語源・由来──「如月」はなぜそう呼ばれるのか?


如月の語源については、古くから複数の説が伝えられてきました。
代表的なものは、次の三説です。

① 衣更着(きさらぎ)説(最有力)

最も広く知られ、有力とされる説です。

まだ寒さが残るため、
衣をさらに重ねて着る季節
→「衣更着(きさらぎ)」

体感的な季節感と一致しており、日本独自の生活感覚から生まれた解釈と考えられています。


② 気更来(きさらぎ)説

春の気が、さらに来る
→ 気更来

冬から春へ移り変わる「気配」に着目した説で、
自然の変化を言葉にした解釈です。


③ 生更木(きさらぎ)説

草木が再び生き返り、芽吹き始める
→ 生更木

生命の再生を象徴的に捉えた説で、
自然観に根ざした説明といえます。


「如月」という漢字について

ここで注意したいのが、漢字表記の由来です。

「如月」という二字は、日本で生まれた完全な当て字というより、
中国古典に見られる二月の異称「如月」 が先に存在し、
それが日本に伝わったと考えられています。

一方、日本ではその読みを「きさらぎ」とし、
衣更着などの和語的解釈と結びつきながら、
独自の季節感を帯びて定着していきました。

つまり如月は、

中国由来の漢字表現 × 日本独自の読みと意味づけ

が重なって成立した月名なのです。


3章|歴史に見る如月──王朝文化に生きた季節名


如月という月名は、平安時代にはすでに一般的に使われていました。
『枕草子』や『源氏物語』などの王朝文学でも、
季節を表す語として自然に登場します。

当時の人々にとって、旧暦の如月は春の始まりそのもの
寒さの中に、かすかな暖かさを見つける季節でした。

和歌や日記文学の中では、
如月は「香り」「兆し」「気配」といった言葉と結びつき、
春を待つ心情を映し出す季節語として用いられていきます。


4章|文化と暮らしに息づく如月の行事


如月の頃には、季節の節目となる行事が集中しています。

行事 時期 意味
節分 2月3日頃 季節の境目、邪気払い
立春 2月4日頃 暦の上での春の始まり
祈年祭 2月中旬 五穀豊穣を祈る
梅の開花 地域差あり 春の訪れの象徴

寒さは残るものの、
梅の便りが届き始めるこの時期は、
自然と心が春へ向かって動き出す季節でもあります。

如月は、行事と自然を通して
季節の変化を実感するための時間だったのです。

※節分や立春は旧暦の月名ではなく二十四節気に基づく区切りであり、旧暦の如月と日付が一致するわけではありません。
本文では、旧暦における「春の始まりの季節感」として触れています。


5章|現代での使われ方──時候の挨拶としての如月


如月は、現代でも主に文語表現として使われています。

・如月の候
・如月吉日
・如月下旬

例文:

如月の候、皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

ビジネス文書や案内状、挨拶文などで使うことで、
文章に落ち着きと季節感を添えることができます。

また、イベント名や商品名、ブランド名にも用いられ、
上品で和的な印象を与える言葉として今も生き続けています。


6章|まとめ──寒さに衣を重ね、春を待つ言葉


・如月は旧暦二月を表す和風月名
・語源は「衣更着」説が最有力
・漢字は中国由来、日本独自の読みと意味が重なって定着
・平安時代から文学・文化に深く根付いている
・現代でも時候の挨拶として使われている

寒さに衣を重ねながら、
それでも確実に近づいてくる春を待つ――
如月は、そんな日本人の季節感を映した言葉です。

暦語を知ることは、
季節を「過ごす」だけでなく、「感じる」ことにつながります。
如月という言葉を知ることで、
二月の景色が少し違って見えるかもしれません。


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