ようこそ![新潟市の印刷会社・株式会社新潟フレキソ] のブログへ 企業・個人事業主様の印刷・販促物制作をサポートしています。
0章|導入──「一般」って、いったい何が“一”で、何が“般”なのか
一般の人。
一般的な考え。
一般常識。
一般論。
私たちは「一般」という言葉を、ほとんど無意識に使っています。
しかし、あらためて漢字を分解してみると、妙な違和感が生まれます。
一 + 般
……正直、意味が浮かびません。
「一つの般?」
「そもそも“般”って何?」
毎日使っているのに、説明しようとすると言葉に詰まる。
この記事では、「一般」という言葉を
意味・漢字・語源・歴史・文化の視点から丁寧にひも解き、
なぜこの言葉が「みんな」「特別ではない側」を表すようになったのかを見ていきます。
1章|一般とは?──現代日本語における意味
まずは、現在の日本語としての意味を整理しましょう。
**一般(いっぱん)**とは、
-
特定の専門・例外に属さないこと
-
広く共通していること
-
多くの人や事例に当てはまること
を指す言葉です。
たとえば、
-
一般の人
-
一般社会
-
一般常識
-
一般的な意見
などの形で使われます。
ここで重要なのは、「平均」や「多数派」というよりも、
👉 「特別扱いされない側」「区分上の共通領域」
を示す言葉だという点です。
2章|漢字で分解する「一般」──一と般、それぞれの意味
「一般」がわかりにくい最大の理由は、
“般”という漢字が日常ではほとんど単独で使われないことにあります。
●「一」の意味
「一」は、
-
ひとつ
-
そろう
-
全体をまとめる
といった意味を持つ漢字です。
単なる数ではなく、
全体を一つとして捉える視点を含んでいます。
●「般」の意味
「般」はやや特殊な漢字で、
-
物事のありさま・種類
-
めぐる・めぐらす
-
普通・共通の状態
といった意味を持つとされます。
「遍(あまね)く」と完全に同義ではありませんが、
特定されない、共通的なあり方
を示す語感を持つのが特徴です。
👉 つまり「一般」とは、
全体として共通的に成り立っている状態
を表す言葉なのです。
3章|語源と由来──「一般」はどこから来た言葉か
「一般」は、日本語固有の言葉ではなく、
**中国由来の漢語(二字熟語)**です。
中国語圏では、「般」は
物事の様態や種類を示す語として使われ、
そこに「一」が加わることで、
👉 全体として同じ区分に属するもの
という意味合いが生まれました。
日本語の「一般」も、
この構造を引き継いだ言葉だと考えられます。
なお、「般若」など仏教語にも「般」は使われますが、
それらは宗教的・専門的な語であり、
「一般」という日常語とは意味の系統が異なります。
4章|歴史的な使われ方──「一般」はいつ定着したのか
「一般」という語そのものは古くから存在しますが、
現在のような意味で広く使われるようになったのは近代以降
と考えられます。
特に、
-
一般庶民
-
一般社会
-
一般教育
といった用法は、
身分制や特権、専門家層と対比する中で定着しました。
👉 「一般」は、
近代社会における区分意識から需要が高まった言葉だとも考えられます。
5章|文化的な意味──「一般」と「普通」は何が違うのか
「一般」と混同されやすい言葉に「普通」があります。
● 普通
-
基準・標準を示す
-
場合によっては評価が含まれる
● 一般
-
区分や立場を示す
-
評価は原則として含まれない
例として、
-
一般客:特別扱いではない立場
-
普通の人:平均的という評価
👉 一般は「立場の言葉」、普通は「評価を含みやすい言葉」
この違いが重要です。
6章|使い方と例文──「一般」はどう使う言葉か
● 正しい使い方
-
一般の人には難しい
-
一般的に知られている
-
一般社会では通用しない
● 注意点
「一般的=正しい」とは限りません。
-
一般論
-
一般的な考え
これらは、
👉 多数派である可能性を示すだけ
であり、正解や真実を保証する言葉ではありません。
7章|まとめ──「一般」とは、“特別ではない側”を示す静かな言葉
「一般」とは、
-
全体として共通する領域
-
特別扱いされない立場
-
社会の大部分を占める側
を静かに指す言葉です。
目立たず、主張も強くない。
しかし、社会を支えているのは、
常に「一般」の側です。
だからこそこの言葉は、
派手ではないけれど、
現代社会に欠かせない重みを持っているのです。
▶地元企業様や個人事業主様をサポートし、シール・名刺・チラシ・封筒・冊子・伝票からTシャツプリントまで、幅広く承っています。
↑オリジーではTシャツやグッズを作成してます!インスタで作品公開してます!
🔗こちらの記事もおすすめ
■人間とは何か?意味・語源・歴史からわかる「人」と「人間」の決定的な違い
■魔法とは?意味・語源・歴史をわかりやすく解説|言葉としての魔法はいつ定着したのか【magicとの関係】
■将来の語源とは?「将」は何を意味するのか|未来との違いから言葉の本当の意味まで解説
■差別と区別の違いとは?意味・語源・歴史からわかる「分ける」の境界線
■ときめくとは?意味・語源・使い方を解説|新しそうで古い日本語、その本来の意味をたどる【今をときめく】
■運転とは?意味・語源・歴史を解説|天体の巡りから車の運転へ広がった言葉
■科学とは何か?意味・語源・歴史からわかる「学ぶ」と「分ける」の正体
