Intel 4004とは?世界初のマイクロプロセッサと小型コンピュータ時代のはじまり

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このブログはブログシリーズ「商用コンピュータとパソコンの進化」③です。

まとめはこちらから▶商用コンピュータとパソコンの進化|UNIVACからWindows95まで50年の歴史を総まとめ

前の記事はこちらから▶②System/360とは?IBMが作った“標準化”の原点と現代まで続くプラットフォームの歴史


第0章|親指サイズの“頭脳”が、世界を変えた


🖥️ 昔のコンピュータって、どれくらい大きかったと思う?

今、私たちが毎日使っているスマホやパソコン。
手のひらに収まるサイズで、インターネットもゲームも動画も、なんでもできてしまいますよね。

でも──
ほんの70年前のコンピュータは、そんなスマートなものではありませんでした。

  • 大きさは部屋まるごと1つ分

  • 電気をたくさん使って

  • 配線やスイッチが何百本もあって

  • 操作するのも、動かすのも、大変…

つまり、昔のコンピュータは「誰でも使える道具」ではなく、
一部の研究者や政府が特別な目的で使う巨大な装置だったのです。


🧠 その大きなコンピュータの“頭脳”が、小さなチップになった!

そんな“でっかいコンピュータの時代”に、ある革命的な出来事が起こります。

それが1971年、アメリカの**インテル(Intel)**という会社が発表した
**「Intel 4004(ヨンゼロゼロヨン)」**という小さな電子部品。

これは、なんと…

📌 コンピュータの“頭脳”を、親指サイズのチップ1つにまとめてしまった製品だったのです。


💡 え?頭脳って、まとめられるの?

コンピュータの“頭脳”というのは、専門用語で「CPU(シーピーユー)」と呼ばれています。

これは、計算したり、判断したり、命令を出したり──
人間でいえば「脳」にあたる、とても大切な部分。

それまでは、このCPUも何十個、何百個もの部品を組み合わせて作っていました。

でもIntel 4004は、その働きをたった1つのチップにギュッと詰め込んだのです。

しかもその大きさは──
親指の先くらいの、ちっちゃな板(チップ)


🌍 小さくなったことで、なにが起きたの?

それまでコンピュータは、

  • 高い

  • 大きい

  • 一部の人しか使えない

という時代でした。

でも、小さな“頭脳チップ”ができたことで、

  • 電卓、時計、カメラなどの家電製品にも入れられるように

  • だんだんとパソコンやスマホにも搭載されるように

  • 誰もがコンピュータを身近に使える時代が始まったのです


💬 「Intel入ってる」のCM、見たことある?

1990年代から流れていた有名なCMがあります。

🎵♪ポーン、ポンポンポーン♪
Intel入ってる(インテル インサイド)

この言葉、どこかで聞いたことありませんか?

これはまさに「あなたのパソコンの中には、インテル製の“頭脳”が入っていますよ」という意味なんです。

そして、その“頭脳”の原点が──
1971年の Intel 4004 だったというわけです。


🔜 次は、「CPUってなに?」「マイクロプロセッサってどう違うの?」をやさしく説明!

次の章では、

  • 「CPU」って、いったいどんな働きをしてるの?

  • 「マイクロプロセッサ」とは何?どこがすごいの?

といったことを、図やたとえを使いながらやさしく説明していきます。


第1章|CPUってなに?マイクロプロセッサってなに?


🧠 コンピュータの“頭脳”って、どんなことしてるの?

コンピュータは、見た目はただの機械に見えますが、
中ではたくさんの情報を読み取って、判断して、動かすということをしています。

たとえばパソコンで「A」とキーを押したら──

  • キーボードが「Aが押されましたよ」と伝えて

  • コンピュータが「Aを画面に出す命令」を実行して

  • ディスプレイに「A」が表示される

この「命令を理解して、実行する」役割をしているのが、CPUと呼ばれる部品です。


💬 CPU=コンピュータの“脳”

CPUは「Central Processing Unit(セントラル・プロセッシング・ユニット)」の略で、
日本語では「中央演算処理装置」と呼ばれています。

難しく聞こえるけど、かんたんに言うと──

📌 コンピュータの中心で、“考える”役割をしているところ

人間にたとえると:

人の体の部分 コンピュータの部品 やること
目・耳 マウスやキーボード 入力する
手・口 ディスプレイ・スピーカー 出力する
CPU 判断する・命令する

🤏 じゃあ「マイクロプロセッサ」ってなに?

さっき出てきた「Intel 4004」は、マイクロプロセッサと呼ばれていましたね。
これは、CPUとどう違うのでしょうか?

答えは、とてもシンプルです。

💡 マイクロプロセッサ = CPUを小さな1つのチップにまとめたもの!

昔は、CPUの機能を実現するには、何十個もの部品を組み合わせる必要がありました。
だから場所もとるし、配線も大変だったんです。

でも1971年、インテルはそのCPUの働きを、
たった1つのシリコンチップの中にギュッと詰め込むことに成功しました。

これが「マイクロ(=小さい)・プロセッサ(=処理装置)」の意味です。


🔍 CPUとマイクロプロセッサのちがい(ざっくり)

項目 従来のCPU マイクロプロセッサ
作り方 部品を何十個も組み合わせる チップ1つに集約されている
サイズ 冷蔵庫サイズになることも 親指の先くらいの大きさ
配線 手作業の大量配線が必要 ほぼ不要・工場で作れる
価格 高くなりがち 安く大量生産できる
応用範囲 限られた施設や用途だけ 家電・ゲーム・車・時計まで広がる

📱 スマホの中にも“ちっちゃい脳”がいる

今、みなさんが持っているスマホやタブレットにも、必ずマイクロプロセッサ(CPU)が入っています。

  • LINEのメッセージを表示したり

  • 写真を保存したり

  • ゲームでキャラを動かしたり

すべての動きは、この小さな“頭脳チップ”ががんばっているからなんです。


🔜 次は:「なぜこんなに小さくできたの?」──技術のブレークスルーへ!

次の章では、

  • どうやって、こんなに小さくできたの?

  • 昔のコンピュータと比べて、何が違ったの?

  • なぜ“小さいこと”が革命だったの?

という疑問に、やさしく答えていきます。


第2章|どうしてそんなに小さくできたの?──IC技術と“ミニチュア革命”


🧱 昔のコンピュータは、まるで「電子の積み木」だった

昔のコンピュータは、1つの働きを実現するために何十個もの部品を組み合わせていました。

たとえば、ある命令を処理するには…

  • 抵抗

  • コンデンサ

  • トランジスタ

  • ワイヤー

  • 電源回路…など

こういった部品が「バラバラ」に並べられ、まるで電子の積み木のように組み立てられていたのです。

結果、CPU1つを作るだけで、机の上いっぱいの部品が必要。
しかも、それを技術者の手で1本1本、ハンダ付けしていたのです。


💡 それをひとつにまとめたのが「IC(集積回路)」という技術

1950年代後半、ここで登場したのが**IC=集積回路(Integrated Circuit)**という革命的な技術。

📌 1枚の小さな板(シリコンチップ)の上に、電子部品を“まとめて印刷”してしまう技術

この技術のおかげで…

  • サイズが小さくなり

  • たくさんの部品を1つにまとめられ

  • 自動化された工場で大量生産できるようになりました。

これがまさに「電子のミニチュア革命」。


🧬 Intel 4004は、このIC技術を“CPUに使った”最初の成功例

Intel 4004が登場したとき、それは世界で初めて…

🧠 「コンピュータの頭脳(CPU)を、たった1つのICチップにしてしまった!」

という画期的な製品でした。

  • 中には約2,300個のトランジスタ

  • 幅数mmのシリコンチップの中に、それがぎっしり

  • 手のひらに乗る小さな板が、コンピュータの“脳”になった

それまで部屋サイズだったものが、まさか親指サイズになるなんて──
まさに“魔法のような科学”だったのです。


📏 小さくなったことで、何が変わったの?

小さくなったことには、こんな大きな意味がありました。

小さくなったことで… 社会に起きた変化
家電にも入れられるようになった 電卓・カメラ・ゲーム機が「賢く」なった
電気代が減った 電池で動く機器が増えた
コストが下がった 中小企業でも導入可能に
故障しにくくなった 信頼性がアップ
ポケットに入るサイズに スマートフォンの土台ができた

💬 小さいことは、ただの工夫じゃない。「革命」だった

4004のようなマイクロプロセッサが登場したことで、
コンピュータはそれまでの「特別な道具」から、
**「生活の中にある当たり前の道具」**へと進化していきます。

「小さくなった」=「みんなの手に届くようになった」
→ これが、社会を大きく変えたのです。


🔜 次は:「なぜ4004が生まれたのか?」そのきっかけの物語へ

次の章では、

  • なぜインテルは、このちっちゃなCPUを作ることになったのか?

  • そもそも何のために作られたのか?

  • 実は、日本のある会社からの依頼だった?

そんなIntel 4004誕生のきっかけを、やさしくひもといていきます。


第3章|なぜ開発されたのか?Busicomとインテル、偶然から始まった革命


🧮 はじまりは、電卓をもっと便利にしたいという“日本の願い”だった

1970年代、世界中で電卓の需要が急速に高まっていました。
当時は「コンピュータはまだまだ高価で大きすぎる」時代。
その中で、**日本の電卓メーカー「ビジコン(Busicom)」**はこう考えました。

「できれば、計算専用ではなく“ちょっと賢くて拡張性のある電卓”が作れないかな?」
「1つのチップでいろんなモデルの電卓に対応できたら、すごく便利なのに…」

そうして、ビジコンはアメリカの新興企業**インテル(Intel)**に相談を持ちかけることになります。


👨‍🔬 インテルの若手研究者が思いついた「ちょっと変わった提案」

当初、Busicomが望んでいたのは「専用のIC(集積回路)」を複数組み合わせた電卓用の制御システム。
つまり、電卓専用のチップセットを作ってほしいという依頼でした。

でも、当時インテルにいた若き研究者テッド・ホフは、ふと考えます。

🤔「専用チップってことは、別の電卓を作るたびにまた違うICが必要だよね?」
🤔「じゃあ、用途は後でプログラムで決める“汎用チップ”にすればいいんじゃない?」

こうして彼は、驚きの提案をします。

「専用じゃなくて、“どんな命令にも対応できる1つの頭脳”にしませんか?」


🧠 ここで生まれた「ソフトで動きを変えられるチップ」という発想

これがまさに、マイクロプロセッサの誕生の瞬間です。

  • チップはひとつ。動きはプログラムで切り替える

  • 電卓にも、タイプライターにも、ゲームにも使える

  • 何をさせるかは、あとからソフトで決める

つまり、**“用途を限定しない小さな頭脳”**があれば、
どんな製品にも応用できるということ。

これは、それまでの「1チップ1用途」の常識をくつがえす考え方でした。


🔧 開発チームが総力をあげて誕生させた「4004」

この構想に賛同した開発メンバーたちは、昼夜を問わず開発に没頭します。

主なメンバー:

  • テッド・ホフ:アイデアの提案者

  • フェデリコ・ファジン:回路設計とチップ実装の責任者

  • スタン・マゾール:アーキテクチャと命令セット設計

こうして誕生したのが、世界初のマイクロプロセッサ──
Intel 4004でした。


🧾 初採用は「ビジコン141-PF」という電卓

できあがったIntel 4004は、ちゃんとビジコンの電卓にも搭載されました。

製品名は「Busicom 141-PF」。
この電卓は、見た目はふつうの製品でしたが、
中には“世界初の汎用頭脳チップ”が動いていたのです。


🔄 そしてインテルは、このチップを“自社製品”として販売することに

さらにインテルは、このチップに大きな可能性を感じて、Busicomとの契約を見直します。

「このチップ、他の企業にも売っていいですか?」

ビジコンはそれを承諾。
インテルはIntel 4004を“自社の汎用商品”として一般市場に販売できるようになったのです。

これが、のちのパソコン・スマホ・ゲーム機・IoT機器まで広がる
“マイクロプロセッサの産業化”の第一歩でした。


🔜 次は:「Intel 4004はなにがすごかったのか?」その本当の革新を深掘り!

次の章では、

  • 単に「小さかった」だけじゃない

  • 「汎用的だった」ことの意味

  • なぜ社会全体が変わっていったのか

──4004が「ただの小型チップ」ではなく、
時代を変えた発明だった理由を、やさしく解説していきます。


第4章|何がすごかったのか?マイクロプロセッサが社会を変えた理由


💭 「小さくなっただけじゃない」のが、4004の本当のすごさ

Intel 4004は、たしかにとても小さなチップでした。
でも、それだけでは“技術的にすごい”で終わっていたかもしれません。

本当にすごかったのは、その考え方です。

💡「同じチップを、いろんな機械に使えるようにしよう」
💡「動きはプログラムで変えればいい」
💡「つまり、ハード(チップ)は共通でOK!」

この“ひとつで何役もこなせる”という発想が、社会のあちこちに革命を起こしていったのです。


📦 ハードを変えなくても、ソフトで使い方を変えられる!

たとえば──

当初は電卓用として設計された4004でしたが、
この“ひとつのチップで多用途を実現する”という発想は、
のちに工場の機械制御やレジスター、ゲーム機など、
あらゆる分野へと応用されていくことになります。

それまでの電子機器は、それぞれ専用の回路や設計が必要でした。
しかし、同じ構造のチップに異なるプログラムを組み込むだけで、
まったく別の機能を持たせることができる
ようになったのです。

🎮 “同じ頭脳”に、ちがう仕事をさせられる──
それはまるで、ひとりの人が「先生になったり、料理人になったり」
と役割を自在に変えられるようなもの。

この汎用性という思想が、電子機器の設計を大きく変え、
開発コストを下げ、製品の多様化を一気に進めたのです。


💰 「1台いくら」ではなく「何にでも使える1つ」を売る戦略

Intelが4004を汎用製品として販売し始めたことも、画期的でした。

  • これまでは企業ごとの専用設計 → 少量生産・高価格

  • でも4004は「誰でも買える頭脳」として、どんどん普及!

これにより、

  • チップ産業という新しい市場が誕生

  • 他の半導体メーカーも「うちも汎用プロセッサ作ろう!」と参入

  • インテルはこの分野のパイオニアとして、世界中に広まることに


📱 家電、ゲーム、車、そしてパソコンへ…

Intel 4004の誕生は、のちのマイクロプロセッサ普及の起点となりました。
この技術をきっかけに、“小さな頭脳”はさまざまな分野へと広がっていきます。

最初は電卓や時計などの小型電子機器に採用され、
続いて、ゲーム機やカメラ、炊飯器・洗濯機といった家電にも応用されるようになります。
さらに、自動車の燃料制御や安全装置(エアバッグなど)にも搭載され、
やがて──**パーソナルコンピュータ(PC)**の世界にも進出していきました。

こうして、コンピュータの「考える力」が、
初めて社会全体のあらゆる機械に“組み込まれる”時代が始まったのです。


📈 4004のあと、世界はどんどん“小さくて賢く”なっていく

4004の登場をきっかけに、マイクロプロセッサは
より高性能で小型な世代へと進化していきました。

4004(4ビット) → 8008(8ビット) → 8080 → 8086(※IBM PCでは8088を採用)

こうして、チップは着実に性能を高めながら、
オフィスや学校、家庭にも広がっていきます。

やがて「1人に1台」というパソコン時代が訪れ、
「どこにでも頭脳を」という思想が社会全体へ浸透しました。

その流れは今も続いており──
4004が生んだ“知性のチップ”の系譜は、
私たちのポケットの中のスマートフォンにまでつながっているのです。


🔜 次は:「Intelはどう戦略を立てた?“Intel入ってる”のはここから始まった」へ!

この4004をきっかけに、インテルは“CPUを売る会社”として本格的に成長を始めます。
次の章では、

  • なぜインテルは4004を一般販売できたのか?

  • あの「Intel入ってる」の意味は?

  • 4004 → Core i シリーズへとつながる進化の道

をやさしく解説していきます!


第5章|“Intel入ってる”の始まり──4004からCore iへ


🏁「売り切りの部品」から、「売れ続ける頭脳」へ

Intel 4004が最初に使われたのは、前の章でも紹介したとおり、**日本の電卓メーカー・Busicom(ビジコン)**の製品でした。

本来なら、「依頼主にだけ納品して終わり」──という“部品の仕事”で終わっていたはず。

でもインテルは、そこにもっと大きな可能性を感じたのです。

「この小さな頭脳、他の企業も欲しがるかもしれない」
「だったら、これをインテルの製品として販売してみよう!」

この判断が、やがてインテルを“CPUの王者”にしていく第一歩でした。


🔁 インテルはBusicomとの契約を再交渉し、販売権を得る

当時、Busicomとの契約では「このチップはビジコン専用」となっていました。
でもインテルは交渉を持ちかけます。

「チップの販売権を、うちに戻してもらえませんか?」

ビジコンもこの提案を受け入れ、Intelは4004を“自社ブランド”で販売できるようになりました

これが、

  • チップそのものを“商品”として売るという新しいビジネスモデル

  • 「CPUは“中の部品”だけど、名前で選ばれる」時代のはじまり

につながっていくのです。


💻 そして始まった、インテルの“頭脳シリーズ”の進化

Intel 4004の成功は、のちのマイクロプロセッサ開発競争の幕開けとなりました。
インテルはこの小さなチップを足がかりに、性能を高めた新世代CPUを次々と発表していきます。

年代 プロセッサ 主な特徴
1971 4004 世界初の商用マイクロプロセッサ(4ビット)
1972 8008 初の8ビット版として処理能力が向上
1974 8080 初期のパソコン(Altair 8800など)に採用され話題に
1978 8086 / 8088 IBM PCシリーズに搭載。MS-DOS時代の礎となる
1982〜 80286, 80386, 80486 高速化・メモリ管理・マルチタスク対応などの進化
1993〜 Pentiumシリーズ 一般家庭向けPC市場で大ヒット。インテルの代名詞に
2000年代〜 Core i3 / i5 / i7 / i9 省電力化・モバイル対応が進み、現代PCの主流に

この進化の系譜は、すべて1971年のIntel 4004から始まりました。
わずか1枚のチップが、やがて世界のコンピュータ文化を形づくる中心になっていったのです。


🎵 あの有名なCM「Intel入ってる」は何だったの?

1990年代、インテルが展開した世界的キャンペーンがあります。

🎶「ポーン、ポンポンポーン」
💬「Intel入ってる(Intel Inside)

これは、「このパソコンには、インテルのCPUが搭載されていますよ!」というアピール。

本来、CPUは“パソコンの中の見えない部品”。
でもインテルは、

「中身の部品だけど、ブランドとして選ばれる存在にしよう」

という戦略をとったのです。


🧠 ユーザーが「CPUの名前でパソコンを選ぶ」時代に

このキャンペーンにより、

  • 一般ユーザーでも「Pentiumなら安心」「Core i5がバランスいい」など判断できるように

  • メーカーも「Intel搭載モデル」としてアピールできるように

  • CPUが“パソコン選びの基準”になった

つまり、中に入っているだけの部品が、主役になったんですね。


🧬 そして、今も私たちのPCやスマホの中で動いている

いま、あなたが使っているパソコンにも、きっとこう書かれているはずです:

✔ Core i5
✔ Core i7
✔ Intel Evo
✔ あるいは、Apple M1/M2(←これもマイクロプロセッサ!)

この“頭脳チップ”があらゆる作業の判断役=CPUとして、毎日こっそり働いてくれているんです。

そして──そのすべての原点が、1971年の Intel 4004


🔜 次は:4004が変えた「社会と未来」の話へ──スマホもIoTも、その延長線上

次の章では、Intel 4004の登場によって、

  • 社会全体がどう変わったのか

  • 家電・クルマ・医療・教育…あらゆる分野で何が起きたのか

  • 今のスマホやAI、IoTとどうつながっているのか

をやさしくまとめていきます。


第6章|まとめ:4004が開いた“小さな革命”──スマホとIoTのすべてはここから


🌱 「世界初のマイクロプロセッサ」は、ただの技術ではなかった

1971年に登場したIntel 4004。
それは単なる「小さな電子部品」ではありませんでした。

🔹 コンピュータの“頭脳”を親指サイズにまとめたチップ
🔹 用途はプログラムで自由に変えられる汎用型
🔹 誰でも使える、買える、応用できる「小さな賢い脳」

このチップが世の中にもたらしたのは、“小さくて賢いもの”が、世界を動かす時代の始まりでした。


🏠 コンピュータが「特別なもの」から「みんなの道具」へ

4004が登場するまでは、コンピュータは特別な施設にしかありませんでした。

でも、それが家電やオフィス、学校、工場、車の中へ。
そしてやがて──ポケットの中にも。

いま私たちが使っているスマートフォン、ノートパソコン、スマートウォッチ、さらには冷蔵庫や洗濯機までも、
あの4004から始まった“ミニチュア化の流れ”の延長線上にあるのです。


🔁 あらゆる分野を静かに変えた、チップの力

分野 4004が起点になった変化
家電 炊飯器や電子レンジに“自動調理”の機能
医療 心電図モニターや電子カルテ
教育 電子辞書、PC教室、オンライン学習
産業 工場の自動制御、品質管理
交通 車の燃費制御・自動運転の基礎
暮らし全体 IoT化、スマートホーム、AI連携…

こうした変化のどれもが、「コンピュータの頭脳をどこにでも載せられるようになった」ことで生まれました。
それを最初に可能にしたのがIntel 4004だったのです。


📱 いま手のひらにあるスマホ、その中にも“4004の遺伝子”が

今、私たちが使っているスマホには、何十億個ものトランジスタが集まった超高性能マイクロプロセッサが入っています。

でもその仕組みの基本は、1971年のIntel 4004とほとんど変わっていません

  • 命令を理解する

  • 処理をして

  • 結果を出す

それが、小さなチップの中で、静かに、でも確実に行われているのです。


🧠 小さな革命は、今も続いている

Intel 4004は、単なる歴史上の製品ではありません。

🧠 「小さな頭脳を、どこにでも届ける」
🧠 「使い道は、ソフトウェアで自由に決める」
🧠 「みんなが使えるテクノロジーにする」

この考え方こそが、
私たちの暮らし・仕事・社会そのものを変えてきたのです。


🔜 次は:1973年──Xerox Altoへ。コンピュータに“画面とマウス”が生まれる!

Intel 4004が「小さくて賢い頭脳」を作ったあと、
次にやってきたのは**“画面で見る”**という発想。

  • GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)

  • マウスで操作する

  • ウィンドウ、アイコン、フォルダの世界…

それが始まったのは、1973年の**Xerox Alto(ゼロックス・アルト)**でした。

次回は、その「画面で使うコンピュータ」の原点に迫ります!


▶次に読みたい記事 「商用コンピュータとパソコンの進化」Xerox Altoとは?GUIとマウス操作が生まれた伝説のコンピュータをやさしく解説


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🖊ブログシリーズ「商用コンピュータとパソコンの進化」はこちらから

まとめ記事▶商用コンピュータとパソコンの進化|UNIVACからWindows95まで50年の歴史を総まとめ

UNIVAC Iとは?世界初の商用コンピュータが切り開いた“情報の時代”の始まり

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Xerox Altoとは?GUIとマウス操作が生まれた伝説のコンピュータをやさしく解説

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