午前・正午・午後とは?意味・語源・由来を解説|「午」はなぜ馬なのか(丑三つ時も)

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0章|導入──午前・午後は当たり前。でも「午」って何?


「午前中に行きます」
「正午に集合で」
「午後から会議です」

毎日使う言葉なのに、改めて考えると不思議です。
午前は朝っぽい。午後は昼〜夕方っぽい。正午は12時。
──でも、これって説明になっているようで、実はふんわりしています。

そして最大の疑問がここ。

午前・午後の“午”って何?

この「午」を知ると、午前・午後はただの時間帯ではなく、一日を整理するための発想だったことが見えてきます。


1章|午前・正午・午後の意味(現代の定義)


まず、現代の意味はシンプルです。

  • 午前:正午より前の時間

  • 正午:昼の12時ごろ

  • 午後:正午より後の時間

大事なのは、午前が「朝」ではなく、**“正午より前”**と定義されていること。
つまり午前・午後という言葉は、朝夕の雰囲気ではなく、正午という中心点を軸に作られているのです。


2章|正午とは「12時」ではなく「昼の中心」


正午は、単に時計が12時を指す瞬間…というだけの言葉ではありません。

もともと正午は、
太陽がいちばん高い位置に来る時間
──いわゆる「昼のピーク」を表す感覚から生まれました。

時計が当たり前になる前、人は太陽で時間を感じていました。

  • 朝:影が長い

  • 昼:影が短い

  • 夕:また影が伸びる

この変化の中で「昼の真ん中」は体感として分かりやすく、生活の区切りにもなる。
だから正午は、ただの数字ではなく、一日の軸になったのです。


3章|「午」とは何か──十二支は“時刻”でも使われていた


ここで登場するのが「午」です。

十二支(子・丑・寅…)というと「干支=年」のイメージが強いですが、昔は年だけでなく、時刻を示すラベルとしても使われていました。

考え方はとてもシンプルです。

1日は24時間。
十二支は12個。

だから、

24時間 ÷ 12個 = 2時間

つまり、干支1つが約2時間分を担当する仕組みでした。

たとえば、こんな感じです。


4章|十二支と時刻の対応


十二支 読み 時刻(目安)
23時・0時
うし 1時・2時
とら 3時・4時
5時・6時
たつ 7時・8時
9時・10時
うま 11時・12時(正午)
ひつじ 13時・14時
さる 15時・16時
とり 17時・18時
いぬ 19時・20時
21時・22時

※十二支の時刻は「1つ=約2時間」の目安です。ここでは分かりやすく○時で表しています。

この表を見ると、午前・午後の仕組みが一気にクリアになります。

「午(うま)」が担当するのは、昼の中心(11〜13時ごろ)
そして、その真ん中が 正午

だから、

  • 正午の前 → 午前

  • 正午の後 → 午後

となったわけです。


5章|「丑三つ時」が残っている=干支が時刻だった証拠


この文化、実は今でも言葉として残っています。

たとえばホラーや怪談で聞く、あの言葉。

丑三つ時(うしみつどき)

これは「丑の刻(深夜1時〜3時ごろ)」の中でも遅い時間帯、
つまり感覚的には 深夜2時前後を指す言い方です。

私たちは普段「午前2時」と言うのに、
“怖い話”になると急に「丑三つ時」と言い出す。

この違和感こそが、
干支が時刻を表していた昔の感覚が、今も言葉の中に残っている証拠です。


コラム|十二支の動物はあとから結びついた


十二支というと、子=ねずみ、丑=うし、午=馬……というように、動物の順番を思い浮かべる人が多いと思います。
けれど本来の十二支は、最初から動物を並べたものではなく、**時間や方角などを整理するための記号(ラベル)**として使われてきた体系でした。

ここで押さえておきたいのは、
先に存在していたのは「午」という“時刻の区切り”ではなく、「午」という地支の記号そのものだという点です。

地支は、時刻の表現だけでなく、方角などにも用いられ、生活の中で幅広く機能していました。
そして後になって、より覚えやすく、親しみやすい形にするために「午には馬」というように、動物が対応づけられたと考えられています。

つまり午前・午後の「午」は、
「馬だから午になった」という順番ではありません。
もともと存在していた“午”というラベルが時刻の表現に入り込み、そこに動物のイメージが重なった──
そう捉えると、午前・午後の語源はすっきり理解できます。


6章|午前・省吾・午後の使い方と例文(会話/ビジネス)


日常会話

  • 午前中に買い物を済ませる

  • 正午すぎに出発する

  • 午後はゆっくり休む


ビジネス

  • 午前10時に伺います

  • 正午までにご連絡します

  • 午後から会議が可能です

※ちょっとした注意
「午後0時」という表現は混乱しやすいため、文章では 正午 と書いたほうが伝わりやすい場面もあります。


まとめ|午前・正午・午後は「真ん中を決める」言葉だった


午前・正午・午後とは、ただの時間帯の呼び名ではありません。

まず「正午」という**一日の中心(折り返し地点)**を決め、
そこから前後を整理する。

  • 正午の前 → 午前

  • 正午の後 → 午後

この発想は、太陽と生活のリズムの中で自然に育った、一日の分け方でした。

一日の中心は、午(馬)だった。

私たちは今日も、何気なく
「午前中に」「午後から」と言いながら、
馬が担当する“昼の中心”を境に、一日を渡っているのです。


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