段ボールのリサイクルマークとは?意味・種類・規格・印刷方法まで製版現場が徹底解説

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第0章|導入──段ボールのリサイクルマークは“箱の身分証明書”


普段は気にも留めない小さなマーク

段ボールの側面や底フラップに、小さなぐるっと矢印のマークを見たことはありませんか。
普段は荷物を開けてそのまま捨ててしまうため、意識することはほとんどないかもしれません。
しかしこのマーク、実は段ボールが「何でできているのか」「どう処理すべきか」を示す大切な情報源です。


段ボールにとっての“身分証明書”

このマークは、段ボールがリサイクル可能であることを証明する、いわば“身分証明書”のような存在です。
マークがあることで、回収業者や自治体が材質を一目で判断でき、適切なリサイクルルートに回すことができます。
逆に、マークがない段ボールにはいくつか理由があり、それが「リサイクルできない」場合もあれば、単にデザインやコストの都合という場合もあります。


この記事で分かること

この記事では、段ボールマークの意味や種類、規格、そしてマークが入っていないケースまで、段ボール製版の現場目線で詳しく解説します。
読み終える頃には、あなたも段ボールを捨てる前に、この小さなマークを確認したくなるかもしれません。


第1章|段ボールのリサイクルマークとは?


正式名称と役割

段ボールの側面や底面に印刷されるこのマークの正式名称は**「段ボールのリサイクルマーク」**です。
このマークは「この箱は段ボール素材でできており、リサイクル可能です」という意思表示であり、回収業者・自治体・消費者の間で共通の合図として機能します。
単なる装飾やロゴではなく、資源循環の現場で重要な役割を担っているのです。


日本独自のデザインと目的

段ボールのリサイクルマークは、日本の段ボールリサイクル協会が制定した、段ボール専用のリサイクル識別マークです。
外周を太い矢印で円形に構成し、その中央に開いた段ボール箱のイラストを配置することで、素材が段ボールであることを一目で識別できます。
このデザインは、日本の回収制度や表示ルールに適合させた国内専用仕様であり、資源循環の現場での識別性向上を目的として広く普及しています。


紙マークとの違い

段ボールマークと混同されやすいのが紙マークです。
紙マークは、コピー用紙や紙袋、ティッシュ箱など、板紙や洋紙系のリサイクル対象に付けられます。
段ボールマークは、中央に開いた段ボール箱のイラストが描かれ、素材として段ボールであることを示します。
外見は似ていますが、マークを見れば素材の種類が一目で分かるようになっているのです。


第2章|段ボールマークの種類と意味


代表的な段ボールマーク

段ボールに使われるマークの中で、最も一般的なのが段ボールのリサイクルマークです。
外周は太い矢印が円を描き、その中央に開いた段ボール箱のイラストが配置されたデザインで、「この箱は段ボール素材でできており、リサイクル可能です」という意味を持ちます。
協会に加盟するメーカーが印刷し、回収や資源循環の現場で識別しやすいよう統一されています。


段ボールのリサイクルマークの規格とサイズ

ダンボールリサイクル協会のガイドラインでは、視認性と印刷再現性を確保するため、マークの表示サイズや形状が定められています。

  • サイズ:直径30mm以上が望ましい(30mm未満だと白ヌキ部分が潰れやすくなるため)

  • :単色(多くは黒または濃茶)

  • 形状:外周に矢印、中央に開いた段ボール箱のイラスト

  • 禁止事項:縦横比の変更やデザイン改変は禁止

これらの規格を守ることで、製造現場でも識別性が保たれ、回収・リサイクル工程で混乱が起こりにくくなります。


マークの配置場所と視認性の考え方

段ボールのリサイクルマークの表示位置は、最終的に段ボールを分別・回収する人が確認しやすい場所であれば、側面・天面・底面など、どこに印刷しても構いません。
段ボールリサイクル協会のガイドラインでは、輸送や回収の現場でも識別しやすい 側面や天面 が望ましいとされていますが、デザインや製造上の都合から底面(底フラップ)に配置されるケースもあります。
要するに、「場所の規定はないが、見やすさが優先」という考え方です。


第3章|段ボールのリサイクルマークが入っていないケース


無地ケース(茶無地)の場合

無地の段ボール(茶無地ケース)には、段ボールのリサイクルマークが入っていないことが多くあります。
理由はシンプルで、印刷用の版を作らずに製造することでコストを抑え、汎用的に使える箱にするためです。
マークがなくても材質は段ボールなので、ほとんどの場合リサイクル可能です。自治体や回収業者は材質で判断します。


リサイクルできない段ボールの場合

段ボールのリサイクルマークは「この箱はリサイクルできます」という証明でもあります。
そのため、防水加工やワックス加工が施された段ボールや、樹脂フィルム貼り・金属箔貼りの化粧箱など、再生紙に向かないものには基本的に印刷されません。
これらは古紙として分別できず、可燃ごみや産業廃棄物として扱われることがあります。


第4章|なぜ段ボールのリサイクルマークは印刷されているのか


リサイクル促進と資源循環の啓発

段ボールのリサイクルマークは、消費者や流通業者に「この箱はリサイクル可能である」というメッセージを伝える役割を持っています。
このマークがあることで、古紙回収や自治体の分別作業がスムーズになり、資源循環の流れが途切れにくくなります。


団体認証や品質保証の証

段ボールリサイクル協会に加盟しているメーカーは、規格に沿った段ボール製造を行っている証としてマークを印刷します。
これにより、流通や取引の場で「品質の裏付け」がある製品であることを示せます。


流通・仕分け時の材質識別

物流現場では、箱の材質を瞬時に見分ける必要があります。
段ボールのリサイクルマークがあると、紙マークやプラスチックマークと区別しやすく、リサイクルルートへの振り分けが迅速に行えます。
マークの有無は、現場での作業効率や正確さにも直結します。


第5章|段ボールのリサイクルマークの印刷方法と裏側


フレキソ印刷で行われるマーク印刷

段ボールのリサイクルマークは、段ボールの展開図(平らなシート)の状態でフレキソ印刷によって刷り込まれます。
フレキソ印刷はゴムや樹脂製の柔らかい版を使うため、段ボールのような凹凸のある素材にも適しています。
インクは水性が主流で、環境負荷を抑えながら鮮明にマークを印刷できます。


製版時の注意点

マークは小さなサイズで印刷されるため、線幅が細すぎると潰れてしまうおそれがあります。
そのため製版段階では、線の太さ・間隔・文字の形を規格内で最適化し、潰れやにじみを防ぎます。
また、印刷位置も重要で、組み立て後にマークが見えるように配置する必要があります。


第6章|知っておくと得する段ボールのリサイクルマークの豆知識


マークがなくてもリサイクルできる場合がある

無地ケースや協会未加入メーカーの段ボールは、マークがなくてもリサイクル可能な場合が多いです。
材質が段ボールであれば、自治体や回収業者は見た目や手触りで判断して古紙ルートに回します。
ただし、防水加工やフィルム貼りなどリサイクル不適な加工がされている場合は除外されます。


紙マークとの見分け方

段ボールのリサイクルマークと紙マークは似ていますが、中央の図案が異なります。
紙マークは「紙」や「PAPER」と記載され、板紙・洋紙系のリサイクル品に付けられます。
段ボールのリサイクルマークは中央に開いた段ボール箱のイラストが描かれており、素材として段ボールであることを明確に示します。
この違いを覚えておけば、マークを見ただけで素材の種類を判別できます。


リサイクル時に守るべきポイント

近年の古紙リサイクル工場では、ガムテープやラベルなど軽度の異物は破砕・パルプ化工程で機械的に除去できるようになっており、少量であれば剥がさずにそのまま出してもリサイクル可能です

ただし以下のような状況では処理に支障をきたす恐れがあるため注意が必要です:

  • 大量の異物(テープ・ラベル・プラスチックなど)

  • 油汚れ・食品残渣がひどいもの
    これらは古紙の品質低下や選別トラブルの原因になるため、可能な範囲で取り除くことが望まれます 。

また、紙製テープ(クラフトテープ)であれば、古紙と一緒に処理しても問題ないケースも多いです。個別に剥がす必要はありません。


第7章|まとめ


段ボールマークは国内の資源循環を支える証

段ボールのリサイクルマークは、日本の段ボールリサイクル協会が独自に規格化したリサイクル識別マークです。
外周を太い矢印で円形に構成し、中央に開いた段ボール箱のイラストを配置することで、素材が段ボールであることを一目で識別できます。
このデザインは、日本の回収制度や表示ルールに適合させた国内専用のマークとして、資源循環の現場で広く活用されています。


マークの有無が示すこと

段ボールにマークが印刷されている場合、それは「この箱はリサイクル可能」という目印です。
一方でマークがない場合には、デザインや印刷を省いた無地箱でコストを抑えているケースや、防水・耐油などの特殊加工で古紙リサイクルに適さないケースなどが考えられます。
マークの有無を意識すると、その段ボールの背景や使われ方が見えてきます。


日常が少し変わる視点

普段は気にしない小さなマークも、意味を知れば段ボールを見る目が変わります。
リサイクルを正しく行うためだけでなく、「この箱はどんな経緯で作られたのか?」と想像する楽しみも生まれます。
段ボールマークは、単なる印刷ではなく、資源循環と物流をつなぐ小さな証なのです。


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