段ボールの種類と構造|片面・両面・複両面の違いと用途を完全ガイド

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第0章|段ボールの“構造”で種類が分かれるって知ってた?


段ボールは全部同じじゃない

通販の箱、引っ越しの箱、スーパーの空き箱──どれも「段ボール」と呼ばれますが、中身の構造は実は違います。段ボールには片面段ボール両面段ボール複両面段ボールという3種類の構造があり、それぞれ強さや用途が変わります。


「見た目は似ているのに違う理由」

箱を上から見ただけでは違いが分かりませんが、裏面や断面を見ると構造の差がはっきりします。例えば、宅配便で届く箱は両面段ボールが多く、家電や家具の大型梱包には複両面段ボールが使われます。さらに、緩衝材や保護用シートには片面段ボールが活躍します。


本記事の目的

この記事では、段ボールの構造別分類(片面・両面・複両面)の違いと特徴を、生活目線でやさしく解説します。知っておくと、荷物の保管や引っ越しのときに、どの段ボールを選べばよいかが分かるようになります。


第1章|段ボールの基本構造──ライナーとフルート


段ボールは「紙のサンドイッチ」構造

段ボールは、ライナーと呼ばれる平らな紙と、**フルート(中芯)**と呼ばれる波形の紙を組み合わせて作られます。ライナーが表面と裏面を守り、フルートが衝撃を吸収して強度を生み出します。この構造のおかげで、段ボールは軽くて丈夫という特徴を持ちます。


ライナーの役割

ライナーは段ボールの“顔”ともいえる部分で、外側からの衝撃や摩擦から中芯を守ります。また、表面印刷やラベル貼りにも適しており、見た目や情報表示の役割も担います。


フルートの役割

フルートは波形の構造によって衝撃を分散し、段ボール全体の耐久性を高めます。波の高さや間隔の違いによって、Aフルート・Bフルート・Eフルートなどの種類があり、これが箱の用途や強度に大きく影響します。


構造で変わる性能

ライナーとフルートの組み合わせ方次第で、段ボールの重さ・強さ・緩衝性が変わります。次の章からは、この組み合わせによって生まれる「片面」「両面」「複両面」という構造別種類を詳しく見ていきます。


第2章|片面段ボール(Single Face)の特徴と使い方


片面段ボールとは

片面段ボールは、ライナー1枚と、その裏にフルート(波形中芯)を貼り付けた構造です。裏側はフルートがむき出しで、両面ライナー構造のように箱としては自立しません。


主な用途

片面段ボールは柔らかく、巻き付けやすいのが特徴です。家具や家電、ガラス製品などの保護材としてよく使われます。また、化粧箱の芯材や製品間の仕切り材にも利用されます。


メリットとデメリット

  • メリット:軽くて扱いやすく、必要なサイズに簡単にカットできる

  • デメリット:片面が波形むき出しのため、強度や耐水性は低い


片面段ボールを見分ける方法

見た目の最大の特徴は、片面が平らで、もう片面が波打っていること。スーパーやホームセンターで、家具や家電の梱包をよく観察すると、この片面段ボールが使われていることが分かります。


第3章|両面段ボール(Single Wall)の特徴と使い方


両面段ボールとは

両面段ボールは、表ライナー+フルート(中芯)+裏ライナーの三層構造です。最も一般的な段ボールで、私たちが日常で目にするほとんどの箱はこのタイプです。


主な用途

宅配便や引っ越し用の箱、スーパーや倉庫の在庫箱など、多用途に使われます。軽さと強度のバランスが良く、コスト面でも効率的なため、梱包資材の定番となっています。


フルートの種類と用途の違い

両面段ボールは、内部のフルートの高さや形状で性能が変わります。

  • Aフルート:厚みがあり、衝撃吸収性に優れる(引っ越しや保管用)

  • Bフルート:薄めで積載効率が高く、印刷適性も良い(宅配・食品箱)

  • Eフルート:さらに薄く、小型箱や化粧箱向き


見分け方

箱の断面を見れば、両側にライナーがあり、中に1層の波型フルートが挟まっているのが分かります。宅配箱をカッターで切ってみると、きれいなサンドイッチ構造になっているはずです。


第4章|複両面段ボール(Double/Triple Wall)の特徴と使い方


複両面段ボールとは

複両面段ボールは、両面段ボールを二重または三重に重ねた構造です。

  • 二重構造(Double Wall)5層構成(ライナー3枚+フルート〔波形中芯〕2層)

  • 三重構造(Triple Wall)7層構成(ライナー4枚+フルート3層)

層数が増えることで強度・耐圧性・耐衝撃性が大きく向上し、重い荷物や長距離輸送に耐えられる仕様になります。


主な用途

大型家具、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電、重量のある工業製品、海外輸出用の梱包など、高い強度と安全性が必要な場面で使われます。特に海外輸送では、長期間の積み重ねや衝撃に耐える必要があるため、複両面段ボールが選ばれるケースが多いです。


メリットとデメリット

  • メリット:高い耐圧性・耐衝撃性、長距離輸送中の荷物保護性能が高い

  • デメリット:重量が増し、材料コストも高くなるため、小型梱包や短距離輸送には不向き


見分け方

段ボールの断面を見ると、フルートが2層(Double Wall)または3層(Triple Wall)に重なっているのが確認できます。一般的な宅配箱ではまず見られないため、家電の梱包や引っ越し時の大型荷物で出会うことがほとんどです。


第5章|構造別の選び方とまとめ


3種類の特徴をおさらい

  • 片面段ボール:軽量・柔軟で、保護材や仕切り材に最適

  • 両面段ボール:軽さと強度のバランスが良く、宅配箱や汎用梱包の主役

  • 複両面段ボール:高強度で、大型・重量物や輸出用梱包に使用


用途に合わせた選び方

荷物の大きさ・重さ・輸送距離によって適した構造は変わります。

  • 小物や保護目的 → 片面段ボール

  • 通販や引っ越し用 → 両面段ボール

  • 家電や重量物輸送 → 複両面段ボール


身近な箱を観察してみよう

次に通販で届いた箱や、スーパーで見かける段ボールを観察してみてください。断面を見れば、ライナーとフルートの組み合わせが分かり、「あ、これは両面だな」と気付けるはずです。ちょっとした知識ですが、段ボールを見る目が変わります。


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