段ボールはなぜ布団になる?防災にも役立つ断熱・防寒の科学的理由

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第0章|忙しすぎる人も、路上で暮らす人も──段ボールで寝るワケ


寒い夜の駅の片隅で

終電を逃し、駅のベンチで一夜を明かそうとするサラリーマン。スーツ姿のまま、足元には薄く敷かれた段ボール。その姿は、疲れと寒さをどうにかしのごうとする、切実な工夫の表れです。


高架下や公園での光景

公園のベンチや高架下で暮らす人々もまた、同じように段ボールを敷いて眠ります。見慣れた光景かもしれませんが、そこには単なる「手に入るから使っている」という理由以上のものが隠れています。


見た目以上の合理性

段ボールはただの紙の箱ではありません。内部に空気を抱え込む構造や、冷気を遮る性質があり、非常時には布団やベッドとして活躍する高性能素材です。見た目こそ質素でも、科学的に見れば理にかなった選択なのです。


この事実を知れば、災害時や避難所生活の備えとして、段ボールを見る目が変わるはずです。ここから、その理由をひとつずつ紐解いていきましょう。


第1章|段ボールは空気を抱き込む断熱材


手に持つとわかる“ふんわり感”

引っ越しのときに空の段ボールを持ち上げて、「意外と軽いな」と感じたことはありませんか。あの軽さの正体は、中にたっぷりと空気を抱え込んでいるからです。


三層構造が生む保温力

段ボールは、平らなライナーと波型の**中芯(フルート)**を貼り合わせた三層構造。その波型部分に閉じ込められた空気が、外の冷気を通しにくくします。
これは羽毛布団やダウンジャケットが暖かいのと同じ理屈で、空気という“目に見えない断熱材”を利用しています。


紙だからこそできる断熱

見た目はただの紙ですが、この構造があることで驚くほどの断熱性を発揮します。布団の代わりに段ボールを敷くと、体温が逃げにくくなり、想像以上に暖かさが長持ちします。


第2章|冷たい床からの熱奪取を防ぐ


足元から忍び寄る寒さ

真冬の体育館やコンクリートの上に直接座ったとき、じわじわと下半身から冷えが伝わってくる感覚を覚えたことはありませんか。寒さは空気中からよりも、地面からのほうがずっと早く、容赦なく体温を奪っていきます。


段ボールがつくる“距離”

段ボールを床に敷くと、中芯(フルート)の波型構造が地面との接触面積を減らし、さらに空気層が冷気を遮断します。これは、冬山登山やキャンプで使う断熱マットと同じ原理。直接の熱移動を防ぐ“距離”を作ることで、体温を守るのです。


防災の現場でも実証済み

避難所では、床に直接寝るよりも、段ボールを数枚重ねて敷くほうが体温の低下を抑えられることが知られています。寒さを防ぐ第一歩は、上から覆うよりも、下からの冷えを断つこと。段ボールはその役割を十分に果たしてくれます。


第3章|湿気を調整する“呼吸する素材”


寝ている間にこもる湿気

冬の朝、布団をめくったときに感じる、ひんやりとした湿った空気。人は眠っている間にコップ一杯分もの汗をかくと言われています。その湿気は、放っておくと体温を奪う“冷えの原因”になります。


紙の持つ調湿作用

段ボールは紙でできており、紙には湿気を吸収したり放出したりする性質があります。内部の空気層と相まって、湿気をこもらせにくく、寝具をドライな状態に近づけてくれます。これにより、結露やカビの発生を抑える効果も期待できます。


化学繊維にはない快適さ

市販のレジャーシートや樹脂製マットは水を通さない反面、湿気がこもりやすいという弱点があります。段ボールは“呼吸する素材”として、湿気による体温低下を防ぎながら快適さを保てるのです。


第4章|軽くて加工自在──即席寝具から間仕切りまで


必要な形にすぐ変えられる

避難所や屋外で寝床を作るとき、段ボールは驚くほど扱いやすい素材です。軽くて運びやすく、手で折り曲げたり、重ねたりするだけで厚みや形を自由に変えられます。


断熱力を底上げする方法

床に一枚敷くだけでも効果がありますが、二重・三重に重ねるとさらに暖かくなります。中に新聞紙や毛布を挟めば、即席の高性能マットに早変わりします。寒さが厳しい夜ほど、この“重ね技”は威力を発揮します。


仕切りや風よけにも変身

段ボールは寝床だけでなく、立てて使えば風よけや簡易の間仕切りになります。避難所でのプライバシー確保や、屋外での風防としても役立ち、過酷な環境での暮らしを少しだけ安心できる空間に変えてくれます。


第5章|進化する段ボールベッド


災害時の“床に寝る”問題

地震や洪水などで避難所生活が始まると、多くの場合は体育館や公民館の床に直接寝ることになります。しかし、冷えや硬さによる不快感、ほこりやゴミ、さらには衛生面の問題が避けられません。


段ボールでつくる快適な高さ

そこで登場したのが、段ボールベッドです。床から高さを作ることで、冷気の影響を減らし、ほこりや虫を避けられます。高さがあるだけで、寝起きも楽になり、腰や関節への負担も軽減されます。


プライバシーと感染症対策にも

段ボールベッドは仕切りパネルと組み合わせることで、周囲の視線を遮り、プライバシーを確保できます。さらに、人との距離を保ちやすくなるため、避難所での感染症予防にも効果があります。災害大国・日本において、この技術は年々改良され、導入事例も増えています。


第6章|まとめ──やっぱり段ボールってすごい


布団にもベッドにもなる紙の力

段ボールは、空気を抱き込む断熱性、冷気を遮断する構造、湿気を調整する呼吸性、そして軽くて加工しやすい柔軟性──この4つの力で、非常時には布団やベッドとして活躍する防災アイテムに変わります。見た目は質素でも、その性能は侮れません。


災害時の心強い味方

避難所や屋外での仮眠において、段ボールは寒さや湿気から身を守り、少しでも快適に休むための頼れる存在です。備えておくことで、命を守る確率は確実に高まります。


ただの箱じゃない

私たちが日常で何気なく使っている段ボールは、いざという時、暮らしを支える“紙の魔法”になります。知れば知るほど、段ボールってすごい、防災って大事──きっとそう思えるはずです。


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