BOOKとは?語源は「木」だった|ブックの歴史・成り立ちをやさしく解説

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0章|BOOK(ブック)という言葉の語源


英語の「book」は、実は 木の名前 に由来していることをご存じでしょうか?
毎日使う言葉なのに、その背景には古代ヨーロッパの文字文化と「木に刻む」という生活が深く関わっています。

ここでは、語源・歴史・文化・日本語との違いまで、短くわかりやすく解説します。


1章|BOOKの語源──“木の名前”から生まれた言葉


英語 book のルーツは、原始ゲルマン語の *bōks(ブークス)
この語は 「ブナの木(beech)」 を意味したとされます。


■ 文字は“木に刻む”文化から始まった

古代ゲルマン社会では、紙が一般化する以前、
木の板(とくにブナが象徴的な材)にルーン文字を刻んで記録 していました。

文字文化と木材が密接に結びついていたため、

  • bōks(ブナ)

  • bōc(古英語:文書・記録)

  • book(現代英語:本)

という語の変化が起こり、
“木” の名がそのまま「書物」を表すようになった、と考えられています。

木に刻む──この素朴な記録の形が、
後の「book」という言葉の語源になっている点が非常に興味深いところです。


2章|BOOKの歴史──木の板 → 羊皮紙 → 紙へ


■ 古英語 “bōc” はまだ「冊子」ではない

初期の英語では bōc は「文書・記録」のこと。
まだ “本” という形ではありませんでした。


■ 冊子(コーデックス)が登場して意味が変わる

ローマ式の綴じ本「コーデックス」がヨーロッパに広まると、
「book = 綴じられた書物」 という現代の意味に変化します。

文化の技術が変わると、語の意味も変わる。
その代表例と言えます。


3章|BOOKと文化──ヨーロッパでの象徴性


中世ヨーロッパで“book”は単なる物体ではなく、
知識・権威・信仰 の象徴でした。

聖書をベースに文化が展開したため、
「book」という言葉自体が“知識の束”をイメージさせるようになり、
現代でも

  • Facebook(情報の束)

  • MacBook(知識・作業のツール)

など、比喩として生き続けています。


4章|日本語の「本」との違いが面白い


■ 日本語の「本(ほん)」の語源

“本” は 「根・もと」=中心になる部分 を表す言葉。
ここから「巻物の芯」→「書物」へ意味が広がりました。


■ 英語と日本語は発想が真逆

  • BOOK:木という物質に由来

  • 本(ほん):物事の中心・根本という概念に由来

同じ“本”でも、語源の方向性はまったく違います。
文化の違いがそのまま言葉に刻まれた好例です。


5章|まとめ


・BOOK は「ブナの木」が語源
・木に文字を刻む文化が「book」を生んだ
・コーデックス化で「冊子=本」の意味に定着
・日本語の「本」とは発想が真逆でおもしろい


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