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🟫【1分でわかる!カーキって何色?】🟫
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第1章|カーキとは何色か?まず結論から!
カーキ=ベージュ?それともグリーン?実は“どっちも正解”
「カーキって何色?」という問いは、一見シンプルながら、多くの人を迷わせる色のひとつです。特にデザイナーや印刷発注担当者にとっては、色の指定ミスにつながる厄介な存在。なぜなら、カーキという言葉には“2つの解釈”が存在するからです。
まず、日本のファッション業界や通販サイトでよく見る「カーキ」は、黄土色やベージュに近い茶系の色を指します。ユニクロやGUなどでも「カーキ色パンツ」といえば、淡いブラウン系が定番。女性向けファッション誌では「カーキ=ナチュラルカラー」「秋色」などの扱いも一般的です。
一方、欧米や軍事関連の文脈で使われる「KHAKI(カーキ)」は、くすんだ緑色=ミリタリーグリーンやオリーブグリーン系。アメリカ軍やイギリス軍の軍服色として知られ、PANTONEやDICのカラーガイドでも緑系として分類されることが多くあります。
つまり、「カーキ」という色は使う人の文化圏・業界・感覚によって全く異なる意味を持つのです。
印刷やデザインで注意すべき“色名のあいまいさ”
この色名のズレが問題となるのが、印刷や販促物の制作現場です。たとえば、クライアントが「カーキで印刷してほしい」と依頼してきた場合、それがベージュなのかグリーンなのかはっきりしなければ、完成後に「イメージと違った…」というトラブルにもなりかねません。
だからこそ重要なのは、「カーキ」という言葉に頼るのではなく、具体的な色番号(DIC番号、PANTONEコード、CMYK値など)で指定すること。色見本を共有するだけでも、誤解は大きく減らせます。
このブログでは、次章から「なぜカーキに2つの顔があるのか?」「どうやって正確に伝えるか?」を、歴史・語源・文化的背景・印刷現場での実践知識をもとに深掘り解説していきます。色に強くなる第一歩、まずはこの“二面性”を理解することから始めましょう。
第2章|「カーキ」の語源と歴史|土の色から軍服へ
カーキの語源はペルシャ語「khak(カーク)」=“土・埃”だった!
カーキという色名の起源は、なんと19世紀のインドに駐留していたイギリス軍にまでさかのぼります。語源はペルシャ語の「khak(カーク)」で、意味は**「土」「埃」**。まさに、地面や砂埃のような“自然と同化する色”を表す言葉でした。
当時のイギリス軍は、白い制服を着ていましたが、戦場ではあまりに目立ってしまうため、視認性を下げるために服を茶色や灰色に染めたのが始まりでした。染料には泥や紅茶、植物などが使われていたとも言われます。つまりカーキ色とは、**戦場の風景に溶け込むために生まれた“実用の色”**だったのです。
この「目立たない服」というコンセプトは世界中に広がり、フランス軍、アメリカ軍、インド軍などが次々とカーキ色の軍服を導入します。やがてこの色は単なる軍服の色を超え、**「耐久性」「安心感」「男らしさ」「戦場のリアリズム」**といったイメージと結びついていきました。
さらに20世紀初頭には、軍服スタイルそのものがファッションに取り入れられはじめ、「ミリタリー=かっこいい」という認識が定着。第二次世界大戦後には、サープラス(軍の放出品)ウェアが一般流通し、カーキ色は民間ファッションの一部として定着するようになりました。
カーキ=土の色。だけど、なぜ“緑っぽく”なっていったのか?
当初のカーキ色は、黄土色〜グレーに近い「茶系」の色でしたが、戦場環境が森林や湿地帯に移っていく中で、徐々に緑系が主流になっていきます。特にアメリカ陸軍が採用した「オリーブドラブ(OD)」は、濃い緑褐色で、これも広義のカーキとして分類されるようになりました。
その結果、「カーキ=緑」派と「カーキ=ベージュ」派が世界中で混在し、今日の“色認識のズレ”へとつながっていくのです。
つまり、カーキの色は戦場の地形とともに進化してきた、極めて実践的で文化的な色名だといえるでしょう。
第3章|日本と海外で違う!カーキの色認識のズレ
なぜ“日本のカーキ”はベージュになったのか?
カーキという色がややこしいのは、同じ言葉でまったく違う色を想像する人がいるという点にあります。特に、日本と欧米ではその認識が真逆に近い。日本人が「カーキ」と聞いて思い浮かべるのは、黄みがかったベージュやサンドカラー。一方、欧米では「KHAKI」といえば、オリーブグリーンやミリタリーグリーンが主流です。
では、なぜ日本ではベージュ寄りのカーキが定着したのでしょうか?
その背景には、戦後のファッション文化の輸入と翻訳の問題があります。1960〜70年代にアメリカやイギリスからミリタリーファッションが流入した際、日本のアパレル業界では“カーキ”という言葉を広く使うようになりました。しかし、正確な色指定や軍服の分類が曖昧なまま、“なんとなく茶色っぽいミリタリー色”=カーキとされたのです。
さらにそのイメージを強化したのが、量販ブランドや通販業界です。ユニクロ、しまむら、無印良品といった大手が「カーキ=ベージュ系」で表記し続けた結果、日本国内ではそれが“常識”として浸透していきました。
カーキのズレは“文化のズレ”でもある
欧米におけるカーキのイメージは、前章で紹介した通り、軍服=ミリタリーグリーンの文脈が強く根付いています。特にアメリカでは、現在でも軍服の指定色として「カーキ」が正式に使われており、その定義も明確に「グリーン寄りの色」とされています。
一方、日本では“ミリタリー”の背景が曖昧なままファッションに取り入れられたため、色の定義よりもイメージ優先で“カーキっぽい”=茶系に落ち着いたのです。これが、海外と日本で「カーキの色」が食い違う大きな原因といえるでしょう。
つまり、カーキとは単なる色の名前ではなく、“その国でどう受け止められてきたか”を反映する文化的コードなのです。
第4章|色名のあいまいさ|カーキに限らない“色の誤解”
「サーモンピンク」と「モスグリーン」…それって人によって違う色かも?
カーキだけでなく、色名には曖昧さがつきまとうものです。たとえば「サーモンピンク」と聞いて、薄いオレンジ寄りのピンクを思い浮かべる人もいれば、やや赤みのある濃いピンクを想像する人もいるでしょう。「モスグリーン」や「スカイブルー」なども同様で、人によって想像する色にズレが生じやすいのです。
このズレが生まれる要因には、以下のような背景があります。
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色の名前が感覚的・詩的であること(例:ミント、レモン、オーシャンなど)
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育ってきた文化や地域で色の印象が違う
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モニターやスマホ画面による見え方の差
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印刷物ではインクや紙質によって色味が変わる
つまり、色名は「共通言語」のように見えて、実はとても個人的な感覚に基づく不安定な表現なのです。
印刷現場では“言葉ではなく数値と見本”が命
この曖昧さは、印刷やデザインの現場では致命的になり得ます。たとえば「スカイブルーでお願いします」と言われても、どの程度の青みか、彩度はどれほどか、明るさは?という要素が曖昧すぎて判断できません。さらに、印刷ではインクの乗り方や用紙の色によって色味が大きく変わるため、なおさら言葉だけの指定は危険です。
だからこそ、プロの現場では「DIC○○番」「PANTONE○○」「CMYK数値でこの値」など、言葉ではなく数値で伝えることが基本中の基本です。色見本帳(カラーチップ)を使って相手と物理的に“同じもの”を見て確認することで、トラブルのほとんどは防げます。
色名が美しく、表現として便利なのは確かですが、それを業務で使うときには“共通の物差し”が絶対に必要。カーキに限らず、あらゆる色名が持つ“詩的で曖昧な性質”を意識することが、円滑なコミュニケーションの鍵になります。
第5章|印刷現場でのカーキ指定|トラブル防止のコツ
「カーキでお願いします」はNGワード?印刷では“言葉より見本”が正解
「このチラシ、背景はカーキで」といった依頼は、印刷現場ではトラブルの種になりがちです。
なぜなら「カーキ」という言葉が人によって、まったく違う色を意味するからです。
たとえば、ある人は淡いベージュを想像し、別の人はミリタリー調のグリーンを思い浮かべる。どちらも間違いではありませんが、**印刷物では“正解が1つしかない”**ため、意図のズレはそのままクレームや再印刷につながってしまいます。
さらに厄介なのは、画面上で確認した色と、実際に紙に印刷された色とでは見え方が大きく異なること。モニターの設定、光源、用紙の種類、インクの吸収率など、多くの要因が絡むため、「イメージしていたカーキ」と「刷り上がったカーキ」が違うという事態は珍しくありません。
だからこそ印刷の現場では、「カーキのような曖昧な色ほど、言葉ではなく、物理的な色見本や色校正で確認する」というのが基本です。
色番号やカラーデータ(CMYKやRGB)だけで指定する場合でも、その数値が何を基準にしているかをすり合わせることがとても重要です。
プロの印刷会社では、発注時に「ベージュ系ですか?それともグリーン寄りですか?」と丁寧に確認し、できるだけ既存の印刷物・色見本帳・デジタルサンプルなどを活用して共通認識を作るようにしています。
「カーキ」は一言で言えてしまう分、思い込みのギャップが大きくなる色です。
印刷で色指定をするときは、“伝わる”ではなく“伝える”意識を持って、共通の“色の物差し”を使うことが成功への第一歩となります。
第6章|カーキは“あいまいだから面白い”|文化と色の深い関係
色は文化の鏡。カーキが持つ“あいまいさ”は歴史と記憶のかたまり
ここまで見てきたように、カーキという色は「ベージュ」と「グリーン」、どちらの顔も持つ複雑な存在です。そしてその複雑さこそが、**カーキという色の“面白さ”であり“深み”**でもあります。
色というのは単なる視覚情報ではなく、文化・歴史・体験と結びついて意味が形成される記号です。たとえば、日本においてカーキがベージュ寄りに定着したのは、戦後ファッションと翻訳文化の影響でした。逆に欧米では、戦場における軍服や迷彩の機能性が色の定義を形づくってきた背景があります。
つまり、同じ「カーキ」という言葉を使っていても、その人が何を見て育ち、どの文化圏で暮らしてきたかによって“思い浮かべる色”は異なるのです。これはカーキに限らず、すべての色名に共通する現象であり、色が“共通語”ではないという証拠でもあります。
印刷やデザインは「感覚のズレ」をどう乗りこえるかが勝負
特に印刷やデザインの現場では、この“色のズレ”をどう扱うかが仕事の質を左右します。色見本を見せても「これじゃない」と言われる、デジタルで確認しても「紙にすると違う」と言われる。そんな経験、誰しも一度はあるはずです。
しかしそれは、人間の色彩感覚が繊細で、かつ主観的である証拠。その主観を前提にしたうえで、「具体的な指標(DIC/PANTONE/CMYK)で橋をかける」「イメージの言語化を丁寧に行う」ことが、プロの仕事です。
カーキはその好例です。“あいまい”であることが悪ではなく、むしろ文化を背負った色名だからこそ、尊重して扱う価値がある。そう考えると、デザインや印刷における“色選び”は単なる作業ではなく、“文化を翻訳する営み”だと言えるかもしれません。
まとめ|カーキは1色じゃない。だからこそ、正確な指定と理解が大切
「曖昧=悪」じゃない。カーキは文化と時代を映す“多面体の色”
「カーキって何色?」という素朴な疑問から始まった今回のテーマ。調べてみればみるほど、カーキは単なる色名ではなく、**歴史・文化・用途・地域によって姿を変える、奥深い“生きた色”**であることがわかります。
日本ではベージュ系が主流、欧米ではグリーン系が本流。その差は言語の違いではなく、色をどう使い、どう見てきたかという文化の記憶そのものです。軍服として生まれ、ファッションに取り入れられ、印刷物に再現されていく中で、カーキは多くの文脈を背負う色になりました。
このように、ひとつの色名が多義的に使われる状況は、印刷やデザインの現場ではリスクでもあり、同時にチャンスでもあります。人によって意味が違うからこそ、言葉ではなく数値と見本で橋をかける努力が求められるのです。
印刷物の色指定は“すり合わせ”が命。カーキに限らず全色に応用できる考え方
今回のカーキの事例は、印刷における色指定の本質的な課題と向き合う絶好のケーススタディです。「○○色で」と言われたとき、それを鵜呑みにするのではなく、具体的な色コード・過去の事例・感覚のすり合わせを行うこと。それが、信頼される印刷会社・デザイナーの姿勢です。
新潟フレキソでも、こうした“色のズレ”に日々直面しながら、DICやPANTONE、色校正を活用して丁寧な対応を心がけています。カーキで悩んだ経験のある方、あるいはこれから使おうとしている方へ。**「カーキ=曖昧だけど、それが魅力」**という視点を持ちつつ、正確な指定とすり合わせで“理想のカーキ”を表現していきましょう。
📝コラム|色見本ってどこで手に入る?印刷会社が使うDICとPANTONEの世界
カーキの混乱を防ぐ最強ツール=物理的な「色見本帳」
「カーキをこの色でお願いします」と言われても、デザイナーや印刷会社がそのまま受け取ることはまずありません。なぜなら、色は画面で見ると人によって感じ方が違うからです。だからプロの現場では「色見本帳(カラーチップ)」という“色の辞書”を使って、色を正確に指定・共有します。
日本の印刷業界で最もよく使われるのが、DICカラーガイド。これは日本のDIC株式会社が発行するカラーシステムで、印刷用インクに対応した色番号が振られています。色番号の指定があれば、それを見れば誰でも同じ色をイメージできるという仕組みです。
一方、海外やグローバルなデザイン案件では**PANTONE(パントン)**が主流。アメリカ発のカラーガイドで、ファッション・工業製品・Webカラーなど、多くの業界で使われています。カーキ系の色も「PANTONE 448 C(ミリタリーグリーン系)」など複数存在し、非常に詳細です。
これらの色見本帳は、印刷会社・デザイン会社・一部の文具店・通販サイトなどで購入可能。ただし価格はやや高め(1〜2万円程度)なので、個人で購入するよりも、印刷会社に相談して現物を確認させてもらう方が現実的です。
ちなみに新潟フレキソでも、DICとPANTONEの最新ガイドを常備し、必要に応じてお客様と一緒に色見本を確認しながら進める体制を整えています。カーキのようなあいまいな色名こそ、プロのサポートで“見える化”して進めるのがいちばん確実です。
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