B判とは?日本だけで使われる謎の紙サイズ、その誕生と歴史・A判との違いを徹底解説|新潟の印刷会社がわかりやすく解説

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第1章|B判とは?A判だけでは足りなかった理由

「B判とは何か?」という問いに答えるには、まず「A判」の存在と、その限界を理解することが出発点になります。A判は、世界中で使われている国際標準の紙サイズであり、ISO 216という規格に基づいて定められています。たとえば「A4」は、ビジネス文書や学校のプリントなどでおなじみのサイズですよね。

しかしこのA判だけでは、日本の印刷・出版文化の多様なニーズをすべてカバーしきれなかったのです。

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B判とは?日本だけで使われる謎の紙サイズ、その誕生と歴史・A判との違いを徹底解説

A判では“ちょっと小さい”という不満があった

A判の特徴は、「1平方メートルのA0」を基準に、長辺を半分にしていく構成です。そのため、サイズが綺麗に半分ずつになりますが、全体的にスリムで、情報量に制限があるという弱点があります。

たとえば、文庫本をA6で作ると少し小さすぎて読みづらい。A5で教科書を作ると、図表や注釈が詰まり気味になる。「もう少し大きければちょうどいい」——そんな“痒いところに手が届かない”感覚が、出版や印刷業界では常に付きまとっていました。

日本の出版文化にフィットする紙サイズが求められた

日本では、戦前から多種多様な書籍や冊子が発行され、特に戦後には出版ブームが到来しました。その中で求められたのが、「文章が読みやすく、図表や挿絵も無理なく収まる紙サイズ」でした。

A判では対応が難しいという声が高まり、そこで登場したのが**「B判(JIS B列)」という日本独自の規格です。B判は、A判とC判の中間に位置するサイズ感で、「ちょうどいい余白感」「適度な厚み」「収まりのよさ」**が評価され、出版・印刷業界を中心に急速に広まりました。

B判の“ちょうどよさ”が支持された理由

たとえばB5サイズは、教科書・大学ノート・学術雑誌に最適なサイズです。A4ほど大きすぎず、A5ほど小さすぎず、手に持って読み書きしやすい絶妙な寸法なのです。

またB4サイズは、設計図や帳票、新聞の折込チラシによく使われ、業務用印刷物として定番となっています。**印刷現場でも「刷りやすい」「断裁しやすい」「折りやすい」**といった理由から、B判は長年にわたり根強く支持されてきました。

なぜ“日本だけ”でB判が定着したのか?

国際的にはA判が主流であり、B判は日本、中国、台湾など一部の国だけで使われています。中でも日本でこれほどまでにB判が浸透した背景には、印刷・製本の産業構造が関係しています。日本の工場では菊判原紙という寸法の紙が多く流通しており、それを効率よく断裁できるのがB判だったのです。

つまり、B判は“紙の取り都合”を最大限に活かすための日本的工夫だったとも言えます。


第2章|B判の誕生と歴史的背景

「B判とは?」という疑問の先にあるのが、その誕生の経緯です。
実はこのB判、日本独自に考案されたサイズ規格であり、世界の標準であるA判とはまったく異なる発想から生まれました。そこには、出版と印刷が国民生活に深く根ざしていた日本ならではの背景があります。

日本の出版業界が抱えていた“サイズのジレンマ”

昭和初期、日本は急激に出版文化を発展させていました。学校教育の拡大、教科書の整備、文芸書や雑誌の隆盛──こうした流れの中で、「読みやすさ」と「印刷の効率」を両立できる紙のサイズが求められるようになっていきます。

一方で、A判はすでに国際規格として存在していましたが、A4=210×297mmという寸法は日本の製本・印刷の現場ではやや中途半端。とくに菊判原紙(636×939mm)を使う印刷機と相性が悪く、「紙の無駄が多い」「本が小さすぎる」という課題が浮上していました。

このような問題に応えるべく、**当時の工業標準化を進める日本政府・技術者たちが編み出したのが「JIS B列(B判)」**だったのです。

A判とC判の“間”を取った黄金比サイズ

B判のユニークな点は、その設計思想が「A判とC判の中間」にあることです。
C判とは、A判に封筒などを合わせやすくするために設計された補助的な紙サイズで、A判よりもひとまわり大きめ。

そこで、AとCのちょうど中間のサイズ感をベースに、「実用性」「効率性」「バランスの美しさ」を備えた独自の規格が必要だと考えられました。こうして制定されたのが、日本工業規格(当時はJES、日本標準規格)によるJIS B列です。

制定は戦後すぐの時代、つまり昭和20年代後半から30年代前半。この時期は、戦後復興と高度経済成長の入り口にあたり、書籍・新聞・雑誌が飛躍的に伸びていた時代でした。

JIS規格としての正式制定と、印刷現場への浸透

JIS(Japanese Industrial Standards)によって正式にB判が制定されたことで、紙の製造業者・印刷業者・出版業者が共通の規格で作業を進められるようになりました。これは当時としては非常に画期的なことで、業界全体の効率化とコスト削減にも大きく寄与しました。

その結果、B5判やB6判の書籍、B4判の印刷物は一気に日常の風景に定着していきます。とくに教科書、ノート、雑誌などの分野で「B判の方がちょうどよい」という声が多く、B判は日本独自ながらも非常に高い支持を集めたのです。

なぜ“B”なのか?命名の背景

「なぜB列と名付けられたのか?」という疑問もよく聞かれますが、これには明確な由来があります。
JIS規格においては、国際規格であるA列に対して“別系統”という意味でB列を設定したとされており、特に“B”に深い意味があるわけではありません。ただし、結果的にこの“B”が「別の使いやすさ」を象徴するブランドとなり、A判と並ぶもう一つのスタンダードとして定着したのです。


第3章|代表的なB判サイズと用途例:B5・B4・B6はなぜ使いやすいのか?

B判とひとことで言っても、その中にはB0からB10まで10種類以上のサイズが存在します。その中でも特に使われているのが、B5・B4・B6の3サイズ。これらは、日常生活やビジネス、教育、出版など、さまざまな場面で活躍している“実用の王者”とも言える紙サイズです。

この章では、それぞれの代表的なB判サイズと、その用途例について詳しく見ていきましょう。


B5判とは?教科書・ノートのスタンダードサイズ

B5サイズ(182×257mm)は、日本の教育現場でもっとも広く使われている紙サイズのひとつです。小学校〜大学に至るまで、教科書・参考書・学習ノート・レポート用紙など、教育関係の印刷物の大半がこのB5で構成されています。

なぜB5が選ばれるのかというと、**手に持ちやすく、書き込みやすく、カバンにもすっぽり収まる“適度な大きさ”**だからです。A4では大きすぎ、A5では小さすぎる──そんな中間的なサイズ感が、多くの人にとって“ちょうどいい”と感じられる理由です。

また、B5は学術雑誌や論文誌の印刷にも多く使われており、教育だけでなく研究分野でも定番です。


B4判の用途:新聞折込・伝票・図面などの現場で活躍

続いて注目したいのが、**B4サイズ(257×364mm)**です。これは、A3よりもややスリムながら、大きめの情報を一枚で見せたいときに最適なサイズです。

たとえば、以下のような用途に使われています:

  • 新聞折込チラシ:情報量が多く、写真や商品情報を大きく掲載できる

  • 納品書・伝票類:2つ折り・3つ折りにして使用する業務書類

  • 設計図・間取り図:現場や会議でも視認性が高く、扱いやすい

  • 掲示物やPOP:ポスターよりも小さく、貼りやすいサイズ感

また、B4はコピー用紙としても人気があり、A4では収まらない表や図を印刷するのに適しています。特に官公庁や建築設計事務所などでは今もB4が多用されています。


B6判は“文庫本のサイズ”として日本文化に根付いた

意外と知られていないのが、B6サイズ(128×182mm)が文庫本の標準サイズだということです。
軽くて持ち運びやすく、電車の中や寝る前の読書に最適なサイズとして、日本の読書文化を支えてきました。

また、B6は手帳・スケジュール帳・ポケットガイドなどの印刷にも使われており、「軽量・携帯性・親しみやすさ」が強みです。印刷コストも比較的安く抑えられるため、冊子制作や小ロット出版にも適したサイズと言えるでしょう。


他にもある!B判サイズの活用例あれこれ

ここまで紹介したB5・B4・B6以外にも、B判サイズはさまざまな形で使われています。

  • B3判(364×515mm):小型ポスター・イベント掲示・メニューなどに使われる

  • B2判(515×728mm):電車の中吊り広告・店舗ポスターなど視認性が求められる場所で活躍

  • B1判(728×1030mm):屋外ポスター・展示会の大型パネルなどに最適

  • B0判(1030×1456mm):圧倒的な大判で、建築設計やアート展示などに利用される

このように、B判は日常からプロフェッショナルまで対応できる柔軟な紙サイズ体系として、日本の印刷現場で定番となっているのです。


第4章|B判とA判の違いを比較!どちらを使うべき?

印刷や出版の現場では、よく「A判とB判、どっちを使うべき?」という話題になります。
見た目も似ているし、用途もかぶる部分が多いこの2つですが、実際にはサイズ・考え方・向いている用途が大きく異なるのです。

この章では、B判とA判の違いをわかりやすく比較し、それぞれのメリット・デメリットや選び方のコツを紹介します。


B判とA判のサイズ比較表【一覧で確認】

まずは、代表的なサイズを一覧表で比較してみましょう。

用紙サイズ B判(mm) A判(mm)
0 1030 × 1456 841 × 1189
1 728 × 1030 594 × 841
2 515 × 728 420 × 594
3 364 × 515 297 × 420
4 257 × 364 210 × 297
5 182 × 257 148 × 210
6 128 × 182 105 × 148

この表からわかるように、B判はすべてA判よりひとまわり大きい設計になっています。
つまり、同じ「5」でもB5はA5より大きく、A4より小さいという絶妙なサイズ感。これが、さまざまな用途で「ちょうどいい」とされる理由なのです。


A判は“グローバル規格”、B判は“日本の最適解”

A判の特徴は、ISO 216という国際規格に基づいている点です。
そのため、ビジネス書類や公式文書、海外とのやりとりにはA4やA3が標準となっています。とくにA4サイズの書類は、世界中で共通言語のように扱われており、国際ビジネスでは欠かせません。

一方でB判は、日本の出版や印刷に特化した独自の最適解です。
とくに教科書・ノート・雑誌など、読み物中心の印刷物にはB判が優れており、余白の取りやすさ・視認性・可読性のバランスが高いとされています。


どちらを選ぶべき?用途に応じた判断ポイント

では、具体的にどちらを使えば良いのでしょうか?
以下に、目的別の使い分けポイントをまとめてみました。

A判が向いているケース

  • 海外とのやりとりがある文書(A4書類など)

  • 役所や企業の提出用書類(規格化されている)

  • 図面・設計書などで寸法管理が厳格な場合

B判が向いているケース

  • 教科書・学習ノート・参考書などの教材

  • 雑誌・文庫本・ポスターなどの読み物・広告物

  • 設計図・チラシ・伝票など日本国内での流通物

このように、A判は“公式・事務用”、B判は“実用・読書用”という傾向が強いと覚えておくと便利です。


海外ではB判は使われていない?

ここで気になるのが、「海外ではB判って見ないけど、使われてないの?」という点です。
結論から言えば、B判は基本的に日本(と一部のアジア地域)だけのローカル規格です。国際的にはA判一強と言っていいでしょう。

そのため、輸出入や翻訳出版の際にはA判に変換する作業が発生する場合もあります。特に出版業界では、原稿データをA判用に再編集することもあります。

ただし、日本の印刷現場では今なおB判は主力規格。デザインや仕上がり重視の印刷物には、B判の採用が根強く残っているのです。


第5章|なぜ日本だけでB判が定着したのか?文化と産業の交差点にある“紙サイズ”

B判は、なぜ日本だけでこれほどまでに広く使われているのでしょうか?
それは単なるサイズの問題ではなく、印刷現場の効率性、日本人の感性、そして出版文化そのものと深く関係しているからです。

ここでは、B判が“日本だけ”で定着した4つの理由を解説します。


理由①|四六判原紙との相性が抜群──取り都合の最適化

印刷業界では、「原紙からどれだけ効率よく用紙を切り出せるか(取り都合)」が重要視されます。
日本では古くから、**四六判(788mm × 1091mm)**という原紙サイズが流通しており、多くの印刷機・製本機もこの規格を前提に設計されてきました。

この四六判からA判を取ると、どうしても無駄が多くなり、歩留まり(材料利用効率)が悪化します。
しかし、B判なら美しく無駄なく断裁できるのです。

たとえば四六全判からは、B5サイズがきれいに8面取れるなど、極めて合理的。
印刷現場としては、コストも手間も省けて、最終仕上がりも美しい。こうした現場視点の合理性こそ、B判が定着した最大の要因と言えます。


理由②|出版・教育文化との親和性──「ちょうどいい」が評価された

B判の特徴は、A判より一回り大きいこと。
この“ほんの少しの違い”が、読みやすさ・書きやすさ・持ちやすさといった観点で非常に好まれました。

たとえばB5サイズは、教科書・学習ノート・学術誌に最適なサイズ感。
B6サイズは、日本独自の文化である文庫本の標準サイズとして愛され続けています。

つまり、B判は「読む」「書く」「持つ」といった体験を重視する日本人の感覚にフィットしていたのです。
結果として、教育・出版・手帳・雑誌など多くのジャンルで“使いやすいサイズ”として受け入れられました。


理由③|JIS規格による標準化で業界全体が足並みを揃えた

戦後の日本では、工業の近代化を進める中で、JIS(日本工業規格)による用紙サイズの標準化が実施されました。
この中で、A列に加えてB列(B判)も正式に規格化され、製紙会社・印刷会社・出版社などが共通の前提で生産・流通を行えるようになったのです。

結果、印刷機械・製本ライン・配送箱のサイズに至るまで、B判が標準化されたインフラとなっていきました
この「業界横断での整合性」が、B判の安定的な普及を後押ししたのです。


理由④|“ちょうどよさ”を重視する日本独自の美意識

日本では、古くから「余白を活かす」「詰め込みすぎない」という美意識が重視されてきました。
B判はA判と同じく√2の比率を持ちながらも、面積が約1.22倍広く、余白が取りやすいという利点があります。

これは、書籍や広告物のレイアウトにおいて、見やすさ・美しさ・視線誘導のしやすさといった点で大きな武器になります。
結果として、B判は日本独自の「美的合理性」を体現する紙サイズとして、文化的にも浸透していったのです。


このように、**B判は四六判との相性、現場の効率性、日本の出版文化、感性までもが絡み合って定着した、非常に“日本的な紙サイズ”**です。


第6章|印刷の現場で見る!B判の今と未来

これまでの章で見てきたように、B判は日本独自の文化や産業とともに発展し、定着してきた紙サイズです。では、2020年代の今、そしてこれからの時代において、B判はどのような立ち位置にあるのでしょうか?

印刷技術の進化、ペーパーレス化、デジタルメディアの台頭……そんな変化の波の中で、**B判は“今も現場で使われ続けている”理由と、“今後も必要とされる未来”**について掘り下げていきます。


現場ではまだまだ主流!B判印刷の“リアル”

新潟をはじめ全国の印刷現場では、今なおB判サイズの印刷が日常的に行われています。特に多いのは以下のような用途です:

  • B5:教科書、学術誌、自治体のおたより、会報誌

  • B4:チラシ、設計図、業務用伝票、折込広告

  • B6:文庫本、小冊子、手帳、説明書

これらはどれも、A判に置き換えづらい“ジャストサイズ”の領域をカバーしており、長年使われてきたフォーマットとして業務フローにも深く組み込まれています。

実際、印刷会社の紙在庫にもB判原紙は常備されており、出力から断裁、製本までがスムーズに行える体制が整っていることが多いです。


デジタル化の時代でも“紙ならでは”の役割を担うB判

「最近は全部デジタルだから、紙の印刷は減っているのでは?」という声もありますが、実は“紙で出すべき印刷物”は、依然として健在です。

たとえば学校現場では、スマホやPCを持っていない家庭も一定数存在するため、B5サイズのプリントやおたよりは必須
また、設計図や業務マニュアルなども、B4やB3の紙で一目で確認できることにメリットがあるため、現場での紙需要は依然として高いのです。

つまり、デジタルと紙は役割が分かれており、B判のような実用的なサイズは“紙ならではの価値”を今も保っているのです。


ペーパーレス化の波にどう向き合う?B判の未来像

一方で、確かに社会全体はペーパーレスへとシフトしています。行政の電子化、企業のペーパーレス会議、PDF資料の普及……こうした流れにより、B判の一部用途は減少傾向にあるのも事実です。

しかしここで注目したいのは、「すべてをデジタルに置き換えたくない層」の存在です。
たとえば読書家や研究者は、B6やB5の紙の書籍を手元に置きたいというニーズを持ち続けています。あるいは高齢者や子どもにとっても、「紙の方が見やすく、使いやすい」と感じられるケースが多くあります。

加えて、オフラインで“伝わるデザイン”を展開する企業・団体は、今もB判を選んで印刷物を作成しています。たとえばDMや地域イベントの案内などでは、情報の見せ方=サイズ選びが重要になるからです。


“選ばれる紙サイズ”としてのB判

今後も、B判が自動的に使われる時代ではなくなるかもしれません。
しかしだからこそ、「あえてB判を選ぶ」理由が、今後はより明確に問われる時代になると考えられます。

  • 情報量と読みやすさのバランスを取りたいならB5

  • 手軽に掲示したいならB4やB3

  • 高級感と親しみやすさを両立したいならB6

こうした視点で、「印刷物の目的に合わせたB判の活用」が今後のキーポイントとなるのです。


第7章|巻末資料:B判サイズ一覧とA判との比較表【印刷・製本のための早見ガイド】

ここでは、B判に関する実用的なサイズ情報を整理し、印刷・製本・資料作成時にすぐ使える一覧表&比較表としてご紹介します。
検索ニーズの高い「B判 サイズ一覧」「A判との違い」「B5とは?」といったキーワードを意識しつつ、図表形式でわかりやすくまとめました。


B判サイズ一覧(B0〜B10)|ミリ(mm)表記と用途例付き

B判サイズ 寸法(mm) 主な用途の例
B0 1030 × 1456 屋外ポスター、展示会パネル
B1 728 × 1030 電車の中吊り広告、ポスター
B2 515 × 728 店舗ポスター、掲示用サイン
B3 364 × 515 折込チラシ、大型POP、見開き広告
B4 257 × 364 設計図、納品書、新聞チラシ
B5 182 × 257 教科書、ノート、学術誌、報告書
B6 128 × 182 文庫本、小冊子、ポケットマニュアル
B7 91 × 128 手帳、メモ帳、コンパクトな案内書
B8 64 × 91 クーポン券、ラベル、商品タグ
B9 45 × 64 切符、検査票、極小ラベル
B10 32 × 45 極小サイズの識別札、記録票など

このように、B判は幅広いサイズ展開があり、印刷物の目的に応じて最適なサイズを選ぶことができます。特にB5・B4・B6は実務において非常に多く使われているため、用途が明確な場合にはB判を前提にデザインを考えるのがおすすめです。


A判とB判のサイズ比較表|同じ番号でもこんなに違う!

番号 A判サイズ(mm) B判サイズ(mm) 差の特徴
0 841 × 1189 1030 × 1456 B0のほうが約1.22倍大きい
1 594 × 841 728 × 1030 ポスターで用途が分かれるサイズ感
2 420 × 594 515 × 728 印刷設計で迷いやすい近似サイズ
3 297 × 420 364 × 515 学校掲示・広報チラシでよく使われる
4 210 × 297 257 × 364 A4とB4はコピー用途で選択される
5 148 × 210 182 × 257 A5とB5はノート・冊子で人気
6 105 × 148 128 × 182 文庫や手帳での使い分けが多い

同じ「5」でもA5とB5はまったく違うサイズ感
この微妙な違いが、印刷物の印象や使い勝手を大きく左右します。特に「余白の取り方」や「視認性」「可搬性」を重視する場合は、A判よりもB判が適しているケースが多いのです。


サイズ選びで迷ったら?判断のための3つのポイント

  1. 掲載情報量のバランス:文字や写真が多いならB判がおすすめ

  2. 手に持つ頻度や読み方:読むことが中心ならB5やB6が最適

  3. 印刷コストや断裁効率:四六判原紙を使う場合はB判が合理的

印刷の現場では、「この内容ならA4?B5?どっちが正解?」という悩みはつきものです。
だからこそ、サイズごとの特徴と実例を知っておくことで、より戦略的に印刷物を設計することができるようになります。


まとめ:B判は“日本らしい”紙文化の結晶

A判が国際標準である一方、B判は日本の印刷・出版・教育・文化が生み出した、実用性と美しさを兼ね備えた紙サイズです。

  • 取り都合に優れた四六判原紙との相性

  • 見やすさ・読みやすさを重視したサイズバランス

  • そして現場で今なお活躍する根強い実用性

こうした点から、B判はこれからも“選ばれる紙”として残り続ける価値があると言えるでしょう。


ここまでの全7章で、B判の歴史・背景・実用性・未来像までを網羅しました。
もし印刷や出版の現場でサイズに迷ったときは、「なぜ日本でB判が支持されてきたのか?」という本質を思い出していただければ幸いです。


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