赤とは?意味・種類・配色・カラーコードまで徹底解説【印刷とデザインの視点で読む“情熱の色”】

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✅ 第1章|赤とはどんな色か?──人が“赤”を感じるしくみと歴史


🔴 赤は「人の目に見える光の中で、もっとも波長が長い色」

赤とは、人間の可視光の中で最も長い波長(およそ625〜740ナノメートル)を持つ光です。
この長波長の赤い光は、他の色に比べてエネルギーは低いものの、空気中を遠くまで届きやすい性質を持っています。だからこそ、夕焼け空や信号機、警告灯など、「遠くからでも目立たせたい」場面で赤が選ばれてきたのです。

私たちの目の奥には、「錐体細胞(すいたいさいぼう)」と呼ばれる色を感知する受容体があります。その中でも「L錐体(Long wavelength-sensitive cone cell)」は、赤から黄の波長帯に強く反応する細胞で、赤を“赤い”と感じさせる基盤になっています。


🧠 人類は赤を“色”として最初に認識した

色を「名前のある概念」として意識し始めたとき、人間はまず黒と白を区別し、その次に「赤」を言語化しました。これは、1969年に文化人類学者のブレント・バーリンと言語学者のポール・ケイが行った世界各地の色彩語彙の進化に関する研究でも明らかになっています。

なぜ赤が早かったのか──それは、血・火・夕日といった、命に関わる重要な視覚情報が赤だったからです。命を守るため、赤は“見逃してはいけない色”として、人類の記憶に深く刻まれました。


🎨 洞窟壁画にも赤──もっとも古い色のひとつ

旧石器時代の人類は、**赤い顔料(ベンガラ=酸化鉄)**を使って、洞窟の壁に手形や動物を描いていました。スペインのアルタミラ洞窟やフランスのショーヴェ洞窟では、今なおその鮮やかな赤を見ることができます。

顔料としての赤は、土から採れる天然素材でありながら、色あせずに何万年も残る耐久性を持っていました。それもまた、人類が赤を特別な色と考え、選び取った理由のひとつでしょう。


🧭 赤とは、人間にとって“原点”の色である

視覚、言語、芸術──あらゆる面で、赤は人類の根本にある色です。
「目で見える最も遠い光」「文化として最初に名づけた色」「命を象徴する記号」──赤は、単なる色ではありません。

それは、**人間の進化とともに歩んできた“もっとも本能的な色”**なのです。


✅ 第2章|赤色の意味──文化・宗教・心理に見る「赤の力」


❤️ 心を揺さぶる“感情の色”──赤はなぜ強く感じるのか?

赤という色には、なぜこんなにも強い印象があるのでしょうか。

それは、人間の脳が赤に対して生理的にも心理的にも敏感に反応するからです。赤を見ると心拍数や呼吸数が上がり、アドレナリンの分泌が促されるとする研究もあります。つまり赤は、見るだけで体が“戦闘モード”になるような、本能レベルで注意を引く色なのです。

このため、赤は「怒り」「情熱」「危険」「愛」「エネルギー」など、強い感情の象徴として世界中で使われてきました。


⛩ 東洋における赤──魔除け・生命・祝いの色

日本や中国では、古来より赤は魔除け・祝福・生命力の象徴とされてきました。

たとえば日本の神社にある「鳥居」は、赤く塗られたものが多く見られます。これは“魔除けの赤”であり、神域と俗世を分ける結界としての意味を持ちます。また、赤ちゃんに赤い服や帽子を着せる風習も、「赤=生命を守る力がある」と信じられてきた証です。

中国でも赤は特別な色であり、結婚式や旧正月の装飾、紅包(お年玉袋)など、あらゆる“おめでたい場面”に赤が登場します。ここでの赤は、繁栄・幸運・喜びの象徴として使われているのです。


⛪ 西洋における赤──情熱・犠牲・革命の色

一方で、ヨーロッパ文化では赤は情熱や愛を象徴する一方、血や犠牲、殉教の色としても深い意味を持ちます。

キリスト教では、赤は聖霊・殉教・キリストの血を意味し、重要な祭服や祭壇装飾に用いられてきました。また中世ヨーロッパでは、赤い衣服は王族や権力者のみが許された色であり、力と権威を示す象徴的なカラーでもありました。

さらに近代に入ると、赤は革命や闘争のシンボルとして使われ始めます。たとえばフランス革命後の赤旗、ソビエト連邦の国旗、労働運動など、**社会変革と結びついた“闘う色”**としても、赤は人々の心に刻まれてきたのです。


🧠 赤の意味は“文脈”で変わる──だからこそ使いこなす価値がある

赤は、愛にも怒りにも、祝福にも革命にもなり得る色です。
つまり赤の持つ意味は一つではなく、文脈によって変わるのです。

同じ赤でも、結婚式では喜びの象徴に、政治運動では怒りや変革の象徴に──それほどまでに多様な感情を引き出す力を持つ色は、他にありません。

だからこそ、デザインでもブランディングでも、赤を使うときにはその意味や背景を理解したうえで使うことが求められます。
「ただ目立たせるため」ではなく、「どう感じさせるか」まで設計することが、赤を“使いこなす”ということなのです。


✅ 第3章|赤の色名と種類──深紅・朱色・緋色・えんじ色など


🔍 赤は「ひとつの色」ではない──日本語における豊かな赤の表現

「赤」という言葉はシンプルですが、その中にはさまざまなニュアンスの色が存在します。
日本語には、赤を表す色名が数多くありますが、それは色そのものに文化的な意味が込められているからです。

たとえば、日常的に使われる「真っ赤」は、RGBで表すと#FF0000のような原色に近い色。ですが、伝統色では**「朱色(しゅいろ)」「緋色(ひいろ)」「えんじ色」「深紅(しんく)」など、すべて微妙に異なる赤**が存在し、それぞれに名前と用途が与えられています。


🟥 主な赤系統の伝統色とその意味

  • 朱色(しゅいろ):やや橙寄りの明るい赤。平安時代から神社仏閣に多用され、神聖・浄化・魔除けの意味を持つ。カラーコード例:#EB6101

  • 緋色(ひいろ):やや黄味を帯びた鮮やかな赤。戦国時代の武具や幕府の装束にも使われた、高貴で威厳ある色。カラーコード例:#D3381C

  • 深紅(しんく):やや青みがかった濃い赤。落ち着きがあり、格式・情熱・気品を表す。カラーコード例:#990000

  • えんじ色:茶色寄りの暗めの赤。洋服や学生服の定番色でもあり、落ち着き・品位・大人っぽさを感じさせる。カラーコード例:#9E3D3F

このように、日本の伝統色は色の微細な違いだけでなく、感情や場面に応じて言葉を使い分ける文化を持っているのです。


🌍 英語での赤色表現──世界でも多様な赤の名前

英語でも赤は多彩な表現を持っています。

  • Crimson(クリムゾン):青みを帯びた濃い赤。高貴で格式高い印象。大学のシンボルカラーにも多く使われる。

  • Scarlet(スカーレット):やや黄味を帯びた鮮やかな赤。情熱・官能・勇気を連想させる色。

  • Vermilion(バーミリオン):朱色に近い鮮やかな赤。東アジア文化においても神聖な色とされる。

日本語と英語、両方で赤は**単なる色ではなく「意味のある名前」**として扱われています。言葉に込められた背景を理解することは、色を扱ううえで欠かせない要素です。


🖨 印刷やウェブでの「赤色の種類」──再現可能な色に制限あり

ディスプレイや印刷で表現する際、赤にも「再現可能な範囲(色域)」があります。

  • Webカラーでの代表的な赤

    • 赤(Red):#FF0000

    • ダークレッド:#8B0000

    • ライトコーラル:#F08080

  • 印刷用CMYKでの赤の代表例

    • 原色赤(プロセスレッド):C0 M100 Y100 K0

    • DIC N811(朱赤):C0 M90 Y85 K0(目安)

画面上の赤と、印刷物の赤は必ずしも一致しません。
特に深みや鮮やかさのある赤ほど、インクでは再現が難しいこともあり、印刷現場では補正や用紙選定も重要になります。


✅ 第4章|赤のカラーコード一覧──RGB・CMYK・PANTONEで見る赤


🔢 「赤」を数値で表すとは──カラーコードの基本

デジタルや印刷の現場では、色は感覚ではなく数値で管理されるのが基本です。「赤」とひとことで言っても、再現方法によって定義がまったく異なります。

たとえば、スマートフォンやパソコンの画面では、光の三原色「RGB(Red, Green, Blue)」を用いて色を作ります。一方、印刷ではインクの三原色「CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, Keyplate/Black)」で表現します。そして、世界中のデザイナーや印刷業者が共通の色基準として使うのが「PANTONE(パントン)」や「DIC」などのカラーチップです。

ここでは、それぞれの色体系における「赤」の定義と使われ方を見ていきましょう。


💻 RGBでの赤──「#FF0000」は“光の赤”の代表

RGBは、光を加算することで色を作る方式です。ディスプレイ上での赤は以下の数値で表されます。

  • RGB値:R=255, G=0, B=0

  • 16進カラーコード:#FF0000

これは、赤い光を最大にし、緑と青をゼロにした状態。つまり「光として最も純粋な赤」です。
ただし、RGBの“赤”は明るく鮮烈な色であるため、紙に印刷すると「くすんで見える」ことがあります。


🖨 CMYKでの赤──インクで赤を再現するには?

印刷の現場では、赤はCMYKで再現されますが、RGBと違って「赤いインク」というものは存在しません。代わりに、マゼンタ(M)とイエロー(Y)を重ねることで赤を作るのが基本です。

  • 代表的なCMYK値(プロセスレッド):C=0, M=100, Y=100, K=0

この赤は「原色赤」や「プロセスレッド」と呼ばれ、チラシ・ポスターなどで多用されるもっとも標準的な印刷用の赤です。ただし、CMYKで表現できる赤には限界があり、RGBで表現できるほど鮮やかな赤は紙では出せないことも少なくありません。


🎨 PANTONEやDICでの赤──“赤のプロ基準”とは?

RGBやCMYKでは再現しきれない鮮やかな赤を使いたいとき、多くのデザイナーは**PANTONE(米国)やDICカラーガイド(日本)などの特色インク(スポットカラー)**を用います。これらはインクそのもので色を指定する方式のため、モニターやCMYK印刷では表現しにくい色も高精度で再現できます。

実務では、以下のような赤が使用されることがあります:

  • PANTONE Red 032 C:非常に明るく強い赤で、RGBやCMYKでは再現が難しい色域に属します。

  • PANTONE 186 C:やや深みのあるスタンダードな赤。国際的にも広く用いられる定番カラー。

  • DIC 156:黄みを帯びた赤で、いわゆる「金赤」に近い印象。明るさと暖かみを併せ持つ特色です。

これらの特色インクは、コーポレートカラーやブランドロゴなど「色のブレ」を許容できない印刷物で用いられます。


🧭 それぞれの赤には「得意な媒体」がある

色体系 用途 特徴
RGB Web・ディスプレイ 発光する鮮やかな赤。印刷とは色味が異なることがある。
CMYK 印刷(オフセット・オンデマンド) 標準的な赤は作れるが、色域に制限がある。
PANTONE / DIC 高級印刷・ブランドデザイン CMYKでは再現困難な赤を正確に表現可能。

「赤のカラーコード」は、ただの数値ではありません。
どんな媒体で、誰に、どう見せたいか──その目的に応じて、最適な赤を選ぶ必要があるのです。


✅ 第5章|赤に合う色・合わない色──配色で映える相性とNG例


🎯 「赤に合う色」は“コントラスト”と“調和”の両立がカギ

赤は強烈な存在感を持つ色です。だからこそ、隣に置く色次第で印象がガラリと変わるという特徴があります。

色彩理論の観点では、「補色(反対の色)」や「類似色(近い色)」との組み合わせで、目立たせるか、なじませるかが調整されます。大切なのは、赤の“主張の強さ”を活かすのか、引き算で整えるのか──その設計です。


✅ 赤と相性の良い色

🖤 黒:引き締まった印象と高級感を演出

赤×黒は最も視認性が高く、インパクトのある配色です。スポーツチームや高級ブランドで多用される組み合わせで、力強さ・情熱・威厳を演出できます。

🤍 白:清潔感と強調のバランスが絶妙

白と組み合わせると、赤が“浮かび上がる”ように感じられます。白が赤の強さを和らげつつ、クリーンで洗練された印象を与えるのが特徴です。

🪙 金:華やかさと伝統的な格式を加える

赤×金は、祝い事や式典でよく見られる組み合わせ。中国の春節や日本の紅白まんじゅうなどでもおなじみです。縁起の良さ、豊かさ、祝いの象徴として文化的な意味も強い配色です。

🪵 ベージュ・グレー:赤の強さを引き算で引き立てる

中間色(ニュートラルカラー)と組み合わせると、赤が過剰にならず自然に目を引きます。インテリアやWebデザインでも使いやすい、“調整役”としての優等生カラーです。


⚠️ 赤と相性が難しい色

🟤 茶色:赤とのトーン差が少なく、重く沈みがち

赤と茶色は色相的には近接しており、トーンも似通いやすいため、組み合わせるとメリハリが弱く、重たい印象になることがあります。
ただし、赤の明度や彩度を上げ、茶色を中間トーンに抑えることで、和風モダンな印象を演出することも可能です。

🟣 紫:同じ高彩度同士で視覚的に競合しやすい

赤と紫はともに高彩度・高主張な色であり、並置すると視線の集中が分散しやすく、全体のバランスが崩れがちです。
特に明度が近い場合は“色のぶつかり”が起きやすくなるため、明度差や配色面積でコントロールする配慮が必要です。

🟠 オレンジ:類似色×高彩度で“うるさく”なりやすい

赤とオレンジは色相環で隣接する類似色であり、どちらも暖色系の強い印象を持ちます。
そのため、ビビッドな赤とオレンジを併用すると視覚刺激が過剰となり、落ち着かない印象を与えることがあります。
明度差をつける、補色を添えて中和するなどの工夫で、活用の幅が広がります。


🎨 配色の正解は「赤の目的」で変わる

赤が伝えるメッセージ──それが「情熱」なのか「危険」なのか「高級感」なのかによって、合う色も変わります。
赤をどう見せたいのかを最初に定めることが、配色の第一歩です。

たとえば:

  • 「エネルギッシュに見せたい」→ 赤×黄・赤×橙(ビビッド配色)

  • 「洗練させたい」→ 赤×グレー・赤×ベージュ(ナチュラル配色)

  • 「目立たせたい」→ 赤×白・赤×黒(高コントラスト配色)

どんな色と組み合わせても、主役は“赤の意味”をどう引き出すか。
それが、配色の極意です。


✅ 第6章|赤の反対色は何か?──補色と心理的コントラストの考え方


🔄 そもそも「反対色」とは?──補色の仕組みを知る

「反対色」と聞いて、どんな色を思い浮かべますか?
多くの人が「赤の反対は緑?」と答えます。実はそれ、ある意味で正解です。

色には「色相環(しきそうかん)」と呼ばれる円形のチャートがあり、この円のちょうど反対側に位置する色を“補色(ほしょく)”と呼びます。補色同士を並べると、お互いを最も強く引き立て合い、強烈なコントラストが生まれます。


🎨 色相環で見る赤の反対色は「青緑(シアン系)」

色相環上で赤の補色にあたるのは、青緑(シアン)〜緑寄りの青です。

  • RGBでいうと:#00FFFF(シアン)や#00B2A9(青緑系)

  • CMYKでいうと:C100 M0 Y0 K0(シアンインキ)

この「赤×シアン」の組み合わせは、印刷業界ではCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)の中核としても知られています。
色としての“赤”を最も目立たせたいとき、視覚的な補色を使うというのは、理にかなった配色理論です。


🧠 脳がつくる“主観的な補色”──残像現象にも注目

興味深いのは、補色は視覚の仕組みと深く関係しているということ。

たとえば、赤い丸をじっと見つめたあと、白い壁を見ると「水色の残像」が見えることがあります。これは「網膜の補色応答」と呼ばれる現象で、赤に疲れたL錐体(赤を感じる視細胞)がしばらく働かなくなり、**その反対側の色(青緑)が“見えてしまう”**のです。

つまり、補色とは“脳が作り出す色の対”でもあるのです。


🖼 赤と反対色の組み合わせは「視線誘導」に最適

赤と補色の青緑を組み合わせると、強い視認性が得られるため、広告や信号、注意書きなど**「絶対に見てほしい」場面**で使われます。

例:

  • 信号機(赤:止まれ/青緑:進め)

  • 非常ボタン(赤)+周囲に水色の装飾

  • 医療機器の警告表示:赤とシアンでアラート

このように、「赤の反対色」は、単なる美的判断ではなく人間の脳が最も反応する色の対として、多くの場面で活用されているのです。


🧭 補色は“強すぎる”こともある──使いすぎに注意

赤と青緑の組み合わせは、目立つ反面、長時間見ると疲れやすいという欠点もあります。

特にWebデザインやパッケージなど「じっくり見てほしい媒体」では、補色の強さが逆効果になる場合も。
このときは補色を“隣接色”や“中間色”にずらして使うことで、バランスを取ることができます。

例:

  • 青緑ではなく、ミントグリーングレー系のターコイズを使う

  • 赤の彩度を落として、視覚の緊張を和らげる

配色とは、ただ目立たせればよいのではありません。見せ方の“空気感”まで設計するのが、プロの配色です。


✅ 第7章|“相性が悪い色”は本当に使えない?──赤×難色の活かし方を考える


第5章では、赤と相性が難しいとされる色として「茶色・紫・オレンジ」の3つを紹介しました。
たしかにこれらの色は、赤と並べたときに“ぶつかり”や“濁り”が生じやすく、デザイン現場でも敬遠されることがある組み合わせです。

ですが、本当にそれだけでしょうか?

配色の相性とは、単に色の距離や明度差だけでは語りきれない、文脈と工夫の積み重ねによって大きく印象が変わるものです。
ここでは、あえて“相性が難しい色”たちを、どのように使いこなすか──その実践的な視点から掘り下げてみます。


🟤 茶色 × 赤──重たい配色を、あえて「落ち着き」に変える

赤と茶色は、近い色相とトーンゆえにメリハリが弱く、地味に沈んで見えがちです。
しかし、そこに**「静けさ」や「品のある落ち着き」**を見いだせる場面もあります。

たとえば、深みのある赤と焦げ茶をベースに、白や金をアクセントとして添えることで、和風モダンな配色に昇華させることができます。
このとき重要なのは、“あえて主張しすぎない赤”を選び、全体のトーンバランスを低めに整えること。
「メリハリがない」ではなく「静かに整う」配色を目指すことで、茶色はむしろ赤の味方になります。


🟣 紫 × 赤──ぶつかる個性を、あえて「共演」に変える

赤と紫は、どちらも強く感情に訴える色です。
情熱・官能・高貴・神秘──その濃密なエネルギーは、並べたときに衝突しがちです。ですが、それはエネルギーの“密度”が高いからこその反応。

その衝突を、テーマ性の強いビジュアルに活かすという方向もあります。
たとえば演劇ポスターや、コスメ・ファッションなどの感性重視の分野では、あえてこのぶつかりを“艶”として魅せることも可能です。

明度を大きくズラす、片方を透明感のある色にする、文字などで境界を区切る──
視線を逃す工夫を加えれば、**強い色どうしの“共演”**は魅力にも変わります。


🟠 オレンジ × 赤──うるささを、あえて「熱量」に変える

赤とオレンジは、どちらも暖色系で、しかも色相環では隣同士。
そのため「元気すぎる」「視覚的にうるさい」と感じられることも多い組み合わせです。

ですがこの“うるささ”は裏返せば、圧倒的な熱量・生命力・陽気さの象徴でもあります。
祭り、スポーツ、子ども向けの広告など、「とにかく明るく・勢いよく見せたい」場面では、むしろ最適な配色とも言えます。

ただし、これも**“逃げ道”をつくることが前提**です。
寒色系や無彩色(グレー・白・黒)などを挿し色に使うことで、色どうしの衝突を緩和し、視線を休ませることができます。


🔚 結論|“使いにくい色”こそ、使いこなす価値がある

配色において「相性が悪い」とされる色たちは、たしかに扱いが難しい存在です。
けれど、だからこそ、印象に残る表現や、洗練された空気感を生み出せる余地があるとも言えます。

「赤と茶色なんて重すぎる」「赤と紫はぶつかりすぎる」「赤とオレンジはうるさい」──
そんな“ネガティブな先入観”の裏にこそ、可能性が隠れています。

赤は強い色です。
そしてその強さゆえに、難しい色とのバランスを取れたとき、もっとも美しく、印象的に輝く色でもあります。
ぜひ、“使いこなす楽しさ”に挑戦してみてください。


✅ 第8章|まとめ:赤は“情熱”だけではない──印刷・デザインで活かす知性の赤


🔴 赤は「本能の色」であり「設計の色」でもある

赤という色には、「本能を刺激する力」があります。

人類が最初に言語化した色のひとつであり、血や火を連想させる赤は、古代から危険や祝福、神聖さの象徴とされてきました。
一方で現代では、ブランド設計や広告、パッケージ、インテリア、ファッションに至るまで、赤は“戦略的な色”として用いられています。

つまり赤とは、「衝動的に反応される色」であると同時に、「理性的に使いこなされる色」でもあるのです。


🎯 情熱や衝動だけではなく、「印象設計」に効く赤

一般的に赤は「情熱的」「強い」「目立つ」といったイメージで語られがちですが、それだけで終わらせるのはもったいない色です。

  • 文化的背景を持つ赤(例:朱色、紅、えんじ色)は、品格や伝統の象徴に。

  • 配色のバランスによっては、落ち着きや信頼感を生む赤にもなります。

  • 素材や紙質、光源による見え方の違いで、赤の表情は無限に広がります。

赤は、“うまく使えば誰よりも先に心を掴める”。そんなパワーと懐の深さを併せ持った色なのです。


🖨 印刷現場で扱う「赤」は、“再現”ではなく“演出”である

印刷物における赤の再現は、決して簡単ではありません。

RGBと違って、印刷のCMYKでは「赤というインク」は存在せず、マゼンタとイエローを掛け合わせて作り出します。さらに、紙の種類・インクの沈み・乾き具合によっても微妙に見え方が変わるため、印刷現場では「どう見せたいか」から逆算して赤を設計する必要があります。

たとえば:

  • パキッと目立たせたいなら、コート紙+高濃度の特色インク。

  • 優しくなじませたいなら、マット紙+赤系統のCMYK指定。

  • 高級感を出したいなら、金や黒と組み合わせた特色+箔押しなどの加工。

このように、赤は**「どんな印象を演出したいか」に応じて最適化すべき“設計色”**なのです。


🧭 赤を「どう見せるか」は、赤を「どう語るか」と同じ

色は言葉にならない情報を伝える媒体です。
とりわけ赤は、文化的・感情的・生理的なインパクトが強いため、「なぜその赤を選んだのか」が、見る人の解釈に大きく影響を与えます。

  • 同じ赤でも、名付け方ひとつで印象は変わる(「朱色」「真紅」「ラズベリーレッド」など)

  • 配色や明度で、見る人の心理状態をコントロールすることも可能

  • メッセージやブランドの「声」を持たせるには、赤の“温度”を選ぶことが重要

赤とは、“熱”を伝えるための色であり、“思い”を設計するための色でもあるのです。


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