第1章|父の日ってなに?簡単にわかる概要
「父の日」とは、日頃なかなか伝えられない「ありがとう」の気持ちを、お父さんにしっかり伝える特別な日です。
日本では、毎年6月の第3日曜日と定められています。
この日は、母の日と対になる存在としても知られており、家族みんなで過ごす機会になっていたり、贈り物をしたり、手紙を書いたりと、感謝の気持ちを「かたちにする」ことがテーマになっています。
とはいえ、母の日に比べると少し影が薄い印象があるのも事実かもしれません。
なぜなら、父親は「無口」「頼れる」「背中で語る」存在として、感謝を直接伝えるタイミングが少ないからです。
しかし、だからこそ父の日はとても大切。
家族の中でも、特に「感謝を伝える文化」が根付きにくい相手が“お父さん”なのです。
このブログでは、そんな父の日について、いつ・なぜ・どこで生まれたのかという歴史的背景から、今の日本での過ごし方やプレゼント事情まで、しっかり解説していきます。
▶併せて読みたい記事 母の日とは?由来・カーネーションの意味・世界との違いをやさしく解説!歴史も丸わかり&母の日グッズも紹介
第2章|父の日のはじまりと歴史(世界編)
父の日の起源は、アメリカ・ワシントン州スポケーンという町に住んでいた女性、**ソノラ・スマート・ドッド(Sonora Smart Dodd)**によって提唱されました。
時は1909年。ソノラは教会で行われた「母の日」の礼拝をきっかけに、ある疑問を持ちます。
「母の日があるのに、なぜ父の日はないの?」
実は彼女の父親、ウィリアム・スマート氏は、南北戦争の帰還兵であり、妻を早くに亡くしながら男手ひとつで6人の子どもを育てあげた立派な父親でした。
ソノラは、そんな父への尊敬と感謝の念から、「父の日」の制定を強く願ったのです。
翌1910年6月19日、彼女の住む教会で世界初の「父の日」礼拝が開催されました。これが現在まで続く「父の日」の原型です。
その後も地道な活動が続き、1924年には第30代大統領カルビン・クーリッジが「父の日を祝うことを奨励する」と声明を出します。
さらに1966年、リンドン・ジョンソン大統領が6月の第3日曜日を「父の日」とする大統領布告を出し、最終的には1972年、リチャード・ニクソン大統領によって正式に「国の記念日」として制定されました。
つまり父の日は、たった一人の娘の強い想いが、やがて国全体、さらには世界中に広がった感謝の文化なのです。
第3章|日本の父の日の歴史と定着の流れ
日本に「父の日」という言葉が登場したのは、1950年代ごろといわれています。
しかし、当時はまだ「母の日」ほどの知名度もなく、一般の家庭ではあまり浸透していませんでした。
ところが、1970年代〜1980年代にかけて、百貨店や流通業界が「母の日とのセット訴求」で父の日キャンペーンを展開。
ここから一気に浸透していくことになります。
特に大きな転機となったのが、**1981年に設立された「日本ファーザーズ・デイ委員会」**の活動です。
この委員会は「父の日を文化として定着させよう」という目的で、毎年さまざまなイベントを主催しました。
中でも有名なのが、「黄色いリボンキャンペーン」です。
「黄色は愛と信頼と尊敬の色。黄色いリボンや花を贈って父に感謝を伝えましょう」と呼びかけ、黄色いバラを“父の日の花”として定着させたのです。
現在では、6月になると百貨店やスーパーに「父の日コーナー」が設けられ、ネクタイ・ビール・グルメなど、父の日の定番ギフト商戦が繰り広げられるほどに。
こうして、「父の日」は日本の行事のひとつとして、“商業的”にも“文化的”にも着実に根付いたといえるでしょう。
第4章|父の日の“意味”とは?家族・社会における意義
「父の日って、結局プレゼントあげる日でしょ?」
たしかにその側面もありますが、**本質は「感謝を伝えること」**にあります。
とくに日本社会では、父親に対して感情を表現する文化が薄く、「ありがとう」や「尊敬している」といった気持ちを口にすることが苦手な人も多いです。
だからこそ父の日は、年に1度だけでも**素直な気持ちを言葉や形にして伝えられる“特別なチャンス”**になります。
また、現代の日本では、父親の在り方も変化しています。
昔ながらの「家長として家計を支える父」だけでなく、育児に参加する“イクメン”、家事もこなすパートナー、子育ての相談相手としての役割も求められています。
その結果、父親と子どもの関係も多様化し、母の日と同様に、父の日も「生物学的な父」に限定されず、義父・祖父・育ての親など広く“父のような存在”に感謝を伝える日として活用され始めています。
さらには、ひとり親家庭で頑張るお父さんたちにも、父の日の意義は大きな意味を持ちます。
「あなたの存在が大切だよ」というメッセージは、心を温かくし、家族の絆をより強くしてくれます。
第5章|世界の父の日:国によってどう違う?
父の日は、世界中で愛されている記念日ですが、日付や祝い方は国によって大きく異なります。いくつかの例を紹介しましょう。
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アメリカ・カナダ・イギリス・日本など:6月の第3日曜日
→ ギフトや手紙で感謝を伝えるのが一般的 -
ドイツ:キリスト昇天祭に合わせて5月ごろ「男の日(Männertag)」として祝う
→ 男性同士で集まってハイキングや飲み会を楽しむ風習 -
タイ:12月5日(前国王ラーマ9世の誕生日)=父の日
→ 国王への敬意と父親への感謝を融合した国民的イベント -
韓国:中国:明確な父の日はないが、親を敬う「両親の日」や「感謝の日」が存在
祝い方も、「家族で食事」「旅行」「お酒を贈る」「手作りの品を贈る」など様々。国や文化によって、父親へのリスペクトの形が異なるのが興味深いですね。
第6章|父の日のおすすめギフト・過ごし方
父の日は、言葉だけでも十分ですが、プレゼントを添えるとより心が伝わります。ここでは、人気のギフトや過ごし方をご紹介します。
人気ギフト5選(日本編)
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お酒(ビール・日本酒・焼酎)
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グルメ(おつまみ・高級肉・寿司)
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ファッション小物(ネクタイ・シャツ・財布)
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健康グッズ(マッサージ器・健康食品)
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手作りプレゼント(子どもの絵や工作)
思い出に残る過ごし方
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一緒に食事に出かける/家族でホームパーティー
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家族旅行や温泉への招待
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手紙や動画メッセージを送る
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子どもからのサプライズ演奏・発表会
日々頑張っているお父さんに、少し肩の力を抜いてもらえるような時間をプレゼントするのも素敵です。
第7章|まとめ|父の日は「ありがとう」を言葉にできる貴重な日
父の日は、普段は言えない「ありがとう」を伝える絶好のチャンスです。
どんな家庭にも、形は違えど“父”の存在があり、そこには必ず感謝すべき瞬間があります。
プレゼントがあってもなくても大丈夫。大切なのは、「感謝の気持ちを伝える」ということ。
一年に一度のこの日を、ぜひ家族の思い出として大切にしてください。
🎩 コラム①|なぜ「黄色いバラ」なの?父の日に“黄色”が選ばれた意外な理由
父の日の花が「バラ」なのは知っていても、**なぜ“黄色”のバラなのか?**と聞かれると、答えに困る人も多いのでは?
実はアメリカ発祥の父の日では、当初「赤いバラ=生きている父へ、白いバラ=亡き父へ」という慣習がありました。
これが日本に伝わる際、**1981年に設立された『日本ファーザーズ・デイ委員会』**が「黄色いリボンを贈ろう」というキャンペーンを展開。
黄色には**「信頼・尊敬・幸福」の意味があり、アメリカでも「黄色いリボン」は「無事に帰ってきてね」という願いの象徴。
これが融合して、“黄色いバラ=父の日の象徴”**として定着しました。
つまり、「黄色いバラ」はアメリカ式+日本的解釈のハイブリッド文化だったのです!
🧢 コラム②|世界では「父の日」どうなってる?ドイツはまさかの“男の日”⁉
「父の日」は世界各国に存在しますが、お国柄が色濃く出る行事でもあります。中でも異色なのがドイツの“父の日”。
ドイツでは「Vatertag(ファータターク)」と呼ばれ、キリスト昇天祭(聖木曜日)と同じ日に祝われます。
この日、ドイツの男性たちは何をするかというと……
友達同士で酒樽をワゴンに載せ、野外に繰り出して飲みまくる!
……そう、完全に“男祭り”なのです(笑)
家族で感謝、というよりは「日頃頑張っている男性が羽を伸ばす日」。もはや父限定でもありません。
ちなみにこの日、急激にビールの消費量が跳ね上がるため、ドイツでは“ビール会社が一番喜ぶ日”とも言われています。
📅 コラム③|なんで6月の第3日曜日?“父の日の謎のタイミング”を解き明かす
「父の日って、どうして6月の“第3日曜日”なんだろう?」
母の日(5月第2日曜)の後というのはわかるけど、**6月中の他の日じゃダメだったの?**と、ふと疑問に思ったことはありませんか?
実はこれ、起源となった「初めての父の日」が6月だったことが理由なんです。
1909年、アメリカ・ワシントン州に住むソノラ・スマート・ドッドが、亡き父に感謝を伝えたいと考えたとき、父親の誕生月が6月だったのです。
その想いから、翌1910年の**6月19日(日)**に、最初の“父の日”礼拝が開催されました。
この日付にちなんで、後に正式に制定される際も「6月の第3日曜日」とされたのです。
つまり、世界中でこの日が使われているのは「ひとりの娘の想い」が起点だったということ。
偶然にも母の日(5月)とちょうど1か月ずれた絶妙なタイミングになったことで、家族行事としてのバランスも良くなり、広まりやすくなったという背景もあります。
数字の裏にあるエピソードを知ると、ちょっとだけこの日が特別に思えてきませんか?
💡 コラム④|父の日は“母の日のおかげ”で生まれた?
実は父の日って、母の日が先にあったからこそ誕生した記念日だって知ってましたか?
アメリカでは、1908年に「母の日」が始まり、1914年に国の記念日に。
その流れを見て、「お父さんにも感謝すべきでは?」と立ち上がったのが、父の日の提唱者ソノラ・スマート・ドッドでした。
順番で言うと…
母の日(1908〜1914) → 父の日(1910〜1972)
しかも、父の日が正式な記念日として制定されたのは1972年。母の日から実に58年遅れです。
つまり、父の日は「母の日ありき」で生まれた後発の感謝イベント。
だけど今ではしっかり“対”になって、家族の大切な記念日になっているんです。
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