学校要覧の作り方・構成・挨拶文例まとめ|新潟の印刷会社が解説【2025年最新版】ページ構成・年間スケジュール例も収録!

導入:学校要覧、毎年「どう作るか」に悩んでいませんか?

学校運営に欠かせない広報ツールの一つ、「学校要覧(がっこうようらん)」。
校長先生や教頭先生、または事務・広報担当の先生方のなかには、毎年この制作時期になると「去年のものを踏襲していいのか?」「今年の特色はどう表現しよう?」「ページ構成はこれで足りる?」と、悩みの声をあげる方も多いのではないでしょうか。

学校要覧とは、学校の理念・教育方針・沿革・学級数・教職員構成・行事予定・施設紹介などを網羅した、いわば**「学校の公式パンフレット」**です。
教育委員会への報告資料として、また学校説明会や地域との連携、保護者への理解促進、進学や転校希望者への情報提供など、さまざまな場面で活用される重要なドキュメントです。

しかしこの学校要覧、「決まったフォーマット」があるようでないのが実情。
全国共通の様式があるわけではなく、自治体や学校種別(小学校・中学校・高校・特別支援学校など)によって必要とされる項目や構成が少しずつ異なります。
さらに、印刷・製本の仕様やデザイン面、さらにはデジタル配布への対応も年々求められるようになってきました。

実際、
「今の学校要覧、内容が古くなってきたけどどこから手をつければいい?」
「PDFと冊子、両方作るにはどうすればいい?」
「地域の特色をもっと伝えたいが、見せ方が分からない」
といったご相談が多数寄せられています。

特に新潟県内では、少子化・学校統合・地域との連携強化などを背景に、学校の顔としての「要覧」の存在感が高まっていると感じています。
ただの報告書ではなく、「地域とつながる広報誌」「未来の児童・生徒を迎える学校の入り口」として、より戦略的な見せ方・届け方が求められているのです。

そこで本記事では、

  • 学校要覧に必ず載せたい内容の一覧チェックリスト

  • ページ構成やデザインの考え方

  • 印刷・製本仕様の選び方

  • スケジュールと進行管理のコツ

…など、**「学校要覧を一から作りたい」「今年はもっと良くしたい」**という担当者の方に向けて、実務に即した完全ガイドをご用意しました。

印刷会社目線の具体的なノウハウと、地域密着で教育機関を支えてきた経験をもとに、安心して進められる道しるべとしてお届けします。

次章から、実際に「学校要覧って何を載せればいいの?」という根本から、一緒に紐解いていきましょう。


第1章:学校要覧とは?その目的と役割【完全解説】

「学校要覧(がっこうようらん)」とは、学校の教育理念や運営方針、特色、教職員構成、生徒数、年間行事、施設など、学校の全体像を網羅的にまとめた広報資料です。
一言でいえば、**“学校の顔”**とも呼べる存在であり、教育委員会や地域社会、保護者、外部関係者に対して「この学校は、どのような想いで、どのような取り組みをしているのか」を伝えるための公式パンフレットです。

しかし、「要覧をどう作ればいいか分からない」「何を載せるのが正解なのか自信がない」という先生方の声を、数多く聞いてきました。
テンプレートがあるようでなく、前年の流用だけでは不安。でもゼロから作るのは骨が折れる…。
そんな現場のリアルな悩みにこたえるため、この章ではまず**「学校要覧の基本的な役割と意義」**を徹底解説します。


1. 学校要覧は“ただの資料”ではない。「信頼」を築くツール

学校要覧というと、「教育委員会に提出する堅い資料」「毎年なんとなく更新しているもの」といったイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、それだけではもったいない!
学校要覧は、実は**「対外的な信頼構築ツール」**として、今もっとも注目されている広報媒体の一つなのです。

たとえば、保護者にとっては「どんな理念で教育しているか」「安全・安心に学べる環境があるか」「学力・人間力をどのように育てているか」を知る重要な判断材料になります。
進学・転校希望者にとっては、パンフレットとしての役割を果たし、学校選びの決定打になることもあります。
地域住民にとっては、「地域と共に育てている学校」の存在を感じてもらう入り口になります。

つまり学校要覧は、教育活動を社会に開き、**学校と地域・保護者・未来の子どもたちをつなぐ“架け橋”**でもあるのです。


2. 想定すべき“読み手”は多岐にわたる

学校要覧が届けられる相手は、意外と幅広いです。下記のように、複数の立場の人々が要覧を手に取ることになります:

  • 教育委員会や行政関係者:監督・管理・報告資料として

  • 保護者(在校生・新入生):学校説明会や入学案内に同封

  • 地域住民や企業:学校行事や地域連携活動の案内を兼ねて

  • 他校関係者・進学先の担当者:参考資料や交流資料として

  • 転校希望者や新任教職員:学校理解のための基礎資料として

このように、読者は必ずしも“教育の専門家”とは限りません。
だからこそ、「誰が読んでも分かりやすい構成・ビジュアル・トーン」が不可欠なのです。
専門用語の使いすぎ、文字の詰め込みすぎ、古いレイアウトのままでは、せっかくの魅力が伝わりません。


3. 今どきの学校要覧には“伝える力”が求められる

最近では「学校のパンフレットを“ブランディング資料”として使いたい」というご要望が増えてきました。
たとえば:

  • 英語教育に力を入れている → プログラムや実績をカラー写真付きで紹介

  • 地域との交流が盛ん → 地元との連携事業やイベント実績を特集ページに

  • ICT教育・SDGsなど現代的なテーマ → インフォグラフィックで視覚的に整理

こうした「伝え方の工夫」は、まさに印刷会社の腕の見せ所。
写真や図表の使い方、レイアウト、色づかい、フォント選びひとつで、学校の雰囲気がガラリと伝わるようになります。

また最近では、デジタル配布との併用(PDF・学校サイト掲載など)も主流に。
紙の要覧をそのままPDF化するのではなく、“WEBでも読みやすい仕様”にデザインすることが求められます。


第2章:学校要覧に載せる内容一覧|チェックリスト付きでモレなく安心!

学校要覧を作るうえで、まず悩むのが「何を載せればいいのか?」という内容構成。
昨年のデータをそのまま流用…という手もありますが、それだけでは伝えたい情報が不足していたり、情報が古くなっていたりすることもしばしば
そこでこの章では、学校要覧に必ず盛り込みたい項目をチェックリスト形式で一挙紹介します!

学校の特色・教育方針をきちんと伝えたい方も、教育委員会提出用に正確な構成をしたい方も、このリストがあれば安心です。
印刷会社としての立場から、「実際によく使われる構成」と「最近増えているトレンド情報」も交えて解説していきます。


基本構成【定番項目】

以下の情報は、ほぼすべての学校要覧に掲載されている“鉄板”項目です。

区分 内容
表紙 学校名、年度、校章、キャッチコピー(スローガン)
学校概要 校名、所在地、電話番号、設立年、校長名
校長あいさつ 教育理念や方針、地域への思いなど
教育目標・学校目標 年度方針や重点目標などを明文化
校歌・校章の由来 校章のデザインや歌詞の意味など

教育活動・組織編成

ここは学校の特色が表れる重要パート。教育方針とともに教育の“中身”を見える化しましょう。

区分 内容
教職員構成 教員数、事務職員、養護教諭などの人数と配置
学級数・児童生徒数 学年ごとのクラス数、在籍人数、特別支援学級など
年間行事予定 春・夏・秋・冬で主な行事を月別に記載
教育課程・特色教育 英語・プログラミング・農業・福祉教育などの特化領域
指導体制 補習体制、家庭学習サポート、外部講師の有無など

実績・成果・評価

“成果を見せる”ことは信頼構築にもつながります。わかりやすく、具体的に。

区分 内容
学力テスト結果 全国・県の平均との比較、推移グラフなど
学校評価 学校関係者評価・自己評価・保護者アンケート等
表彰・受賞実績 個人・団体の表彰や大会成績など
卒業後の進路 高校・大学進学実績、地元就職率など(高校)

地域連携・生活環境

学校が“地域とともにある”姿勢を示す重要パート。信頼性アップの鍵になります。

区分 内容
PTA活動紹介 年間スケジュール、地域清掃やイベント支援など
地域との連携事例 町内会・自治体・企業との共同活動
ボランティア活動 高齢者施設訪問、防災訓練協力など
学校施設の開放状況 体育館・校庭・図書室の地域利用情報など

校内環境・施設・ICT設備

施設環境が整っているかは保護者が特に気にするポイント。写真付きでの紹介が効果的です!

区分 内容
校舎・施設紹介 教室・体育館・音楽室・図書館・家庭科室など
ICT環境 タブレット導入状況、Wi-Fi整備状況、GIGAスクール構想対応など
安全対策 校内見守りカメラ、登下校システム、防災備蓄など
清掃・衛生環境 トイレ改修、感染症対策、手洗い場の整備状況など

補足・トレンド項目(今どきの学校要覧で増えている!)

区分 内容
SDGsの取り組み 環境学習、リサイクル活動、フードロス削減など
不登校・支援対策 別室対応、相談窓口、スクールカウンセラー配置
外国籍児童対応 通訳支援、翻訳ツール活用、日本語指導体制
SNS・広報活動 学校ブログ、SNS発信、写真掲載のルールなど

📝【校長挨拶 全5例文】


例文①:地域密着・伝統重視型

本校は昭和〇〇年に創立され、〇〇年の歴史を刻んできた伝統ある学校です。この長い年月の中で、地域の皆様、保護者の皆様、そして卒業生の皆様に支えられながら、多くの児童生徒がここで学び、育ち、社会へと巣立っていきました。
私たちは、「ふるさとに学び、ふるさとを愛する子どもを育てる」という言葉を教育の根幹に据え、日々の学びや行事、地域交流の機会を通して、子どもたちが自分の暮らす地域に誇りと愛着を持てるよう努めています。
小規模校ならではの温かな雰囲気と、教職員全員が子どもたち一人ひとりに目を配れる環境の中で、子どもたちは人とのつながりを大切にしながら、確かな学びと豊かな心を育んでいます。
また、地域との協働による環境学習や伝統文化の継承活動、世代間交流などを積極的に取り入れ、教室の中だけにとどまらない“生きた学び”を実現しています。
今後も、地域に根ざした学校づくりを継続し、子どもたちの未来を見据えた教育活動に取り組んでまいります。皆様方の引き続きのご支援とご協力を、心よりお願い申し上げます。


例文②:ICT・新教育対応型

本校では、「変化の時代をしなやかに生き抜く力を育てる」ことを教育の柱とし、子どもたちが自ら学び、考え、行動できる力を育む教育を実践しています。現代は、かつてないスピードで社会や技術が変化する時代です。そんな未来を生きる子どもたちには、知識を覚える力だけでなく、それを活用し、新しい価値を生み出す力が求められます。
本校では、ICT教育や探究学習、協働的な学びに力を入れ、タブレット端末やクラウド教材、デジタルホワイトボード等を活用した授業を日常的に行っています。学習の個別最適化と協働的な思考の育成を両立するため、教員も日々の授業改善に取り組み、互いに学び合いながら新しい教育の形を模索しています。
さらに、地域との連携やキャリア教育も充実させ、生徒が学校の中だけでは得られない“社会との接点”を持てるような取り組みを多数行っています。ボランティア、職場体験、地域課題に取り組む探究活動など、教室の外の学びにも重きを置いています。
今後も、保護者・地域・生徒と共に、新しい時代にふさわしい「共創型の学校づくり」を推進し、子どもたちの可能性を最大限に引き出す教育を行ってまいります。


例文③:未来志向・メッセージ重視型

本校が掲げる教育の原点は、「夢を描き、それを実現する力を育むこと」です。未来は、与えられるものではなく、自らの意志と行動によって切り拓いていくもの。私たちは、子どもたち一人ひとりが自分の人生の主人公として、自らの可能性に挑み続けられるような学びの場を創り出すことに日々努力しています。
現在、本校では探究学習を中心に、ICT・グローバル教育・プロジェクト型学習など、教科学習を越えた複合的な学びの仕組みを整備しています。生徒が自分の「好き」「やってみたい」「知りたい」から出発し、仲間と共に対話し、壁を乗り越えていくプロセスこそが、最も本質的な成長の源であると私たちは考えます。
教職員は“教える人”ではなく、“ともに学ぶ伴走者”として、生徒の挑戦と変化に寄り添い、時に背中を押し、時にそっと待つことを大切にしています。
教室、校舎、地域、社会、そして世界へ。学びの舞台はどんどん広がっています。私たちはこれからも、“変化を恐れず、共に未来を創る学校”として、挑戦を続けてまいります。


例文④:生徒主体・共育型

「ともに学び、ともに育つ」――これは本校が開校以来、大切にしてきた教育理念の一つです。私たちは、学校が知識を受け取る場ではなく、子どもたち自身が“学びの主人公”となり、教職員や仲間たちと関わりながら自ら成長していく“共育(きょういく)の場”であることを常に意識しています。
子どもたちは、日々の授業や学校生活の中で、さまざまな問いに出会い、それに向き合う過程で自分なりの考えや方法を見つけていきます。その過程を支えるのが、私たち教職員の役割です。ただ教えるのではなく、導き、支え、挑戦を見守る伴走者として、一人ひとりの歩みに寄り添っています。
生徒会活動やボランティア活動、地域連携の取り組みなど、教室を飛び出した実社会での学びも重視しています。社会の一員として自分の役割を自覚し、仲間と協働する経験は、知識だけでは得られない“生きた力”を育てます。
私たちは今後も、生徒たちの小さな気づきや挑戦を大切にし、学びの中に“自分らしさ”を見出せる学校づくりを進めてまいります。


例文⑤:共生・多様性重視型

本校は、「一人ひとりがかけがえのない存在である」という理念のもと、すべての児童生徒が安心して学び、成長できる共生社会の縮図となるような学校づくりを進めています。
多様な価値観、多様な背景、多様な特性を持った子どもたちが、互いを尊重し合いながら共に過ごす日々の中で、社会で本当に必要とされる「共感力」「対話力」「柔軟性」が育まれていくと私たちは信じています。
障がいや言語、文化、家庭の違いを壁ではなく「学びのチャンス」と捉え、私たちはそれぞれの子どもに応じた支援と環境整備を行っています。特別支援教育の充実、ユニバーサルデザインの推進、外国籍児童への多言語対応など、多様性を前提とした教育環境の構築に取り組んでいます。
また、日常的な対話や小さなふれあい、学校行事や地域交流の中で、「自分とは違う誰か」と共に在ることの価値を、子どもたち自身が自然と学べるよう工夫しています。
今後も、「誰ひとり取り残さない」学校づくりを目指し、すべての子どもたちの“ありのままの個性”が輝く教育を続けてまいります。