1章 なぜ今「ダンボール印刷」が注目されるのか?
■ ダンボールの役割は、ただの「梱包材」ではない
かつて、ダンボールといえば「モノを運ぶための箱」としてしか見られていませんでした。
しかし今や、ダンボールは商品の第一印象を決める重要なメディアへと進化しています。
ネット通販の急拡大、店頭ディスプレイの進化、SDGsを意識したパッケージング――。
時代が変わる中で、ダンボールに求められる役割も大きく広がってきました。
例えば、オンラインショッピングでは、商品に直接触れる前に「パッケージのデザイン」で購買意欲が左右されることも少なくありません。
また、リテールの現場でも、目を引くパッケージが売上アップに直結するケースは非常に多くなっています。
つまり、ダンボールは単なる保護材ではなく、企業のブランドイメージを体現する重要なマーケティングツールとなっているのです。
■ 現代のダンボール印刷に求められる3つの要素
こうした背景を受けて、現在のダンボール印刷には、従来以上に高いレベルが求められています。
特に注目すべきは、次の3つのポイントです。
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高精度・高品質な印刷表現
ブランドロゴやキャッチコピー、グラフィックデザインを高精度で再現できるかどうか。
消費者の目は年々厳しくなっており、少しのズレやにじみも許されない時代です。 -
スピードとコストパフォーマンス
短納期・小ロット・多品種化が進む中、いかに素早く、かつコストを抑えて印刷できるかが重要。
従来の大量生産向きのシステムでは、対応しきれないニーズが増えています。 -
環境への配慮(サステナビリティ)
リサイクル可能な素材、環境負荷の少ないインクや製版方法を使用しているか。
エシカル消費の広がりにより、エコ対応しているかどうかは、企業ブランドの信頼性にも直結します。
これらをバランス良くクリアすることが、今のダンボール印刷には欠かせません。
■ ダンボール印刷の最新トレンドとは?
そんな中、ダンボール印刷業界にも新たなトレンドが生まれています。
まず、エコフレンドリーな素材・技術の採用が急速に進んでいます。
リサイクル性の高いダンボール素材、植物由来のインク、化学薬品の使用を抑えた製版方法など、環境に配慮した取り組みが増加中です。
また、高精細なデザイン表現を可能にする印刷技術が求められるようになりました。
グラデーション表現や細いライン、細かい文字など、今までダンボールでは難しかった表現も求められています。
これに応えるべく、従来のフレキソ印刷に加えて、デジタル印刷やハイブリッド印刷といった新しい手法が登場しつつあります。
さらに、デジタル化による短納期対応も大きな流れです。
従来の版作成プロセスを簡略化し、素早く印刷を開始できる体制が求められています。
これは、商品サイクルの短期化や、カスタマイズ需要の高まりに対応するためでもあります。
■ だからこそ、革新的な印刷技術が必要とされている
こうした高度なニーズに対応するためには、従来型の印刷技術だけでは限界があります。
そこで登場したのが、液状感光性樹脂版を使った新しいフレキソ印刷技術です。
特に、液状樹脂を用いた技術は、
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高精細な表現力
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短納期・コスト削減
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環境への配慮
といった、現代のダンボール印刷に求められるすべての条件をクリアするポテンシャルを持っています。
次章では、この革新的な技術「液状感光性樹脂版」と、そして旭化成**「Tena Flex」**について、さらに詳しく掘り下げていきます!
2章 液状感光性樹脂版とは?仕組みと特徴、そして旭化成「Tena Flex」の実力
■ 液状感光性樹脂版とは何か?
まず、液状感光性樹脂版(Liquid Photopolymer Plate)とは、
液体状の感光性樹脂を使って作られる、フレキソ印刷用の印刷版です。
従来、フレキソ印刷では硬質な樹脂版が主流でしたが、液状版の登場により、
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より均一な膜厚
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高精細なデザイン再現
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短時間での版製作
が可能になりました。
基本の仕組みはシンプル。
液体の樹脂を基材に塗布し、紫外線(UV)を照射することで、露光された部分のみが硬化します。
硬化しなかった未露光部分を洗浄で取り除くことで、印刷に必要な凸部が形成され、完成します。
ポイントは、液状であるため微細な表現にも対応できること。
硬質版に比べて柔軟性も高く、凹凸のある素材や曲面にも優しくフィットし、きれいな印刷を可能にします。
■ 液状感光性樹脂版の製作プロセス
液状感光性樹脂版の作り方を、ざっくり流れでまとめるとこうです。
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基板フィルムの準備
フレキソ印刷用のベースフィルム(PETなど)を用意。 -
液状樹脂を均一に塗布
専用のコーティング機で、基材上に液体の感光性樹脂を均一に塗る。 -
UV露光(メイン露光)
デジタルデータに基づくマスクを用い、紫外線を照射。
露光された部分だけが硬化していく。 -
未硬化部分を洗浄除去
専用の洗浄液で、硬化していない部分を丁寧に除去する。 -
仕上げ硬化・乾燥
二次露光・乾燥を経て、印刷に耐える硬度・耐久性を持たせる。
このプロセス全体が、従来の硬質樹脂版より圧倒的にスピーディーに行えるのが大きなメリットです。
短納期案件や、小ロット・多品種案件に圧倒的に強い理由がここにあります。
■ 液状感光性樹脂版が持つ4つの大きな特徴
ここで、液状感光性樹脂版の特徴を整理してみましょう。
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高精度な印刷が可能
極めて均一な膜厚を実現できるため、細い線、シャープな文字、滑らかなグラデーションも美しく再現。 -
高い柔軟性と追従性
印刷版自体が柔らかく、ダンボールのような凹凸のある素材にもフィット。
刷りムラが出にくい。 -
環境に優しい
従来の溶剤を大量使用する硬質版と違い、低VOC(揮発性有機化合物)設計。
廃液も少なく、洗浄工程もシンプルでエコ対応。 -
コストとスピードに優れる
版製作が早いため、工程短縮→コスト削減に直結。
初版から短時間で印刷立ち上げ可能。
■ そして登場、旭化成「Tena Flex」──液状感光性樹脂版の代名詞
液状感光性樹脂版といえば、今最も注目されている製品が、
**旭化成「Tena Flex(テナフレックス)」**です。
Tena Flexは、旭化成独自の材料開発力を背景に、
液状樹脂版のもつポテンシャルを最大限に引き出すことに成功した製品群です。
Tena Flexの主な特徴は以下の通りです。
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卓越した印刷再現性
最小0.1mm以下の細線もクリアに再現可能。
グラデーション表現もスムーズで、印刷物に品格をもたらします。 -
圧倒的な柔軟性
ダンボール、紙器、フィルムなど、様々な素材に柔らかく密着。
難しい素材でも、高い印刷精度を維持できる。 -
製版時間の短縮
独自技術により、露光時間・乾燥時間を大幅にカット。
短納期ニーズにしっかり対応。 -
環境対応設計
低VOC・水性洗浄可能な設計により、作業者にも地球にも優しい。
SDGs時代の印刷にマッチする仕様。 -
高い耐久性と安定性
長時間連続印刷にも耐えうる耐摩耗性能を確保。
大量生産にも、小ロット多品種にも、安定した品質を提供可能。
つまり、Tena Flexは、現代ダンボール印刷に求められる
「高精度・短納期・エコ・柔軟対応」というすべての要素を
ハイレベルで実現した液状感光性樹脂版なのです。
■ Tena Flexがダンボール印刷にもたらす革新
では、Tena Flexの登場によって、ダンボール印刷はどう変わるのでしょうか?
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ブランドロゴやデザインを、これまで以上にシャープかつ美麗に表現できる
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短納期対応が可能になり、多品種・小ロット案件にも強くなる
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環境への配慮を訴求でき、企業のイメージアップに直結
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印刷品質が安定し、クレームリスクを大幅に減少
こうした変化は、単なる「印刷クオリティ向上」にとどまりません。
企業ブランドそのものの価値向上、環境配慮型ビジネスモデルへの転換など、
経営戦略にも直結するインパクトをもたらします。
3章 ダンボール印刷における液状感光性樹脂版の実力とは?
■ ダンボールが「ブランドメディア」となる時代へ
ダンボールはもはや、単なる輸送・梱包のためだけに存在しているわけではありません。
オンライン通販の拡大、店頭ディスプレイの進化、エコパッケージの普及――
こうした流れの中で、ダンボールは「企業の顔」としての役割を担うようになっています。
開封する瞬間のワクワク感、手に取ったときの第一印象。
これらを左右するのが、まさにパッケージデザイン=印刷の力なのです。
だからこそ、高品質なダンボール印刷が、今まで以上に重要視されています。
そこで力を発揮するのが、液状感光性樹脂版です。
■ ① 圧倒的な高精度印刷で、ブランド力を最大化
液状感光性樹脂版を使う最大のメリットは、なんといっても圧倒的な再現力です。
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細いラインや微細な文字
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繊細なグラデーション表現
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シャープな輪郭線と豊かな中間色
こうした表現が、従来のフレキソ印刷に比べて格段にクリアになります。
たとえば、ブランドロゴ。
少しでも潰れたりにじんだりすると、商品全体の印象が安っぽくなってしまいますよね?
でも液状感光性樹脂版なら、ミリ単位の繊細なデザインまでくっきり再現可能。
ダンボールなのに、まるで高級パッケージのような仕上がりを実現できるのです。
これにより、商品そのものの「格」が上がり、
さらに「この会社はちゃんとしている」という、ブランドへの信頼感を醸成することができます。
つまり、液状感光性樹脂版は、
**単なる印刷技術ではなく、「ブランド価値を高める武器」**になるのです。
■ ② 環境配慮が企業イメージアップに直結
さらに見逃せないのが、液状感光性樹脂版が持つ環境への優しさです。
近年、サステナビリティを重視する消費者が増えているのはご存知の通り。
環境に配慮した企業かどうかは、商品選びの大きな判断材料になっています。
液状感光性樹脂版は、
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製版工程での化学薬品使用が大幅削減
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VOC(揮発性有機化合物)排出量も大幅カット
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洗浄工程も環境負荷が少ない
といった特長があり、製版そのものが非常にエコなプロセスになっています。
さらに、ダンボール自体もリサイクル可能な素材。
つまり、パッケージ全体で環境配慮をアピールできるのです。
たとえば製品パッケージに「エコパッケージ仕様」や「サステナブル素材使用」の表記をすれば、
消費者に対してダイレクトにエコ意識を訴求でき、企業イメージの向上にもつながります。
環境に優しい印刷技術を使うことは、今や企業のブランディング戦略の一環。
液状感光性樹脂版は、その強力な味方になるわけです。
■ ③ 短納期・低コストで、ビジネススピードが加速
液状感光性樹脂版の強みは、品質や環境対応だけではありません。
スピードとコストの面でも、従来の印刷技術を大きく上回ります。
従来のフレキソ印刷版では、
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厚い版材の加工に時間がかかる
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硬質樹脂のため、製版工程が複雑
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大ロット前提でコスト高
といった課題がありました。
しかし液状感光性樹脂版なら、
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均一な塗布と素早いUV露光で、版製作が大幅に短縮
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小ロット・多品種にも柔軟に対応可能
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材料・工程コストをトータルで圧縮できる
と、スピード&コスト効率が圧倒的に向上するのです。
これにより、
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新商品のパッケージを素早く市場投入できる
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多品種展開にもフレキシブルに対応できる
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プロモーションごとに細かくデザイン変更できる
といった、現代のビジネススタイルにぴったりのスピード感が実現します。
つまり、液状感光性樹脂版は単なる「印刷コスト削減ツール」ではなく、
ビジネス全体のスピードと競争力を底上げする起爆剤になるのです。
■ ダンボール印刷における液状感光性樹脂版の未来
これからのダンボール印刷は、
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高精度
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高速
-
エコ対応
この3拍子が必須条件になります。
液状感光性樹脂版は、このすべてを満たす技術であり、
さらに今後、デジタルワークフローとの融合が進めば、
より高度なパーソナライズ印刷や、超短納期対応も可能になるでしょう。
ダンボール印刷の未来を考えるとき、
液状感光性樹脂版の存在は、間違いなく「スタンダード」となっていくはずです。
そして、その中心にいるのが、
高性能液状感光性樹脂版──**旭化成「Tena Flex」**であることも間違いありません。
4章 未来展望|液状感光性樹脂版が拓くダンボール印刷のこれから
■ デジタル化と液状感光性樹脂版の融合が加速する
液状感光性樹脂版とデジタルワークフローの融合により、
従来に比べて版作成のスピードが大きく向上しました。
これにより、
「デザイン確定から印刷開始までのリードタイムを短縮しやすくなる」
「状況に応じた柔軟なスケジュール対応が可能になる」
など、現場の機動力を高める効果が期待できます。
ただし、案件内容やボリュームにより対応スケジュールは異なるため、
事前の打ち合わせと段取りが非常に重要です。
■ 多品種・小ロット印刷の時代に柔軟対応
液状感光性樹脂版の柔軟性により、
多品種・小ロット案件にも従来より柔軟に対応できる体制が整いつつあります。
特に、ターゲットごとに異なるパッケージデザインを展開したい場合や、
季節限定・イベント限定商品などにおいて、
スムーズな対応がしやすくなる点は大きな強みといえるでしょう。
■ 持続可能な社会に向けたエコパッケージ標準化
さらに、液状感光性樹脂版の環境性能は、
今後ますます重視される持続可能な社会の実現にも大きく貢献します。
製版時の廃液削減、低VOC設計、水性洗浄対応――
こうした環境配慮型プロセスが、エシカル消費志向の強い消費者から高く評価される時代。
ダンボールというリサイクル性の高い素材と、
液状感光性樹脂版によるエコな製版・印刷技術。
この両輪が揃えば、
パッケージ全体で「環境負荷の少ないサステナブル製品」をアピールすることが可能になります。
企業にとっても、これは単なるCSR(社会的責任)ではなく、
「選ばれるブランド」になるための戦略となるでしょう。
■ 結論:液状感光性樹脂版は、未来のスタンダードへ
高精度・短納期・環境配慮をすべて兼ね備えた液状感光性樹脂版。
これからのダンボール印刷において、この技術は新たな標準になっていくことは間違いありません。
そして、先進的な製品である旭化成「Tena Flex」は、
その未来を先取りする、まさに業界のリーディングアイテムといえるでしょう。
5章 まとめ|液状感光性樹脂版とダンボール印刷の未来
液状感光性樹脂版は、ダンボール印刷に新たな可能性をもたらす革新技術です。
高精度な印刷表現、環境に配慮した製版プロセス、そして状況に応じた柔軟な対応力。
これらを兼ね備えた技術は、これからの印刷業界において大きな武器となるでしょう。
中でも旭化成の「Tena Flex」は、液状感光性樹脂版の特性を高次元で実現しており、
ブランド強化・環境対応・ビジネススピード向上を支える確かな選択肢となっています。
未来を見据え、より高品質で持続可能なパッケージングを目指す企業にとって、
液状感光性樹脂版は、これから欠かせない存在となっていくはずです。
株式会社新潟フレキソは新潟のフレキソ製版会社です。
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