【導入】
「画像って、JPEGでいいの?PNGが綺麗って聞いたけど…」
「印刷に出したら“解像度が足りない”って言われた!」
「とりあえずPDFで保存してるけど、これって正しいの?」
「ロゴデータ?画像しかないけど…イラレじゃなきゃダメ?」
画像データに関する“あるあるな疑問”や“モヤっと不安”――実は、画像の拡張子・保存形式・解像度にちゃんと理由があるんです。
でも、多くの人は…
-
「どの拡張子が何に向いてるか分からない」
-
「印刷とWebで使い方が違うって聞いたけど、何が違うの?」
-
「名前だけ.jpg→.pngに変えたら拡張子も変わるでしょ?」
-
「とりあえずホームページの画像使っていいよね?」
…と、何となく自己流のまま使ってしまっていることも多く、実際、印刷会社には画像データが原因のトラブルが絶えません。
このブログでは、印刷のプロである新潟の印刷会社「新潟フレキソ」が、
JPEG・PNG・PDF・TIFFなどの拡張子の違い、正しい保存形式、印刷とWebでの考え方の差、トラブルの回避法まで、
画像にまつわる疑問を一気に解決する**“完全ガイド”**としてお届けします!
この記事でわかること:
-
拡張子と保存形式の違い
-
Webと印刷で画像の扱い方が違う理由
-
よく使われる拡張子の向き不向き
-
「PDFにしたのにダメだった」理由
-
ロゴ画像しかない時の対処法
-
解像度・容量・画像サイズの違い
-
著作権・肖像権の基本
-
印刷会社が教えるベストな保存形式
関連記事はこちらから▶■Illustrator・PDF入稿完全ガイド|印刷会社が教えるネット印刷データ作成&トラブル防止チェックリスト【保存版】
第1章|そもそも「拡張子」ってなに?保存形式とどう違う?
画像ファイルの末尾に付いている「.jpg」「.png」「.pdf」など、いわゆる拡張子。
これらは「このファイルは何の形式か?」を示すラベルのようなものです。
一方で、「保存形式」はそのファイルの中身の構造――
どうやって色や情報を圧縮しているか、解像度やカラーモードはどうか、といった画像そのものの性質を指します。
よくある誤解:「拡張子だけ変えれば中身も変わる?」
答えはNO!
たとえば、「画像.jpg」というファイルを名前だけ変えて「画像.png」にするとどうなるか?
→ 見た目はPNGになっても中身はJPEGのまま。保存形式は変わっていません!
正しく変換するには、画像編集ソフトで「別名保存」や「書き出し」機能を使って変換する必要があります。
📝【補足コラム】
名前だけ変えたら拡張子が変わると思ってない?
→ リネームだけじゃ保存形式は変わりません!
画像のファイル名を「画像.jpg」から「画像.png」に名前だけ変える――
これで形式が変わったように見えるかもしれません。
でも実はこれ、中身(=保存形式)は一切変わっていないんです!
なぜ“見かけ”だけ変わっても意味がない?
拡張子は、あくまで「これは〇〇形式のファイルですよ」と**パソコンに教える“目印”**のようなもの。
中身の構造はまったくいじられていません。
つまり、名前だけ「.png」にしても、画像自体はJPEGの圧縮データのまま。
→ 実質、「PNGに“化けた”JPEG」=“ニセPNG”状態です。
【危険】拡張子を偽装するとどうなる?
-
アプリによっては開けない/クラッシュする
-
印刷会社の処理ソフトでエラーが出る
-
「PNGなのに劣化がひどい」など予期せぬ画質トラブル
→ 見た目はOKでも、裏で爆弾を抱えてる状態になってしまいます。
【正しい方法】形式を変えたいときは「保存形式を選んで書き出し」!
画像を別の形式にしたいときは、以下のようにしてください:
-
Photoshop/Illustrator →「別名で保存」or「書き出し」で形式を指定
-
無料の画像編集ソフト(GIMPやCanvaなど)→「エクスポート」で選択
-
スマホ → 画像編集アプリで形式変換できるものもあり
【まとめ】
-
ファイル名の「.jpg → .png」変更では、中身は変わらない!
-
正しい保存形式の変更は、画像編集ソフトでの「書き出し」「保存」操作が必要
-
リネーム=危険。印刷入稿時は絶対NG!
第2章|代表的な画像形式・拡張子を一覧で比較!
ここでは、よく使われる画像の拡張子を**「透明対応」「圧縮方法」「印刷向きかどうか」**などの軸で比較してみましょう。
拡張子 | 特徴 | 圧縮 | 透明 | 印刷向き | Web向き |
---|---|---|---|---|---|
JPEG | 軽量・写真向き | 非可逆(画質劣化) | × | ○(高解像度) | ◎ |
PNG | 透明OK・ロゴ向け | 可逆(劣化なし) | ○ | △(条件付き) | ◎ |
TIFF | 高画質・印刷向け | 可/非可逆あり | × | ◎ | × |
レイアウト保持・万能 | 圧縮可 | ○ | ◎(条件付き) | △ | |
PSD | Photoshop形式・編集用 | 可逆 | ○ | ×(統合必須) | × |
AI/EPS | Illustrator形式・ベクター対応 | 可 | ○ | ◎ | × |
※ポイント解説:
-
JPEGは軽くて扱いやすいが、何度も保存すると劣化(非可逆圧縮)
-
PNGは透明対応だが、CMYKに非対応で印刷用には注意が必要
-
TIFFは重いが超高画質。写真印刷に最適
-
PDFは万能に見えるが「作り方次第」で危険も
-
AI/EPSはロゴ・イラストの最終形態。印刷現場では王様的存在!
📝【コラム】
印刷屋が勝手に格付け!画像拡張子ランキング 〜えらい順〜
拡張子にも“格”がある――!?
画像の保存形式って、正直「どれを使えばいいの?」と迷うこと多いですよね。
でも、印刷現場での扱いやすさや信頼度には“明確な差”があるんです!
ここでは、印刷会社のリアルな視点から、拡張子たちを“えらい順”でランク付け。
便利さ・安全性・印刷との相性をもとに、ガチ評価してみました!
【SSランク|神データ:すべての印刷屋が泣いて喜ぶ】
-
.AI(Adobe Illustrator形式)
完全なる王者。ロゴや図版、ベクターデータの最高峰。
拡大しても劣化なし。色分解や修正も自由自在。
→「これが届いたら即OK出します」 -
.EPS(Encapsulated PostScript)
イラレと同格のベクターデータ。印刷現場では根強い人気。
古いけど強い。ロゴデータのレジェンド的存在。 -
.PDF(イラレから正しく書き出したもの)
フォント埋め込み、CMYK、トンボ付き、塗り足しアリなら無敵。
→ 印刷入稿の最終形態。まさに万能型ヒーロー。
【Sランク|めちゃくちゃ優秀な実務派】
-
.TIFF
非圧縮・超高画質の写真用フォーマット。印刷向けとして完璧。
→「重くても安心して使える安心感」 -
.PSD(Photoshop形式・統合済)
編集自由で色もキレイ。統合してあれば印刷でも使える。
→「分かってる人が使ってる拡張子」感がある。
【Aランク|問題なく使える安定枠】
-
.JPEG(高解像度)
軽い・扱いやすい・どこでも開ける。写真用なら十分戦える。
ただし、解像度が命! 圧縮しすぎはNG。
【Bランク|条件付きで使える控えメン】
-
.PNG(高解像度)
透明背景が魅力。ロゴなどに応急対応で使える。
ただし、CMYK非対応/印刷では色ズレの危険あり。 -
.PDF(Word・Canva・スキャンなどで作ったもの)
使える場合もあるが、作り方次第で大事故案件に。
→ 中身にフォント未埋め込み、RGB、トリムなし=要注意!
【Cランク|ちょっと困る庶民派】
-
.JPEG(Web用・低解像度)
ホームページから拾った画像、スクショなど。
→ 小さくて粗い。拡大でガビガビ。印刷には向かない。 -
.PNG(小サイズ・低dpi)
SNSやLINEスタンプ用など。
→ 背景白くなる、色がくすむ、ボヤける…など“よくあるトラブル”。
【Dランク|印刷では使いたくない】
-
.GIF/.WEBP/.BMP
動画用・Web高速表示用・時代遅れ系。印刷では非推奨。
特にWEBPは見た目がキレイでも、変換が必要&不安定。
【結論】拡張子にも“適材適所”がある!
-
印刷するなら AI・PDF(ちゃんと作ったやつ)・TIFF が最強!
-
JPEGやPNGは条件次第で使えるけど、事前チェック必須!
-
不明な形式、妙に軽いPDF、Webから拾ったロゴは危険信号!
【印刷会社からのお願い】
「JPEGしかないんですけど…」
→ 大丈夫!でも、中身がちゃんとしてるか一緒にチェックしましょう!
【補足】拡張子の“強さ”は「作り方」で変わる!
どんなに「優秀な拡張子」でも、作り方や設定が間違っていればダメデータになることがあります。
たとえば:
-
PDF(イラレから)でも…
-
フォントが埋め込まれていない
-
カラーモードがRGB
-
トンボ・塗り足しなし
→ → → これじゃ印刷用にならない!
-
-
JPEG(高解像度)でも…
-
保存時に“画質:低”設定だとガビガビ
-
Web用に圧縮されたものを使うとボヤける
-
-
PSD(Photoshop形式)でも…
-
レイヤーが統合されていない
-
カラープロファイルがRGBのまま
→ 印刷会社で開けてもエラーや色ズレの原因に
-
「同じ拡張子」でも中身はピンキリ!
「この拡張子なら安心!」と思っているあなた。
実は、その“中身”をチェックすることこそが本当に重要なポイントなんです!
第3章|画像サイズ・容量・dpiって何が違うの?どれを基準にすればいい?
「この画像、ちゃんと大きいですよ!」
「300dpiあるから大丈夫だと思います」
「容量が5MBもあるし、高画質のはず」
──こんな言葉、データ入稿時によく聞きませんか?
でもちょっと待って!
画像の“サイズ”と“容量”、そして“dpi(解像度)”は、それぞれまったく違う意味を持つ指標です。
しかも、どれか一つが良くても、他が足りないと印刷トラブルになることも…。
ここでは、それぞれの違いを正しく理解し、「どれを見れば安心なのか?」を整理していきましょう。
【比較表】画像に関する3つの基準を整理!
用語 | 単位 | 意味 | よくある誤解 |
---|---|---|---|
画像サイズ | px(ピクセル) | 画像の縦×横の“見た目の大きさ” | ピクセル数が多くても、dpiが低いと印刷に不向き |
解像度 | dpi(dots per inch) | 1インチあたりのドット数=印刷の細かさ | dpiだけ高くしても画像が粗ければ意味がない |
容量 | MB(メガバイト) | ファイルの重さ=情報量の多さ | 容量が大きくても、保存形式によって中身は荒いことも |
【例】数字だけ見て安心するのはキケン!
ケース1:高dpiだけどサイズが小さい
-
画像サイズ:400×400px
-
解像度:300dpi
-
→ 名刺やチラシに使うと小さすぎてガビガビ!
ケース2:サイズは大きいけどdpiが低い
-
画像サイズ:3000×2000px
-
解像度:72dpi
-
→ SNSではキレイでも、印刷には不十分な解像度
ケース3:容量が5MBでも圧縮が強い
-
JPEG高圧縮で5MB
-
→ パッと見はキレイでも、拡大するとノイズだらけ
では、何を基準にすれば正解なの?
【目的別チェックポイント】
使用目的 | 必要なサイズ | 推奨解像度 | 備考 |
---|---|---|---|
Web・SNS投稿 | 横1200px以上 | 72dpi | 軽くて表示しやすい方が良い |
名刺・チラシ | 横2000px以上 | 300dpi以上 | 実寸サイズ×300dpiが目安 |
A4チラシ(写真) | 横3500px以上 | 300dpi以上 | JPEGなら高画質保存で |
ポスター | 横5000px〜10000px | 300dpi | TIFFやPDF形式推奨 |
【印刷会社の本音】
「解像度300dpiあります!」と言われても、
元画像が500pxしかなければ意味がないんです…!
画像データの信頼性は、「px(サイズ)× dpi(解像度)」が揃ってはじめて成立します。
【まとめ】
-
-
容量が大きくても、画質が良いとは限らない!
-
dpiが高くても、画像サイズが小さいと印刷には使えない!
-
px × dpiのバランスを見て「使える画像か」判断しよう!
-
わからなければ印刷会社に相談するのが安心!
-
【補足】容量が大きければ安心?→ 実は、それ“あんまり関係ありません!”
画像を入稿するときに「このファイル、5MBあるので高画質だと思います!」というセリフ、よく聞きます。
でも、実はファイルの容量(=MBの大きさ)だけで画像の良し悪しは判断できないんです。
容量=「重さ」。でも“中身”が良いとは限らない!
ファイル容量とは、ざっくり言えば「その画像データにどれくらい情報が詰まっているか」を表しています。
ただしこの容量、保存形式や圧縮のかけ方によって大きく変わるんです。
たとえば:
-
JPEGは高圧縮で軽くなる(=画質が犠牲になってる場合も)
-
TIFFは非圧縮で容量が大きいが、画質は極めて良い
-
PDFは設定次第で数百KBにも数十MBにもなる
-
PNGは見た目が小さくても、透明情報の影響で重くなることも
【注意】容量だけで判断してはいけない理由
状況 | 容量 | 実際の中身 |
---|---|---|
JPEG画像、5MB | 大きい! | でもdpi72で、画像サイズは600px。印刷では粗くて使えない… |
TIFF画像、20MB | 重すぎる? | 実は高解像度・CMYKで、ポスターにも使える超優良データ |
PDF、400KB | 軽くて良さそう! | フォント未埋め込み、RGB設定、リンク画像欠落で印刷NG… |
【まとめ】容量は“目安”にはなるけど、信用しすぎるのは危険!
-
重くても画質が悪い場合がある
-
軽くても印刷できる場合もある
-
重要なのは容量ではなく“中身の質”!
【印刷会社のおすすめチェックポイント】
容量を見る前に、まずはこの3つをチェック:
-
**画像サイズ(px)**が足りているか
-
**解像度(dpi)**は300以上あるか
-
**保存形式(拡張子)**が印刷に適しているか
→ これらが揃ってはじめて「印刷に使える画像」です!
第4章|Webと印刷では画像の“正解”がまったく違う!
「Webサイトで見たときはキレイだったのに、印刷したらなんかくすんでる…」
「PNGでロゴを用意したら、白い背景が出て変な感じになった…」
「スクショ画像をそのままチラシに使ったら、ガビガビだった…」
──そのトラブル、**“Webと印刷のルールの違い”**を知らなかったことが原因かもしれません。
そもそも、Web画像と印刷画像では設計思想が違う!
項目 | Web(ディスプレイ表示) | 印刷(紙に出力) |
---|---|---|
解像度 | 72dpi前後(軽量重視) | 300dpi以上(高精細) |
カラーモード | RGB(光で発色) | CMYK(インクで発色) |
ファイルサイズ | 軽いほど良い(ページ表示が速くなる) | ある程度重くてもOK(画質優先) |
拡張子 | JPEG / PNG / WebP | TIFF / PDF / EPS / AI など |
Webでキレイでも、印刷するとこうなる!
-
Web画像(例:1200px・72dpi・RGB)
→ 画面ではパリッとキレイ
→ 印刷すると解像度不足でボヤける、色がくすむ -
Webから拾ったロゴ(PNG・背景透過)
→ 印刷したら「背景白」「線がギザギザ」「色が違う!」
【NG例】Webから引っ張ってきた画像の失敗あるある
-
SNSに投稿していた画像をそのまま印刷 → 縦横が小さすぎて引き伸ばし不可
-
会社のホームページのロゴをスクショして入稿 → くすみ・ギザギザ・白背景付き
-
Web広告用のPNG画像をチラシに使用 → 色味がズレてクレーム発生!
【補足】“PNG最強説”は印刷では通用しない!
Webでは「透明背景OK」「軽くてキレイ」で最強クラスに便利なPNGですが、
印刷では以下の理由で要注意:
-
カラーモードがRGB固定 → 印刷でくすみが出やすい
-
解像度が72dpiのものが多い → 印刷には粗い
-
背景が正しく切り抜かれていない → 白背景が残ることも
【現場アドバイス】使い分けのコツ
Web用画像を印刷に流用するときは…
-
解像度を確認(300dpi以上あるか?)
-
カラーモードをCMYKに変換できるか?
-
元データがあるなら高解像度で再保存 or ベクター化を!
逆に、印刷用の画像をWebに使うと…
-
重すぎて読み込みに時間がかかる
-
色が濃く見える(CMYK→RGB変換で強調されがち)
→ 用途によって画像は完全に“別モノ”として準備するのが正解!
【まとめ】
-
Web画像と印刷画像は、見た目が似ていても中身は全然違う!
-
画面できれいでも、印刷すると「粗い・色が変・背景が白」になることがある
-
安心なのは用途別に画像を最適化して使い分けること!
-
わからなければ「この画像、印刷で使えますか?」と印刷会社に聞いてみよう!
【Web画像→印刷トラブル事例集】
事例①:「SNSの投稿画像をポスターに使いたい」
「インスタで使ってた画像、あれ使ってポスター作ってもらえますか?」
-
使用画像:1080×1080px・72dpi・JPEG
-
印刷サイズ:A2(420×594mm)
-
結果:引き伸ばすと粗くなり、ボヤけて見える
-
担当者コメント:「スマホだと綺麗だったのに…って言われました…」
事例②:「会社ロゴ、HPからスクショで拾って使いました」
「ロゴのデータがないので、ホームページからスクショしておきました」
-
使用画像:スクリーンショット(400px)・RGB・PNG
-
結果:線がギザギザ、色がくすむ、白背景が残る
-
印刷サイズ:名刺 or パンフ表紙
-
担当者コメント:「とりあえず使えるかと思ったんですけど…ダメですよね?」
事例③:「デザイナーがWeb用に軽くしてくれた画像で入稿」
「これ、デザイナーさんがWebと印刷両方使えるようにしてくれたやつです!」
-
実態:解像度72dpi、RGBカラー、軽量化強めのPNG
-
結果:色がくすみ、チラシ印刷で発色が濁る
-
担当者コメント:「RGBとCMYKの違い、知りませんでした…」
事例④:「LINEスタンプの画像をグッズに使いたい」
「LINEスタンプで使ったイラスト画像をマグカップにしたいんです!」
-
使用画像:PNG(370px × 320px・72dpi)
-
結果:プリント時に解像度が足りず、ボヤけた印象に
-
担当者コメント:「背景は透けてるけど、輪郭がフニャっとしてて…」
事例⑤:「ホームページ用バナーをそのままチラシに」
「バナー画像があるので、それをそのままチラシに使ってください!」
-
使用画像:JPEG・横600px・RGB・画質“中”で保存
-
結果:印刷するとシャギーが出て全体に荒く見える
-
担当者コメント:「使い回しできると思ったんだけどな…」
【まとめ:事例から学ぶ教訓】
-
小さい画像は引き伸ばすと必ず荒れる
-
RGB→CMYK変換で“色がくすむ”のは定番トラブル
-
スクショ・軽量化画像・Web素材は印刷に不向き!
→ 印刷には「最初から印刷用に作られた画像」が必要!
Webと印刷の“画像の正解”は、見た目以上に中身の設定が命です!
📝【逆転コラム】印刷データをそのままWebに使ってもいいの? → 重すぎ&色ズレ注意!
「せっかく作った印刷用の画像、Webでも使いたい」
「チラシ用にPDFを作ったから、ホームページにも貼っておこう」
そんな風に**“一石二鳥”的に使いたい気持ち**、よく分かります!
でも実は、印刷データをWebに流用するといくつか落とし穴があるんです。
主な問題点:
1. 容量が重すぎてWeb表示が遅くなる!
-
印刷用の画像(TIFF・高解像度JPEG・PDF)は、1ファイルが数MB〜数十MBになることも。
-
→ サイトの読み込みが遅くなり、SEO評価やユーザー体験が下がる原因に!
2. CMYKの色がWebで正しく表示されない!
-
印刷用はCMYK(インク)、WebはRGB(光)で色を表現。
-
CMYK画像をWebに貼ると、色がくすんで見えたり、誤って表示されることも。
3. サイズが無駄に大きく、スマホ表示が崩れる
-
印刷物用に350dpiで作った画像をWebに貼ると、見た目は同じでも読み込みデータは10倍超!
-
スマホ表示でズレたり、トリミングが必要になったりすることも。
【OKな使い方】印刷データをWeb用に変換して使おう!
元データ形式 | Web用変換方法 |
---|---|
IllustratorなどでWeb用JPEG/PNGに書き出し(RGB・72dpi推奨) | |
TIFF | PhotoshopでRGB・JPEGに変換、画質“中〜高”で軽量化 |
AI/EPS | ロゴ部分を切り出してSVGやPNGに書き出し(ベクター対応ならSVGが◎) |
【まとめ】印刷データ → Web利用は“変換前提”が基本!
-
そのまま使うと**「重い・くすむ・崩れる」**の三重苦!
-
RGB・72dpi・軽量サイズで再保存 or 書き出しがベスト!
-
同じ画像でも使い方に応じて“別物”として準備することが大切
第5章|PDFなら安心?印刷で通用するPDFとNGなPDFの違い
「PDFで保存してあるので、このまま印刷で使えますよね?」
「“とりあえずPDF”にしておけば間違いないと思ってました…」
──実はこの“PDF神話”、完全には信用できません。
PDFはたしかに便利で万能な形式ですが、作り方を間違えると印刷トラブルの元になるんです。
【落とし穴】PDFにも“使えるもの”と“使えないもの”がある!
PDFの出どころ | 安心度 | 印刷での注意点 |
---|---|---|
Illustrator/InDesign | ◎ | 書き出し設定で完全印刷対応可 |
Word・PowerPoint | △ | RGB/フォント問題/解像度不足 |
Canva・Webツール | △ | データ圧縮/トンボなし/非CMYK |
スキャンPDF | × | 解像度・カラーモード・文字品質すべて不明 |
謎のPDF(出どころ不明) | × | 中身を開くまで地雷 |
【具体例】PDFなのに印刷できなかった5つのパターン
-
フォントが埋め込まれておらず、印刷で文字化け
-
RGBカラーモードのままで、色味が大きくズレる
-
画像がリンク切れ or 低解像度でボヤける
-
塗り足し(3mm)やトンボが無くて断裁ズレ
-
サイズ設定ミスで余白・センタズレが発生
【正解】印刷で信頼できるPDFは“作り方”で決まる!
ベストなPDFの条件は以下の通り:
-
カラーモード:CMYK
-
解像度:300dpi以上
-
フォント:埋め込み or アウトライン化
-
トリムマーク(トンボ)あり
-
塗り足し:3mm設定済み
-
画像:リンク切れなし、埋め込み済
-
仕上がりサイズ:実寸でトンボ外に配置
【IllustratorからPDFを書き出すおすすめ設定】
-
「別名で保存」→形式で「Adobe PDF(*.pdf)」を選択
-
プリセットは「PDF/X-1a:2001」が基本(印刷会社により異なる)
-
「トンボと裁ち落とし」→「すべてのトンボにチェック」「裁ち落とし:上下左右3mm」
-
画像圧縮は「300dpi以上」推奨
【チェックリスト】そのPDF、印刷OKかどうか確認しよう!
項目 | チェック |
---|---|
CMYKカラーモードになっている? | □ |
フォントが埋め込まれている? | □ |
トンボと塗り足しが付いている? | □ |
解像度300dpi以上? | □ |
ファイルサイズが極端に軽すぎない? | □ |
Illustrator等で開いて内容確認できる? | □ |
【まとめ】PDFは万能じゃない。作り方が9割!
-
PDFだからといって印刷向きとは限らない!
-
特にWord/Canva/スキャンPDFは要注意!
-
安心できるPDFは**“正しい設定”で書き出したものだけ**
-
不安な場合は「PDF確認してください」と印刷会社に一報を!
【補足】PDFなのに印刷できなかったリアル事例集
① フォントが埋め込まれておらず、印刷で文字化け
「PDFにしたから大丈夫だと思ってました(Wordで作成)」
-
現象:印刷時に一部の文字が□□や別フォントに
-
原因:フォントがPDFに埋め込まれておらず、環境依存
-
対策:PDF化前にフォント埋め込み or Illustratorならアウトライン化
② RGBカラーモードのままで、色味が大きくズレる
「チラシの青が、印刷したら紫っぽくてショックでした…」
-
現象:画面では鮮やかな青、印刷するとくすんだ色に
-
原因:PDFのカラーモードがRGB設定のまま
-
対策:CMYKに変換してから書き出しが必要。特に青・赤・蛍光系は要注意!
③ 画像がリンク切れ or 低解像度でボヤける
「PDF上では問題なかったのに、印刷したら写真が荒くて…」
-
現象:写真部分だけがぼやけて見える
-
原因:リンク画像が低解像度 or PDFに埋め込まれていない
-
対策:画像を300dpiで埋め込み直し+「高画質」で保存すること
④ トンボ・塗り足しが無くて断裁ズレ
「まわりのデザインが切れちゃってて変です!」
-
現象:印刷後、デザインのフチが切れたり中途半端に残ったり
-
原因:塗り足しなし&トンボなしのPDFで入稿
-
対策:上下左右3mmの塗り足し+トンボ設定を必ず入れる
⑤ サイズ設定ミスで余白・センタズレが発生
「なんか仕上がりがズレてる気が…」
-
現象:印刷物の端に白いフチ/中心がずれている
-
原因:A4のつもりでB5サイズデータを中央配置したPDF
-
対策:仕上がりサイズぴったりで作成+トンボの外側に配置
【補足まとめ】PDFでよくある“つもりミス”に注意!
-
「PDF=安心」と思い込みがちな人ほど要注意!
-
PDFはファイル形式が同じでも“中身の設定”でまるで別物
-
特に「カラーモード」「フォント」「トンボ」「画像の埋め込み」はトラブル常連
第6章|画像データにまつわるQ&A誤解あるある【30秒で解決!】
画像の拡張子・保存形式・変換方法に関して、
**「なんとなくこうだと思ってた」**が実は間違い…ということ、ありませんか?
ここでは、印刷会社がよく聞かれる質問を「Q&A形式」でまとめて一気に解決します!
Q1. 拡張子を変えれば形式も変わるよね?
A. 変わりません!
ファイル名の「.jpg」を「.png」に変えても中身はそのまま。
正しい形式にしたいなら、画像編集ソフトで「書き出し」or「保存形式変更」が必要です!
Q2. イラストレーターがなくてもPDFで保存すればAIデータになる?
A. なりません。
PDFにしても、AIデータとは全く別モノ。
中身がベクターでなければ拡大してもギザギザになります。
Illustratorで制作されたPDFのみ、AIとほぼ同等と考えてOK。
Q3. Illustratorに画像を貼ってPDF保存すれば、それってイラレデータ?
A. “見た目だけイラレ”です。
リンク画像を貼っただけでは、画像自体は埋まっていません。
「画像の埋め込み」or「トレースしてベクター化」して、初めて“印刷用イラレデータ”になります。
Q4. PDFをイラストレーターに戻して編集できますか?
A. できる場合もあるけど、壊れることが多いです。
フォントが置き換わったり、レイアウトが崩れたり、透明効果が分解されたり…。
PDFは“完成形”であって、編集前提ではありません!
Q5. PNGの背景が白くなった!どうして?
A. 印刷では“透明”が正しく反映されないことも。
Webでは透明に見えても、印刷時には白として出力されることがあります。
画像編集ソフトで背景確認を、またベクター形式の使用を推奨。
Q6. JPEGって何回も保存してると画質落ちるの?
A. はい、落ちます。
JPEGは非可逆圧縮。保存するたびにデータが再圧縮され、画質が劣化します。
編集作業中はPSDやTIFF形式を使い、最終保存時のみJPEGにすると◎。
Q7. Wordで作った画像をPDFにしたから印刷に使えるよね?
A. それ、危ないです!
-
RGBカラー
-
フォント未埋め込み
-
解像度不足
→ 印刷事故の三大要因が揃ってるかも!
Q8. ホームページの画像って自由に使ってOK?
A. 著作権・肖像権の問題があるので基本NGです!
特にロゴ・人物写真・芸能人画像などは危険です。
エンドユーザーからの正式支給 or 使用許可が必要です!
Q9. LINEスタンプ用の画像でステッカーは作れる?
A. 小さい画像だと画質が足りません。
72dpi・300px前後の画像では印刷には不向き。
できるだけ大きく、300dpi以上の元データを用意しましょう。
Q10. Web用のJPEGをポスターに使いたいんだけど…
A. 拡大すると絶対に荒れます!
Web用のJPEGは基本72dpi。
印刷は300dpi以上が必要なので、引き伸ばすとガビガビ確定です。
Q11. PNGって透過できるから、ロゴはこれでいいでしょ?
A. 応急処置にはなりますが、印刷では限界あります!
PNGは拡大に弱く、RGBしか使えないため、色ズレやボヤけが発生しがち。
印刷用にはAIやEPSのベクター形式がベスト!
Q12. DPIは300に設定してあれば、どんな画像でも印刷に使える?
A. 画像サイズ(ピクセル)が足りないと意味ありません!
たとえば「300dpi/500×300px」の画像をA4に引き伸ばすとボヤけます。
dpi × ピクセルサイズの掛け算で“実寸解像度”を確認しましょう。
Q13. JPEGってどうして圧縮すると画質が悪くなるの?
A. “非可逆圧縮”だからです。
一度削ったデータは戻りません。
何度も保存しているうちに、ザラつきやにじみが増えていきます。
Q14. Web用画像って、印刷にも使えるように最初から作っておいた方がいい?
A. 基本は“分けて作る”のが正解!
Webは軽くて表示優先、印刷は解像度・色再現優先。
両立は難しいので、別々に用意するのがベストです!
Q15. AIデータって、持ってないとロゴ作れませんか?
A. 今ある画像から“トレース”してAI化する方法もあります!
画質の良いロゴ画像があれば、**印刷会社やデザイナーがAI形式に再構築(ベクター化)**することが可能です。
Q16. スキャンした紙の画像を使って印刷しても大丈夫?
A. 解像度・カラーモード・歪みに注意です!
スキャン画像はRGB・低dpi・歪みありのことが多いです。
使うなら、Photoshopなどで補正作業が必要になります。
Q17. PDFって“全部1ページにまとまってる”のが便利なんじゃないの?
A. それ、デザインレイアウトには逆効果になることも。
1ページずつレイアウト確認や修正ができなくなるため、
制作や印刷ではページごとに管理できる形式(AI/InDesignなど)が好まれることも多いです。
Q18. 色が違って見えるのって、モニターのせい?
A. モニターと印刷物では“発色原理”がそもそも違います!
-
モニター:RGB(光)
-
印刷物:CMYK(インク)
特に鮮やかなブルー・レッド・グリーンは印刷では再現不可な色域が多いです。
Q19. スマホのカメラ画像を印刷に使ってもOK?
A. 条件次第でOK!でも“サイズと保存形式”に注意!
最新スマホなら3000px超の画像も撮れますが、
保存形式がHEIC/低画質JPEGになっていると、印刷時に劣化や色ズレの原因に。
Q20. PDFの画質って、保存時の設定で変わるの?
A. めちゃくちゃ変わります!
“最小ファイルサイズ”や“Web表示用”で保存すると、画像が圧縮・劣化されます。
印刷には**「高画質(印刷品質)」設定 or PDF/X準拠で保存**を!
第7章|ロゴ画像しかない…印刷できる? → ベクター化しよう!
「ロゴマークの元データがなくて、画像しか持ってません…」
「JPEGでしかもらってないんですけど、印刷に使えますか?」
──これ、印刷現場でめちゃくちゃ多い質問です。
結論から言うと、条件付きで使える場合もあるけれど、安心できるのは“ベクターデータ”です!
画像しかないロゴって、印刷で何が問題?
1. 拡大するとギザギザになる(劣化する)
JPEG・PNGは**“ラスター形式(ドットの集まり)”**なので、拡大すると画像が荒れます。
2. 背景が白い/切り抜けない
とくにJPEGは背景が常に白。PNGでも背景の透明処理が中途半端なことも多いです。
3. カラーモードや解像度が不明
RGBのまま印刷に使って色ズレや発色不良が起こるケースが頻発します。
【チェックリスト】手持ちのロゴ画像、こんな状態じゃない?
-
「サイズが小さい(500px以下)」
-
「背景が白い or 透過できない」
-
「線がぼやけている・文字が潰れている」
-
「AIデータって言われても何それ?って思ってる」
→ ひとつでも当てはまるなら、そのまま印刷に使うのはリスク高め!
解決策=ベクター化(トレース)!
ベクター化とは、ロゴやイラストを線と点の情報で再構成すること。
どれだけ拡大してもギザギザにならず、印刷にぴったりな“無敵ロゴ”になります。
項目 | ラスターデータ(JPEG/PNG) | ベクターデータ(AI/EPS) |
---|---|---|
拡大縮小 | 劣化する | 劣化しない |
背景 | 白 or 不完全透過 | 完全透過可 |
色の変更 | 難しい | 簡単 |
印刷適性 | △ | ◎ |
修正・再利用 | 制限あり | 自由自在 |
ベクター化のやり方(あなたがやる場合)
-
Illustratorで画像を開き、「画像トレース」→「拡張」→「パス化」
-
線や色を確認・修正して保存(.ai形式)
※ただし、自動トレースは文字が崩れたり、細かい再現が難しい場合あり。
ベクター化を依頼したいときは?
印刷会社やデザイン事務所に依頼すれば、**画像を元にプロがロゴを再作成(トレース)**してくれます。
-
相場:3,000〜10,000円前後(難易度による)
-
あったほうがいい情報:
-
使っているフォント名(わかれば)
-
配色指定(企業カラーなど)
-
高画質の元画像(できれば1,000px以上)
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【補足】一度ベクター化しておけば一生使える!
名刺、チラシ、Tシャツ、のぼり、看板、WEBバナー…
ロゴはすべての媒体に使う“ブランドの顔”です。
だからこそ、ちゃんとしたデータを1個持っておくと未来のあなたが助かります!
【まとめ】
-
JPEGやPNGしかないロゴは印刷に不向きなことが多い!
-
印刷ではベクター形式(AI/EPS)が最強
-
自力での変換もできるが、クオリティを求めるなら印刷会社に依頼が安心
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ベクター化すれば、ロゴは一生モノの資産に!
第8章|Webから拾った画像って使っていいの? → 著作権・肖像権の落とし穴
「この画像、会社のホームページから拾って使えばいいよね?」
「フリー素材っぽいし大丈夫でしょ?」
「芸能人の写真、ネットに出てるから使ってもいいんじゃない?」
──その発想、印刷物では要注意です!
Web上にある画像の多くには、著作権・肖像権・商用利用制限が存在します。
知らずに使ってしまうと、トラブル・法的リスク・ブランド毀損に繋がることも。
【NG行動あるある】よくある「やっちゃダメ」な使い方
1. ホームページにある会社のロゴをスクショしてチラシに使用
→ ロゴには著作権・商標権がある。正式支給 or 使用許諾が必要!
2. 芸能人や有名人の画像をキャンペーンPOPに
→ 肖像権侵害の可能性大!広告使用には契約や事務所の許可が必須
3. Google画像検索で見つけた風景写真をパンフレットに
→ 多くの画像が誰かの著作物。フリー素材サイトからの入手が原則!
4. 社長の顔写真を社員が勝手に使う
→ 社内であっても**“肖像権の許可”は基本的に必要**(事前承諾を取るのがベスト)
【専門用語チェック】
用語 | 意味 | 印刷での関係性 |
---|---|---|
著作権 | 写真やロゴ・イラストなど創作物の“所有権” | 勝手に使うと“無断使用”に |
肖像権 | 個人の顔・姿に関する権利 | 無断使用でトラブルに発展 |
商用利用 | 商業目的で使うこと | 「フリー素材」でも“商用NG”の場合あり |
使用許諾 | 正式な「使っていいよ」の合意 | 契約・ライセンス確認が必要 |
【Q&A】どこまでならOK?なグレーゾーンも解説!
Q. ホームページのロゴ画像、勝手に使っちゃダメ?
→ ダメです。必ず“正式なロゴデータをもらう”のが正解。
Q. フリー素材なら何でも使える?
→ 利用規約を必ず確認!「商用NG」「加工NG」「クレジット必須」の素材もあります。
Q. 自分が写ってる写真なら自由に使える?
→ 他の人が写っている場合、その人の同意がないとNGになることも!
Q. 社内で使う資料なら、どこから拾った画像でもOK?
→ 内部利用でも“公的な場に出る可能性”があるならアウト。無断使用は避けよう!
【対策】安心して画像を使うための3ステップ
-
「出所が明確」な画像を使う
→ ロゴ・写真はエンドユーザーから正式支給 -
フリー素材は「商用OK・クレジット不要」のサイトを使う
→ 例:いらすとや、O-DAN、Pixabay、Unsplash(利用規約をチェック!) -
不安なら印刷会社に確認を!
→ 「この画像使って大丈夫?」と聞くだけでトラブル回避できます!
【まとめ】
-
Webにある画像=自由に使える、ではありません!
-
ロゴ・写真・人物画像には著作権・肖像権・商標権などのリスクがつきもの
-
安心なのは「正式支給」or「商用OKな素材」だけ!
-
わからなければ印刷会社に相談!プロの目でチェックします!
第9章|目的別:画像保存形式の正解早見表【すぐ使える!】
画像を扱う場面はたくさんありますが、「保存形式の正解」は用途によってまったく違います。
この章では、よくある使用シーン別に、最適な画像形式+注意点を一覧にして紹介します!
【早見表】使用目的別・保存形式のおすすめ
使用目的 | 推奨形式 | 理由・ポイント |
---|---|---|
写真を印刷したい(チラシ・ポスター) | JPEG(高画質) / TIFF | 軽くて使いやすいJPEG、最高画質ならTIFF。解像度300dpi以上必須。 |
ロゴを名刺やチラシに使いたい | AI / EPS / 高解像度PNG(応急) | ベクター形式が最強。PNGは背景透過・応急処置用。 |
チラシ・パンフレットを入稿したい | PDF(CMYK、フォント埋込、トンボ付き) | レイアウト保持に強く、印刷会社でも扱いやすい。 |
Tシャツ・ステッカー・のぼりを作りたい | PSD(統合済) / TIFF / PNG | 印刷用データ(CMYK)+透明対応ならPNG。ベクター対応ならAIも可。 |
SNSやブログ用に画像を投稿したい | JPEG / PNG(小サイズ) | 軽さ優先。横幅1200px程度で十分。PNGはアイコン・イラスト向け。 |
ホームページのバナー・ボタン | PNG / WebP | 軽量+透明対応。WebPは最近の主流(ただし印刷には非対応)。 |
LINEスタンプ・アプリ素材 | PNG(透過・正方形) | 背景透過必須。300px〜500pxの72dpiでOK。印刷流用は注意。 |
社内資料・プレゼン | PNG / JPEG / PDF | 軽くて扱いやすい形式。印刷前提でなければ圧縮優先でOK。 |
【ケース別補足アドバイス】
■ チラシ制作中:「Illustratorで作ったんだけど、PDFにするべき?」
→ 入稿前には「PDF/X-1a」など印刷用設定で書き出しを!
塗り足し・トンボ・CMYK・フォントアウトラインを忘れずに!
■ ロゴがPNGしかないけど、A3ポスターに使いたい…
→ PNGは印刷に弱いので、可能ならベクター化(AI/EPS)推奨!
最低でも2000px以上+300dpi確保を。
■ スキャンした手書き絵をTシャツに使いたい
→ 解像度600dpi以上+TIFF or PSD形式で保存。
ベクター化(線画トレース)も検討を!
【ポイントまとめ】
-
印刷なら「高解像度・CMYK・非圧縮系」が基本
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WebやSNSは「軽さと見た目」が最優先
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ロゴや重要ビジュアルは、一度ベクター形式で作っておくと一生使える!
-
よくあるのは「JPEGとPNGだけでどうにかしようとするミス」→ 用途に応じた形式選びを!
第10章|印刷会社が教える!画像入稿前チェックリスト【プロ仕様の25項目付き】
画像データの入稿時、「このままで大丈夫かな…?」と不安になること、ありませんか?
印刷会社としても「これさえチェックしてもらえればOK!」というポイントが実はあります。
そこで今回は、**印刷現場で実際に確認している“超リアルな25項目”**をまるごとご紹介!
印刷に出す前の“最後の砦”として使える保存版チェックリストです。
【これだけ確認!完全入稿チェックリスト】
チェック項目 | OK? | 補足解説 |
---|---|---|
画像サイズ(px)は実寸に対応しているか? | □ | A4なら横2500px以上が目安 |
解像度は300dpi以上か? | □ | Web画像(72dpi)は印刷に不向き |
保存形式は印刷向き(AI/PDF/TIFFなど)になっているか? | □ | JPEG/PNGのみはリスクあり |
拡張子を“名前だけ”変えていないか? | □ | ファイル名変更だけでは形式は変わらない |
カラーモードはCMYKになっているか? | □ | RGBは色くすみやズレの原因に |
使用画像はリンク切れしていないか? | □ | Illustrator配置画像は「埋め込み」が安心 |
フォントは埋め込み or アウトライン化されているか? | □ | PDFでの文字化け回避に必須 |
トンボ(トリムマーク)が付いているか? | □ | 名刺・チラシ・パンフ等で必須 |
塗り足し(上下左右3mm)が設定されているか? | □ | 背景を端まで印刷するために必要 |
仕上がりサイズが正確に設定されているか? | □ | A4、B5など実寸確認必須 |
ファイル容量が小さすぎないか?(500KB以下は注意) | □ | データが軽すぎる=劣化の可能性 |
PDF書き出し時「PDF/X-1a:2001」などを使っているか? | □ | 印刷用標準設定でトラブル防止 |
PNG画像の背景が意図通りか?(透過 or 白) | □ | 白背景が印刷されてしまうことも |
JPEG画像が高画質保存されているか? | □ | “画質:低”保存では劣化が目立つ |
ロゴはベクター形式(AI/EPS)で用意しているか? | □ | PNGは応急処置。AIなら安心 |
スキャン画像は解像度600dpi以上か? | □ | 印刷には高解像度スキャンを推奨 |
スクリーンショットを使っていないか? | □ | 小さい・RGB・低dpiでNG率高し |
文字やロゴが断裁位置ギリギリに来ていないか? | □ | 最低3mm以上内側に配置 |
複数ページデータは順番・ページ数にミスがないか? | □ | PDFの誤ページあるある |
ファイル名が明確でバージョン管理されているか? | □ | 「最終」「最新版」など避ける |
最新のデータであることを再確認したか? | □ | 前バージョンの誤送信に注意 |
使用素材の著作権・肖像権の確認は済んでいるか? | □ | 無断使用は絶対にNG! |
トリム外に大事な要素(文字・ロゴ)がはみ出ていないか? | □ | 切れても困らない配置に |
RGBカラーのままでPDF保存していないか? | □ | 印刷用ならCMYK変換必須 |
プリントアウト or 実寸表示で最終確認をしたか? | □ | モニター上だけで判断しない! |
【印刷会社からのアドバイス】
「画像は、見た目より“中身”が勝負です!」
トラブルの多くは、形式や解像度、埋め込み忘れといったほんのひと手間の確認不足が原因。
不安なときは、印刷会社に聞いてください。何度でも、どんな些細なことでも。
【まとめ】画像入稿の“最終確認”はこの章だけでOK!
-
形式・解像度・カラー・配置・背景・フォントなど、印刷品質を決める項目が満載!
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「PDFにしたから大丈夫」ではなく、「PDFの中身が大丈夫か」が大事!
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このチェックリストをプリントして貼っておけば、もう画像トラブルに怯えることはありません!
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