Illustrator・PDF入稿完全ガイド|印刷会社が教えるネット印刷データ作成&トラブル防止チェックリスト【保存版】

「ネット印刷なら楽勝」…と思って入稿して、ミスったことありませんか?

最近では、ネット印刷サービスの普及により、誰でも手軽に印刷物を注文できるようになりました。
価格も安く、納期も早く、データをアップロードするだけ。対面でのやり取りも不要。
本当に便利な時代になりました。

でも、だからこそ――「データ入稿のミス」はすべて自分の責任です。

印刷会社から「このデータでは印刷できません」と言われることもなければ、デザイナーや営業担当が「ここ直しておきますね」と修正してくれることもない。
入稿したデータがそのまま印刷され、もしトラブルが起きても「ご自身のご確認不足となります」と書かれてしまうのが、ネット印刷のリアルなのです。

実際、ネット印刷に慣れている方でもこんなミスがよくあります:

  • フォントをアウトライン化せず、文字が化けた

  • リンク画像を埋め込まず、白く抜けた

  • RGBカラーのままで入稿し、色味が違った

  • トンボや塗り足しがなく、仕上がりに白フチが出た

  • 解像度不足の画像が使われ、ぼやけた仕上がりに…

しかも、納品されるまで気づかない
そして印刷はやり直しがきかない。これは、本当に多いトラブルです。

そんな不安を感じているあなたのために、印刷会社・新潟フレキソがプロの現場目線で“ミスしないデータ入稿の極意”をまとめました。

  • Illustrator(イラレ)での正しいデータ作成方法

  • PDFで入稿するときの形式・注意点

  • よくあるミスとその原因・対策

  • 入稿前の最終チェックリスト

  • 仕様書って必要?何を書けばいい?

これらを初心者でもわかるように、やさしく、でも抜けなく、完全保存版でご紹介します。

ネット印刷を最大限に活用したい方、もう二度とデータミスで時間もお金もムダにしたくない方。
ぜひこの記事を読んで、“印刷トラブルゼロ”のデータ入稿デビューを目指しましょう。

Illustrator・PDF入稿トラブル防止マニュアル

関連記事はこちらから▶画像拡張子・保存形式・解像度の違いと正解がわかる完全ガイド|JPEG・PNG・PDFも徹底解説【保存版】


第1章|データ入稿とは?ネット印刷時代にこそ知っておくべき基本

データを送るだけ。それが「入稿」です。

「入稿(にゅうこう)」という言葉、なんとなく分かっているつもりでも、いざネット印刷を使おうとすると「これで合ってる?」「本当に大丈夫?」と不安になりますよね。
入稿とは、印刷物として仕上げるためのデータを、印刷会社へ提出すること。アナログ時代には、手書き原稿や写植、フィルムなどを物理的に渡すのが一般的でしたが、今はIllustrator(.ai)やPDF(.pdf)などのデジタルデータが主流です。

ネット印刷の場合、この入稿がすべてオンラインで完結するため、顔を合わせることなく、データだけでやり取りが進みます
便利な反面、ちょっとした設定ミスや不備があっても誰も気づかず、そのまま印刷されてしまうリスクがあるという点に注意が必要です。


なぜ「入稿」がそんなに重要なのか?

「データを送って、あとは印刷会社に任せれば大丈夫」
そんなふうに思っていませんか?
実はこの考え方、ネット印刷時代には大きな落とし穴です。

印刷会社は、受け取ったデータを「そのまま」印刷します。
つまり、アウトライン化されていない文字は別のフォントに置き換わる可能性があるし、画像のリンクが切れていれば白く抜けるかもしれません。
カラーモードがRGBのままだと、画面で見た色と全然違う色で印刷されてしまうことも。

こういったトラブルを防ぐには、「入稿データが“印刷可能な状態”かどうか」を送る側がしっかり確認しておく必要があるんです。
つまり、「データを渡したら終わり」ではなく、正しい“入稿”をして初めて印刷がスタートできるというわけです。


よく使われる入稿データ形式とは?

現在、ネット印刷や商業印刷の現場で多く使われている入稿形式は以下の2つです。

1. Illustrator(.ai)形式

Adobe Illustratorで制作したネイティブデータをそのまま入稿する形式です。
自由度が高く、細かな調整がしやすい一方で、フォント・画像リンク・塗り足し・カラーモードなど設定項目が多く、初心者にはややハードルが高めです。

2. PDF(.pdf)形式

どんな環境でもレイアウト崩れが起きにくく、印刷所でも扱いやすいデータ形式。特にPDF/X-1a形式は印刷用に最適化されており、ネット印刷でもよく指定されています。
Illustratorから書き出す際の設定を正しく行えば、比較的安全・確実に入稿できるのがPDFの魅力です。


入稿前に気をつけるべきこととは?

どちらの形式で入稿する場合でも、「正しい設定」と「最終チェック」が重要です。
特に以下の項目は、毎回の入稿前に必ず確認しておきたいポイントです。

  • フォントはすべてアウトライン化されているか?

  • カラーモードはCMYKか?

  • トンボや塗り足しは設定されているか?

  • 画像が埋め込み or リンク同梱されているか?

ネット印刷では「自己完結型」が基本です。だからこそ、データミス=仕上がりミス=自分の責任になります。
そんな事態を防ぐには、「入稿」の意味を正しく理解し、準備万全で臨むことがなにより大切です。


【保存版】データ入稿チェックリスト|Illustrator・PDF共通

チェック項目 解説 チェック欄
フォントはすべてアウトライン化されているか? 他環境での文字化け防止。PDFも埋め込み設定要確認。
画像は埋め込み or リンク画像を同梱しているか? リンク切れや白抜けを防ぐ。
カラーモードはCMYKになっているか? RGBだと色味が大きく変わる可能性あり。
トンボ(トリムマーク)は設定されているか? 断裁位置の目印。仕上がりサイズの明示に必須。
塗り足し(天地左右3mm)が設定されているか? 断裁ズレ対策。必ず3mm以上取ること。
解像度は適切か?(画像:原寸300~350dpi以上) 低解像度だと印刷時にボケる。
不要なレイヤー・ガイド線・オブジェクトは削除済みか? トラブルや誤印刷の元。納品前に整理。
ファイル名が明確か?(例:A4_omote_202504.pdf) 表裏・日付・サイズなどを明記すると管理しやすい。
仕様書や指示メモを添えているか? 加工・枚数・用紙などの指定を明記。
zip圧縮されているか? フォルダ内まとめ・容量対策として推奨。

第2章|Illustrator入稿でよくあるミス&その対策【超・実践編】

Illustrator(イラストレーター)はプロも使う高機能なソフトですが、“印刷に出すためのデータ”としては注意すべきポイントが山ほどあります。
特にネット印刷では「完全データ」前提なので、ミスはすべて自己責任…。
ここでは、**印刷会社の現場で本当に多い入稿トラブルと、その“実践的な対策”**をとことん解説します!


【ミス1】アウトライン化を忘れて文字が化ける

トラブル詳細:

「このフォントかっこいい!」と選んだはずの文字が、印刷されたらまったく違うデザインに変わっている…。
これは、使用フォントが入稿先に無かったため、勝手に置き換えられたケースです。

対策ステップ:

  1. アウトライン化とは?
     フォント情報を「図形(パス)」に変換することで、どの環境でも表示崩れが起きなくなる処理。

  2. やり方:
     - Ctrl + A(全選択)
     - 書式 → アウトラインを作成(または右クリック → アウトライン作成)

  3. 確認ポイント:
     - アウトライン化されていれば、テキストツールで選択できなくなります。
     - 変換後は元の文字情報が失われるので、.ai形式で「非アウトライン版」も必ず保存しておきましょう。

  4. 応用:PDFでフォント埋め込みする場合
     - アウトラインせずPDFで入稿したいときは、PDF書き出し時に「フォントをすべて埋め込む」設定が必要。
     - ただし、一部のフリーフォント・商用制限フォントは埋め込みできない場合があるので要注意。


【ミス2】リンク画像を忘れて白抜けトラブル!

トラブル詳細:

見た目は画像が配置されていたのに、印刷されたものには真っ白な空間が…。これは「リンク画像の添付忘れ」が原因。

Illustratorはデフォルトで画像を「リンク」配置します。つまり見た目だけで、実際のファイルは別扱い。

対策ステップ:

  1. リンクパネルの確認方法:
     - ウィンドウ → リンク を開き、すべての画像に「リンクアイコン」がついていないか確認。

  2. 埋め込みにする方法:
     - リンクパネルで画像を選択 → メニューから「画像を埋め込み」
     - これで .ai ファイル内に画像が完全に内包されます。

  3. あえてリンクのまま送る場合:
     - .aiファイルとすべての画像ファイルをひとつのフォルダにまとめてzip圧縮
     - 入稿時の備考欄に「リンク画像同梱済み」と書いておくと親切

  4. 画像管理のコツ:
     - 画像のファイル名は「logo.jpg」「main_visual.png」など用途がわかる名称にしておくと、印刷会社でも安心!


【ミス3】トンボ・塗り足しがない→断裁ズレで白フチ地獄

トラブル詳細:

仕上がったチラシに、想定外の白フチが出現…これは「塗り足しなし」「トンボなし」が原因です。

塗り足しは、仕上がりサイズより3mm以上余白を広げて色や画像を伸ばすこと。
断裁ズレが出てもフチが見えないようにするための“印刷の常識”です。

対策ステップ:

  1. トンボの意味:
     トリムマークとも呼ばれ、「ここで断裁します」という目印。これがないと仕上がりサイズが正しく判別されません。

  2. 塗り足しの設定方法:
     - Illustratorの「アートボード設定」で上下左右3mmの塗り足しエリアを作成
     - デザイン(背景や写真)を必ずこの3mmの外側まで伸ばす

  3. PDF保存時の注意:
     - 書き出し時に「トンボをつける」「裁ち落とし設定:3mm」を忘れずON
     - プリセットでは反映されないこともあるので、出力設定を毎回確認する癖をつけましょう

  4. テンプレート活用術:
     - 多くの印刷会社では「トンボ付きテンプレート(AI)」を配布しています
     - 不安な場合は公式テンプレートをダウンロードして、その上にデザインを載せるのが最も安全!


【ミス4】RGBカラーのまま入稿→色味が全然違う!

トラブル詳細:

画面で見ていた鮮やかな赤が、印刷したら暗く、くすんだような色に…
これは、RGBカラーモードのまま入稿したために、印刷工程で自動CMYK変換されたことによる色ズレです。

対策ステップ:

  1. RGBとCMYKの違い:
     - RGB:光の三原色。PCやスマホの画面表示用。鮮やか。
     - CMYK:印刷の4色。インクで色を表現するため、若干沈んだ色味に。

  2. 変換方法:
     - Illustratorで「ファイル → ドキュメントのカラーモード → CMYKカラー」を選択
     - 貼り付ける画像もPhotoshopでCMYK変換してから使うのがベスト!

  3. カラープロファイル管理:
     - 特にこだわりの色がある場合は、印刷会社の推奨プロファイル(例:JapanColor 2001 Coated)を使用
     - 不安な方は、本番前に校正刷り(試し刷り)を依頼するのもアリ!


【ミス5】効果が崩れる!ラスタライズ・透明処理の落とし穴

トラブル詳細:

「ドロップシャドウ」や「ぼかし」を使ったのに、印刷したら**四角いグレーの謎エリアが出た…**これはラスタライズや透明効果が正しく処理されなかった典型例です。

対策ステップ:

  1. ラスタライズとは?
     ベクター(線や図形)をピクセル画像に変換する処理。解像度が低いとギザギザやにじみが発生します。

  2. 設定の見直し:
     - Illustratorで「効果 → ドキュメントのラスタライズ効果設定」を開く
     - 解像度を「高解像度(300ppi以上)」に設定する

  3. 効果を使うときの注意:
     - 複雑な透明効果や重ね処理は、Photoshopなどで一度画像化してから貼るとトラブル回避できる
     - 印刷前に「分版プレビュー」や「分割・統合プレビュー」で確認するのもおすすめ


Illustrator入稿トラブル防止の“黄金ルール”まとめ

項目 チェック内容
フォント すべてアウトライン化(もしくはPDFで埋め込み)
画像 埋め込み or 同梱(リンク切れ注意)
カラーモード 必ずCMYKに変換
塗り足し 各辺3mm以上、背景はその外まで
トンボ 書き出し時にトンボON設定
解像度 効果使用時はラスタライズ300ppi以上
PDF化 PDF/X-1aで保存&トンボ・塗り足し設定必須

この章を読み終えたあなたは、もはや「なんとなくイラレで作った」状態から脱却できました。
正しいデータ入稿は、仕上がりの美しさにも直結します。
次章では、PDF入稿でのミス防止法をじっくり解説していきます!


第3章|PDF入稿でミスしないためのポイント【完全保存版】

Illustratorで作ったデータをPDFに変換して入稿する――
これは、今やネット印刷の主流スタイルです。データ容量が軽く、パソコンの環境に左右されにくいため、多くの印刷会社が推奨しています。

しかし!
「PDFにしたから安心」は大間違い。
設定を間違えたまま保存すれば、「文字が変わった」「色が変わった」「断裁ずれて白フチが…」なんて事故が、PDFでも余裕で起きます。

だからこそ、PDF入稿にも“印刷用の正しい作法”があるのです。


なぜPDF/X-1a形式なのか?

印刷業界でスタンダードな入稿形式、それが**「PDF/X-1a:2001」
これは通常のPDFとは違い、
「印刷用に最適化された厳格な仕様」**をもつ特別なフォーマットです。

【PDF/X-1aの特徴】

  • フォントはすべて埋め込み必須(アウトラインも可)

  • カラーモードはCMYK限定(RGBは不可)

  • レイヤー・マルチメディア・透過表現NG(崩れの元)

  • 出力時の環境に左右されず、印刷仕上がりの安定性が高い

つまり、「PDF/X-1aで正しく保存すれば、印刷所に迷惑をかけない“完全データ”になる」のです。


【実例】PDF入稿でよくあるトラブル&その解決策

ミス1:RGBカラーのまま保存して色がくすむ

原因: Illustratorのドキュメント設定や配置画像がRGBのまま
結果: 自動CMYK変換されて、色が沈む・くすむ・濁る

解決策:

  1. Illustratorのメニュー「ファイル→ドキュメントのカラーモード」でCMYKカラーを選択

  2. 配置画像もPhotoshopでCMYK変換済みのものを使う(貼り付け前に)

  3. PDF書き出し時は「カラーマネジメント設定」でも**CMYKプロファイル(Japan Color 2001 Coatedなど)**を指定


ミス2:フォントが埋め込まれておらず文字化け

原因: 書き出し時にフォントが部分的にしか保存されておらず、PC環境によって置き換わってしまう

解決策:

  1. Illustrator上で「すべてアウトライン化」すれば最強(編集は不可になる)

  2. または、PDF保存時に「フォントをすべて埋め込む」にチェックを入れる(ただし、フリーフォントは埋め込めないことも)


ミス3:トンボ・塗り足しがPDFに反映されていない

原因: 書き出し時に裁ち落とし設定をしなかった or 塗り足しエリアがデザインされていなかった

解決策:

  1. Illustrator上でアートボードに対し天地左右3mmの塗り足しを設定&デザインを伸ばす

  2. PDF保存時に「トンボと裁ち落とし」→ トンボ全選択&塗り足し3mmを必ず設定!


ミス4:影やぼかしが崩れる、謎の四角が出る

原因: Illustratorの「透明効果」や「ドロップシャドウ」がPDF保存時に正しく処理されなかった

解決策:

  1. 書き出し前に「ラスタライズ効果設定 → 高解像度(300ppi以上)」に設定

  2. 複雑な効果は、Photoshopで画像化してから貼るとトラブル防止になる

  3. 書き出したPDFは、プリフライト(Acrobat)やプレビューでチェック


【実践】IllustratorからPDF/X-1a:2001を書き出す正しい手順

  1. Illustratorでデータ完成 → 「ファイル → 別名保存

  2. 保存形式を「Adobe PDF(.pdf)」にし、プリセットで「PDF/X-1a:2001」を選択

  3. 各タブで以下を確認:
    一般: 編集機能はオフ、PDF/X-1a:2001選択
     - 圧縮: 画像は300ppi以上推奨、ダウンサンプルを抑える
     - 出力: CMYK変換指定、カラープロファイルを印刷会社指定に
     - トンボと裁ち落とし: トンボON、塗り足し3mm設定

  4. 最終確認後、保存をクリック


【チェックリスト付き】PDF入稿前の最終確認10項目

No. チェック項目 内容 OK?
1 ドキュメントのカラーモードはCMYKか? RGBのままはNG!
2 配置画像もCMYKに変換済みか? 画像ごとRGBだと危険!
3 フォントはすべてアウトライン化 or 埋め込みされているか? 化けないように
4 トンボ(トリムマーク)はPDFに出力されているか? 断裁の基準になる
5 塗り足し(3mm以上)が正しく設定されているか? 白フチ防止
6 効果(影・ぼかし)は正しく表示されているか? ラスタライズ設定確認
7 解像度は原寸で300~350dpiあるか? 印刷時の画質を保つ
8 PDF/X-1a:2001で保存されているか? 一番安全な規格
9 ファイル名はわかりやすいか?(例:A4_omote.pdf) 管理しやすくする
10 書き出したPDFを開いて見直したか? Acrobatやプレビューで確認

PDF入稿=印刷精度を決める“最終バトン”

PDF/X-1a入稿は、設定さえ間違えなければ最も安定した入稿方法です。
しかし逆に、設定が甘いとそのまま「不完全なデータ」が印刷されてしまいます。

「何をどうすれば安全なのか」
「どこを確認すればトラブルを防げるのか」
――この記事で紹介した内容がそのまま答えです。

PDF化の前に、このチェックリストを片手に最終確認を行ってください。
次章では、実際のネット印刷での「入稿手順」や注意点を具体的に紹介していきます!


第4章|ネット印刷で入稿する流れと注意点【実践フロー&防止策まとめ】

ネット印刷サービスの登場により、誰でも気軽に印刷物を発注できる時代になりました。
電話や対面でやりとりする必要もなく、データをアップロードして、決済すれば、あとは届くのを待つだけ!

ただし。
だからこそ「入稿データの完成度」がすべてを決めます。

ネット印刷では、印刷所が「中身を確認・修正してくれる」ことは基本的にありません。
完全データでの入稿が前提、つまりミスがあっても自己責任でそのまま印刷されてしまうのです。

この章では、ネット印刷における正しい入稿の流れと、絶対に外せない注意点を、実例&対策付きで徹底解説していきます。


【STEPごとに解説】ネット印刷の入稿フロー

STEP1|注文内容を確定する

  • 商品種類(チラシ、名刺、パンフレットなど)

  • サイズ(A4/B5/A3/変形など)

  • 用紙(コート紙/マット紙/上質紙/ユポ紙 etc)

  • 色数(片面カラー/両面カラー/特色指定)

  • 部数(100部〜数万部まで)

注意:
印刷会社によって用紙名・厚さの表記が異なる場合があるので、仕様の確認は超重要!
不明点があれば先に問い合わせを入れて確認しておくのが安全


STEP2|入稿データを準備する

これまでの章で説明してきた通り、フォントのアウトライン化/CMYK変換/塗り足し/トンボ/解像度300dpiなどのポイントを押さえた「完全データ」を用意します。

おすすめファイル構成例:


フォルダ名:A4_会社案内_0429
├── A4_omote_0429.pdf(表面データ)
├── A4_ura_0429.pdf(裏面データ)
└── shiyousho.txt(仕様書テキスト)


仕様書に書くべき内容:

  • サイズ:A4仕上がり(210×297mm)

  • 用紙:コート135kg

  • 加工:両面カラー、三つ折り

  • 枚数:2,000部

  • 希望納期:2025年5月10日着

  • 特記事項:色味重視(青系の再現性)


STEP3|データをzip圧縮する

  • IllustratorやPDFだけでなく、リンク画像やフォント情報(必要な場合)も含めて1フォルダにまとめる

  • 全体をzip形式で圧縮(推奨:WindowsでもMacでも扱える形式)

注意:

  • 印刷会社によっては「アップロード可能なファイル形式」が限られている場合も。
     →.zip or .pdf単体のみに対応など。事前確認を!


STEP4|Web入稿フォームからアップロード

多くのネット印刷会社では、マイページまたは注文番号に基づいて専用の入稿フォームがあります。

入力する情報の例:

  • お客様名・メールアドレス

  • 商品名・注文番号

  • ファイルアップロード(複数可)

  • コメント欄(仕様書の代わりに書いてもOK)

コツ:

  • コメント欄には「PDF/X-1a形式で作成済み」「トンボ・塗り足しあり」「カラーはCMYKで作成済」と明記しておくと、印刷所側も安心!


STEP5|受付完了メールが届く(ここ重要)

入稿が完了すると、印刷会社から「受付完了」や「入稿データ確認済」のメールが届きます。

注意すべきこと:

  • 「確認完了」や「印刷工程に進みます」と書いてあればOK

  • 逆に「不備あり」「再入稿をお願いします」と返ってきた場合は、具体的な修正指示をよく読む!


【よくあるネット印刷トラブル&防止策】

トラブル内容 原因 防止策
白フチが出た 塗り足し不足 各辺3mm以上、塗り足し伸ばす
文字が違う アウトライン化忘れ 書式→アウトラインを作成
画像が消えた リンク画像未送信 埋め込み or 一緒に送る
色が変わった RGBで保存した 必ずCMYKに変換して保存
不明な圧縮形式で読めない .rarやMac特有の形式 zipで圧縮(Windows共通)
注文情報とファイルが一致していない ファイル名が不明確 サイズ・日付入りの名前を

【プロの現場が教える】ネット入稿5つの金言

  1. 「迷ったらPDF/X-1a!」が鉄則
     →PDF/X-1aで保存すれば、印刷会社も安心して受け取れる。

  2. ファイル名は“何のデータか”がわかるように
     →例:A4_flyer_omote_0501.pdf

  3. zipにまとめるフォルダ構成は“整理整頓”を意識!
     →入稿用、確認用などフォルダで分類しておくとプロっぽさUP。

  4. コメント欄で仕様を明記すれば、すれ違いゼロに
     →特に加工や色味が気になる案件は必ず記載。

  5. 初回は“校正刷り(試し刷り)”を検討すべし!
     →特に名刺やロゴ、色にこだわりがある人は印刷前に確認できると安心!


入稿は“最後の制作工程”ではなく、“最初の品質保証”

ネット印刷は便利で手軽。だからこそ「誰でも失敗する可能性がある」工程でもあります。
入稿とは「印刷会社への指示書」であり、「完成品の未来を託すファイル送信」なのです。

この章を読んだあなたなら、もう安心。
仕様確認 → データ作成 → zip圧縮 → フォーム入稿 → メール確認
この流れをマスターすれば、印刷ミスもやり直しも、“他人事”ではなく“あなたが防げる”ようになります!


第5章|【保存版】入稿前チェックリスト|印刷事故を防ぐ20の最終確認

「完璧にできたと思ったデータが、印刷してみたら色が違う・文字が消えた・白フチが出た…」
こんなトラブル、避けたいですよね?

そのカギを握るのが、「入稿前の最終チェック」です。
データ入稿は、ゴールではなく“印刷という成果物のスタート”
そして、失敗のほとんどは、**出す前の「あと一歩の確認不足」**から起きています。

この章では、**印刷会社が実際の現場で使っている視点を元にした“最強の20項目チェックリスト”**をご紹介します。
初心者からプロまで対応!これさえ見れば安心して入稿できます。

✅【最新版】完全データ入稿の最終確認チェックリスト(20項目版)

No. チェック項目 内容 OK?
1 カラーモードはCMYKか RGBのままだと色がくすむ
2 フォントはすべてアウトライン化済みか PDFは埋め込みでも可
3 画像は埋め込み or 同梱されているか リンク切れ防止
4 トンボ(トリムマーク)が付いているか 断裁位置の目印
5 塗り足し(3mm)が設定されているか 白フチ防止
6 効果(影・ぼかし)は300dpi以上のラスタライズか 崩れ防止
7 画像解像度は原寸で300~350dpiあるか 印刷品質確保
8 不要なレイヤー・ガイドが削除されているか ミスプリント防止
9 ドキュメントサイズが仕上がりサイズと一致しているか アートボード要確認
10 ファイル名が明確で管理しやすいか omote/uraなど区別
11 PDF保存形式はPDF/X-1a:2001か ネット印刷推奨形式
12 塗り足し領域にも背景や写真が伸びているか 塗り足しだけあっても中身なしNG
13 特色(スポットカラー)は使っていないか CMYK化必須(例:Pantone→CMYK)
14 オーバープリント設定に注意したか 黒文字以外のオーバープリントはNG
15 テンプレートレイヤーを削除 or 非表示にしているか テンプレートそのまま印刷防止
16 白色は「K0%」で設定しているか C/M/Yが入ると白が出ない
17 罫線は0.3pt以上に設定されているか 細すぎると印刷に出ない可能性
18 黒文字はリッチブラックではなくK100か にじみや読みづらさを防ぐ
19 断裁ズレに配慮した配置・余白になっているか 重要情報がギリギリはNG
20 最終PDFを目視確認・印刷プレビューしたか 書き出し後チェックが命

📝仕様書に含めるべき内容

項目 記載例
サイズ A4(210×297mm)
用紙 マットコート135kg
色数 両面フルカラー(4/4c)
部数 2,000部
加工 三つ折り、PP加工など
納期 2025年6月10日納品希望
備考 ロゴの色はDIC〇〇を基準に調整済み など

✔ 入稿前の「あと1分」が、仕上がりの“100点”を決める。

このチェックリストは、「印刷事故ゼロ」で仕事を完了させるための“最後の一手”です。
慣れてきた人ほど見落としがち。プロこそ慎重に。

逆に、初めて入稿する人も、この20項目さえ確認すれば安心
自信を持ってデータを送り出せるようになります。

印刷は“想いをかたちにする”最後の工程。
その品質を守るのは、あなたのチェックリストです。


入稿前に「このページだけ見直せばOK!」という安心を

ここまで読んできた方なら、印刷データの“作り方”だけでなく、「入稿=作品の完成」ではないことに気づいているはずです。
入稿とは、品質を保証する“契約の一歩手前”。
たった1つの見落としで、印刷結果が大きく変わることもあります。

だからこそ、このチェックリストはぜひブックマーク・保存して、**毎回の入稿前に見返してほしい“最終確認マニュアル”**です。


【まとめ】入稿の正しい知識が、仕上がりのすべてを変える。

印刷物の出来栄えは、入稿時点で8割決まる――。
それは決して大げさではありません。フォントが違う、色がくすむ、写真が消えている…。どれも、印刷が終わってから気づいても遅い「入稿ミス」なのです。

しかし安心してください。
今回ご紹介したように、IllustratorやPDF/X-1aでの正しい入稿方法を知っていれば、印刷の失敗はほぼ100%防げます。

チェックすべきポイントは決して多くありません。

  • フォントはアウトライン化 or 埋め込み済み?

  • カラーモードはCMYK?

  • トンボと塗り足しはちゃんとある?

  • PDF保存形式は「PDF/X-1a:2001」?

この基本をおさえていれば、ネット印刷でも、安心して入稿できます。


正しく入稿できるということは、あなたのデザインの価値を100%届けられるということ。
印刷が、あなたの仕事を、想いを、かたちにする最後のステップです。

その一歩を、このブログがサポートできれば幸いです。


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