チートとは?意味・語源・由来を解説|cheatは、なぜ「不正」から「最強」の意味になったのか?

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0章|「それ、チートじゃない?」は褒め言葉なのか?


「その能力、チートすぎる」「あの人、完全にチートじゃん」。

最近では、ゲームだけでなく、仕事や勉強、日常会話の中でも「チート」という言葉が普通に使われるようになりました。一方で、本来の意味を考えると、「チート=ズル・不正」です。決して良い言葉ではありません。

それなのに、なぜ私たちは「チート」を褒め言葉のように使うのでしょうか。

この記事では、「チート」という言葉の意味・語源・歴史・文化的背景をたどりながら、その正体を整理していきます。


1章|チートの基本的な意味とは?


「チート」とは、もともとルールを破って不正に有利になる行為を指す言葉です。

特にゲームの世界では、改造プログラムや不正ツールを使い、本来できない行動を可能にすることを「チート行為」と呼びます。

この場合のチートは、

  • ズル

  • 反則

  • 不正行為

とほぼ同じ意味になります。

つまり、本来の「チート」は、明確に否定されるべき行為なのです。


2章|語源・由来は英語の「cheat」


「チート」は、英語の cheat(チート) がそのまま日本語化した言葉です。

cheat には、

  • だます

  • 不正をする

  • ズルをする

といった意味があります。

英語圏でも、試験のカンニングや詐欺行為などを cheat と表現します。日本語の「ズルをする」とほぼ同じ感覚です。

つまり、「チート」は最初から「ズル」を意味する外来語として日本に入ってきた言葉なのです。


3章|ゲーム文化によって広まった「チート」


日本で「チート」という言葉が広く知られるようになった背景には、オンラインゲームの普及があります。

対戦型ゲームでは、すべてのプレイヤーが同じ条件で戦うことが前提です。しかし、不正ツールを使えば、簡単に有利な状態を作れてしまいます。

こうした行為が「チート行為」と呼ばれ、問題視されるようになりました。

2000年代以降、ネット掲示板やゲームコミュニティを通じて、「チート=不正」という認識が一般層にも広まっていきます。

ここで、チートは「悪い行為」を表す言葉として定着しました。


4章|「チート能力」が生んだ意味の変化


その後、「チート」は別の意味を持つようになります。

転換点となったのが、アニメやライトノベルの世界です。

主人公が最初から圧倒的な能力を持っている作品が増え、「チート能力」「チート主人公」という表現が流行しました。

ここでのチートは、

「ゲームでチートを使ったみたいに強い」
「最初から無双状態」

という比喩表現です。

この使い方が広まり、「強すぎる=チート」という意味が一般化していきました。


5章|なぜ「ズルい言葉」が褒め言葉になったのか?


本来、「チート」は不正やズルを意味する否定的な言葉です。それにもかかわらず、現在では「チート級にすごい」「能力がチート」といったように、賞賛の意味で使われる場面も増えています。

この背景には、ネットスラングに見られる「意味の拡張」という現象があります。もともと否定的な意味を持つ言葉が、強さや驚きを表す表現として使われるようになる例は、現代の日本語では珍しくありません。

たとえば、「やばい」は本来「危険」「まずい」といった意味の言葉でしたが、現在では「すごい」「優れている」という肯定的な意味でも使われています。また、「えぐい」も「強烈でつらい」という意味から、「圧倒的ですごい」という賞賛のニュアンスで使われることがあります。「神」という言葉も、本来は宗教的な存在を指す言葉ですが、現在では「神プレイ」「神対応」のように、最高レベルの評価を示す表現として定着しています。

「チート」も同様に、本来の「不正」という意味そのものではなく、「不正を使ったかのように圧倒的に強い」というイメージが比喩として使われるようになりました。つまり、「ズルをしている」という非難ではなく、「ズルを疑うほど強い」という驚きや賞賛を表す言葉へと意味が広がったのです。

さらに、ネットやゲーム文化では、強さや優秀さを強調するために、あえて誇張した表現が好まれる傾向があります。その中で、「チートすぎる」という表現は、「普通ではありえないほど優れている」という状態を端的に伝える便利な言葉として定着していきました。

このように、「チート」は本来の意味を完全に失ったわけではありませんが、比喩表現としての使用が広がったことで、否定と賞賛の両方の意味を持つ、現代的な言葉へと変化したのです。


6章|チートの正しい使い分け


現在の「チート」には、二つの意味があります。

本来の意味(不正)

  • 「チートしてる疑惑ある」

  • 「チートは禁止だよ」

この場合は、明確に否定的な意味です。

比喩的な意味(称賛)

  • 「記憶力がチート級」

  • 「仕事の処理速度がチート」

こちらは褒め言葉として使われます。

ただし、努力して成果を出した人に対して「チート」と言うと、不快に感じさせる場合もあります。使いどころには注意が必要です。


7章|チートを使った会話で使える例文


【不正の意味】
・「あの人、チート使ってない?」
・「チートはすぐ運営にバレる」

【褒める意味】
・「あの集中力、完全にチート」
・「初挑戦で成功とかチートすぎる」

【ツッコミ用】
・「それ知ってるの反則やろ、チートやんw」
・「その発想はチート級やな」


8章|まとめ:チートは「不正」から「反則級」へ意味が広がった言葉


「チート」は、英語の cheat に由来する言葉で、本来は「だます」「不正をする」といった意味を持っていました。日本では、主にオンラインゲームの普及を通じて、「ルールを破って不正に有利になる行為」を指す言葉として広まりました。

その後、ゲームやネット文化、さらにアニメやライトノベルなどの影響を受ける中で、「チート」は比喩表現としても使われるようになります。本来の「不正」という意味から派生し、「不正を疑うほど強い」「普通では考えられないほど優れている」といった、圧倒的な能力や優位性を表す言葉として定着していきました。

現在では、「チート」は文脈によって意味が変わる言葉になっています。不正行為を指す本来の意味で使われることもあれば、強さや優秀さを強調する比喩表現として使われることもあります。そこには、ゲーム文化とネット文化の中で、言葉が少しずつ役割を広げていった過程があります。

考えてみれば、「チート」と言いたくなる瞬間は、私たちが誰かの能力や結果に対して、純粋な驚きを感じたときです。「そんなことができるのか」「どうしてそこまでできるのか」という感覚を、一言で表すために、この言葉は選ばれています。

もともとは「ズル」を意味していた言葉が、いつの間にか「すごさ」を表す言葉にもなった──。それは、言葉が単なる定義だけでなく、人の感情や驚きとともに変化していくことを示しています。

次に「チートすぎる」と口にするとき、その言葉の奥には、本来の意味と、そこから広がった現代の感覚の両方が重なっています。「チート」という言葉は、不正を示す言葉として生まれながら、現代では“反則級のすごさ”を表す言葉へと意味を広げた、時代の中で進化してきた言葉なのでした。


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