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0章|導入|「黄鶯睍睆」って、読めますか?
「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」。
見た瞬間、「これは何と読むのか」「どういう意味なのか」と戸惑う人も多いでしょう。
日常生活ではほとんど見かけない、難解な四字熟語です。
しかしこの言葉は、単なる難しい漢語ではありません。
実は――
**日本の暦に正式に登録された、“春の訪れを示す言葉”**です。
しかも、二十四節気・七十二候という伝統的な季節区分の中で、明確な位置を持っています。
本記事では、「黄鶯睍睆」の意味・由来・歴史・文化的背景を、暦との関係も含めてわかりやすく解説していきます。
1章|意味|黄鶯睍睆=「春が始まった合図」
まず、基本的な意味から見ていきましょう。
● 黄鶯睍睆の意味
「黄鶯睍睆」とは、
うぐいすが澄んだ美しい声で鳴き始めること
を表す言葉です。
単に「鳥が鳴く」という意味ではなく、
-
澄んだ声
-
春らしい響き
-
心地よい鳴き声
といった情緒まで含んでいます。
つまり、
👉 「春が来たことを音で知らせる言葉」
なのです。
日本語の中でも、非常に情景性の高い表現だといえるでしょう。
2章|二十四節気・七十二候での位置づけ
黄鶯睍睆の最大の特徴は、暦の中に正式に組み込まれている点にあります。
● 二十四節気と七十二候とは
日本の伝統的な暦には、
-
二十四節気(1年を24分割)
-
七十二候(さらに細分化して72分割)
という仕組みがあります。
二十四節気をさらに三分割したものが七十二候で、
約5日ごとに自然の変化を表現しています。
● 黄鶯睍睆の正確な位置
黄鶯睍睆は、七十二候の中で次の位置にあります。
-
節気:立春(りっしゅん)
-
区分:次候(第二候)
-
時期:2月9日ごろ〜13日ごろ
つまり、
👉 「春が始まってすぐの時期」
にあたります。
配置を整理すると:
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 二十四節気 | 立春 |
| 七十二候 | 次候 |
| 名称 | 黄鶯睍睆 |
| 時期 | 2月上旬 |
この時期は、暦の上では完全に「春」に入った直後です。
まだ寒さは残るものの、自然界では確実に変化が始まっています。
その象徴が、うぐいすの鳴き声なのです。
3章|語源・由来|中国由来の漢語表現としての背景
「黄鶯睍睆」は、日本で作られた言葉ではなく、中国由来の漢語表現をもとにした暦語です。
七十二候そのものが中国で成立した暦法であるため、その名称もまた漢語によって構成されています。
● 漢字の意味から読み取れること
「黄鶯睍睆」を構成する漢字は、いずれも中国古典で用いられてきた文字です。
意味を理解するために分解してみると、以下のようになります。
| 漢字 | 一般的な意味 |
|---|---|
| 黄 | 黄色・色を表す語 |
| 鶯 | うぐいす |
| 睍 | 見た目がよい・澄んださま |
| 睆 | 明るい・はっきりしたさま |
これらを組み合わせることで、
鶯が、澄んだ明るい様子で鳴いている情景
を表す語として理解されています。
七十二候の名称としては、
「鶯が鳴き始める頃」を象徴的に表した表現
と捉えるのが、一般的な理解だと言えます。
● 中国詩文との関係について
中国の古典詩、特に漢詩の世界では、
-
春
-
鶯(うぐいす)
-
鳴き声
といった要素が、春の訪れを表す象徴として頻繁に用いられてきました。
「黄鶯睍睆」も、そうした中国詩文における春のイメージを背景に成立した表現と考えられています。
4章|歴史|黄鶯睍睆が暦語として日本文化に定着した背景
「黄鶯睍睆」が日本で使われるようになった背景には、
中国由来の暦や漢文学を受容してきた、日本の歴史があります。
● 漢文学と日本文化の関係
奈良時代から平安時代にかけて、日本では、
-
中国の暦法
-
漢文
-
漢詩
が、政治や学問、教養の基盤として取り入れられてきました。
七十二候もその流れの中で伝来し、
日本の自然や季節感に合わせて解釈されながら使われていきます。
「黄鶯睍睆」も、そうした暦語のひとつとして受容された表現です。
● 和歌文化との関係性
日本では古くから、うぐいすは「春」を象徴する鳥として親しまれてきました。
特に、
-
万葉集
-
古今和歌集
などの和歌集には、
うぐいすやその鳴き声を春の訪れと結びつけて詠んだ歌が多く見られます。
こうした和歌文化によって、
うぐいすが鳴く=春が来た
という感覚が、日本人の中に深く定着していきました。
「黄鶯睍睆」は、和歌そのものに頻出する語ではありませんが、
和歌によって育まれた春のイメージと、暦語としての表現が重なり合う形で理解されてきた言葉
といえるでしょう。
5章|文化背景|なぜ日本人は「うぐいす」に特別な意味を与えたのか
日本文化では、うぐいすは特別な存在です。
● 春告鳥としての役割
うぐいすは、
-
春告鳥
-
初音
-
梅に鶯
など、数多くの表現と結びついています。
これは偶然ではありません。
● 「音で季節を感じる」文化
日本人は、季節を
-
音
-
気配
-
匂い
-
空気感
で捉える傾向があります。
花より先に「音」で春を感じる。
その感性が、黄鶯睍睆という言葉を生み、守ってきたのです。
なお、俳句の世界では「鶯」「初音」が主流であり、
黄鶯睍睆はやや文語的・漢語的な表現として使われる傾向があります。
6章|黄鶯睍睆の使い方|現代ではどう使われる?
現代の日常会話で使われることは、ほぼありません。
主に以下の場面で用いられます。
-
季節の挨拶文
-
随筆
-
コラム
-
和風文章
● 例文
黄鶯睍睆の候、春の訪れを感じる季節となりました。
このように、格式ある文章で使われることが多い言葉です。
知っていると、文章表現の幅が広がります。
7章|まとめ|黄鶯睍睆は暦と詩と感性が重なった四文字
最後に、黄鶯睍睆のポイントを整理します。
-
七十二候の正式名称である
-
立春の次候(2月上旬)に位置する
-
中国古典由来の漢語表現
-
和歌文化と融合して定着
-
音で春を表す日本的感性の結晶
黄鶯睍睆は、単なる難読語ではありません。
そこには、
👉 千年以上受け継がれてきた「春の感じ方」
が詰まっています。
たった四文字に込められた、日本人の季節感覚。
それこそが、この言葉の本当の価値なのです。
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