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第0章|やばいとは?|なぜ「危険」と「最高」が同じ言葉なのか
「やばい」。
この言葉ほど、意味が広くて、しかも通じてしまう言葉はなかなかありません。
遅刻しそうでも「やばい」。
財布を落としても「やばい」。
推しが尊すぎても「やばい」。
ラーメンがうますぎても「やばい」。
……いや、便利すぎる。
でも、ふと思いませんか。
なんで「危険」と「最高」が同じ言葉なの?
こんなに正反対の感情を、たった一語で済ませられるのは不思議です。
そこで今回は「やばい」という言葉を、意味・語源・歴史・文化の流れからたどってみます。
すると見えてくるのは、じつはこの言葉が、日本語らしさのかたまりみたいな存在だということでした。
第1章|やばいの意味:一言で“空気”までまとめてしまう万能語
現代の「やばい」は、大きく2種類に分かれます。
① ネガティブな「やばい」(危険・まずい・詰んだ)
こちらは古くからある意味で、
-
危険
-
ピンチ
-
まずい
-
バレたら終わる
といった空気をまとめて表します。
「このままだとやばい」
「電車乗り遅れる、やばい」
「それ言ったらやばいよ」
この「やばい」は、言葉としては短いのに、状況説明がいらない。
だから会話では強いんです。
② ポジティブな「やばい」(すごい・最高・感動)
一方で、現代っぽいのはこっち。
-
すごい
-
最高
-
うますぎる
-
かわいすぎる
-
エモすぎる
「この景色やばい」
「今日のライブやばかった」
「そのセンスやばい」
本来なら「最高」「感動」「天才」みたいな言葉を使う場面で、なぜか「やばい」が勝ってしまう。
この時点で、もう「危険」と「最高」が同居しています。
第2章|やばいの語源:じつは“危険な匂い”から始まった
「やばい」の始まりは、かなり物騒なニュアンスでした。
ざっくり言えば、もともとは、
「そこ、近づいたらダメな場所」
「関わったら面倒が起きる感じ」
そういう空気を表す言葉だったようです。
語源については決着がついているわけではなく、いくつかの説があります。
たとえば有名なのが「矢場(やば)」説です。
江戸時代の射的場(矢場)は、人が集まる娯楽の場でありながら、いかがわしい雰囲気や裏社会と結びついたイメージを持つこともありました。
そこから「やばい=危険」という感覚が育った、という見方です。
もう一つ、牢屋・取締り・厄介な場所と関係する説もあります。
ここで共通しているのは、
「やばい」=危険・トラブル・近寄るな
という世界観です。
つまり、「やばい」は最初から明るい言葉というより、危険・厄介さを感じる場面で使われやすい俗語として育った、と見るのが自然です。
第3章|やばいの歴史:なぜ消えずに生き残ったのか
「やばい」は、最近生まれた軽い流行語のようにも見えますが、実際にはそれほど新しい言葉ではありません。
江戸後期には俗語としての用例が見られ、少なくとも近世以降、口語の中で使われ続けてきた言葉だと考えられています。
もともとは、隠語や俗語に近い位置づけで、
仲間内の会話
現場のやり取り
内輪の冗談
といった、くだけた場面を中心に生きてきた言葉でした。
上品な文章や公的な場で使われることは少なく、長いあいだ「話し言葉の中の言葉」として扱われてきたタイプです。
普通、こうした俗語の多くは、時代とともに消えていきます。
一時的に流行して、
使われなくなって、
忘れられていく。
それが大半のパターンです。
ところが、「やばい」は違いました。
意味を少しずつ変えながら、
使われる場面を広げながら、
世代をまたいで生き残ってきたのです。
その理由は、とてもシンプルでした。
短い。
言いやすい。
感情がこもる。
状況が一瞬で伝わる。
つまり、「使いやすさ」がずば抜けて高かったのです。
「危ない」「まずい」「大変だ」と説明しなくても、
「やばい」の一言で済む。
この圧倒的な便利さこそが、
時代が変わっても捨てられなかった最大の理由でした。
第4章|なぜ現代用語として流行した?意味がひっくり返った瞬間
「やばい」にとって、大きな転換点になったのは、この言葉の使われ方が変化し始めた時期でした。
もともと「やばい」は、
危ない
まずい
ピンチ
といった、マイナスの場面で使われることが中心の言葉でした。
ところが、時代が進むにつれて、
すごい
最高
といった、肯定的な意味でも使われる場面が増えていきます。
こうして「やばい」は、単なる危険を示す言葉から、強い感情全体をまとめて表す言葉へと、少しずつ役割を広げていきました。
こうした用法は、1980年代後半から1990年代にかけて、若者言葉の中で目立つようになったとされることが多く、2000年代以降には、より一般的な会話やメディアにも広がっていったと考えられています。
当時の会話では、
最高
すごい
マジですごい
超うまい
イケてる
といった、分かりやすい評価表現がよく使われていました。
しかし次第に、物事を細かく評価するよりも、感じたままを一言で表す言い方のほうが、自然に受け取られる場面が増えていきます。
「すごい」と考えてから言うよりも、
「やばい」と反射的に出てくるほうが、感情に近い。
そんな感覚が広がっていったのです。
なぜ「危ない」が「すごい」にも使われるようになったのか
では、なぜ「やばい」は、ここまで意味の幅を広げたのでしょうか。
もともと「やばい」は、「危険」「まずい」「都合が悪い」といった場面で使われてきた言葉でした。
ただ、古くからの用例を見ていくと、そこには単なる「悪い評価」だけでなく、
手に負えない
想定を超えている
コントロールできない
普通ではない
といった、「状況が通常の範囲を超えている」という感覚が含まれている場合も多く見られます。
つまり、「やばい」は、
危ないほど深刻
まずいほど大きい
普通では収まらない
といった、「度を越した状態」を示す言葉として使われてきた側面もあったのです。
この「普通ではない」という感覚は、悪い出来事だけでなく、良い出来事にも当てはまります。
うますぎる料理。
感動の大きいライブ。
印象に残る景色。
こうした場面でも、人は「普通じゃない」と感じます。
その結果、
「まずいほどすごい」
「危ないほど強烈」
といった感覚を経て、
「強すぎる」
「すごすぎる」
「最高すぎる」
という意味でも使われるようになっていったと考えられます。
つまり、「悪い」から「良い」へ単純に反転したのではなく、「強さ」や「極端さ」という要素が残ったまま、使われる方向が広がっていったのです。
この点が、「やばい」が現代日本語の中で万能語になった大きな理由だと言えるでしょう。
英語の「bad」とよく似た変化
この変化は、日本語だけに起きた特別な現象ではありません。
たとえば英語の bad も、本来は「悪い」という意味の言葉ですが、
-
かっこいい
-
すごい
-
最高
といった意味で使われることがあります。
ここでも、「悪い」が「良い」にひっくり返ったというより、「強さ」や「極端さ」だけが残り、プラス方向に転用されています。
「やばい」の変化は、こうした世界共通の言葉の進化とよく似た流れの中にあるのです。
さらにこの時代は、テレビや雑誌などを通して、流行語が全国に広がりやすい時代でもありました。
ドラマやバラエティで耳にした言葉が、そのまま日常会話に入り込んでくる。
そんな環境の中で、「やばい」は、
危険にも。
感動にも。
驚きにも。
使える便利な言葉として、世代や地域を超えて共有されていきました。
こうして「やばい」は、
「危ない言葉」から
「感情をまとめる言葉」へと姿を変え、
現代日本語を代表する万能表現になっていったのです。
第5章|使い方:便利すぎるがゆえに誤解も起きる
万能な言葉は、便利なぶん、誤解も起きます。
たとえば、
「この店やばい」
と言ったとき。
年上の人は、「危ない店?」と思う。
若者は、「最高の店!」と思う。
これ、普通にすれ違います。
だから、誤解を避けたいときは、たった一言添えるだけでいい。
-
「良い意味でやばい」
-
「うまい系のやばい」
-
「危険のやばい」
これだけで、伝達精度がぐっと上がります。
第6章|やばいの例文(標準語をやばいを使って表現)
今日は本当に時間がなくて困っています。
→ 今日マジで時間なくてやばい。
この料理はとてもおいしいです。
→ この料理、やばいくらいうまい。
そのままでは失敗しそうです。
→ それ、このままだとやばいよ。
信じられないほど素晴らしい景色ですね。
→ この景色やばすぎ。
大変なことになってしまいました。
→ うわ、やばいことになった。
第7章|まとめ:「やばい」は“危険語”から“感情の言葉”へ進化した
「やばい」は、もともと危険や不都合を知らせるための言葉でした。
近づくとまずい。
関わると面倒。
このままでは危ない。
そんな「注意信号」のような役割を持っていた言葉です。
それが時代とともに使われ続ける中で、少しずつ意味の幅を広げていきました。
ポイントは、「良い意味に変わった」のではなく、「強さ」や「度合い」だけが残ったことでした。
状況が悪すぎるときも、良すぎるときも、人は「普通じゃない」と感じます。
その「普通じゃなさ」を一言で表せたのが、「やばい」だったのです。
さらに、若者文化やメディア環境の中で使われる場面が増え、「やばい」は世代や地域を超えて共有される言葉になっていきました。
こうして「やばい」は、
危険を伝える言葉から、
感情そのものをまとめる言葉へと進化し、
現代日本語を代表する万能表現になりました。
人は、感情が大きく揺れた瞬間、長い説明よりも、短い一言を求めます。
そのとき、自然に口から出てくる言葉。
それが、いまの「やばい」なのです。
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