銀行とは何か|意味・語源・由来を徹底解説 ─ なぜ「金」ではなく「銀」?「行」とは何か

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0章|なぜ「銀行」というのか?


──金ではなく銀、建物なのに行?

銀行という言葉は、意味は分かっているのに、
漢字を見ると急に正体が分からなくなります。

お金を扱うなら「金」でよさそうなのに、なぜ「銀」なのか。
建物や組織なのに、なぜ「行」なのか。

この違和感は偶然ではありません。
銀行という言葉は、中国にあった商業や金融に関する語彙をもとに、日本が西洋の bank を訳す中で整え、制度名として定着させたものだからです。

つまり、「銀行」という二文字は、
あとから適当につけられた名前ではありません。

そこには、当時の金融や商いの実態が、そのまま刻み込まれています。

では、なぜ「銀」なのか。
そして、なぜ「行」なのか。

この二文字に込められた意味を、ここから順に読み解いていきましょう。


1章|銀行とは何をするところか


銀行とは、

  • お金を預かり

  • お金を貸し

  • お金のやり取りを仲介する

金融機関です。

ただし、銀行は単なる金庫ではありません。
預かったお金をそのまま保管しているわけでもありません。

銀行の中では、

  • 預けられたお金が

  • 別の人の資金となり

  • 社会の中を循環する

という動きが起きています。

銀行とは、
お金を集め、流し、回すための仕組みです。


2章|なぜ「銀」なのか


銀行の「銀」は、
日本で英語の bank を訳す中で選ばれた字ですが、
その背景には、中国や日本で長く使われてきた実務上の貨幣感覚があります。

中国では、とくに商取引や納税、大口決済の場面で、
銀が実務上の基準として用いられてきました。
日常の細かな支払いでは銅銭が使われる一方で、
大きなお金が動く場面では、銀が信用の物差しになっていたのです。

この感覚は、日本でも同じでした。

江戸時代の日本では、
金・銀・銅銭を使い分ける「三貨制度」が取られており、
商人どうしの決済や為替には、主に銀が使われていました。

当時の銀は、硬貨ではなく、
丁銀や豆板銀といった形で重さを量って使われる「秤量銀」が中心でした。
それだけ、銀の重さと純度が、信用の基準になっていたということです。

こうした東アジア共通の実務感覚の中で、

  • 銀を預かる

  • 銀を換える

  • 銀を貸し借りする

といった金融の仕事が発達していきました。

そのため、西洋の bank を日本語に訳す際にも、
最も実態に合っていたのは「金」ではなく「銀」でした。

銀行の「銀」は、
当時の社会で最も信頼され、実際に経済を支えていた貨幣を示しているのです。


3章|なぜ「行」なのか


「行」もまた、日本で英語の bank を訳す中で選ばれた字ですが、
その背景には、中国で長く使われてきた商業語彙があります。

中国語で「行」は、

商行
洋行
銀行

のように、
商業や金融を営む組織そのものを指す言葉として使われてきました。

ここでの「行」は、

「行く」
「流れる」

といった動きの意味ではなく、
商いを営む主体や組織を表す言葉です。

つまり、銀行の「行」は、
建物や場所を指すものではありません。

銀を扱い、
信用をつなぎ、
取引を成り立たせる「業(なりわい)」そのものを意味しています。

銀行とは、
銀を保管する場所ではなく、
銀を扱う仕事の仕組みです。

だからこそ、「銀+行」で、銀行なのです。


4章|bank をどう訳したか


近代に入り、西洋の金融制度が導入されました。
そこで大きな問題になったのが、英語の bank を日本語でどう表すかということでした。

bank は、

倉でも
蔵でも
単なる両替所でもない、

お金を動かし、信用を仲介し、社会全体の経済活動を支える仕組みです。

当時、日本の有識者たちはいくつかの訳語候補を検討しました。
たとえば「金行」といったアイデアもありましたが、どれも bank の本質を完全には表せませんでした。

最終的に選ばれたのが、「銀」と「行」という二つの漢字を組み合わせた語、**「銀行」**でした。

選定された時期は、**1872年(明治5年)**のことです。
この年に「国立銀行条例」が制定され、bank を日本語で表す正式な名称として「銀行」が定められました。

「銀行」という言葉が選ばれたのは、単なる文字遊びではありません。
それは、当時の中国語圏から伝わっていた商業語彙と、日本・中国の実務に共通していた貨幣感覚を土台にしていたからです。

その性格を表す言葉として、「銀」と「行」の組み合わせが最も実態に合っていたのです。

結果として、bank の機能や役割は、「銀行」という二文字で、ほぼ欠けることなく説明されるようになりました。


5章|銀行が生んだ社会の変化


銀行の登場によって、

信用が制度になり、
約束が記録され、
未来の計画が可能になりました。

それ以前の社会では、
お金の貸し借りや取引は、個人どうしの信頼関係に大きく依存していました。
誰がどれだけ持っているか、誰が誰に貸したかは、基本的に当事者しか分かりません。

しかし、銀行が介在することで、

  • 資金の流れが記録され

  • 信用が可視化され

  • 約束が証明される

ようになります。

これによって、人は「今あるお金」だけでなく、
「これから得られるはずのお金」を前提に、行動できるようになりました。

今日の預金が、
明日の投資になり、
未来の仕事や暮らしを生みます。

銀行は単なる金融機関ではなく、
社会の時間を前に進める装置なのです。


6章|使い方に残る銀行の意味


「銀行に預ける」
「銀行を通す」
「銀行から借りる」

これらはすべて、
建物ではなく仕組みを指しています。

銀行とは、
銀が社会の中を行き交う仕組みそのものです。


✅ コラム|中国でも「銀行」というの?


実は、「銀行」という言葉は、日本語だけのものではありません。
現代の中国語でも、銀行は 「银行(yínháng)」 と書き、同じ意味で使われています。

たとえば、

「銀行へ行く」
= 去银行

「銀行でお金を下ろす」
= 去银行取钱

といったように、日常会話の中でも普通に登場します。

ここで一つ押さえておきたいのは、
この「银行」という用法が広く定着したのは、近代以降であるという点です。

もともと中国には、

「行」=商業組織・商人の集まり
「銀」=貨幣

といった語彙があり、商業や金融の世界で使われてきました。

しかし、現在のように「銀行=近代的な金融機関」を指す言葉として定着したのは、
西洋の銀行制度が導入された19世紀以降のことでした。

一方、日本では、1872年(明治5年)の国立銀行条例によって、
英語 bank の訳語として「銀行」が制度名として正式に定められました。

つまり、

  • 言葉の土台となる語彙は中国語圏にあり

  • 日本で制度語として整理・確定され

  • その後、漢字文化圏全体で共有されていった

という流れになります。

「銀行」という二文字は、
日本と中国をまたいで育まれてきた、東アジア共通の金融用語なのです。


7章|まとめ|銀行とは何か


ここまで見てきたように、「銀行」という言葉は、
単なる施設名でも、便利な略称でもありません。

中国にあった商業語彙と、
日本や東アジアで共有されてきた貨幣感覚を土台に、
明治期、日本が西洋の bank を訳す中で整え、制度名として定着させた言葉です。

「銀」は、
実務の世界で最も信頼されてきた貨幣を表し、

「行」は、
お金を扱う業(なりわい)や組織そのものを意味しています。

銀行とは、

銀を集め、
信用に変え、
社会の中を循環させる仕組みです。

それは単にお金を預かる場所ではなく、
約束を記録し、
未来を形にする装置でもあります。

金ではなく銀。
場所ではなく行。

この二文字には、
銀行という存在の本質が、今も変わらず刻み込まれているのです。


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