コップとカップの違いとは?意味・語源・由来を解説|コップは英語じゃない?

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0章|コップとカップ、同じ“飲む器”なのに名前が違う謎


水を飲むときは「コップ」。
カフェでコーヒーを頼むと「カップ」。

…いや、どっちも飲み物を入れる器ですよね。

しかも現実はもっと曖昧です。ガラスでも紙でもプラスチックでも「コップ」と呼ばれるし、取っ手のある器も「カップ」と呼ばれることがある。形で完璧に分けられるならラクなのに、日本語の使い分けはちょっとクセがある。

では、なぜ同じような道具に、わざわざ二つの名前があるのか。
この記事では「意味・語源・歴史・文化・使い方」の順に、コップとカップの違いをスッキリ整理していきます。


1章|結論:コップは英語じゃない。カップは英語。


いきなり結論からいきます。

  • カップは英語(cup)

  • コップは英語ではない

コップは見た目も響きも英語っぽいので、つい「カップの仲間=英語」と思ってしまう。でも、実はコップは別ルートから日本に入った外来語です。

つまり「器が違うから単語が違う」というより、まずは

言葉が入ってきた道(ルート)が違うから、二つの単語が残った

ここが一番大事なポイントになります。


2章|意味の違い:コップは“日用品”、カップは“洋風アイテム”になった


現代日本語の感覚でいうと、

  • コップ=家・学校・日常の飲み物の器

  • カップ=喫茶店・洋風・ちょっと特別な飲み物の器

みたいな空気感が強いです。

たとえば、

  • 水→コップ

  • お茶→コップ

  • 歯みがき→コップ

  • コーヒー→カップ

  • 紅茶→カップ

これは厳密なルールではありません。でも多くの人の「言葉の感覚」として、こういう住み分けが育っています。

つまりコップとカップの違いは、形以上に**生活の場面(シーン)**で分かれているんです。


3章|語源:コップはオランダ語、カップは英語


コップの語源

コップは、オランダ語由来の言葉です。
語源はオランダ語の 「kop(コプ)」 とされ、日本語ではそれが「コップ」という形で定着しました。

江戸時代、日本が鎖国をしていた頃でも、西洋との交流が完全にゼロだったわけではありません。
その窓口になっていたのが オランダ です。

当時の日本に入ってきた西洋語には、学問の言葉だけでなく、暮らしに直結する道具の名前も多く含まれていました。
その流れの中で「コップ」も日本語に入り、日常語として根づいていったわけです。


カップの語源

一方でカップは、英語(cup) 由来の外来語です。

こちらは明治以降、西洋文化が一気に入ってきた時代に、文化そのものと一緒に広まりました。
ティーカップ、コーヒーカップのように、「飲み物の器」だけでなく、洋風の食卓や喫茶のイメージまで連れてきた言葉でもあります。


つまり整理すると、

  • コップ=オランダ語由来の外来語(早い時代から生活の中へ)

  • カップ=英語由来の外来語(近代の西洋文化とともに拡大)

この「入り方の違い(時代差とルート差)」が、日本語の中に二つの言葉が共存する最大の理由です。


4章|歴史:コップは“道具として”先に根づいた


コップはガラス製品などと結びつきながら、「飲み物を飲む道具」として先に定着していきました。

ここで重要なのは、コップが最初から「おしゃれな器」としてではなく、

生活に必要な道具の名前

として入ってきたことです。

だから日本語ではコップが妙に生活感を持ちます。水道、歯みがき、給食、台所。
コップは「暮らしの現場」に似合う言葉として育っていったわけです。


5章|カップの歴史:洋食文化と一緒に入ってきた“文化語”


カップは、単なる器の名前ではなく、イメージまで含めて入ってきました。

ティーカップ、コーヒーカップ。
この言葉が連れてくるのは、食卓文化そのものです。

  • テーブル

  • 喫茶

  • 紅茶の時間

  • ちょっと上品な飲み物

だからカップは、取っ手や形の問題以上に「洋風」をまとった言葉になった。

コップが“道具としての外来語”なら、カップは“文化としての外来語”。
この違いが、現代の使い分けにもそのまま残っています。


6章|文化:コップとカップ日本語は“形”より“空気”で言葉を使い分けた


コップとカップを「取っ手の有無」で分けたくなる気持ちはわかります。

  • 取っ手あり→カップ

  • 取っ手なし→コップ

でも日本語は、そこまで几帳面ではありません。
形で分けるのではなく、シーンで分ける

  • 家で使う→コップ

  • 喫茶店っぽい→カップ

  • 日用品っぽい→コップ

  • 洋風っぽい→カップ

つまり、

同じ器でも、「どういう場面で使われるか」で呼び名が変わる

これが日本語の面白さなんです。


✅コラム|ここまで読んできたなら、なぜコップラーメンじゃないのか?


ここまで読んできた人なら、きっとこう思ったはずです。

「取っ手があるのがカップで、取っ手がないのがコップなんでしょ?」

……じゃあ、なぜ。

カップラーメンは取っ手がないのに“カップ”なのか?
ていうか普通に考えたら、コップラーメンの方が近くない?

でも実はこれ、言葉の矛盾ではなく、発想のルーツを知るとスッと納得できます。

カップ麺の原点として知られているのが、日清食品の創業者・安藤百福氏が海外視察の際に見た光景です。
欧米では、日本のように「どんぶりに麺を入れて箸で食べる」文化が一般的ではなく、チキンラーメンを砕いて紙コップ(paper cup)に入れ、お湯を注いでフォークで食べていた——このスタイルがヒントになったと言われています。(安藤百福クロニクル | 日清食品グループ

つまり、ここでの「カップ」とは、

取っ手付きの食器としてのカップではなく、
“紙コップのような容器で食べる”というアイデアそのもの。

だから取っ手がなくても「カップ」で成立するんです。

さらに面白いのが、「カップヌードル」という名前自体も、米国側(米国日清)から「カップヌードルがよい」と進言されたという経緯が語られていることです。(日本ネーミング大賞

もしそうだとすれば、なおさら納得できます。
英語圏では取っ手の有無よりも、「その容器がcupであること」のほうが自然です。紙コップも普通に paper cup と言います。
つまり日本語の感覚で「コップっぽい形」に見えても、英語圏の発想では“cup”がしっくり来る。

こう考えると、「コップラーメン」という名前が生まれなかったのも不思議ではありません。

取っ手がないのにカップ。
その矛盾こそが、コップとカップが形だけで決まらず、文化とシーンの中で言葉が育ってきた証拠なのです。


7章|コップとカップの使い方:迷ったときの実用ルール


最後に、日常で迷ったときの基準も置いておきます。

基本の目安

  • 取っ手あり→カップ

  • 取っ手なし→コップ

ただし例外も多い

  • 紙コップ(取っ手ないのにコップ)

  • 計量カップ(道具としてカップ)

  • カップ麺・カップアイス(食品容器としてカップ)

結局、分けているのは形だけではなく、言葉が持つイメージです。


8章|例文:コップとカップの自然な使い分け


  • 水飲むコップ取ってー

  • 歯みがき用のコップ、新しくしようかな

  • コーヒーはカップで飲むと気分が出る

  • ティーカップが割れた…

  • 計量カップどこだっけ?

  • 紙コップでいいよ

  • カップ麺買ってくるわ


9章|まとめ:コップとカップは“外来語の混ざり方”が面白い


コップとカップは、どちらも飲み物を入れる器なのに、なぜか名前が違う。
取っ手の有無で分けられそうで、例外も多く、きれいに線引きできない。——この曖昧さこそが、実は日本語らしいところです。

その理由はシンプルで、言葉が日本に入ってきたルートが違うから。

コップは英語ではなく、江戸時代に入ってきたオランダ語由来の外来語。
生活の中に早く溶け込んだことで、水やお茶、歯みがきなど、日常の「暮らしの器」を表す言葉として定着しました。

一方のカップは英語由来で、明治以降の西洋文化とともに広まりました。
ティータイムや喫茶のイメージと結びつき、「洋風」「少し特別」という空気までまとった言葉になっていきます。

つまりコップとカップの違いは、器の形というよりも——

オランダ語由来の日本語と、英語由来の日本語が、暮らしの中で入り混じって残っている

そこが一番面白いポイントです。

取っ手がないのに「カップ麺」と呼ばれるのも、その象徴でしょう。
日本語の中で「カップ」は食器だけでなく、紙コップや食品容器のように、場面に合わせて意味を広げながら生き残ってきました。

だからこそ、こんなことも言えてしまいます。
もし日本の湯飲み茶碗を無理やりカタカナにするなら——「ティーカップ」より「ティーコップ」かもしれません(笑)

言葉は、モノよりも文化を写します。
コップとカップの違いを知ると、普段何気なく使っている言葉の中に、ちゃんと歴史が積み重なっていることに気づけるはずです。


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