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0章|導入──言霊とは「言葉に力がある」と、本気で信じていた言語
「それ、言霊になるから言わないで」
「縁起でもないことは口にしない方がいい」
こうした言い回しは、今でも日本語の中に自然に残っています。
一方で「言霊」という言葉には、どこか迷信的、スピリチュアルな響きを感じる人も多いでしょう。
しかし言霊は、占いや精神論のために生まれた言葉ではありません。
それは、日本語が長い時間をかけて育ててきた、言葉そのものへの態度を表す概念でした。
この記事では「言霊」という言葉を、
意味・読み・語源・歴史・文化・使い方
という順で丁寧にほどき、日本語の中でこの言葉が何を担ってきたのかを整理していきます。
1章|言霊とは?意味と読み方
**言霊(ことだま)**とは、
発せられた言葉そのものに宿ると考えられてきた力・作用を指す言葉です。
ここで重要なのは、「気持ち」や「思い」が力を持つという話ではない点です。
言霊の考え方では、
-
心の中で思っているだけでは不十分
-
口に出された言葉そのものが、現実に影響すると考えられてきました
つまり、言葉は単なる情報ではなく、
現実に作用する行為として扱われていたのです。
2章|なぜ「言霊」は〈ことだま〉と読むのか
ここで一つ、素朴な疑問が浮かびます。
なぜ「言霊」は、「げんれい」でも「ごんれい」でもなく、ことだまと読むのでしょうか。
一般に、この点は
「ことだま」という和語的な理解が先にあり、そこに漢字が当てられた
と説明されることが多いです。
まず「言(こと)」という読みについて見てみましょう。
古い日本語において「こと」は、
-
発せられた言葉
-
起こった出来事
-
現実に生じた事象
を同時に指す語でした。
つまり当時の感覚では、言葉と出来事は明確に分離されていなかったのです。
次に「霊(たま)」です。
日本語には古くから、
-
たま
-
たましい
-
みたま
といった語があり、これらは
目に見えないが、人や物事に宿り、結果として作用する力
を意味してきました。
この 「たま」 という概念に近いものとして、
後に「霊」という漢字が用いられるようになったと考えられています。
3章|「言」と「霊」──漢字が示す構造
漢字として見ても、「言霊」は非常に素直な構造をしています。
-
言:外に発せられた言葉
-
霊:目に見えないが、結果として作用する力
ここで注目すべきなのは、
「霊」が感情や心情ではなく、作用そのものを指している点です。
言霊とは、
言葉が発せられたあとも、見えない形で働き続けるもの
という考え方を、そのまま言語化した語でした。
4章|歴史|古代日本における言霊の感覚
古代日本では、言葉は現実と直結したものだと考えられていました。
祝詞や呪詞は、正しい言葉を正しい形で発することで、
災いを避け、恵みを呼び寄せる行為とされていました。
逆に、
-
死や別れを直接表す言葉
-
不吉さを帯びる表現
は、現実を引き寄せるとして避けられてきました。
言わなければ起きない。
言ってしまえば、起きてしまう。
言葉と現実の距離が、今よりずっと近かったのです。
5章|文化|なぜ日本語は言い切りを避けるのか
日本語には、遠回しな言い方や言い換えが多く存在します。
これは単なる婉曲表現や曖昧さの文化というだけではありません。
一度言い切った言葉は、
現実を確定させてしまうもの
と受け取られてきた感覚が、日本語の底流にはありました。
もちろん、日本語の言い切りを避ける傾向には、
-
対人関係への配慮
-
場や空気を重んじる文化
-
敬語体系の発達
といった複数の要因が関わっています。
その中の一つとして、
言葉そのものが現実に作用するという言霊的な感覚が、
日本語表現の慎重さを支えてきたと考えることもできます。
だからこそ日本語では、
断言や言い切りが慎重に扱われ、
言葉を選ぶこと自体が重要な行為とされてきたのです。
6章|使い方|現代日本語における言霊
現代では、言霊は主に次のように使われます。
-
言霊を信じる
-
言霊の力
-
言霊的に良くない言い方
宗教用語というよりも、
言葉の影響力を意識するための文化的表現として使われることが多いのが特徴です。
7章|例文|言霊の自然な使用例
-
「言霊を信じて、前向きな言葉を選ぶようにしている」
-
「それは言霊的に、あまり言わない方がいいかも」
-
「日本語には言霊という考え方がある」
迷信としても、文化説明としても使える柔軟さがあります。
8章|まとめ|言霊とは何だったのか
言霊とは、
-
言葉は現実に作用するという感覚
-
発した言葉には責任が伴うという意識
-
言葉を選ぶこと自体が行為であるという文化
これらを一言でまとめた、日本語独自の概念でした。
だからこそ日本語では、
言葉を大切にすることそのものが、美徳だったのです。
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