REDの語源とは?|古英語・印欧祖語に遡る“赤”の成り立ちと歴史をやさしく解説

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0章|導入──なぜ「RED」は人類にとって特別なのか?


英語の「RED(レッド)」は、
世界で最も古い“色の名前”のひとつだと言われています。

血の色。
火の色。
焼けた土の色。

人間にとって生存に直結する色だったため、
多くの言語で「赤」に相当する単語がとても早い段階で誕生しました。

では、REDという言葉自体はどこから来たのか?
そのルーツには、色彩と言語が生まれた頃の物語が隠れています。


1章|REDの語源──古英語 rēad と印欧祖語 *reudh-


REDの直接の語源は、古英語の rēad(レード)

さらに遡ると、
ゲルマン祖語 rauthaz(ラウザズ) → 印欧祖語 *reudh-(血の色) に行き着きます。

● 語源の核心は「血の色」

印欧祖語 reudh- の意味は
“血のような赤いもの”

ここには
「生きている」「危険」「火」「大地の赤土」
といった原始的なイメージが重なります。

● 派生語にも“赤さ”が残る

  • ruddy(赤らんだ)

  • rust(赤茶色の錆)

  • ruby(ルビー)
    どれも“赤み”を本質に持つ語族。


2章|歴史的背景──最古級の“色名”だった


色彩言語学の研究では、
世界の言語において人類が最初に名前をつけた色は

  1. 黒(dark)

  2. 白(light)

  3. 赤(red)

とされています。

理由はシンプルで、本能的に必要だったから。

  • 血の赤=生命・怪我の識別

  • 火の赤=危険や熱の把握

  • 赤い顔料(オーカー)=儀礼・呪術・埋葬で普遍的に使用

REDは“装飾のための色”ではなく、
生き延びるために必要だった色という位置づけだったのです。


3章|文化の中のRED──祝福と警告の二面性


古代社会の多くで“赤”は特別な位置にありました。

● 神聖・祝福

ローマ帝国、中国、古代エジプトでは
赤は権力者や神事に使われる色。

● 生命・情熱

血と心臓=生命の象徴。
そこから“愛・情熱”という現代のイメージにつながります。

● 警告・危険

火・血=危険のサイン。
STOP表示や警告色にREDが使われるのは、人類共通の本能。

REDは祝福と危険という矛盾した意味を併せ持つ色として
文化の中で独特の存在感を持ち続けています。


4章|現代のRED──デジタル世界での基礎色


現代ではREDは
RGB(Red / Green / Blue)のRとして、
デジタル色空間の基盤そのもの。

  • HTMLカラー:#FF0000

  • ブランドロゴ:Coca-Cola、YouTubeなど

  • デザイン:購買意欲・注意喚起を誘う強い色

“目立つ・伝える・動かす”という赤の力は
デジタル時代になっても衰えていません。


5章|まとめ──REDは“人間の本能”から生まれた語


最後にREDの正体をまとめるとこうなります。

  • 語源は古英語 rēad → 印欧祖語 *reudh-(血の色)

  • 人類が最初期に名前をつけた色

  • 血・火から「生命」「力」「祝福」「危険」が派生

  • 現代はRGBの基礎としてデジタル色空間を支配

REDという単語には、
人間が世界をどう見てきたかという
“言語と感覚の歴史”そのものが詰まっています。


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