パステルカラーとは?意味・語源・歴史・特徴・心理効果・ビビッドカラーとの違いを徹底解説

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第0章|パステルカラーとは?やさしい色の魔法


パステルカラーとはどんな色?

パステルカラーとは、明度が高くて淡いやさしい色調を持つ色のことです。
「ベビーピンク」「ミントグリーン」「スカイブルー」「ラベンダー」など、白を多めに含んだ色が代表例です。

パステルカラーは見た目に柔らかさや安心感を与えるため、ファッションやデザイン、広告、印刷など幅広い分野で活用されています。特に「親しみやすさ」や「かわいらしさ」を演出するのに効果的な色調です。


パステルカラーは新しい言葉?

現代ではすっかり定着している「パステルカラー」という言葉ですが、実は比較的新しい用語です。
しかし、淡い色合いを「やさしい」と感じる概念自体は中世から存在していました。つまり、言葉としては近代から、概念としては昔からある色彩表現なのです。


第1章|「パステル」の意味と語源


パステルとは?

「パステル」とは、もともと画材の名前です。
フランス語の pastel に由来し、さらにラテン語 pastellus(小さなペースト)にさかのぼることができます。
その名の通り、顔料を水や糊で練り固めて棒状にしたスティック状の描画材料のことを指しました。

この画材は、粉っぽくマットな質感で、淡くやわらかい色合いを表現できるのが特徴です。油絵の具や水彩絵の具とは異なり、直接紙にこすりつけることで独特の発色を生み出しました。


印象派の画家とパステル

16世紀ごろからヨーロッパで使われ始めたパステルは、18〜19世紀にかけて広く普及します。
特にドガやシャルダンといった画家たちは、パステルの柔らかな質感を活かして光や空気感を表現しました。

彼らの作品には、ふんわりとした光の表現や、人物のやさしい肌の質感など、パステル独特の表情が色濃く残っています。


パステルからパステルカラーへ

このように「パステル」という言葉は本来、画材を意味していました。
そこから転じて、「パステルで描いたような淡い色合い」=パステルカラー という色彩用語が生まれたのです。


第2章|中世〜近世:概念としてのパステルカラー


概念としての“パステル的な色”は昔から存在

「パステルカラー」という言葉そのものは20世紀以降に生まれた比較的新しい用語ですが、淡くやさしい色を美しいと感じる文化的概念は中世から存在していました。

16世紀にヨーロッパでパステル画材が登場すると、その淡い発色は「柔らかく上品な色調」として受け入れられ、徐々に広がっていきます。


ロココ時代のパステル文化

特に18世紀フランスのロココ文化では、パステル的な淡い色合いが一大トレンドとなりました。

  • 王侯貴族の肖像画

  • 宮殿やサロンの壁紙

  • ドレスや装飾品

これらに共通していたのが、優雅さや気品を演出するためのパステル調の色でした。

ロココ時代の肖像画を見ると、肌の血色を柔らかく描いたパステル画や、淡いブルーやピンクを基調とした衣装が多く残されています。ここからも「パステル=やさしい色合い」の概念が社会に根付いていたことがわかります。


なぜ「パステルカラー」という言葉がなかったのか

当時はパステル画が芸術表現のスタンダードのひとつであり、淡い色調は“当たり前”でした。
そのため、わざわざ「パステルカラー」と名付けて区別する必要はなかったのです。
つまり、概念としてのパステルは昔からあったが、言葉としての「パステルカラー」は不要だったということです。


第3章|20世紀以降:「パステルカラー」という言葉の誕生


言葉としての「パステルカラー」

「パステルカラー」という表現が広く使われるようになったのは、実は20世紀以降のことです。
それ以前にも“パステル的な色”は存在していましたが、わざわざ言葉にする必要はありませんでした。
しかし、近代になるとファッションや広告、印刷の世界で色彩を体系的に分類する必要が出てきます。

そこで「ビビッドカラー(鮮やかな色)」「ダークカラー(濃い色)」といったラベルと並べて、淡い色を総称する便利な言葉として「パステルカラー」が登場したのです。


普及の背景

  • 戦後のカラー印刷の普及:雑誌やポスターで色彩表現が多様化

  • カラーテレビの登場:鮮やかな色と淡い色の対比がわかりやすく必要になった

  • ファッション業界:春夏のトレンドカラーを「パステルカラー」と呼ぶことで流行を演出

  • マーケティング用語:広告で「かわいい」「やさしい」を短く伝える便利な言葉

こうして「パステルカラー」は一般的な用語として人々の生活に浸透していきました。


概念は古く、言葉は新しい

まとめると、「パステルカラー」という言葉は20世紀の色彩文化から生まれたものですが、その概念的なルーツは中世から存在していました。
つまり、概念は昔から、言葉は新しい──これがパステルカラーの成り立ちです。


第4章|パステルカラーの特徴と心理効果


パステルカラーの特徴

パステルカラーの最大の特徴は、明度が高く、彩度が低いことです。
つまり「白っぽく明るいけれど、派手すぎないやさしい色調」がパステルカラーの基本。

具体的にはこんな特性があります。

  • 明度が高い:白が多く混ざっているため、明るく軽やかに見える

  • 彩度が低い:原色の強さを抑え、落ち着いた印象を与える

  • 透明感と清潔感:爽やかで清らかな雰囲気を演出できる

たとえば同じ「ピンク」でも、ビビッドカラーのショッキングピンクと、パステルカラーのベビーピンクでは、受ける印象がまったく異なります。
前者は力強く華やかな印象を与えるのに対し、後者はやさしく穏やかな雰囲気を感じさせます。


パステルカラーの心理効果

色彩心理学の観点からも、パステルカラーは特別な効果を持っています。

  • リラックス効果
    パステルカラーは強い刺激がなく、心を落ち着ける効果があります。病院の内装や制服に使われることが多いのは、患者に安心感を与えるためです。

  • 親しみやすさ
    やさしい色合いは、見る人との距離を縮めます。広告や商品パッケージでパステルを使うと、手に取りやすい印象を与えられます。

  • 若々しさ・かわいらしさ
    ベビー用品やキャラクターグッズにパステルカラーが多いのは、無邪気さやかわいらしさを表現できるからです。


印象としてのパステルカラー

パステルカラーが与える全体的な印象は、**「やさしい」「安心」「かわいい」「清潔」**の4つにまとめられます。
このため、ターゲットに柔らかいイメージを届けたいときに最適なカラーなのです。


第5章|パステルカラーの対義語はビビッドカラー?


パステルカラーとビビッドカラーの違い

「パステルカラーの反対は?」と聞かれたら、もっともわかりやすい答えは 「ビビッドカラー」 です。

  • パステルカラー:淡くやさしい、白を多く含む色

  • ビビッドカラー:原色に近い鮮やかな色、刺激が強くエネルギッシュ

例えば「赤」で考えると──

  • パステル=ベビーピンク(やさしく淡い)

  • ビビッド=真紅(力強く鮮やか)

同じ色相でも、印象はまったく正反対です。


他の対義表現

実際には、色彩学ではいくつかの対比が存在します。

  • パステルカラー ↔ ダークカラー(明るい vs 暗い)

  • パステルカラー ↔ ディープカラー(軽やか vs 深み)

ですが、一般的に「パステルの反対」と言えば「ビビッドカラー」が最もよく使われ、広く理解されます。


心理的な印象のコントラスト

  • パステルカラー:安心感、親しみ、かわいさ

  • ビビッドカラー:情熱、元気、強さ

つまり、やさしさを強調したいときはパステル、インパクトを与えたいときはビビッド。この対比を意識して使うことで、デザインやファッションに明確な方向性を持たせることができます。


第6章|デザイン・ファッション・印刷でのパステルカラー活用


デザインでのパステルカラー

パステルカラーは、やさしさ・親しみやすさ・清潔感を表現できるため、広告やWebデザインで多用されます。

  • 化粧品やスイーツのパッケージ

  • 子ども向け教材やキャラクターグッズ

  • 春や初夏のキャンペーンサイト

こうした場面では、パステルカラーを使うことで消費者に「安心感」と「かわいらしさ」を直感的に伝えることができます。


ファッションでのパステルカラー

ファッションの世界でも、パステルカラーは春夏の定番トレンドです。

  • 全身コーデに使う:爽やかで季節感のある雰囲気に

  • ワンポイントで差し込む:シンプルなモノトーンにパステル小物を合わせると、やさしさと個性を両立

  • 他の淡色と組み合わせる:ミントグリーン×ラベンダーなどでフェミニンに仕上げる

パステルは「かわいい」だけでなく、組み合わせ次第で「大人っぽく上品」にも変化します。


印刷におけるパステルカラー

印刷の現場では、パステルカラーの再現は一筋縄ではいきません。

  • CMYKでは難しい:淡い色はインク濃度が低く、紙の質感に大きく左右される

  • 特色インクを使用する場合もある:正確に再現するために特別なインクを指定

  • 用紙選びが重要

    • マット紙 → 柔らかくナチュラルな仕上がり

    • コート紙 → 発色が良く、やや鮮やかに見える

つまり、デザイン段階から「どの紙に印刷するか」を考えておくことが成功のカギとなります。


第7章|まとめ:パステルカラーは“昔からの概念+近代の言葉”


概念は昔から、言葉は近代から

ここまで見てきたように、パステルカラーにはユニークな歴史があります。

  • 中世〜近世:「パステル」という画材が誕生し、淡い色が芸術表現に広く使われた

  • 18世紀ロココ時代:パステル的なやさしい色合いが、宮廷文化や肖像画のスタンダードとなった

  • 20世紀以降:「パステルカラー」という言葉が登場し、ファッション・デザイン・印刷業界で定着した

つまり、概念としては昔から存在していたが、言葉としては近代に生まれたのがパステルカラーなのです。


現代におけるパステルカラーの魅力

パステルカラーは今もなお、多くの場面で活用されています。

  • やさしい印象を与える色として、広告やパッケージに

  • 季節感やかわいらしさを演出するファッションに

  • 安心感と親しみやすさを生み出す医療や教育の現場に

その柔らかい存在感は、時代を超えて人々に好まれ続けています。


まとめ

パステルカラーとは、単なる流行色ではなく、歴史・文化・心理効果が重なって生まれた普遍的な色彩表現です。
やさしさ、安心感、かわいらしさを伝えたいときに最適な選択肢であり、今後もデザインやファッションの世界で欠かせない存在であり続けるでしょう。


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