PostScriptとは?意味・仕組み・歴史をわかりやすく解説|ポストスクリプト完全ガイド

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第0章|導入──あなたはすでにPostScriptを使っている


「PostScriptとは何か?」と聞かれて、すぐに答えられる人は多くありません。
なんとなく「印刷の専門用語?」「昔のパソコン用語?」と思う人がほとんどでしょう。

でも実は、パソコンを使っている人でPostScriptを一度も使ったことがない人はいないのです。


📄 身近なところに潜むPostScript

たとえば──

  • Wordで作った資料をプリンタで印刷したとき

  • Excelのファイルを「PDFに保存」したとき

  • IllustratorやPhotoshopでデザインしたデータを入稿したとき

こうした日常的な操作の裏側では、ほとんどの場合 PostScriptの仕組み が働いています。

つまり、あなたが意識していなくても、PostScriptはすでに生活の一部になっているのです。


🔑 PostScriptとは何か?意味を整理

ここで改めて「PostScript 意味」を確認しておきましょう。

  • 英語の「postscript」は「追伸」「あとがき」のこと。手紙の最後に「P.S.」と書く、あれです。

  • 技術用語としての「PostScript」とは、ページ全体を命令として記述し、プリンタや複合機に伝えるための共通言語

👉 つまり「ポストスクリプトとは?」を簡単に言えば、
パソコンから印刷機に送る“追伸メッセージ=命令書” なのです。


🖥️ 知らずに毎日使っているからこそ大切

「PostScriptとは?」を理解することは、単なる専門知識にとどまりません。

  • なぜPDFがどの環境でも同じ見た目になるのか

  • なぜWindowsでもMacでもAdobe製品が同じように動くのか

  • なぜオフィスの複合機で“画面のまま”印刷できるのか

そのすべての答えが、PostScriptの存在にあります。


✅ この記事では PostScriptの意味・仕組み・歴史 を深掘りしながら、なぜこの技術がDTP革命を生み、今も私たちのデジタル生活を支えているのかを解説していきます。


第1章|PostScriptとは?意味と定義


📖 PostScript 意味:追伸と命令書

まず「PostScriptとは?」という疑問に答えるために、その言葉の由来から見てみましょう。
英単語の「postscript」は、もともと 「追伸」「あとがき」 を意味します。手紙の最後に「P.S.」と書いて補足する、あれです。

一方、Adobeが開発した PostScript(ポストスクリプト)とは、印刷の世界で使われる「ページ記述言語(Page Description Language)」のことを指します。
これは文字・図形・画像といったページのすべてを数式や命令のかたちで記述するプログラミング言語なのです。

👉 つまり「ポストスクリプトとは?」をひとことで言えば、
パソコンから印刷機に送る“追伸メッセージ=ページの説明書”


🖋️ PostScriptとは印刷の共通言語

PostScriptが生まれる前、印刷の世界では「画面で見えるもの」と「実際に印刷されるもの」が一致しないことが当たり前でした。専用の写植機や版下作業に頼る必要があり、結果を確認するまでに大きな時間とコストがかかっていたのです。

そこに登場したのが PostScript
この「印刷の共通言語」があったからこそ、

  • パソコン画面で見たレイアウト(What You See)

  • 実際に印刷される結果(What You Get)

が一致する WYSIWYG(ウィジウィグ) が実現しました。


⚡ PostScript 意味を押さえることはDTPの理解につながる

「PostScriptとは何か?」を理解することは、DTP(デスクトップ・パブリッシング=パソコンによる印刷制作)の本質を理解することでもあります。
それは単なる印刷用語ではなく、Adobeが世界を変えるきっかけとなった基盤技術だからです。


第2章|PostScriptの仕組みをわかりやすく解説


⚙️ PostScriptの仕組みをざっくり言うと?

「PostScriptとは何か?」の答えをさらに深掘りすると、その正体は プリンタに対する命令書 です。
たとえば「この位置に文字を置く」「ここに円を描く」「この画像を配置する」といった指示を、プログラミング言語のように一行ずつ記述していく。それが PostScriptの仕組み です。

普通の人がWordやIllustratorを操作していても意識することはありませんが、裏側ではほとんどの場合、この「命令書=ポストスクリプト」が生成されています。


🖥️ 印刷の流れ:アプリからプリンタまで

  1. アプリでデータを作成
    WordやExcel、IllustratorやPhotoshopで文書やデザインを作る。

  2. プリンタドライバが変換
    作られたデータを PostScript命令 に翻訳。
    → 「ここにテキスト」「ここに画像」といったページの説明が命令化される。

  3. RIP(Raster Image Processor)が解釈
    複合機やプリンタの内部にあるRIPが、その命令を読み取り、ドット(ラスターデータ)に変換。

  4. 紙に印刷
    変換された情報がレーザープリンタやインクジェットの描画ユニットに送られ、最終的に用紙に印刷される。

👉 つまり **PostScriptの仕組みとは「画面の情報を数式と命令に翻訳し、それをRIPが解釈して紙にするプロセス」**なのです。


📄 PostScriptとPDFの違い

PostScriptは「命令書」、PDFは「完成した原稿」にたとえるとわかりやすいです。

  • PostScript → 「こう描け」という指令の集合

  • PDF → 「これが最終ページです」という状態を保存したもの

実際、PDFはPostScriptの考え方を基盤にしており、いまや両者は「印刷の共通言語」として切っても切れない関係になっています。


🌍 WindowsでもMacでも同じ結果になる理由

PostScriptはOSに依存せず、最終的に「共通言語」に翻訳されます。
だから Windowsで作ったPDFをMacで開いても同じ見た目。逆にMacで組んだInDesignデータをWindowsの印刷所に送っても、正しく印刷できるのです。

この「仕組み」を押さえると、なぜPostScriptがDTP革命の核心だったのかが理解できます。


第3章|歴史:AdobeとAppleが起こしたDTP革命


🚀 1980年代、印刷の世界はどうだった?

PostScriptが生まれる前、印刷の制作現場は大変でした。
文字を打つのは「写植機」、レイアウトは手作業で版下に貼り込み、イラストや写真は別工程で扱う。
仕上がるまでの工程が長く、コストも高く、「画面で見たものがそのまま印刷される」なんて夢物語だったのです。


🏛️ Adobeの誕生

1982年、ゼロックス研究所(PARC)を飛び出した ジョン・ワーノックチャールズ・ゲシキ が、Adobe Systemsを創業しました。
彼らの目標は、紙の時代にデジタルの力を持ち込み、印刷のあり方を根本から変えること。
その成果として生まれたのが、PostScript(ポストスクリプトとは印刷を記述するための共通言語) だったのです。


🍏 Appleとの運命的な出会い

1984年、Appleが「Macintosh」を発表。
グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を備えた画期的なパソコンは、デザインや印刷の世界にとって理想のツールでした。

そして1985年、Appleは LaserWriterプリンタにPostScriptを搭載
さらにAldus社(のちにAdobeが買収)の PageMaker というソフトが登場し、ついに「パソコンでページを作り、そのまま印刷する」という夢が実現しました。


💡 DTP(Desktop Publishing)の誕生

この三位一体の組み合わせ

  • Macintosh(GUI環境)

  • LaserWriter(PostScript搭載プリンタ)

  • PageMaker(組版ソフト)

が生んだのが DTP(Desktop Publishing=机上出版)革命 です。

👉 PostScriptとは、このDTP革命を技術的に可能にした「見えた通りに印刷する」ための言語。
これがなければ、いまの印刷やPDFの文化は存在しなかったと言っても過言ではありません。


🌍 世界が変わった瞬間

DTPは瞬く間に印刷・出版業界を塗り替えました。
デザイナーが自分の机の上(Desktop)で誌面を作り、プリンタでレイアウトを確認できる。
出版社や広告代理店は、制作スピードと精度を飛躍的に高めることができました。

ポストスクリプトとは「印刷の民主化」を実現した革命児
1980年代のこのブレークスルーが、今も続くAdobeの強さの源になっているのです。


第4章|AdobeがDTPの中心になった理由


💼 PostScriptで握った“印刷の共通言語”

「PostScriptとは?」を一言でまとめるなら、どんなパソコンやソフトを使っても“同じように印刷できる”共通言語
この技術を発明したのがAdobeだったため、印刷・出版の世界は自然とAdobeを中心に回るようになりました。

1980年代後半には、Canon、Xerox、HPなど多くのプリンタメーカーが、Adobeからライセンスを受けて PostScript搭載プリンタ を販売。
つまり、プリンタ業界そのものがAdobeの技術を使うしかない状況になったのです。


🖋️ フォントを支配したAdobe

PostScriptのもう一つの強みは フォント技術
Adobeは「Type 1フォント」を有料ライセンスで提供し、プロの出版・印刷現場に必須の存在となりました。
「ポストスクリプトとはフォントと切っても切れない関係にある」と言えるほど、文字組版の世界を支配したのです。

当時、AppleとMicrosoftは「TrueType」というライバルフォントを開発し、Adobeの独占に挑みました。これがいわゆる “フォント戦争”
しかしプロ市場では依然としてPostScriptフォントが主流となり、Adobeの地位は揺らぎませんでした。


🎨 Adobe製品が“標準”になった流れ

  • Illustrator(1987年)
    PostScriptの数式描画を直接扱えるツールとして誕生。ベクターデザインの標準に。

  • Photoshop(1988年買収)
    写真加工の代名詞に。印刷現場で必須ツールに。

  • InDesign(1999年)
    QuarkXPressを押しのけ、出版・広告のレイアウトソフトの中心に。

  • Acrobat/PDF(1993年〜)
    PostScriptを基盤に進化したPDFで「保存・配布・入稿」の標準を確立。

👉 こうしてAdobeは 「制作(Illustrator/Photoshop)」→「組版(InDesign)」→「出力(PDF/PostScript)」 までを一貫して押さえ、事実上DTPの全体を制御する存在になったのです。


🌍 “Adobeなしでは成り立たない”業界へ

結果として、印刷会社・デザイン事務所・出版社は「Adobe製品+PostScript対応環境」がなければ仕事にならないほど依存するようになりました。
つまり、ポストスクリプトとはAdobeがDTPの中心に立つための武器であり、今もその影響は続いているのです。


第5章|フォント戦争とPostScript


✒️ PostScriptとフォントの深い関係

「PostScriptとは何か?」を語るとき、避けて通れないのが フォントの話 です。
PostScript(ポストスクリプトとはページを命令で記述する言語)には、文字を美しく配置するための仕組みが最初から組み込まれていました。
それが PostScript Type 1フォント

このフォントはアウトライン(輪郭)を数式で定義しているため、拡大・縮小しても画質が落ちないのが特徴。
今日のベクターフォントの考え方の出発点であり、まさに「PostScript 意味=印刷の共通言語」の中核を担った技術だったのです。


⚔️ フォント戦争の勃発

ところが1990年代に入ると、状況が変わります。
AppleとMicrosoftが共同開発した TrueTypeフォント が登場し、Adobeの独占に挑戦したのです。

  • Adobe Type 1(PostScriptフォント)

    • 高品質・プロ向け

    • ライセンス料が高い

  • TrueType

    • OSに標準搭載

    • 無料で誰でも使える

この構図から、いわゆる 「フォント戦争」 が始まりました。


📰 プロ市場での勝者は?

一般ユーザーにとってはTrueTypeの普及でフォントが身近になり、WindowsやMacに標準搭載されることで文字の多様性が一気に広がりました。
しかしプロフェッショナル市場、特にDTPや出版の世界では、依然として PostScript Type 1フォント が信頼され続けました。

理由は単純。
👉 「PostScriptとは、印刷物を正確に制御するための仕組み」だからです。
印刷現場では「無料で使える」よりも「確実に刷れる」ことが重視され、PostScriptフォントの優位は揺らがなかったのです。


🔄 現代のフォント環境

2000年代以降、両者の技術を統合した OpenTypeフォント が登場しました。
これはPostScriptアウトラインもTrueTypeアウトラインも格納できる懐の広い仕様で、現在の業界標準になっています。
また、PDFへのフォント埋め込み機能によって、「どのパソコンでも同じ文字が表示・印刷できる」という環境が整いました。


✅ まとめ:フォントとPostScriptの切っても切れない縁

  • PostScriptとは、単なる印刷言語ではなく「フォントの時代」を切り開いた存在

  • フォント戦争を経て、Adobeは依然としてDTP市場の中心に残った

  • いま私たちが使うOpenTypeやPDFにも、PostScriptの遺伝子が生き続けている


第6章|PostScriptからPDFへの進化


📄 PostScriptの限界

1980年代後半、印刷の世界を支配したのは間違いなくPostScriptでした。
「PostScriptとは、印刷のための共通言語」という立ち位置を確立し、DTP革命をけん引しました。

しかし、PostScript(ポストスクリプトとはプリンタ向けの命令言語)には弱点もありました。

  • 命令の集合体なので、処理が重くなると時間がかかる

  • プリンタやRIPがなければ中身を確認できない

  • 完成したレイアウトを「そのまま保存・共有」する用途には不向き

これでは「印刷所で出すデータ」としては完璧でも、「社内で回覧する」「インターネットで配布する」などには向かないのです。


💡 Adobeが作った新しい答え=PDF

そこで1993年、Adobeは PDF(Portable Document Format) を発表しました。
これはPostScriptをベースにして、以下の改良を加えた新しいフォーマットです。

  • 完成形のページを保存できる(命令ではなく“結果”を持つ)

  • フォントや画像をファイルに埋め込み可能

  • OSやアプリに依存せず同じ見た目で表示できる

  • ネットワーク配布にも対応

👉 つまり 「PostScriptとは印刷機への言葉」 に対して、
「PDFとは人と人との間で同じページを共有するための言葉」 と言えるのです。


▶併せて読みたい記事 PDFとは?意味・仕組みを徹底解説|印刷・DTPからペーパーレスまで支える世界標準フォーマット


🌍 PDFの標準化と普及

その後PDFは進化し、印刷・保存の国際標準規格として採用されました。

  • PDF/X:印刷用の標準フォーマット(入稿用データで必須)

  • PDF/A:長期保存用フォーマット(官公庁・学術で利用)

  • PDF/UA:アクセシビリティ対応のフォーマット

今日、PDFは「誰でも見られる・印刷できる」ファイル形式として、ビジネスから出版、教育まであらゆる場面に浸透しています。


✅ まとめ:PostScriptからPDFへ

  • PostScriptとは「印刷機に命令を送る言語」

  • ポストスクリプトとは「画面と紙を一致させた革命の仕組み」

  • その延長にPDFが生まれ、「保存・共有・標準化」の役割を担うようになった

AdobeはPostScriptを基盤にしながら、PDFでさらに世界の共通フォーマットを手に入れたのです。


第7章|PostScriptが使われている身近な例


🖨️ オフィスのプリンタや複合機

あなたが会社や自宅で使っているレーザープリンタや複合機、その多くが PostScript対応 です。
「PostScriptとはプリンタにページを正確に伝えるための命令書」。だからこそ、複雑なレイアウトのPowerPointやIllustratorのデータも、画面と同じように紙に出力できるのです。


📄 PDFファイル

いまや誰もが日常的に扱う PDF
実はこれも PostScriptの思想を受け継いで生まれたフォーマット です。
PDFを開いたときに「WindowsでもMacでも同じ見た目」で確認できるのは、ポストスクリプトとは共通言語である という仕組みをそのまま取り入れているからです。


🎨 IllustratorのEPSファイル

グラフィックデザインでよく使われる EPS(Encapsulated PostScript)
これは「PostScriptを一つのファイルに封じ込めた形式」で、Illustratorの初期からプロの現場で活躍してきました。
👉 EPSとは「ポストスクリプトを直接保存したもの」と言えるくらい、密接な関係にあります。


📚 雑誌・広告・出版物の入稿

出版社や印刷所にデータを入稿する際、長らく PostScript形式やPDF/X が標準でした。
「PostScriptとは、入稿データが正しく印刷される保証」そのものだったのです。
今日でもPDF入稿の裏側では、ポストスクリプト的な処理が動いています。


💻 OSやプリンタドライバの裏側

実はWindowsやmacOSのプリンタドライバも、内部的にPostScriptを使っていることがあります。
ユーザーは意識しませんが、印刷ボタンを押した瞬間にPostScript命令が生成されているのです。


✅ まとめ:誰もが毎日使っている

  • オフィスのプリンタ

  • PDFファイル

  • IllustratorのEPS

  • 出版物の入稿データ

  • OSのプリンタドライバ

👉 これらはすべて PostScriptが日常生活に溶け込んでいる証拠
つまり、「PostScriptとは知らないうちに毎日使っている技術」なのです。


第8章|普通の複合機との違い


🖨️ 普通の複合機は“おおむね同じ”でいい

会社や学校で使う一般的な複合機は、たいてい PCL(Printer Command Language) や簡易的なPDF処理で動いています。
これでもWordの文書やExcelの表は「だいたい画面と同じ」に出力できます。
つまり「事務作業に支障がない範囲で揃えばOK」という考え方です。


🎯 PostScript対応機は“完全一致”が使命

一方で、広告や雑誌、カタログなどの印刷物を扱うプロ用プリンタやRIPは違います。
PostScriptとは、画面とプリントを“完全に一致”させるための仕組み
レイアウトの微妙なズレ、フォントの置き換え、色味の違い──こうしたトラブルを避けるためにPostScript対応が欠かせないのです。


📊 事務用 vs プロ用の違いを整理すると

  • 事務用複合機

    • PCLや簡易PDFで処理

    • 文字や表の印刷が中心

    • 多少のズレは気にしない

  • PostScript対応機

    • PostScript命令を正確に解釈

    • 写真・デザイン・レイアウト重視

    • 1mmのズレも許されない

👉 この違いが「普通の複合機とプロ用PostScript機の差」です。


🌍 誰でも触れるけどプロに必須

日常生活ではPCLでも十分ですが、出版や広告の現場ではPostScriptなしでは成り立ちません。
つまり、ポストスクリプトとは「一般には意識されないけれど、プロには不可欠な共通言語」 なのです。


第9章|AdobeとPostScriptの特許・標準化


🏢 Adobeが握っていた独占的ポジション

1980年代、**PostScriptとは「Adobeが開発した独自技術」**でした。
そのため、PostScriptを使うにはAdobeとライセンス契約を結ぶ必要があり、Canon・Apple・HP・Xeroxといった大手プリンタメーカーはこぞって契約しました。

つまり当初は、ポストスクリプトとはAdobeの特許と商標に守られたビジネスモデルだったのです。
これによってAdobeは、DTP業界で圧倒的な影響力を持つようになりました。


🌍 標準化への道

しかし、独占的な状況が続くと業界の発展は鈍化してしまいます。
そこでAdobeは徐々に仕様を公開し、他社が互換RIPを作れるようになりました。

  • 一部の特許は守られたまま

  • 仕様は公開され、業界全体で利用可能に

  • Adobe純正RIP以外にも、AgfaやGlobal Graphicsなどが開発を参入

結果として、**PostScript 意味=「業界全体の共通言語」**へと変わっていったのです。


📄 PDFの標準化

さらにAdobeは1990年代後半から、PostScriptの後継ともいえるPDFを国際標準化団体(ISO)に委ねました。

  • 2001年:PDF/XがISO規格に

  • 2008年:PDF自体がISO 32000として標準化

  • 今日:世界中で「公式な保存・配布の形式」として採用

👉 こうして、ポストスクリプトとは“独占から世界標準へ”進化した技術になったのです。


✅ まとめ

  • 初期:AdobeがPostScriptの特許と商標を独占

  • 中期:仕様を公開 → 互換RIPが登場

  • 現在:PDFとしてISO標準化 → 世界の共通フォーマットに

PostScriptはAdobeのビジネスの源泉でしたが、同時に「業界全体の共通言語」として標準化されることで、今も生き続けているのです。


第10章|WindowsでもMacでも同じAdobe製品が動く理由


💻 OSが違えば結果も違う…はずなのに?

通常、WindowsとMacはシステムの仕組みも内部の動作も異なるため、同じデータを扱っても細部がズレることがあります。
フォントの管理方法、色の扱い方、解像度の設定など、両者の違いは少なくありません。

ところがAdobe製品、たとえば Illustrator・Photoshop・InDesign などは、WindowsでもMacでも「ほぼ同じ見た目・同じ結果」を保証します。
その背景にあるのが PostScriptとは何か?という根本的な仕組み です。


📄 PostScriptが“共通言語”になる

「ポストスクリプトとは、OSを超えるための共通言語」でした。
Illustratorで描いたベクターデータも、InDesignで組んだレイアウトも、最終的には PostScript命令 に変換されます。

👉 つまり、

  • Windows版Illustratorで作成 → PostScriptに翻訳 → 印刷 or PDF化

  • Mac版Illustratorで作成 → PostScriptに翻訳 → 印刷 or PDF化

どちらも「PostScript 意味=命令書」に統一されるため、結果は同じになるのです。


🖋️ “Adobe製品=両OSで同じ”が信頼に

この仕組みのおかげで、DTP業界は「Adobe製品ならどちらのOSを使っても同じ成果物になる」という安心感を得ました。
これは、印刷会社やデザイン事務所がクライアントとOSの違いを気にせずやり取りできる土台にもなっています。

まさに ポストスクリプトとは、OSの壁を越えて世界をつなぐ“印刷の共通言語” だったのです。


✅ まとめ

  • OSは違っても、最終的にPostScriptに変換される

  • だからWindowsでもMacでも同じ結果が得られる

  • Adobe製品が両OSで愛される理由はここにある


第11章|最終的にすべてPostScript/PDFに収束する仕組み

📝 どんなソフトでも出口は同じ

Word、Excel、PowerPoint、Illustrator、Photoshop、InDesign──。
私たちは日々いろいろなアプリケーションを使って文書やデザインを作っています。
しかし、その成果物は最終的に PostScriptやPDF に変換されて出力されます。

👉 つまり「PostScriptとは印刷機に命令を伝えるための言語」であり、
「PDFとはその完成形を保存・配布するためのフォーマット」。
どちらも 出口の共通基盤 なのです。


⚙️ 仕組みをもう一度整理すると

  1. アプリで文書やデザインを作成

  2. プリンタドライバやPDF保存機能が PostScript命令に変換

  3. プリンタやRIPが解釈してラスタライズ

  4. 紙に印刷、もしくはPDFとして固定化

これが、どんなソフトを使っても最終的に同じ結果を保証できる仕組みです。


🌍 誰もがPostScriptを使っている

「自分はデザイナーじゃないから関係ない」と思うかもしれません。
でも、日常的に

  • 資料をプリンタで印刷した

  • 契約書をPDFで保存した

  • 学校や会社でレポートを提出した

これらほとんどの裏側で ポストスクリプトとは何か? が働いているのです。

👉 だからこそ冒頭で述べたように、パソコンを使っている人でPostScriptを使ったことがない人はいないのです。


まとめ:PostScriptとは“画面と紙をつなぐ共通言語”

  • PostScript 意味=プリンタにページを正確に伝える命令書

  • ポストスクリプトとは、OSやソフトの違いを超えて印刷結果をそろえるための仕組み

  • PDFはその発展形であり、保存や共有の標準フォーマットとして広く普及

  • 多くのアプリケーションで、最終的にPostScriptやPDFを経由して出力される仕組みが使われている

👉 PostScriptは「画面で見たとおりに紙へ届ける」ための基盤技術であり、いまもPDFを通じて私たちの日常に生き続けています。


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