段ボール印刷で細字やバーコードが太る?段目を抑えて品質を守る方法

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0章|導入:複合デザインの難しさ


段ボール印刷では、ベタと細い文字やバーコードが混在したデザインを扱うことが多くあります。
しかし現場では、「ベタをしっかり出すと細字が太る」「段目が目立つ」といった悩みが頻発します。
これは単なる印刷条件の問題ではなく、版の構造や特性にも深く関わる課題です。


1章|なぜ細字やバーコードが太ってしまうのか


細い線やバーコードは、版と紙が接触するわずかな力の変化で形状が崩れやすい部分です。
ベタ部分を濃く出すために印圧を上げると、細字部分にも同じ圧力がかかり、線が太ったり、バーコードが読み取り不良になることがあります。
さらにA段など段目がはっきりしたシートでは、版が凸部に引っ張られて線の太りや段目浮きが発生しやすくなります。


2章|段目の浮き上がりが起きる理由


段ボールはフルート(波形の芯材)の凹凸構造を持っており、表面紙の裏側には必ず段目があります。
ベタ部分はある程度の印圧でインキが全面に転移しますが、細かい網点や細字は段目部分で接触が不十分になり、逆に印圧を上げすぎると凸部で太りが強調されます。
これが「ベタは出るが段目が目立つ」という現象の原因です。


3章|品質低下を防ぐための版設計


この課題を解決するには、デザインの部位ごとに異なる特性を持たせた版構造が有効です。
特に、細字やバーコード部分は硬度を上げて変形を抑え、ベタ部分は柔らかめにしてインキ転移を確保する、といった工夫が効果的です。
こうした「部位別最適化」により、ベタと細字が混在していてもバランスよく印刷できます。


4章|高再現キャップ技術の効果


部位別最適化の一例として、三層構造の高再現キャップ技術があります。
細字やバーコード部分は硬いキャップ層で形を保持し、ベタ部分はインキが乗りやすい構造にすることで、同じ印刷条件でも以下の効果が期待できます。

  • ベタを出す条件でも細字の太りを抑制

  • 縦方向バーコードの読み取り精度向上

  • A段からE段まで段目の浮きを軽減


5章|想定される改善イメージ


例えば、A段でベタとバーコードが混在するパッケージデザインを印刷する場合、従来はベタ優先で印圧を設定するとバーコードが太りやすくなります。
部位別構造の版を使用すれば、ベタ濃度を確保しながら細字やバーコードの形状を安定させ、段目も目立ちにくくできます。
これにより、検品不良の減少や印刷条件変更の手間削減が期待できます。


6章|まとめ


複合デザインの品質低下は、印圧やインキ調整だけで解決できない場合があります。
版の構造をデザインごとに最適化することで、ベタと細字のバランスを保ち、段目の影響を抑えることが可能です。
当社では、旭化成「テナフレックス™-SR」液状感光性樹脂版を用い、高再現キャップ技術でこうした課題に対応しています。
ベタ品質と細字再現性の両立でお困りの際は、ぜひご相談ください。


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