段ボールの原料とは?構造・リサイクルの仕組みと環境にやさしい理由まで解説

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第0章|私たちの身近にある“紙の箱”は何でできている?


段ボールの原料は意外と知られていない

ネット通販の箱、引っ越しの荷物、スーパーの野菜売り場──私たちの生活には、段ボールが当たり前のように存在しています。
しかし、その段ボールが何から作られているのかを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。


環境に配慮された素材

実は、段ボールの多くは古紙を原料として作られています。
一度使われた段ボールや新聞紙などを回収・再生し、新しい段ボールへと生まれ変わらせる。
そのリサイクルの仕組みが、日本では世界でもトップクラスのレベルで機能しています。


この記事でわかること

このブログでは、段ボールの原料がどんな紙なのか、その構造と役割、そして環境にやさしい理由やリサイクルの流れまで、わかりやすく解説します。
読んだあとには、段ボールを見る目が少し変わるはずです。


第1章|段ボールの基本構造と原料の種類


段ボールは「ライナー」と「中芯」でできている

段ボールは、大きく分けると**平らな紙部分の「ライナー」**と、**波型の紙部分の「中芯」**という2つの層から構成されています。
ライナーは段ボールの表面と裏面にあり、外部からの衝撃や湿気から中身を守る役割を持ちます。
一方、中芯はライナーの間に挟まれており、波型(フルート)構造によって軽さとクッション性を生み出します。


ライナーの原料

ライナーには、見た目の美しさと強度が求められます。
そのため古紙パルプとバージンパルプのブレンドで作られることが多く、重量物や輸出用の箱にはバージンパルプの割合が高くなります。
使用される古紙としては、古新聞や段ボール古紙(OCC=Old Corrugated Container)が代表的です。


中芯の原料

中芯は軽量でクッション性が高ければ十分なため、ほぼ100%古紙パルプで作られるのが一般的です。
回収された段ボール古紙が主な原料で、繊維が短くなっても性能を発揮できるため、リサイクル材の有効活用が可能です。


紙以外の材料

段ボールの接着には、トウモロコシやジャガイモ由来のデンプン糊が使われます。
印刷には環境配慮型の水性インクが主流で、焼却しても有害ガスが出にくいというメリットがあります。


第2章|段ボールが環境にやさしい4つの理由


1. リサイクル率が非常に高い

日本の段ボールは回収率90%以上といわれ、世界でもトップクラスのリサイクル率を誇ります。
使用済み段ボールは古紙回収ルートで集められ、異物を取り除いた後に再びライナーや中芯の原料として生まれ変わります。


2. 原料の多くが再生紙

中芯はほぼ100%古紙、ライナーも古紙とバージンパルプのブレンドで作られます。
これにより森林資源の消費を抑えつつ、必要な強度と品質を確保できます。


3. 生分解性が高い

段ボールは紙製品なので、適切に処理すれば自然に分解され土に還ります。
プラスチックや発泡スチロールのように長期残留することがなく、環境負荷を低減できます。


4. 接着剤やインクも環境配慮型

段ボールの接着には植物由来のデンプン糊、印刷には水性インクが使われるのが一般的です。
焼却時に有害ガスが発生しにくく、製造から廃棄まで環境に配慮した設計になっています。


第3章|段ボールリサイクルの流れ


回収から再生までのサイクル

使い終わった段ボールは、古紙回収ルートを通じて集められます。
スーパーや物流倉庫、家庭の資源ごみ回収など、回収拠点は多岐にわたります。
集められた段ボールは圧縮され、古紙再生工場へと運ばれます。


工場での選別と異物除去

工場では、金属ホチキス・テープ・プラスチックフィルムなどの異物を除去します。
これにより、再生紙の品質が安定します。
特に防水加工や油汚れのある段ボールは、別処理または廃棄される場合があります。


パルプ化と製紙工程

きれいになった古紙は水と混ぜられ、繊維状のパルプに戻されます。
ここでインクや接着剤の微細な成分も除去されます。
パルプは再び紙の形に抄き上げられ、ライナーや中芯の原料として生まれ変わります。


繊維を最後まで使い切る仕組み

古紙を繰り返し再生すると繊維は短くなりますが、短い繊維でも中芯部分なら十分な性能を発揮できます。
こうして、段ボールは原料を使い切る循環型資源として機能しています。


第4章|リサイクルできない段ボールとは?


防水・耐油加工が施された段ボール

ワックスコーティングやフィルム貼りなどの加工がされている段ボールは、製紙工程で水に溶けにくく、リサイクルが困難です。
青果や冷凍食品の輸送に使われる防水段ボールは、その典型例です。


食品汚れや油染みがある段ボール

ピザや総菜など、食品が直接触れて油やソースが染み込んだ段ボールは、衛生面や品質面からリサイクルできません。
汚れのない部分だけを切り取って回収に出す方法もあります。


水に濡れた段ボール

雨や結露で湿った段ボールは、繊維が劣化して強度が落ち、再生紙として使いづらくなります。
乾かしても品質が戻らない場合が多く、リサイクル対象外となることがあります。


金属やプラスチックが多く付いている段ボール

ホチキスやプラスチックバンドなど、異物が大量についている場合も再生工程での負担が大きく、リサイクルの妨げになります。


第5章|まとめ:段ボールは“循環する資源”だった


原料から見えてくる段ボールの価値

段ボールは、ライナー中芯という二つの紙層からできており、その原料の多くが古紙です。
ライナーは強度と美観のために古紙とバージンパルプをブレンドし、中芯はほぼ100%古紙で構成されます。
この構造こそが、軽さと強さを両立させる秘密です。


環境へのやさしさ

高いリサイクル率(90%以上)、森林資源の節約、生分解性、そして環境配慮型の接着剤・インク。
段ボールは、製造から廃棄まで環境負荷を抑える仕組みを持った包装資材です。


循環型社会の中で

使い終わった段ボールは回収され、再び原料となって生まれ変わります。
繊維が短くなっても中芯として使い切ることで、資源を最後まで無駄なく活用できる──これが段ボールの強みです。


これからも物流の主役であり続ける

ネット通販や物流の拡大が続く限り、段ボールはなくなることはありません。
その背景には、**環境性と機能性を兼ね備えた“循環する資源”**という特性があります。
段ボールを手に取るとき、少しだけその原料とリサイクルの物語を思い出してみてください。


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