段ボールのフルートとは?Aフルート・Bフルート・Wフルートの違いと選び方を解説

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✅ 第0章|導入:段ボールの「中身」、ちゃんと知っていますか?


◾️ 見た目は同じでも、中身が違う?

段ボールといえば、どれも似たような茶色い箱に見えます。
でも実は、その**中身の構造(=フルート)**によって、厚みも強度もまったく異なります。

何を入れるか、どこに運ぶか、どんな環境で使うか──
そうした条件に合わせて、段ボールの“中身”はきちんと選ばれているのです。


◾️「Aフルート」や「Bフルート」って何のこと?

資材発注書や設計図で見かける「Aフルート」「Bフルート」などの文字。
実はこれ、段ボールの中にある波状の芯材(フルート)の種類を表しています。

この“波”の高さや密度によって、段ボールの緩衝性や強度、印刷のしやすさまで変わってくるのです。


◾️ 知っておくと、段ボール選びが変わる

たとえば──

  • 商品を守る緩衝性を重視したい

  • 箱の厚みを抑えてコストダウンしたい

  • 印刷の発色を良くしたい

そんなとき、フルートの種類を知っているかどうかで判断が変わります。
これは現場だけでなく、営業や資材担当者にとっても大事な基礎知識です。


◾️ この記事でわかること

この記事では、段ボールに使われる代表的なフルートである
Aフルート・Bフルート・Cフルート・Wフルートについて、以下のような内容をやさしく解説していきます。

  • フルートの構造とは?

  • 各種類の特徴と使い分け

  • 選び方のポイントと注意点

これを読めば、段ボールの“中身”が見えるようになります。


次章ではさっそく、そもそも「フルートとは何か?」から詳しく解説していきます。
中身がわかると、段ボール選びはもっと上手くなる──その第一歩として、どうぞ読み進めてみてください。


✅ 第1章|「フルート」とは?──段ボールの中にある“波”の正体


◾️ 段ボールは“3層構造”でできている

私たちが普段使っている段ボールは、ただの紙を折りたたんだものではありません。
実は、表面の紙(ライナー)と内側の波状の紙(フルート)を貼り合わせた三層構造でできています。

この真ん中の“波”が、段ボールの強さを決める**フルート(中芯)**と呼ばれる部分です。


◾️ フルートは段ボールの「クッション材」

波型になったフルートは、荷物にかかる圧力や衝撃を分散・吸収する役割を持っています。
たとえるなら、中空のバネが連なったような仕組みで、潰れにくく、衝撃にも強いのが特徴です。

このフルートがあることで、段ボールは「ただの紙」から「保護機能を持つ包装材」へと進化しています。


◾️ フルートの“高さ”と“密度”が性能を左右する

フルートにはいくつか種類があり、それぞれに**波の高さ(厚み)波の細かさ(密度)**が異なります。
つまり、フルートの種類ごとに「強度」「厚み」「印刷のしやすさ」などが変わってくるのです。

この違いを知ることで、用途に応じた最適な段ボールを選べるようになります。


◾️ フルートの主な種類は4つ

代表的なフルートには以下のような種類があります:

  • Aフルート:厚みがあり、衝撃に強い

  • Bフルート:薄くて他より印刷に適している

  • Cフルート:AとBの中間的な性質

  • Wフルート:フルートを2層重ねた“ダブル構造”

このあと、これらの違いや使い分けについて、図や表を交えて詳しく解説していきます。


次章では、Aフルート・Bフルート・Cフルートの具体的な違いを比較しながらご紹介します。
段ボールの種類を正しく理解することで、設計や調達の判断もぐっとラクになります。


✅ 第2章|Aフルート・Bフルート・Cフルートの違いを比較


◾️ フルートの種類で「厚み」も「強さ」も変わる

段ボールのフルートには、大きく分けて Aフルート・Bフルート・Cフルートの3種類があります。
これらは「波の高さ」や「波の細かさ」に違いがあり、それによって厚み・緩衝性・印刷適性などの性能が変化します。

つまり、どのフルートを選ぶかによって、段ボールの仕上がりやコスト、用途が大きく変わってくるのです。


◾️ それぞれの特徴をざっくり比較すると…

以下は、A・B・Cフルートの違いをまとめた表です。

フルート種類 厚み(mm)※目安 波の特徴 主な用途 特徴キーワード
Aフルート 約4.5〜5mm 高くて粗い波 割れ物・精密機器の外装箱 緩衝性・厚み
Bフルート 約2.5〜3mm 低くて細かい波 化粧箱・内装・軽量商品 印刷適性・コスト削減
Cフルート 約3.5〜4mm 中間のバランス 食品箱・家庭用電化製品 バランス・汎用性

※実際の厚みは紙質やメーカーによって前後します。


◾️ Aフルートは「守る箱」、Bフルートは「魅せる箱」

  • Aフルートは、波が大きく空間が広いため、衝撃吸収力が高いのが特徴。
    割れ物や精密機器など、輸送中に壊れやすいものを守る用途に向いています。

  • Bフルートは、波が細かく密集していて、表面が滑らか。
    印刷がきれいに出やすく、コストも抑えられるため、ギフト箱や什器、内装向けに多く使われます。


◾️ Cフルートは「AとBのいいとこどり」

Cフルートは、厚みも性能もAとBの中間を狙ったタイプです。
バランス型で汎用性が高く、最も幅広い分野で使われています。

  • 食品輸送用の段ボール

  • 家電製品や雑貨類の梱包

  • 流通系でよく使われる標準的な箱

など、多くの現場で「とりあえずCでいこう」と選ばれる、いちばん無難で実用的なフルートです。


✅ 第3章|Wフルートとは?──フルートを2層に重ねた段ボール


◾️ Wフルートの「W」は“ダブル”の意味

Wフルートとは、段ボールの中芯であるフルートを2種類組み合わせて重ねた構造のこと。
たとえば、Aフルート+Bフルートや、Bフルート+Cフルートなどがあり、波が2層になっているのが特徴です。

「W=ダブル」と呼ばれるこの構造は、段ボールの強度や保護性能をさらに高めたい場面で使われます。


◾️ Wフルートの構造と種類(AB・BCなど)

Wフルートは、以下のようにフルートの種類を組み合わせて構成されます。

種類 構造 厚み(目安) 特徴
ABフルート Aフルート+Bフルート 約7〜8mm 緩衝性と表面の滑らかさを両立
BCフルート Bフルート+Cフルート 約6〜7mm 強度と加工性のバランスが良い
ACフルート Aフルート+Cフルート 約8mm以上 高強度・重量物向け、やや厚め

それぞれの組み合わせには狙いがあり、中身の重さや輸送環境に応じて使い分けられています。


◾️ Wフルートが使われる場面

Wフルートは、通常の段ボールよりも厚く・重く・強いため、以下のような場面で活躍します。

  • 海外輸送・長距離配送(段積み・湿気対策も重要)

  • 重量物の梱包(飲料・精密機械・電動工具など)

  • 破損クレーム対策として強度を上げたいとき

また、2層構造で断熱性も上がるため、冷蔵輸送などでも採用されることがあります。


◾️ デメリットもある?厚み・重量・コストの注意点

Wフルートにはメリットだけでなく、以下のような注意点もあります:

  • 厚みがあるため、かさばる

  • 重量が増えるぶん、送料や資材コストも高め

  • 加工にやや手間がかかる(ミシン目・折り曲げなど)

そのため、必要以上にWフルートを使うと逆にコストアップや使いにくさにつながる可能性も。
「とにかく強ければいい」というよりも、用途に応じた適切な選定がカギです。


✅ 第4章|どう選ぶ?段ボールの種類ごとの使い分けと選び方


◾️ 段ボールの選び方に“正解”はない

A、B、C、W──ここまで段ボールのフルート構造を紹介してきましたが、
実際の現場では「どれが一番いいか」ではなく、**「どれが今の用途に最適か」**で選ばれるのが基本です。

大事なのは、中身・輸送環境・コスト・見た目などの条件を整理し、**最適な“バランス”**を見極めることです。


◾️ 商品の重さや配送距離で決める

条件 選びやすいフルート 理由
軽い・小さい商品 Bフルート 印刷がきれい・コスト低め
割れ物・精密機器 Aフルート or Wフルート 緩衝性・保護力が高い
中〜重量物 Cフルート or BCフルート 強度と扱いやすさのバランス
海外・長距離配送 Wフルート(AB/BC) 輸送中の潰れ・湿気に強い

これらはあくまで目安ですが、現場での判断材料として非常に有効です。


◾️ コストを抑えたいときの考え方

段ボールは、厚みや強度が増すほど資材コストが高くなり、梱包重量も増えるため、輸送コストにも影響を与えます。

「ある程度の強度は必要だけど、コストはできるだけ抑えたい」という場合には、Cフルートのようなバランス型や、BCフルートのような比較的扱いやすいW構造が効果的です。

また、内装材や仕切りなどで中の商品を補強し、箱本体は薄めに設計するという考え方も有効です。
段ボールは単体で判断するのではなく、梱包全体の構成や輸送条件を踏まえて選ぶことが、結果としてトータルコストの最適化につながります。


◾️ 決め手は「現場で使いやすいかどうか」

段ボールを選ぶとき、スペックや理論だけでなく、実際の使いやすさや作業性も大事な判断軸です。

  • 組み立てやすいか?

  • つぶれにくいか?

  • 保管スペースを圧迫しないか?

こうした視点を持つことで、より現実的で“ちょうどいい”段ボール選定につながります。


✅ 第5章|まとめ:フルートの違いを知れば、段ボール選びはもっと合理的になる


◾️ 段ボールは“ただの箱”じゃない

日常的に目にする段ボールですが、その中身を少し深掘ってみると、
Aフルート・Bフルート・Cフルート・Wフルート──と、想像以上に多くの種類と違いがあることがわかります。

しかもそれらは、見た目にはわからない“波”の形によって、厚み・強さ・印刷適性・コストまでも左右する。
つまり、段ボールは**使い方に合わせて中身を選べる「構造材」**なのです。


◾️ 「どれが正解」ではなく「どれが合っているか」

段ボールのフルート選びは、TPO(使う場面)に応じた“最適解”が変わります。

  • 軽さを優先したいのか

  • 衝撃に強くしたいのか

  • 見た目を重視するのか

  • コストとのバランスを取るのか

このように目的ごとに使い分けられる知識こそが、段ボール資材の現場で役立つ視点になります。


◾️ あなたの現場に“ちょうどいい段ボール”を

梱包設計や資材調達の最前線では、「高い=良い」ではありません。
段ボールは、その“中身”でこそパフォーマンスが決まります。

このブログが、段ボールを選ぶときの判断軸のひとつとしてお役に立てれば幸いです。


📌 記事のポイントおさらい

  • フルートとは?
    → 段ボール内部の波状構造。強度・緩衝性の源

  • A/B/C/Wの違い
    → 厚さ・波の細かさ・用途が異なる

  • 選び方のコツ
    → 重さ・輸送距離・印刷有無・コストで考える


今後、段ボールの種類を選ぶときに、
ふとこの「中身の違い」を思い出していただけたらうれしいです。


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