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「RGBとCMYKの色がなぜ違うのか?」は、デジタル画面と印刷物の両方を扱う人にとって長年の疑問です。
特に赤(R)とマゼンタ(M)、青(B)とシアン(C)は似ているのに、緑(G)と黄色(Y)がまったく違う色に見えるのはなぜでしょうか。
この理由は、光を扱うRGBとインクや顔料を扱うCMYKで、色を作る仕組みが根本的に異なるからです。私たちが目にする色は、光の性質と物質の性質が絡み合っているため、同じ色名でも見え方が異なります。
この記事では、RGBとCMYKの三原色の違いと、それが色の見え方にどう影響するのかをわかりやすく解説します。
第1章|RGBとCMYKの基本──光の三原色とインクの三原色の違い
RGBとは?
RGBは「赤(Red)」「緑(Green)」「青(Blue)」の光の三原色を基にした色表現方法です。スマートフォンやパソコンの画面は、これら3色の光を組み合わせてあらゆる色を再現しています。
RGBは「加法混色」と呼ばれ、色の光を重ねるほど明るくなり、すべての色が重なると白色になります。例えば赤と緑の光を混ぜると黄色が見えます。
CMYKとは?
CMYKは「シアン(Cyan)」「マゼンタ(Magenta)」「イエロー(Yellow)」に「ブラック(Key)」を加えたインクの色モデルで、主に印刷物に使われます。
CMYKは「減法混色」と呼ばれ、インクが光を吸収することで色を作ります。複数のインクを重ねるほど光の反射が減り、最終的には黒に近づきます。例えばシアンとマゼンタのインクを混ぜると青紫色に見えます。
RGBとCMYKの違いの根本原因
RGBは「光の色」を扱うのに対し、CMYKは「物質の色」を扱います。光は重なって明るくなる加法混色ですが、インクは光を吸収し合う減法混色です。このため、色の見え方や表現できる色の範囲(色域)が異なり、同じ色名でも見た目に違いが生まれます。
第2章|赤(R)とマゼンタ(M)はなぜ似ている色に見えるのか?
赤(Red)とマゼンタ(Magenta)は、一見違う色のように思えますが、実は色相的に近い仲間です。
RGBの「赤」は純粋な赤い光を意味し、波長は約620〜750ナノメートルの範囲にあります。一方、CMYKの「マゼンタ」は赤紫に近い色で、赤と青紫の中間の色相を持ちます。
マゼンタはインクとしては赤紫系の色ですが、印刷物で赤を再現する際にマゼンタが多く使われるため、肉眼では赤に近く感じることが多いのです。これはマゼンタが赤の成分を多く含む色だからです。
また、RGBは加法混色で光を重ねて色を作るため、赤の光は直接的に鮮やかで明るい色として感じられます。一方、CMYKは減法混色でインクが光を吸収しながら色を作るため、マゼンタは光の反射と吸収のバランスで赤紫寄りの見え方になります。
つまり、赤の光(R)とマゼンタのインク(M)は、色の性質や作り方は違っても、赤い色の印象を作るという点で近い色と認識されるのです。
第3章|青(B)とシアン(C)が似ている理由
青(Blue)とシアン(Cyan)は色相が近く、見た目もよく似ているため混同されやすい色ですが、その理由は光の三原色である青と、印刷の三原色であるシアンの成り立ちにあります。
青は波長約450〜495ナノメートルの純粋な光の色で、RGBの三原色の一つです。対してシアンは、緑と青の光が混ざった色に近く、CMYKの減法混色モデルで使われるインクの色です。シアンのインクは赤の光を吸収し、それ以外の緑と青の波長を反射します。
そのため、シアンは青よりも少し緑が混ざったような色味を持ちますが、実際の印刷では多くの場合鮮やかな青緑色として認識され、青に非常に近い色として視覚的に捉えられます。つまり、シアンは減法混色で青の光の成分を反射させる役割を果たしているのです。
このように、青(B)とシアン(C)は、光の加法混色とインクの減法混色という異なる仕組みながらも、視覚的に近い色として表現されています。
第4章|緑(G)と黄色(Y)がまったく違う色に見える理由
緑(Green)と黄色(Yellow)は、RGBとCMYKの三原色の中で最も印象が異なる組み合わせの一つです。赤や青とその対応色であるマゼンタやシアンが似ているのに対し、緑(G)と黄色(Y)は色相も明度も大きく異なります。なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。
まず、RGBの緑は純粋な光の三原色の一つであり、波長は約495〜570ナノメートルの範囲に位置します。これは人間の目が非常に敏感に反応する波長帯で、鮮やかで明るい緑色として認識されます。
一方、CMYKのイエローはインクの三原色の一つで、実際には赤と緑の中間色に近く、光の波長としては短波長の青色光を強く吸収し、長波長の赤と緑の光を反射します。結果として黄色として視覚に認識されるのです。
つまり、RGBの緑は「光の色」としての純粋な緑色であるのに対し、CMYKのイエローは「物質(インク)の色」としての黄色であり、波長の性質や混色の原理が異なります。そのため、両者はまったく異なる色として見えるのです。
また、減法混色のCMYKでは、イエローが反射する光の範囲が広く、明るく鮮やかな黄色を作り出す一方、加法混色のRGBでは緑の光そのものが独特の鮮やかさを持っています。この性質の違いも色の違いを際立たせています。
第5章|なぜ「RとM」「BとC」は似て見え、「GとY」は違うのか?──色は“引き算”で見えていた
赤とマゼンタ、青とシアン──これらは、画面(RGB)と印刷(CMYK)で“似た色”として扱われています。
一方で、緑と黄色だけはどう見ても違う。なぜこの差が生まれるのでしょうか?
答えは、RGBとCMYという2つの色の世界が、“まったく正反対の仕組み”でできていることにあります。
RGBとCMYは「加法」と「減法」──つまり、足し算と引き算の世界
RGBは光の三原色。「Red(赤)」「Green(緑)」「Blue(青)」の光を重ね合わせることで色を表現します。光を足せば足すほど明るくなり、3色すべてが揃うと白になります。
一方CMYは印刷インクの三原色。「Cyan(シアン)」「Magenta(マゼンタ)」「Yellow(イエロー)」は、光を**吸収(引き算)**して色を作ります。白い紙にインクを乗せると、インクが一部の光を吸い込み、残りの光だけが目に届くのです。
🎨 減法三原色CMYの吸収関係(重要)
インク | 吸収する光 | 残る(反射される)光 | 見える色 |
---|---|---|---|
シアン(C) | 赤(R) | 緑+青 → Cyan(青緑) | 青っぽく見える |
マゼンタ(M) | 緑(G) | 赤+青 → Magenta(赤紫) | 赤に近く見える |
イエロー(Y) | 青(B) | 赤+緑 → Yellow(黄) | 緑に見えない! |
この表を見ると、RとM(マゼンタ)、BとC(シアン)が近く見える理由は明確です。
マゼンタは「緑を吸収して、赤と青を反射する」→RGBの赤に近い色感
シアンは「赤を吸収して、青と緑を反射する」→RGBの青に近い色感
しかし、イエローだけは違います。イエローは「青を吸収し、赤と緑を反射」するため、緑の光とは根本的に異なる構造で成り立っているのです。
私たちが見ている色は、「吸収されなかった光」
ここが重要なポイントです。
私たちが見ている印刷の色は、そのインクが吸収しなかった光の“残りかす”。
たとえばマゼンタの上に白い光が当たると、インクは緑を吸収し、赤と青を反射します。その反射光が目に届くと、人はそれを“マゼンタ(赤紫)”として認識するのです。
言い換えれば、印刷の色は「吸収の記憶」であり、“どの光を削ったか”という引き算の履歴が視覚として立ち上がっているにすぎません。
では、なぜ「緑」と「黄色」は全然違うのか?
RGBの緑は、純粋な緑の光。波長は約495〜570nm、人間の目がもっとも敏感に感じるゾーンです。
一方CMYのイエローは、青を吸収し、赤と緑を“混ぜて”黄色にしているもの。
この混色結果は、純粋な緑の光とはまったく違う視覚刺激になります。
つまり、緑(G)は単独の光、黄色(Y)は複数の光の混合。
この違いが、見た目の“距離感”となって私たちの目に強く現れるのです。
🔚 まとめ:CMYはRGBを“吸収”して、もう一度RGBを見せている
CMYインクは、RGBの各光を正確に吸収することを目的に設計された三原色です。
それぞれが、人間の視覚の基準=RGBを“どう削るか”を基準に選ばれています。
-
**シアン(C)**は赤(R)の光を吸収し、青(B)と緑(G)を残す → 青緑に見える
-
**マゼンタ(M)**は緑(G)を吸収し、赤(R)と青(B)を残す → 赤紫に見える
-
**イエロー(Y)**は青(B)を吸収し、赤(R)と緑(G)を残す → 黄色に見える
つまり私たちが印刷物で見ている色とは、RGBのうち“吸収されずに残った成分”の反射光なのです。
それが結果的に、再びRGBのような色に見えている──CMYはRGBの引き算からRGBを再構成する道具なのです。
だからこそ、
-
赤とマゼンタ、青とシアンは“近い色”に見える一方で、
-
緑とイエローは“まったく違う色”として認識される。
それは色名の問題ではなく、**光の吸収と反射という“物理的なプロセスの差”**が、そう見せているのです。
つまり──今回の出発点だった「緑(G)と黄色(Y)はなぜ似ていないのか?」という疑問の本質は、
実はそもそも、「赤(R)とマゼンタ(M)」「青(B)とシアン(C)」が**“見た目が近いから対応している”という思い込み**にあった。実際のところ、CMYはRGBの色に“似せる”ための三原色ではなく、RGBの光を吸収するために選ばれた三原色であり、見た目の近さは偶然にすぎない。
だから「G=Yじゃないのはおかしい」と感じた違和感こそが、RGBとCMYの構造の本質を突いていた、というわけだ。
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