なぜ茶封筒は“失礼”とされるのか?白封筒との違いとマナーの正解を印刷会社が解説

\ ようこそ!新潟市の印刷会社「株式会社新潟フレキソ」のブログへ /よかったらぜひ、[当社トップページ](https://n-flexo.co.jp)もご覧ください!
名刺・チラシ・封筒・伝票からTシャツプリントまで、新潟市で幅広く対応しています。

第1章|茶封筒の“茶色”は、コスト・強度・環境性を兼ね備えた“合理的な色”だった!

一見すると地味に見える茶封筒ですが、その色には「漂白しないクラフト紙」という素材背景と、実用性を追求した歴史があります。

今回は、茶封筒がなぜ茶色いのか?から始まり、白封筒との違いやマナー面まで、印刷会社の視点でわかりやすく解説します。

正式名称は「クラフト封筒」

私たちが普段“茶封筒”と呼んでいる封筒の正式名称は「クラフト封筒」です。クラフト(kraft)とはドイツ語で「力・強さ」を意味し、その名の通り、高い強度と耐久性を持つ紙として知られています。

クラフト紙は木材を原料にした「化学パルプ」から作られ、繊維が長く、破れにくいのが特長。封筒のほか、段ボールや紙袋など、重量物を入れる包装材としても広く使われています。

クラフト紙の発明と封筒への応用

クラフト紙が発明されたのは19世紀後半。1879年、ドイツ系スウェーデン人技術者カール・F・ダール(Carl F. Dahl)が、木材を硫酸塩で処理して繊維を抽出する「クラフト法(sulfate process)」を開発し、現在のクラフト紙の原型が誕生しました。

それまで主流だった「亜硫酸パルプ法」よりも強靱な紙が得られたため、包装や工業用途で急速に広まり、日本でも昭和初期から茶封筒として定着していきます。

茶色の理由=漂白していないから

クラフト紙が茶色い最大の理由は、「漂白していない」ことにあります。木材の繊維をそのまま活かすため、薬品処理を最低限に抑えており、結果として木の色味が残った“ナチュラルな茶色”になるのです。

これはコスト面でも有利で、漂白や着色の工程を省くことで、製造コストを下げることができます。さらに環境負荷も小さく、近年ではSDGsの観点からも再評価が進んでいます。

茶封筒の茶色は、“安っぽさ”ではなく、“合理性”と“環境性”から生まれた色なのです。


このように、茶封筒=クラフト封筒は、強度・コスト・環境面に優れた実用的な存在です。見た目の印象だけで判断せず、その成り立ちや機能性に目を向けると、茶色の意味もガラリと変わって見えてくるのではないでしょうか。


🔶 第2章|白封筒との違いは?素材・印象・コスト面の比較


封筒選びにおいて、もっともよく比較されるのが「白封筒」と「茶封筒」。
一見すると色の違いだけに見えるかもしれませんが、素材・印象・コスト面での違いは明確です。
その違いを理解することで、「どちらを使うべきか?」の判断が格段にしやすくなります。


✅ 素材の違い|白封筒=漂白紙/茶封筒=未晒紙

白封筒は、漂白処理されたクラフト紙(晒クラフト)や上質紙を使用するのが一般的です。
紙が白いのは、薬品(代表的には次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素など)を使ってパルプを漂白する工程が加わるためです。

対して、茶封筒に使われるクラフト紙は漂白をしていない「未晒(みざらし)クラフト紙」
そのため、木材の天然色が残った茶色になります。漂白工程がない分、環境負荷が少なく、強度も高いのが特徴です。


✅ 印象の違い|白は「フォーマル」、茶は「実務的」

白封筒はその清潔感・端正な印象から、ビジネス文書や案内状、就活書類、礼状などフォーマルな場面で使われます。
“何に使っても失礼がない”万能さもあり、白封筒はTPOを問わず活躍します。

一方、茶封筒は実用性を重視したデザインで、社内文書や取引先との定型的やりとり、発送業務などで多く使用されます。
茶色い紙は汚れも目立ちにくく、日常的な文書処理に向いています。


✅ コストの違い|茶封筒はなぜ安い?

製紙工程上、漂白処理には薬剤・水・時間・エネルギーが必要です。
この工程が加わる白封筒は、当然ながら原価が上がります。

未晒クラフト紙を使う茶封筒は、漂白コストがかからない分だけ価格が安く、製造単価も低いのです。
印刷業界や紙製品取引における実務では、同サイズ・同厚みでも茶封筒の方が1割〜2割ほど安価な傾向があります(※一般的業務用仕入れ価格ベース/業界実感値に基づく)。

特に大量ロットで使用する場合、この価格差は無視できません。企業・自治体が茶封筒を選ぶ背景には、こうした合理的なコスト意識があります。


✅ 印刷適性にも差がある?

白封筒はインクの発色が良く、フルカラー印刷にも適しています。
写真入りの案内状やDMで使われるのもそのためです。

一方、茶封筒は紙色が濃いため、淡い色のインクが沈んでしまうことがあります。ただし、黒インクでのロゴや住所印刷には問題なく、レーザープリンターやオンデマンド印刷でも安定した出力が可能です。


✅ まとめ|違いを知れば、使い分けの判断は簡単

封筒の色は“見た目”の話に見えて、実は素材の加工・コスト・印象・印刷適性と密接に関わっていることが分かります。
単に「白がきれい」「茶は地味」といった印象で判断せず、用途・目的・相手に応じた選び方が求められます。


🔶 第3章|茶封筒は失礼?マナー違反?“使ってはいけない”のはどんな時?


「茶封筒を使うのはマナー違反では?」「白封筒のほうが丁寧なのでは?」
こうした“気になるけど誰にも聞けない”感覚を、あなたも一度は抱いたことがあるかもしれません。

結論から言えば、茶封筒を使ったからといって、即座にマナー違反になることはありません。
ですが、送る相手や目的によっては、その選択が誤解や違和感を与えるケースも確かに存在します。

では、どんな場面で“避けた方が無難”とされているのでしょうか?
以下に、印刷会社としての現場感も交えながら整理してみます。


✅ 茶封筒が「不適切」とされやすい代表的な3つの場面

1|就職活動・履歴書などの応募書類

新卒・中途を問わず、応募書類は白封筒を使うのが通例です。
白は「清潔感」「誠意」「公的な印象」を与えるため、採用担当者に好印象を与えやすいとされています。
茶封筒を使っても問題になるわけではありませんが、「配慮が足りない」と受け取られるリスクがあることは否めません。

2|弔事・慶事など、フォーマルな案内状

香典返しや法要のお知らせ、結婚式の招待状など、感情を大切にするシーンでは白封筒が好まれます。
実際、こうした場面では白がスタンダードとされており、茶封筒では「形式を軽んじている」と思われる可能性があるため、選択には慎重さが求められます。

3|初めての取引先や、印象を左右する場面

初めて送る見積書・契約書などでは、相手に「誠意ある対応だ」と思ってもらうことが最優先。
その意味で、白封筒の方が印象的に無難です。
茶封筒が悪いというよりは、「ちょっとした雑さ」に見えてしまう余地がある点に注意が必要です。


✅ 茶封筒=マナー違反と決めつけないでほしい

一方で、社内文書・ルーティンの請求書・納品書送付などには、茶封筒がむしろ合理的です。
耐久性があり、コスト面でも優れており、日常業務のスピード感にも合っています。

つまり、重要なのは色ではなく、**“その相手・目的にとってふさわしいかどうか”**という判断軸。
マナーとは本来、「相手の立場を考えること」であり、封筒の色を一律で判断するものではありません。


✅ 印刷現場からのリアルな声

当社では、茶封筒・白封筒の印刷を日々扱っていますが、最適な選択は**いつも“送り先によって変わる”**というのが実感です。

たとえば、長年付き合いのある取引先なら茶封筒でもまったく問題にならない一方、初対面の顧客や、礼儀が重んじられる場では白封筒が確実です。
「マナー違反だから使ってはいけない」ではなく、“どう見えるか”を想像して選ぶ力が、今の時代には求められています。


🔶 第4章|茶封筒はなぜ“茶色”なのか?紙の製造工程から探る真の理由


「そもそも、なぜ茶封筒は茶色なのか?」
多くの人が当たり前のように使っている封筒ですが、その色には明確な製造上の理由があります。

この章では、茶封筒の“色の正体”を、製紙工場の工程と紙素材の視点から解説します。


✅ 茶封筒の茶色は「漂白していない紙の自然な色」

結論から先に言えば、茶封筒の色は**「未晒クラフト紙(みざらしくらふとし)」と呼ばれる紙本来の色**です。
クラフト紙とは、木材パルプを硫酸や苛性ソーダで化学処理して作る「クラフトパルプ」を原料とした紙。
このうち、漂白処理(晒し)をせず、そのまま乾かしたものが“未晒(みざらし)クラフト紙”であり、茶色になるのです。

一方、白封筒に使われる紙(上質紙や晒クラフト紙など)は、このクラフトパルプを薬品で白く漂白する工程が加わっています。
つまり、茶封筒は「漂白されていない、より自然な状態の紙」であり、人工的な加工が少ないぶん、製造工程もシンプルで環境負荷が比較的低いという特徴があります。


✅ なぜ「漂白しない紙=茶封筒」が事務用に適してきたのか?

茶封筒の色は、たんに色味の好みで選ばれたわけではありません。
実用上のメリットが多く、事務用・業務用文書に最適な特性を持っていたからこそ、標準化していったのです。

● コスト面で安価

漂白工程が省略されるため、同じサイズ・厚さの白封筒と比べて原材料費・製造費が抑えられる

● 強度が高い

クラフトパルプは繊維が長く、未漂白のままなら繊維が傷みにくいため、封筒自体がしっかりしている
A4の書類や伝票を多く入れても破れにくく、郵送事故のリスクも減らせる。

● 業務書類に使いやすい風合い

茶色は「業務用らしさ」「公用感」を自然に演出できる色味であり、事務・総務・経理部門での使用に向いていた

つまり茶封筒の茶色は、単に「そういう色にした」わけではなく、紙の製造上の必然性と、業務用途における合理性が一致した結果なのです。


✅ 印刷会社からの視点|茶封筒=安かろう悪かろう、ではない

白封筒が「丁寧」「格式がある」とされる一方で、茶封筒が「安っぽい」と誤解されるケースもあります。
しかし、製造現場を知る私たちから見ると、それはむしろ逆です。

茶封筒は、漂白による化学的ダメージが少ないぶん、素材本来の強さと自然な風合いが活きている紙です。
クラフト紙の茶色には、「無駄を省いた実用美」とでも言うべき魅力があります。

最近では、SDGsの観点からも未晒クラフト紙が再評価されており、企業のブランディングでも「ナチュラル感」や「環境意識の高さ」を示すツールとして茶封筒を選ぶ事例も増えています。


🔶 第5章|白封筒との違いは“色”だけじゃない?素材・機能・印象を徹底比較


「茶封筒と白封筒、見た目の色が違うだけでしょ?」
そう思っていた方も、第2章や第4章の説明で“素材や製造工程からくる違い”を知っていただけたかと思います。
ここではあらためて、印刷会社の現場視点で、茶封筒と白封筒の**“最適な使い分け”**にフォーカスしてみましょう。

第2章では基本的な違いを紹介しましたが、ここでは実際の印刷現場の経験も踏まえ、**“どんな用途にどちらが向いているか”**を整理してみます。


✅ まずは紙の違いから:クラフト紙 vs 上質紙・晒クラフト紙

封筒の種類 主な紙素材 特徴
茶封筒 未晒クラフト紙 強度が高く、破れにくい。茶色は漂白していない自然な色。
白封筒 上質紙・晒クラフト紙 表面が滑らかで印刷適性が高く、白く美しい外観。

白封筒に使われる「上質紙」は、紙の表面が滑らかで、文字やロゴの印刷が鮮やかに出ます。
一方、茶封筒のクラフト紙は繊維が長く、折れや裂けに強いため、物理的な耐久性で勝ります


✅ コスト面での違い:実は白封筒の方が高コスト

白封筒は、紙の漂白・平滑処理に加え、印刷適性や見栄えを意識した製造工程が多く、単価も茶封筒よりやや高め
企業で大量に書類を送る場合、わずかな価格差でも累積コストに差が出ます

このため、社内文書・日常の帳票・取引先とのルーチン連絡などでは、合理性から茶封筒を選ぶ企業が多いのです。


✅ 印象の違い:シーンごとに選び分けるのが正解

封筒の種類 与える印象 適した場面
茶封筒 実務的・合理的・業務用らしい 見積書・請求書・納品書・資料送付など日常業務
白封筒 清潔・誠実・丁寧 応募書類・招待状・初めての取引・公式通知

印象面でも、白封筒は“丁寧さ”を求められる場面に適しています。
逆に、茶封筒を「安っぽい」と感じる方がいるのも事実ですが、使用目的に合致していればマナー違反ではありません。

要は、封筒の色だけで評価されるのではなく、**「どんな場面で、どんな相手に、どんな内容を届けるのか」**が選ぶべき基準です。


✅ 印刷のプロ視点:どちらも“最適解”がある

私たち印刷会社から見ると、茶封筒も白封筒も、どちらが優れているとは一概に言えません。
それぞれに素材の個性と用途に最適なシーンがあるからです。

たとえば、白封筒は名入れやカラー印刷がきれいに仕上がり、ブランディング重視の企業には好まれます。
一方、茶封筒は宛名印刷のみでも十分見栄えし、大量送付時のコスト削減や物流効率の面で強みを発揮します。


🔶 第6章|封筒の色はTPOで選ぶ。茶封筒否定派への答えはこれ!

TPO別 封筒の使い分け早見表(白/茶/用途別)

第3章でも触れたように、茶封筒は一律に“マナー違反”とされるものではありません。
大切なのは“送る相手と場面に合った選び方”をすること。ここでは、実際の用途別にTPOで選ぶ封筒の色の目安を整理しておきます。

用途 適した封筒の色 備考
弔事関連の書状 白封筒 マナー上、茶封筒は避けるのが一般的
お礼状・贈答の案内 白封筒 丁寧さ・清潔感が求められる文脈
履歴書・就活書類 白封筒 経団連・各種マナー本でも「白」が基本とされる
医療・法律・士業関係 白封筒 公的・権威性を重視する業界では白が多数派
社内連絡・見積・請求書類 茶封筒 経費削減・扱いやすさ優先。現場で最も普及している
商品発送用・納品伝票 茶封筒 丈夫で安価。現場での大量運用に適している
SDGs関連企業の社内便 茶封筒 環境配慮の観点から「未晒クラフト」を選ぶケースも増加中

このように、茶封筒は決して「マナー違反な封筒」ではありません。目的や相手との関係性、伝えたい印象によって選ぶのが正解なのです。


「封筒の色」ではなく「気配り」がマナーの本質

ビジネス文書における「封筒の色マナー」が注目される背景には、相手への配慮や丁寧さを大切にしたいという意識があります。しかしその本質は「白=正解」「茶=失礼」といった単純なルールではありません

例えば、お礼状を茶封筒で送ってしまっても、手書きの一言や、心のこもった内容があれば、好意的に受け取られることも多いのです。逆に、白封筒を使っても、内容がずさんだったり、誤字脱字が多ければ印象は悪くなります。

つまり——
“封筒の色がマナーのすべてではなく、その選び方・使い方に「気配り」があるか”が大切なのです。

これこそが、「茶封筒はマナー違反」という一部の意見に対する本質的な答えです。相手と目的にふさわしい選択をすること=真のマナー。それを実現するための知識と判断力が、今のビジネスパーソンに求められているのです。


✅ まとめ|“白=正解”ではない時代へ。茶封筒をどう使いこなすか

茶封筒に「失礼」「マナー違反」といったネガティブな印象を持たれる理由は、決して茶色という色そのものではなく、それがどんな文脈・相手に対して使われたかという「TPOのずれ」によるものです。

本記事で紹介した通り——

  • 茶封筒の正式名称はクラフト封筒であり、1879年にCarl Dahlが発明したクラフト紙の系譜に由来

  • 漂白の有無・コスト・強度・環境性など、白封筒との構造的な違いが明確にある

  • 失礼とされる場面はあるものの、全体の約8割以上のビジネス書類には茶封筒が使われている

  • マナーとは「色」ではなく「気配り」であり、相手に対する目的意識をもった選択が鍵

茶封筒は単なる「安い封筒」ではなく、コストと実用性に優れ、環境意識の高まりにもマッチした合理的な選択肢です。
一方、フォーマルなやりとりでは白封筒が求められるように、TPOに応じて適切に選ぶことが、これからのビジネスマナーの本質と言えるでしょう。

“色に迷ったら、相手にどう見られるかを考える”。この視点が、茶封筒をうまく使いこなす最大のヒントです。
たとえ目立たなくても、相手を支える力がある——そんな茶封筒の実用美に、改めて光を当ててみませんか?


\株式会社新潟フレキソは新潟県新潟市の印刷会社です。/

あらゆる要望に想像力と創造力でお応えします!

封筒印刷のことならお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームへ

会社概要はこちら

事業概要はこちらから

新潟フレキソインスタグラムのバナー

↑オリジーではTシャツやグッズを作成してます!インスタで作品公開してます!


🔗関連リンクはこちらから

封筒の歴史と進化完全ガイド|世界と日本のルーツから現代の役割までやさしく解説【永久保存版】

はがきの歴史|官製はがき・年賀状の起源と150年の進化を印刷会社が解説

宛名ズレ・透けを防ぐ!窓付き封筒の折り方・入れ方・注意点を完全ガイド

【完全保存版|角2封筒とは】A4対応サイズ・切手代・郵便料金・書き方・横書きマナーまで全網羅!2025年最新ガイド

長3封筒とは?サイズ・切手・書き方・重さまで完全ガイド|新潟の印刷会社がやさしく解説

角形2号とは?なぜ“2号”?封筒サイズと番号の謎を徹底解説!

C判とは?A判を包む封筒サイズの国際規格を新潟の印刷会社が詳しく解説|角形封筒との違いもわかる

窓付き封筒のすべて|サイズ・窓位置・宛名の書き方・マナー・印刷・購入方法・リサイクルまで

わら半紙とは?なぜ学校で使われ、今は消えたのか|コピー用紙との違いも印刷会社が解説

窓付き封筒の歴史|アメリカで誕生した“宛名が見える”仕組みの発明と普及の理由

朱書きとは?封筒・履歴書・訂正・使い方まで完全ガイド【印刷と郵便のマナー対応】